歯磨きにかける時間の理想はどのくらい?平均的な時間を知ろう!食後すぐは逆効果なの? 

きちんと歯磨きをしないと虫歯や歯周病になる。「そんなの知ってるよ当たり前じゃないか!」と思いますが【正しい歯の磨き方・磨き時間】について考えたことはありますか?食後に毎回きちんと歯磨きをしているつもりでも、効果が無いばかりか、悪影響を及ぼしていることもあるそうです。

今回は、毎日付き合っていかなければならない歯磨きについて【正しい歯磨きの仕方】【効果的な歯磨きにかける時間】を中心にお伝えしていきます。虫歯や歯周病、知覚過敏などを防ぐことはもちろん、歯茎(歯肉)の健康を含めたお口全体の問題です。

間違った歯磨きは逆効果

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食後、歯ブラシに歯磨き粉をつけてきちんと歯を磨いているつもりでも、その効果は人によって様々です。それは何故なのでしょうか。

どの様に磨いているのか、どれくらい磨いているのか、気にしたことはありますか?特に考えず何気なく磨いていた方は、これを機会に毎日の歯磨きを考えてみましょう。

歯の磨き方

私たちは虫歯にならない様に、小さい頃から食後にはきちんと歯を磨くようにと教えられます。

その方法も【歯の隙間に合わせて縦にブラッシングするのが良い】【歯に沿って横に小刻みにブラッシングするのが良い】など様々に言われてきました。その度「そうなのか~」と思い取り入れてみたりしますが、TVで言われていることが歯医者さんや局で違うこともありますよね。一体どれが正しいのか・・・。

その方法ばかりに注目しがちですが、目的は【歯や歯ぐきを傷つけずに歯垢(しこう・プラーク)や食べカスを落とすこと】です!目的をきちんと認識していれば、方法だけに囚われずに済みます。歯並びや大きさは様々なので「ここは縦に磨いた方が磨きやすいな」「ここは斜めに動かした方が磨きやすいな」と、自分にあった方法に気付くきっかけにもなります。

歯磨きが逆効果にならないように

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きちんとブラッシングの時間を取っていても、正しく磨かなければ歯や歯茎を傷つけてしまい、虫歯や知覚過敏(歯がしみる)の原因になってしまいます。

力を入れすぎない

歯を綺麗にしたいからと、力を入れてシャカシャカと気持ちのいい音を立てて磨きすぎるのは、歯の表面や歯茎を傷つけている可能性があります。

歯ブラシの毛先を歯の表面へ直角に軽く当てて「シャッシャッ」と軽い音がするくらいで問題ありません。歯ブラシを強く押し当てると、毛先が寝てしまった状態になります。毛の側面を押し当ててゴシゴシ磨くことになるので、歯の表面は傷つきますし、細かい隙間にブラシが届かず、磨き残しの原因になります。

小刻みに毛先で磨く

歯ブラシの毛先だけで磨く様に意識をすると、毛先が歯の表面の凹凸や隙間に届きやすく、磨き残しを減らす事ができます。また、大きくゴシゴシと動かすよりも、小刻みに移動しながら磨く方が傷が付きにくく、満遍なく磨けます。

歯ブラシは指全体で握る様に持つのでは無く【親指・人差し指・中指】の三本で鉛筆を持つ様に軽く持ちましょう。歯に毛先を強く押し当てないように、手首と指のスナップで軽快に磨く様に気をつけて下さい。

歯茎と歯の境目の歯周ポケットの汚れも落としておくと、歯周病予防になります。毛先を少し傾けて、歯周ポケットに毛先を入れるような感じで軽~くブラッシングしましょう。

歯ブラシと歯磨き粉

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様々な種類の歯ブラシと歯磨き粉があります。どのような基準で選べば良いのでしょうか。

歯ブラシ選び

磨けている気分になるし長持ちしそうなことから、ついつい毛の太い硬めの歯ブラシを選んでしまいがちです。しかし、硬めの歯ブラシは歯や歯茎に細かい傷をつけます。細かい傷に食べかすや歯垢が残りやすく除去し辛くなるので、虫歯予防の為には毛先の細い柔らかいブラシを選びましょう。

ヘッド(歯ブラシの毛が付いている部分)の大きさも様々にありますが、奥歯の細かい部分に届きやすい【先端がやや細めになっているヘッドが小さめの歯ブラシ】がお勧めです。

●電動歯ブラシ

歯に軽く当てるだけで細かく振動して磨いてくれる、電動歯ブラシもお勧めです。数百円~2万円前後まで幅広く発売されているので、選ぶのが大変かもしれません。硬くて太い毛先がついていて、ただ一方向に動くだけの電動歯ブラシであれば、手磨きの方が隅々まで磨ける様に感じます。全体を電動歯ブラシで磨き、細かい仕上げは手磨きするという方法もあります。

手では出せない小刻みな振動で、力を入れなくても勝手に食べかすや歯垢が落ちていくような電動歯ブラシであれば、購入する価値はあるでしょう。音波ブラシや超音波ブラシとして発売されているので、興味のある方は専門店や歯科医院で相談してみて下さいね。

歯磨き粉選び

歯磨き粉にもタイプがあり【ペースト状】【ジェル状】【液状】など様々です。また、研磨剤の有無や、フッ素が添加された物などがあります。基本的には水ブラッシングで大体の汚れは落ちますが、お口の中の状態に合わせて賢く歯磨き粉を利用しましょう。

●研磨剤入り

煙草を吸う方や着色が気になる方は研磨剤入りの物を選ぶと良いでしょう。研磨剤も歯や歯茎を傷つける原因になりますから、優しく磨いて下さいね。

●発泡剤入り

ペースト状の物は発泡が強い物が多く、発泡しているので磨けた気分になって磨き残しをされる方が多いです。小豆粒1個~2個程度の量で十分効果がありますので、一番は磨き残しの無い様にする事を意識して下さい。

発泡が強いとどこを磨いたか分かりにくい・磨きにくいという方は、歯磨き粉の量を減らすか、低発泡の歯磨き粉を使用してみましょう。

●フッ素で再石灰化・虫歯予防

フッ素は歯の再石灰化(唾液による歯の自然治癒)に良いとされ注目されています。初期虫歯であれば再石灰化で回復が見込めるそうなので、虫歯予防の為にフッ素入りの歯磨き粉を使用するのもお勧めです。

キシリトールや薬用ハイドロキシアパタイトも再石灰化に効果があると言われていますので、普段の歯磨きや水ブラッシングの仕上げ磨きなどに使用すると良いでしょう。

食後すぐに歯磨きをしてはダメなの!?

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私たちは小さい頃から「ご飯(おやつ)を食べたらすぐに歯を磨きなさい!」と言われ続けてきました。

しかし、ここ10年~数年の間に「食べてすぐ歯磨きをしてはいけない、30分経ってから磨かないと歯が溶ける」という情報を耳にするようになりました。一体どうすれば良いのでしょうか?

日本小児歯科学会の見解

日本小児歯科学会が「学会からの提言」として、食後の歯磨きについて見解を示しています。それによると、この噂の根拠になった実験は実際に行われているが、通常の歯の状態を対象にしたものではなく、エナメル質の内側にある象牙質を対象にしたものだそうです。

通常、私たちの歯の表面はエナメル質に覆われていますから、この実験の結果がそのまま当てはまるものではないということでした。また、食後の口中に食べかすや糖質が残っていることで虫歯菌などの細菌が酸を作り出し、再石灰化の阻害や侵食に繋がる事もある為、食後すぐの歯磨きを推奨しています。

酸蝕歯を対象とした実験

酸蝕症(さんしょくしょう)や侵蝕症(しんしょくしょう)と呼ばれる病気に罹患した歯を【酸蝕歯(さんしょくし)】と言います。噂の根拠となった実験は、この酸蝕歯を対象したものとされており、罹患されていない方は食後すぐに歯磨きをして虫歯予防をした方が良いとのことでした。

定期検診時などに、歯科医や歯科衛生士などから特に注意を受けた場合は、指示通りに従って下さい。

歯磨きにかける時間は何分間?

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皆さんは歯磨きにどれくらい時間をかけていますか?磨けば磨くほど良いのでしょうか?適切な歯磨きにかける時間を見ていきたいと思います。

歯垢(プラーク)や食べかすを落とすためのブラッシング

歯磨きの目的は歯垢や食べかすをしっかり除去し、虫歯や歯周病を予防することにあります。ですから、3分磨いても10分磨いても、歯垢や食べかすが除去されていなければ意味がありません。【歯磨きが逆効果にならないように】の項目でも挙げた正しいブラッシングをすれば、3分~5分程度で十分に効果が得られるそうです。

早く終わらせようとすると力が入りすぎてしまい、歯や歯茎に傷をつけているのに歯垢は落ちていないという状態になります。優しく毛先でブラッシングをするように心がけて下さい。研磨剤入りの歯磨き粉を使用する場合は、より傷付きやすくなっているので注意してください。

夜はデンタルフロスで念入りに

歯ブラシの手磨きだけでは、歯間の歯垢は落としにくいとされています。睡眠中は唾液の分泌が減り、ムシ歯になりやすい状態です。夜は、歯磨き後にデンタルフロス(糸状のつまようじ)で、歯の側面に付いた歯垢を落としておきましょう。デンタルフロスでのお手入れも加わりますので、夜の歯磨きタイムは10分~15分程を目安にして下さい。

薬局・ドラッグストアや歯科医院で購入できます。商品に使い方の説明が記載されていますので、使用方法を守って正しく使いましょう。歯垢をしっかり落とすことで、口臭の予防にもなります。

状態に合わせて歯間ブラシでのケアも取り入れる

加齢などで歯茎が痩せたり下がったりしてくると、歯と歯の間が広くなりがちです。そういった場合は、歯間ブラシと呼ばれる小さなブラシでお手入れする事をお勧めします。いくつかのサイズが販売されていますので、歯間の隙間に合ったものを選びましょう。

抜歯後ブリッジを被せて治療されている方は、デンタルフロスを通すことが出来ません。歯間ブラシで歯間根元の歯垢を除去する必要があります。歯間ブラシは歯間の根元の歯垢を除去しやすい反面、歯がくっついている部分の歯垢は除去しにくいです。歯のくっついている場所は、デンタルフロスでお手入れしましょう。


これらのケアを全て行うと15分~20分程はかかってしまいます。早く終わらせたいと雑になってしまい、歯や歯茎を傷つけてはもったいないです。是非丁寧に行うように気をつけてください。

歯を磨く順番を決めて効率アップ

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いつも適当に歯磨きをしていると、磨き残しの原因になります。

「あれ?ここ磨いたかな?」と無駄に時間をかけてしまうことになります。磨く順番を決めておいて、効率良く磨き残しの無いようにしましょう。

磨きにくい所から磨く!

磨きにくい所や、忘れがちになる場所から磨きましょう。磨き残しになりがちな歯の裏側や、四隅の奥歯から磨くようにすると磨き残しが減ります。ご自身で忘れがちになる場所や、磨きにくいと思う場所(八重歯の裏側など)があれば、そこから磨くように決めて下さい。

前歯は簡単に見える場所ですし、皆さん比較的にきちんと磨かれていると思います。そういった場所は最後の仕上げに磨くようにすれば問題ありません。いつも意識するのは大変かもしれませんが、自分がどこを磨き残しがちか気付くことも大切です。

そもそも歯を磨けているってどれくらい?

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磨き残しの無いようにするのが良いと分かっていても、そもそもどれくらい磨けばいいの?

歯の表面がザラつく

歯の表面を舌でなぞってみるとザラザラする場所がありませんか?そういった場所には、歯垢が残っている可能性があります。歯の裏側はなぞりやすいですが、前歯側の表面も舌を大きく動かしてなぞってみて下さい。大きく舌を動かすことで、表情筋のストレッチや唾液分泌向上の効果もあります。

ザラつく場所があればもう一度ブラッシングしてみましょう。取れない場合は、歯垢や歯石が固くこびりついている可能性があります。歯医者さんで歯垢・歯石の除去をしてもらいましょう。自分で無理に取ろうとすると、歯や歯茎を痛めるおそれがあります。

歯垢染色液(歯垢染め出し液)を使う

歯医者さんで歯を赤く染められたことはありませんか?歯を磨いたあとに歯垢染色剤を使うことで、磨き残しを発見することが出来ます。磨き残しがあると歯垢が赤く着色され、目で確認することが出来る状態になります。100均やドラッグストアなどで、口腔内を見る為の小さな鏡の付いた棒が売られています。鏡で、歯の裏側の磨き残しもしっかりチェックしておきましょう。

歯垢染色剤は通販で購入できます。面倒であれば、歯医者さんでお願いをしましょう。

歯の為に良い事・予防歯科

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ここまでご紹介したのは、全て歯の健康を守る為の内容です。

永久歯は抜けてしまうと、もう二度と生えてきません。他にも、歯の健康を保つために良いとされている事をご紹介したいと思います。いくつになっても、自分の歯で美味しい料理を食べ、楽しくお喋りをしましょう!

どうしても歯を磨けない時

外出先や、洗面台が無いなど、食後に歯を磨けない状況ってありますよね。そんな時、少しでもムシ歯予防になることってあるのでしょうか?

●水やお茶で口をゆすぐ

とにかく出来るだけ、お口の中に食べかすや糖質が無い状態を作りましょう。酢の物や梅干しなど酸性の物を食べた後はお口の中が酸性に傾き、歯のミネラルなどが流出しやすくなっています。糖質の入っていない水やお茶で口をゆすぎ、酸性の食べかすなどが残らないようにしましょう。

●キシリトールガムを噛む

キシリトールガムはスーパーなどでも売られていますが、キシリトールの含有率が少ないと言われています。歯科医院でキシリトール含有率の高い歯磨きガムを購入し、数個持ち歩くと安心です。噛むことにより、唾液の分泌も促されます。また、口腔内が酸性に傾くのを予防する効果も期待できます。

●ティッシュやペーパーブラシで磨く

使い捨て歯ブラシを買いたくない時や磨く場所が無い時は、ティッシュを指に巻いて軽く磨くと、多少の汚れは落とす事ができます。また、ペーパーブラシやペーパー歯磨きといった名称で、歯を磨く専用のペーパーが市販されています。磨けない機会が多い方は、持ち歩いてみてはいかがでしょうか?

●吐き出せる場所がある時は、デンタルリンスを使う

おやすみ前の歯磨き仕上げにも効果的なデンタルリンスには、殺菌効果や抗菌効果がある物もあります。お出かけ用の小さなタイプも販売されていますので、磨けなさそうな時は購入しておくと安心です。

定期検診を受ける

一生懸命ケアをしても、個人では限界があることもあります。初期の虫歯に気づけず、悪化させてしまうこともあります。そんなことが無いように、年に2回~3回程、歯の定期検診を受けるようにしましょう。日頃のセルフケアが正しく行われているか再確認することもできます。疑問などがあれば、定期検診の時に先生に尋ねるようにしましょう。

しつこい歯垢や歯石の除去・フッ素コートなど、歯科医院でないと難しい事もあります。

まとめ

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☑磨き残しの無いようにする(磨く順番を決める)

☑食後すぐに歯を磨く

☑すぐに磨けない時には口をゆすいだり、ペーパー歯ブラシを使う

☑毛が柔らかく、ヘッドの小さな歯ブラシを選ぶ

☑状態に合わせてデンタルフロス(糸ようじ)なども使う

☑口腔内を酸性に傾けない

☑定期検診を受ける


いかがでしたか?毎日行わなければいけない歯磨きですが、使う道具や方法で、効果も変わってくることが分かりました。長く検診を受けていない方は一度検診を受け、今の状態を把握した上で、治療や予防歯科に努めましょう。

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これらを読んでおきましょう。

  
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