口内炎を潰すのは逆効果!正しい治し方と予防方法を知ろう!

一度形成されると1-2週間にかけて精神的ストレスをもたらす口内炎は、とても厄介なものです。食事をする際にしみたり、作業中に気になって集中できなかったりと、日常生活に様々な支障を来します。早期治癒を試みるために、あるいは気になりすぎてつい、潰してしまおうと考える方も少なくないはずです。

しかし、口内炎を潰すことは効果的ではなく、むしろ逆効果的であることはご存知でしたか?潰さずに口内炎を早期治癒する方法とはどのようなものが挙げられるのか、本記事にてご紹介します。

口内炎の原因

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口は常に外部と接触している部位であり、呼吸、食事、発話などを行う際に細菌やウイルスが入り込んで付着するリスクに晒されています。入り込んだ細菌やウイルスによって口の中の粘膜に炎症が発生し、口内炎となります。

また、スナック類や魚の骨などによる負傷、歯と歯の噛み合わせが良くないこと、ビタミン及びミネラル不足、精神的ストレス、そして病気も口内炎の原因です。

口内炎は口内で免疫力が低下している箇所にできやすい傾向があります。

口内炎は潰して良いのか

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口内炎は潰してしまえば痛みから早く解放され、すぐに治ると考えてしまいがちです。しかし、口内炎を潰すこと早期治癒に効果的ではありません。下記のような理由から、口内炎は決して潰すべきではありません。

口内炎は潰すと細菌やウイルスの進入口が大きくなり、より多くの細菌やウイルスが進入する結果、悪化してしまいます。また、口内炎を潰すことによって口内に細菌やウイルスが拡散して別の箇所に新規に口内炎が発生してしまう恐れがあります。

実際に、口内炎を潰してしまって以来唇をめくるだけでも激痛を感じるようになり、別の箇所に口内炎が新たに形成され、治療期間が長引いた方もいます。

口内炎の悪化を防ぐため、可能な限り患部には触れないようにしましょう。

口内炎の対処方法

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口内炎の対象方法を紹介します。

病院で治療してもらう

口内炎を一刻も早く治癒したいのであれば、病院へ行き、医師による治療を受けることを推奨します。訪れるべき科は一般的に、歯科、皮膚科、口腔外科、内科などです。どの科でも治療は行っていますが、病院によって口内炎が治療対象となっていない場合がありますので、病院へ向かう前に電話で確認を取っておきましょう。

病院では主に対処療法が実施されます。口内炎にステロイド剤などの軟膏を塗布します。塗布した軟膏は飲食物の摂取や唾液の分泌などの影響によって剥がれてしまうため、一日に何度も塗り直す必要があります。

耳鼻咽喉科や歯科では患部を焼くレーザー治療や高周波治療を実施しており、これらの治療には即効性が期待できます。患部にレーザー照射し、熱エネルギーによってタンパク質を凝固させて患部を閉ざすという方法です。治療時間は5分程度と、とても早いです。とても魅力的な治療法ですが、保険適用外となるため治療費はかさみます。

1,000円以下から5,000円程度の見積もりです。それでも、口内炎の痛みや煩わしさがすぐに消えてなくなる上に、副作用がないというメリットがあるため、検討の価値は十分にあると言えるでしょう。

自己対処する

痛みを和らげたいときには、ステロイド系の塗り薬を塗布しましょう。ステロイド系の塗り薬は病院でもよく処方されるもので、強力な抗炎症作用を持ち、一部の口内炎用市販薬がこの種に該当します。口内炎は何らかの理由があって口内で増殖した細菌やウイルスを退治しようとする、白血球の免疫細胞のはたらきによって発生します。この免疫細胞の働きを制御することによって痛みを和らげる効果があるのがステロイド系の塗り薬です。

しかし、ステロイド系の塗り薬は細菌やウイルスの増殖を抑制する作用はないため、薬の効果がなくなると免疫細胞が細菌やウイルスへの攻撃を再開し、再び痛み出します。したがって、ステロイド系の塗り薬を用いる前に、歯磨き、フロス、うがい薬を用いたうがいを行うことによって口内をきれいにしておくことが望ましいです。

歯磨きをする際に歯磨き粉がしみてしまう場合は、歯磨き粉を使用しなくても良いです。うがいは喉をガラガラさせるのではなく、患部を洗浄するイメージを持って口内でブクブクさせることが大切です。起床後、食後、就寝前など、一日に何度もうがいをしましょう。口内に細菌やウイルスが多く存在していると口内炎の治癒が遅くなってしまうため、常にきれいにしておくことが重要です。

ステロイド系の塗り薬はとても頼りになりますが、塗布が推奨されない口内炎もあります。それは、カンジダ性口内炎やヘルペス性口内炎などのウイルス性口内炎です。ステロイド系の塗り薬によって免疫力が低下すると、感染が拡大する恐れがあります。ウイルス性口内炎には抗菌剤や抗ヘルペス剤が効果的です。口内炎の種類によっては、医師の判断を仰いで適切な処方をする必要があることを覚えておくと良いでしょう。

ステロイド系でない市販薬の塗り薬は主に殺菌・消炎成分を含有する塗り薬です。この種の塗り薬は患部を殺菌し、細菌やウイルスの増殖を抑制します。

飲み薬を用いた自己対処方法

口内炎ができるということは口内の粘膜が健康的ではなくなっているということを意味します。

したがって、塗り薬以外の自己対処方法として、皮膚や粘膜の健康維持に貢献するビタミンB2やB6を摂取することが多いです。いずれのビタミンも、摂取量が不足すると口内炎ができやすくなってしまいます。ただし、ビタミン剤は一度体内に吸収された後に全身へ効果を与えるため、口内炎に直接的な治癒をもたらすものではないということを留意してください。

ビタミン剤の摂取によって口内炎の治癒効果が期待できるのは、ビタミン不足が原因で口内炎ができてしまった人のみです。ビタミン剤を摂取しても口内炎が治らない場合はビタミン不足ではない他の原因で口内炎が形成されていること考えられるため、治療法を変更してみましょう。

病院へ行くべき場合

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通常は1, 2週間程度で治る口内炎ですが、2週間が経過しても治らない場合は口腔がんに罹患している可能性があるため、病院へ行って医師に診てもらうことが望ましいです。

口腔がんとは口内炎とよく間違われやすいがんで、日本国内で年間6,000人が罹患し、うち3,000人が死亡したという報告があります。口腔がんは早期発見されやすいがんですが、認知度が高くないため程度が大きくなるまで放置されてしまう場合が多いです。

初期症状では、食べ物の咀嚼時に痛みや違和感があります。しかしながら、痛みが軽度であるために口内炎と勘違いされやすいのです。がんが進行すると痛みは次第に強くなり、舌が動かしづらくなる、話しづらくなる、食べづらくなるといった症状が現れ始めます。

口腔がんの最大の原因はタバコとアルコールです。喫煙者の口腔がん発症率は非喫煙者よりも7倍高く、死亡率は約4倍です。アルコールを摂取時の喫煙は、タバコが含有する発がん性物質がアルコールによって溶解されて口腔粘膜を刺激するため、リスクが非常に重くなります。

口腔がんは虫歯を長期間放置したり、欠けた歯を放置したり、合わない入れ歯を長期間使用したりするなど、慢性的な刺激が原因です。口内は常に清潔にしておくことを心がけましょう。

口内炎の予防

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口内炎の予防方法を紹介します。

飲食物に気を配ること

ビタミン不足が原因の口内炎を作らないためには、普段からバランスの良く取れた食生活を心がけることが大切です。

積極的に摂取すべきものは、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCです。豚肉などに多く含まれるビタミンB2は、皮膚、粘膜、髪の毛、爪の健康を維持します。魚に多く含まれるビタミンB6は、脂肪代謝、免疫機能の維持に関わり、皮膚や粘膜を正常に保つ効果があります。ピーマンやレモンに多く含まれるビタミンCは、コラーゲンの合成により皮膚を正常に保ち、出欠を防止する作用があります。

ビタミン剤やサプリなどによって摂取すると、より良い効果が期待できます。

一方、控えるべきものはアルコール、タバコ、そして糖分の多いお菓子などで、これらは摂取したビタミンを破壊してしまいます。アルコールにはいくつかの種類がありますが、中には体内のビタミンを奪うものがあり、過度な飲酒の翌日に口内炎が形成されやすくなります。刺激の強い香辛料、熱い食べ物、濃い味の食べ物は傷口を刺激し、痛みを発生させてしまいますので注意しましょう。

規則的な生活を送ること

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疲労や風邪などによって免疫力が低下したり、夜更かしのしすぎによって睡眠不足になったりすると口内炎ができやすくなります。疲労が多く蓄積する前にしっかりと体を休めたり、睡眠の時間帯を固定したりして、健康の維持に努めましょう。生活環境の変化は精神的ストレスになりやすいので、適度に気分転換することを意識しましょう。

口内環境を整えること

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口内の常在菌の増殖によって口内炎が形成されることがあるため、口内を常にきれいにしておくことが重要です。

毎食後に歯磨きとうがいをして、可能な限り口内を清潔にしておきましょう。歯磨きをする際には口内の粘膜を負傷させないように気をつけてください。

口内は乾燥すると免疫力が低くなり、口内炎になりやすいです。ですので、水分補給をして口内に水分を与えたり、飴やガムによって唾液を分泌させたりして対策しましょう。

まとめ

口内炎の原因

  • 免疫力の低下
  • ビタミン不足
  • 食べ物による負傷
  • 病気

口内炎を潰すことの是非

  • 悪化する恐れがあるため、潰すべきではない

治療方法

  • 病院で対処療法あるいはレーザー療法によって治療する
  • 販の塗り薬などで自己対処する

予防方法

  • 常に清潔な口内環境を保つ
  • バランスの取れた食生活を心がける

以上が本記事のまとめです。清潔な口内を保つこととバランスの取れた食生活を心がけることは、口内炎の予防だけではなく心身に様々な良い影響をもたらします。予防に気を配っていても口内炎が形成されてしまった場合、潰したくなる気持ちを抑えて適切な対処を行うことに努めましょう。

  
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