スマートフォンやパソコンをついつい使いすぎてしまって、肩が凝ってしまう事がありますね。「マッサージをしてもあまり効かない…」という方もいるかもしれませんね。
あまりにも肩がこりすぎてしまい、歯の根っこの部分が痛くなってしまうという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。肩こりと歯の痛みには関連性がある場合もあります。
一体どんな関係性があるのでしょうか。今回、肩こりをしている時に歯痛がする事について、原因や症状、解消法などをご紹介します!
肩こりってそもそもなんなの?
肩こりってそもそもなんなのでしょうか。考えた事はありますか?「ただ肩が重いな」と感じたら肩が凝っている事になるんでしょうか。
実は肩こりは、筋肉が緊張し、縮んで固くなった状態の事をいいます。例えば携帯を目に近づけるという動作をしたとしましょう。その際に、身体側に腕を引きますよね。腕を引くと、上腕二頭筋に力が入り、これは縮みます。
つまり、肩が凝った状態は腕をずっと身体側に引いている状態と同義になり、これを筋肉が緊張している状態といいます。
この事から、肩こりは肩の周囲の筋肉がこの緊張状態のままになってしまう事をいいます。
何処の筋肉が緊張しているの?
では具体的には肩こりが起きている時は、どの筋肉が緊張しているのでしょうか。主に緊張してしまう筋肉として、「僧帽筋」と「肩甲挙筋」が挙げられます。何処の筋肉なのか、名称だけだと分かりづらいかもしれませんね。
僧帽筋は背中側の首付け根当たりの存在する筋肉で、肩甲挙筋が身体の胸部側、つまりは前側にある筋肉です。場所としては、所謂「首筋」と言われる箇所に肩甲挙筋は存在します。この筋肉の近くにはリンパ腺もとおっており、緊張状態にあると、老廃物の排出もうまくいかなくなります。
また、ボーリングの球位の重さのある人間の頭を支えている筋肉が緊張することによって肩こりが起きてしまい、眼精疲労を起こし頭痛に繋がるケースも珍しくありません。
他にも緊張する事によって肩こりを起こしてしまう筋肉はありますが、主な肩こり原因の筋肉としてはこの2つの筋肉が挙げられます。
肩こりって何が原因なの?
では一体肩こりの原因とは何があるんでしょうか。原因としては、主に3つに分類することが出来ます。
1つ目は原因疾患のない、ストレスや姿勢の悪さ、目の疲れ、運動不足による肩こりです。
2つ目は整形外科疾患による肩こりです。具体的な疾患名を挙げると、変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、肩関節周囲炎、顎関節症、頸肩腕症候群等が挙げられます。
3つ目としては、虫歯や親しらずのような歯医者、歯科関連の病気或いは症状からの肩こりが起きる事もあります。
4つ目は、整形外科と歯科疾患以外の疾患に伴って起こる肩こりが挙げられます。具体的な疾患名では、心筋梗塞、心臓病、高血圧症、狭心症、貧血、更年期障害、うつ病等で肩こりを訴えるケースがいくつか報告されています。
今回は1つ目の原因疾患のないものと2つ目の顎関節症、4つ目の心筋梗塞を例に、ご説明します。3つめに関しては、情報量が多いため後述にてご説明します。
原因疾患のない肩こり
普段や仕事中にスマートフォンやパソコンをいじっている間は、どうしても首が下を向いてしまいます。画面を凝視し続ける事により、目に疲れが溜ってしまいます。
また、パソコンを操作する時であれば腕を前に出す為、肩が前かがみになりますよね。この姿勢を長時間とってしまうと、頭を支える首から肩にかけての筋肉に負荷がかかります。悪い姿勢が続くと、頭が体の軸からずれて外れてしまいます。この状態で頭を前に倒さないようにするには他の肩と背中の筋肉が支える必要があります。
これらの事により、血行も悪くなってしまい、スムーズに血液が流れなくなってしまいます。このような原因によって、肩こりと歯痛が起きてしまう事が多いと言われています。
頭が体の軸からずれるとどうなるの?
頭が体の軸からずれていようがいなかろうが、首と下あごは舌骨筋という筋肉で繋がっています。この舌骨筋群で繋がっている事により下あごは後ろ側(顎を引くと言われる状態)に引っ張られます。
これによって、下あごがわずかにずれるという事が起きます。この下あごには当然の如く、歯が乗っていますね。下あごに乗っている歯も顎のズレに応じて一緒に後ろへずれてしまいます。
この下の歯のズレにより、上の歯とのかみ合わせに変化が生じてしまいます。これによって、歯が浮いているような違和感を感じたり、虫歯でもないのに痛みを感じてしまう事が起こります。この状態の事を顎関節症とも呼びます。先述の整形外科疾患の1つですね。
心筋梗塞
「なんで心筋梗塞が肩こりや歯痛と繋がるの?」「ただの肩こりだし関係ないでしょう」と思うかもしれませんね。実は、深い関係があるんです。
まず、心筋梗塞のメカニズムからご説明します。
心筋梗塞ってなんで起きるの?
名前はよく聞く疾患であっても、そもそも何故起きるのか考えた事がない病気かもしれませんね。簡単に言うと、心臓の筋肉に栄養を与える冠状動脈という血管に血栓ができて、詰まる事により発症する心疾患の1つです。
「血栓」という、皮膚にできるかさぶたのようなものがあります。通常であれば、これは自然に消滅しますが、仕組みが上手く働かなったり、血管が狭くなる事によって血栓が血管をふさいでしまう事があります。
これにより、心臓に血液を送る血管が詰まってしまうと、心臓に酸素や栄養が行きわたらなくなり、血流が止まってしまいます。血流が再開しない限り、5-6時間以内に心臓の筋肉が壊死してしまいます。このようなメカニズムによって心筋梗塞は発症します。
心筋梗塞と肩こりにどんな関係があるの?
「心筋梗塞のメカニズムはわかったけれど、なんで肩こりと関係があるの?」と思う事でしょう。実は、この疾患、神経が関係しているのです。
痛覚を司る神経は、脊髄をとおって脳に痛みを感じさせるという事はご存知でしょうか。想像がつかないという方は、いきなりあついものに触れた事を想像してください。指先が熱いものに触れると、とっさに指をひっこめますよね。その際、指先から神経を伝って脳へ、「熱い」という感覚を伝えています。
このようにして、神経は脳へ「熱い」「痛い」のような感覚を伝えています。心筋梗塞によってダメージを受ける心臓には、これらの神経が非常に多く存在し、非常に複雑な構造になっています。
心臓内の神経が複雑な事によって肩こりが起きるの?
心臓内には非常に多くの神経が存在します。実は、心臓の神経は歯や肩の神経と複雑にまじっています。心筋梗塞によって、ダメージを受けている心臓の箇所によっては、神経が混乱してしまい誤った情報へ脳へ伝達してしまう事があります。分かりやすく言うと、心臓の誤作動といったところでしょうか。
これによって、本当は心臓が痛いのに、歯や肩がいたいといった、誤った情報を脳に伝えてしまう事があります。このような過程で心筋梗塞によって肩こりや歯痛が起きてしまう可能性も少なからずあるという事、是非記憶にとどめておいていただけたらと思います。
肩こりは生活習慣病や、他の要因によっても肩こりが発生する可能性もあるのでただの肩こりと思わず、迷ったらまず病院へ行ってみる事が求められます。
肩こりと歯痛にはどんな関係があるの?
さて、姿勢や整形外科疾患によって、或いは心筋梗塞等の症状として肩こりが存在するという事はおわかりいただけたのではないでしょうか。肩こりと歯痛が同時に起きる事も多く、「肩が凝るから歯が痛くなるのか?」それとも「歯が痛いから肩が凝るんだろうか?」とこの関連性に悩んだりする事もあるかもしれません。実は、どっちもあり得る事なのです。
では、肩こりと歯痛はどのような関係があるのかというご説明をさせて頂きます。
肩こりが原因で歯痛が起きる?歯痛が原因で肩こり?
さて、実際どっちが正しいのでしょうか?実はこれ、両方ありえるんです。「歯痛から肩こり」「肩こりから歯痛」というように、それぞれに症状が影響し、その結果肩こり或いは歯痛を発症することがあります。それぞれのケース毎にご紹介しましょう。
肩こりから歯痛が起こる理由
肩こりから歯痛が起きる際に最も考えられる理由としては、「姿勢の悪さ」が挙げられます。肩こりの原因の1つとして、先述でご説明しましたね。悪い姿勢が続くと、頭が体の軸からずれて歪んでしまいます。
この状態で頭を前に倒さないようにするには他の肩と背中の筋肉が支える必要があります。また、頭や首が前に傾いた姿勢を続ける事によって下あごが後ろに引っ張られた状態のままとなり、かみ合わせに変化を生じ歯が痛むという事が起きます。
また、運動不足や寒さによって肩や首の血行が悪化する事によっても肩こりを生じ、そこから先程の流れと同様に歯痛を発症するという事があります。
歯痛から肩こりが起きる理由
歯痛から肩こりが起こる原因は、「左右何れかに偏った噛み方」をしている事が原因として挙げられます。
ご飯を食べる時には口の中で、歯で噛み砕いてから食べますよね。歯が痛い時には食事をすると、左右どちらかに偏って咀嚼になりがちな傾向が強いですね。しかし噛む時に使う筋肉は肩や首と繋がっており、偏った噛み方をする事によって筋肉のバランスが崩れてしまいます。これにより、顎や首、肩などに負担がかかり、肩こりが起こりがちになってしまいます。
肩こりと歯痛が同時に起きた場合はどうしたらいいの?
肩こりによって起こる歯痛、歯痛によっておこる肩こりがあるという事は先述にてご説明しました。では両方痛くなってしまった時はどうしたらいいのでしょうか。一般的には、病院へ行かなければいけない場合とセルフケアでどうにかなる場合があります。一体、どんな時にはどの対応をするのがよいのでしょうか、分類してご説明します。
病院へ行くべきな場合の症状
まず最も最初に挙げられるのは「虫歯」を自覚している場合です。
口を開けて鏡を見たら目視できる位の虫歯がある場合は早急に歯医者へ行き治療しましょう。歯の治療と共に肩こりがなくなったという経験を持つ人は非常におおいです。
また、心臓付近に痛みを感じる場合は心筋梗塞の部分でご説明したように心臓に異常が起きている可能性があります。心筋梗塞でなくても、狭心症や他の心臓に関する病気を発症している可能性もあるため、循環器科や内科へ行く事をお勧めします。
セルフケアで対処可能な場合の症状
虫歯じゃないのに歯が痛む、或いはデスクワークを行った後やスマートフォンを使用した後にのみ歯痛がする場合、歯が浮いているような感覚を覚えた際はセルフケアで対処が可能です。
これらの症状は、筋肉が緊張し肩がこっていることにより血管やリンパの流れが滞っている事により起きる症状です。先述したようなストレッチをする事によってある程度症状の緩和に繋がります。もしそれでも症状が緩和されない場合は整体院等へ行ってみる事もよいと言われています。
とはいえ、目視しただけでわからない虫歯や歯周病等の可能性もあります。歯痛が激しい際には、一度歯医者へ通院してみる事を推奨します。
肩こりを解消するためにはどうしたらいいの?
肩こりを解消するためには、どのような対策をしたらよいのでしょうか。簡単な解消方法としてストレッチやマッサージ等のセルフケアはよく聞きますよね。その場しのぎの応急処置として、ロキソニンのような即効性のある鎮痛剤、或いは頭痛薬等の薬を飲む事によって、しのぐ人も多いのではないでしょうか。
セルフケアで簡単に改善してしまう場合が多いですが、鍼灸院や整体院へ行って芯から治療する事が求められます。整体や鍼灸で治療を行いつつ、ストレッチ等を行う事によって根本からの治療と日々のケアが可能になるので身体をいたわる意味では、実行して頂きたいところですね。
では一体、自分でやる際にはどんなストレッチをしたらよいのでしょうか。
肩こりにお勧めなストレッチとは?
肩こりにおすすめなストレッチとして、「肩甲骨ストレッチ」が挙げられます。肩甲骨とは、私たちの背中にある肩と腕をつなぐ骨の事をいいます。肩甲骨の周辺には、首や肩等の上半身を動かす筋肉が重なり合っています。
つまり肩甲骨の動きが悪くなると、肩こりにつながる可能性があります。それを防ぐ為のストレッチとして、「肩甲骨はがし」のストレッチがあります。
このストレッチはもともと整体院で開発されたものであり、1日2-3回数分行うだけで肩甲骨の動きをスムーズに、血行を良くしてくれるため肩こりを防ぐ事と解消する事にも効果があります。以下のような人は、肩甲骨はがしのストレッチがお勧めです。
肩甲骨はがしをした方がいい人はこんな人!
- 姿勢がよくない(猫背とよく言われる)
- 常に肩に重みを感じる
- 背中の対角線上で自分の左右の手を繋げない。
- 直角に曲げた腕の両肘をつけて、水平以上の高さに挙げる事が出来ない
このような方へは、肩甲骨はがしのストレッチをする事が求められます。
肩甲骨はがしのストレッチってどんなもの?
まずは肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を確認しましょう。先程、「背中の対角線上で自分の左右の手を繋げない。」という項目がありましたね。これを行い、どのくらい手が重なる、或いはどのくらいの位置に手があったかをチェックしましょう。
左右の肘を曲げて、手のひらをそれぞれの肩の上に置きます。そしてその状態で肩を前と後ろに5回ずつ回します。
左右の肘を旨の高さで曲げます。その状態から、両腕を横から真上に伸ばし、腕を下します。
この時、背筋をしっかりと伸ばし、前かがみにならないようにしましょう。この後に、肘を曲げたまま、状態をひねっていきます。左右それぞれ、捻られる所まで捻ってください。
次に両腕を後ろで組み、出来るだけ腕を上げていきます。これも先程と同様、背筋を伸ばして行いましょう。そしてそのまま上体を左右にひねります。
ここで最初の、左右で肘を曲げ、肩を回す事を行います。これで肩甲骨はがしは終了です。ここで、最初に行った肩甲骨周りの柔軟性チェックを行います。左右の腕を後ろに回して上下に回して上下に組み、手の重なり具合を最初と比較してみましょう。
ツボ押しとかって実際どうなの?
先述にあるようなストレッチもいいですが、手軽にできる物としてツボ押しもありますね。押し方としては、指の腹を素肌に直接当てて行います。ただしツボの位置や刺激の強弱によって指の腹先で抑えるか、指の腹全体で抑えます。
肩こりのツボとしては、「百会」「肩井」「曲池」というものがあります。それぞれ、何処にあるツボなのかご説明します。
肩こりに効くツボはこんなものがある!
百会」は頭頂部にあるツボで、両方の耳に親指を入れた状態で両手で頭をつかむようにした際に中指の先が合わさる点にあります。このツボは肩こりだけで全身の調整や頭痛にも効果があります。
次は「肩井」というツボですね。このツボは乳首から肩に向かって引いた直線状で、肩の最も高い部分の前にあり、肩こり、頭痛、腕の痛み等に効果があります。
最後には「曲池」というツボをご紹介します。このツボは肘を曲げた時に内側に出来るシワの先端にあるツボです。これは肩こりの他にも、発熱や喉、歯の痛み、疲れ目等に効果があると言われています。
これ以外にも肩こりに効果のあるツボは多く存在します。是非とも、疲れや肩こりを感じた時は、気軽に出来るセルフケアですので試してみてはどうでしょうか。
まとめ
さて、今回は肩こりと歯痛の関係についてご説明しました。今回の記事では、一体どんな内容をご説明したか、まとめてみましょう。
肩こりとは、筋肉が緊張し、縮んで固くなった状態の事をいいます。この肩こりの原因としては、精神的ストレスや姿勢の悪さ等の疾患でないものや、整形外科や歯科が担当の疾患による肩こり等が挙げられます。
最も多い原因としては、ストレスや姿勢の悪さ等が挙げられます。これらが原因の肩こりでは、首と下あごが体の軸からずれてしまい、下側の歯が通常ある場所からずれてしまうという事が起きやすいです。これにより、上の歯とのかみ合わせに変化を生じる顎関節症が発症し、歯痛を感じる事があります。
肩こりと歯痛が同時に起きている際には、どちらが先に発症したかを思い出してみましょう。それによって対処法も変わってきます。
肩こりから歯痛が起きた際には姿勢の悪さや、それ以外の原因によって肩や首の血行が悪化している事が原因である事が多く、ストレッチで解消される事が多い物となっています。一方、歯痛から起こる肩こりを起こしている際には、口内での偏った噛み方が原因となっている事が多いです。偏った噛み方によってかみ合わせが悪くなり、これによって筋肉のバランスが崩れる事で肩こりが発症します。これに関しては、虫歯や歯周病などの歯科系の病気である事が推測されるため、可能な限り早めに歯科医へ通院しましょう。
いかがでしたでしょうか。今回、肩こりについてご説明させて頂きました。デスクワークやスマートフォンが多くなってきた現在では、肩こりはつきものです。是非、肩こりを解消して楽しい生活を送りましょう。
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