予期不安とは?症状や原因、克服する方法を知ろう!

皆さん、予期不安とは何のことかご存知ですか?これは、パニック障害の1つの症状で過去にパニック発作を起したことにより、また発作がでるのではないかという不安に感じることです。誰もが過去の経験から「こんな事がまた起きてしまったらどうしよう」と不安な気持ちになります。

このような思考自体は悪い事ではありませんが、中には予期不安が悪化して日常生活に支障がでてしまう方もいます。ここでは予期不安とは何か、また対処法についてご紹介します。

予期不安について

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人は学習する生き物である為、過去の経験から学ぶことができます。過去の辛い経験を通じて不安を学び、それを思うと発作が起きる前から不安や恐怖にかられてしまうのが予期不安です。

ここでは、予期不安とは何か、またパニック障害とは何かについて詳しくご紹介します。

予期不安とは?

予期不安とは「パニック障害」の1つの症状で、過去に極度な不安や怖い思いなどにより発作経験をした人が、また発作が出てしまうのではないかと不安に感じる症状のことです。

予期不安の主な症状は「またパニック発作を起すのではないかという不安」と「パニック発作に関連した別の恐怖」2つのパターンがあります。

またパニック発作を起すのではないかという不安

前回、パニック発作などを起して苦しい思いをした経験があるので、またあんな風になってしまったらどうしようと不安に駆られます。更に予期不安を持っている時にパニック発作が起きると「心配していた事が現実になってしまった」と関連付けるようになります。

パニック発作を経験をして予期不安が起こり、再度発作が起きると、次第に症状を悪化させていきます。

パニック発作に関連した別の恐怖

別の恐怖とは、パニック発作を起したら死ぬのではないか、何かの病気にかかるのではないか、誰も助けてくれないのではないか、吐いたり失禁したりと見苦しい姿をさらすのではないかなどのパニック発作に関連した不安にかられることです。

恐怖として挙げられるのは下記のようなものです。

  • 次に発作が起きたら死んでしまうかもしれない。
  • 一人の時に発作が起きてしまい、誰も助けてくれないかもしれない。
  • 息が出来なくなって止まってしまうかもしれない。
  • 運転中にパニック発作が起こり、事故を起すかもしれない。
  • 気を失うかもしれない。
  • 一生治らない病気かもしれない。
  • 吐いたり、失禁したり恥ずかしい姿をさらすかもしれない。
  • 重大な病気にかかっているのかもしれない。

パニック障害とは?

パニック障害とは、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖(外出恐怖)」の3つの症状を引き起こす不安神経症です。この3つの症状を複雑に絡み合い、精神的なダメージを大きくして悪化するとうつ病を引き起こすことがあります。

パニック障害は下記のようにして引き起こされます。

  1. 突然パニック発作が起こる
  2. パニック発作を繰り返す
  3. 予期不安が起こる
  4. 回避行動をするようになる
  5. 広場恐怖が引き起こされる

パニック発作を繰り返せば繰り返すほど予期不安の症状も悪化し、「極度の不安」→「パニック発作」→「予期不安」→「パニック発作」などの悪循環が生まれます。

パニック発作とは、激しい動悸や息切れ、眩暈、ほてり、手足のしびれや嘔吐などの身体的な症状とあわせて「このまま死んでしまうかもしれない」などの強い不安を感じる症状です。ストレスや恐怖、不安の限界を超えるとこのような症状が起こります。

このような発作は適応障害や自律神経失調症でも引き起こされるため、これらの病気はパニック障害と間違えられやすい病気です。

適応障害

パニック障害と間違われやすい病気に適応障害というものが挙げられます。こちらは、パニック障害と同様に、ストレスが原因となって動悸や眩暈などの身体的な症状を引き起こします。しかし、パニック障害と大きく異なる点は予期不安が起こらないことです。

適応障害の場合は、ストレスの原因となるものがなくなると、症状が改善することがほとんどです。一方で、パニック障害はストレスの原因になるものがなくなっても、予期不安にかられて症状が継続していく傾向にあります。

自律神経失調症

自律神経失調症はパニック障害に似ている部分が多くあり、医師によっては自律神経失調症と診断する人もいます。

自律神経失調症は、自律神経である交感神経と副交感神経の2つのバランスの切り替えが上手くいかないことで起こる病気です。自律神経失調症も予期不安がないのが大きな違いです。

予期不安が起こる原因について

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予期不安が起こる条件には、発作を起した経験や連想できる恐怖というものがあります。その恐怖の対象は様々あり、対人の場合もあれば、乗り物など人によって恐怖の抱き方が異なります。

ここでは、どのような事が原因となって予期不安を起すのか、原因について詳しくご紹介します。

パニック障害

パニック障害とは、「パニック発作」「広場恐怖(外出恐怖)」「予期不安」の3つの症状を引き起こす不安神経症です。まず、人ごみの多いところに出ると動悸やめまい、息切れなど神経症状が引き起こされます。

そして、そのパニック発作が原因となって、予期不安を抱くようになります。パニック障害者がパニック発作と予期不安を何度か繰り返すと「○○という場所が原因でパニックを起すに違いない」などと関連付けて、広場恐怖症になっていきます。

過呼吸症候群

過呼吸症候群(かこきゅうしょうこうぐん)とは、精神的な不安や極度の緊張により、過度に酸素を吸いすぎてしまう状態のことです。一度経験するとその苦しさやパニックの状況が忘れられずに「また、発症してしまうのではないか」という不安に駆られます。

几帳面で神経質な10代~20代の若者ほど引き起こしやすく、パニック障害を引き起こしたことがある人や運動直後になる人もいます。過度に呼吸をすることで二酸化炭素を排出する量が一気に増え、血液中の二酸化炭素濃度が減少し血液がアルカリ性に傾くことで息苦しくなります。

この時、脳の延髄では二酸化炭素を増加させようと呼吸を停止させようとしますが、大脳皮質では呼吸が出来なくなることは異常事態だとして更に呼吸を早めようと動きます。

血管が収縮してくると手足のしびれ、動悸、眩暈、筋肉の硬直が見られ、これらの症状がでると悪循環を起して発作が更にひどくなります。この症状が起因して死に至ることはありませんが、稀に失神したり、心臓発作を誘発するケースもあります。

心臓神経症

心臓神経症は、ストレス、過労、心臓病に対する極度の不安が原因となり、胸痛、動悸、息切れ、呼吸困難、眩暈などの症状を引き起こします。心臓病の症状に見られる症状ですが、検査しても何も異常が見つからない場合は、心臓神経症と診断されます。

神経質な人や自分自身の体の状態を気にするようになった女性、身近な人を心臓病で亡くしてしまい、心臓病に対して不安な気持ちを持っている人などが発症しやすい心の病気です。

この病気が起因して死に至ることはありませんが、心臓に痛みを感じるため「検査では発見されないけれど、やっぱり重大な病気かもしれない」「このまま、治療できないまま死んでしまうかもしれない」などという不安を持ちやすくなります。

乗り物恐怖症

乗り物恐怖症は名前の通り、乗り物に対して恐怖を抱くことです。バス、新幹線、船、飛行機、電車、車など特定の乗り物が苦手な人は多くいます。例えば「飛行機に乗って飛行機が落下したらどうしよう」「車に乗ったら交通事故を起すかもしれない」などの不安を抱きます。

この不安な気持ちが高まることで予期不安の症状を引き起こします。しかし、特定の乗り物に乗れなくなると、移動の手段が限られて約束の時間に遅刻したりと日常生活に支障が出てくるようになります。

留守番恐怖症

留守番恐怖症とは、1人で家にいると不安になってしまうことです。「留守番中に子供が熱を出したらどうしよう」「1人で留守番したら発作が起きて死んでしまうかもしれない」などと不安になります。

家に1人でいた時に1人で対処できないことが起こってしまったり、助けが求められない状態になるという不安な気持ちが根底にあり引き起こされます。この不安な気持ちや緊張が極度に高まると予期不安が起きます。

閉所恐怖症

閉所恐怖症は、エレベーターや社内など狭い空間にいる時に恐怖を感じることです。実際には閉じ込められていないにも関わらず、閉じ込められたような気分になり不安になります。

「閉じ込められてしまって、このまま誰にも気づかれないかも」という不安が根底にあり予期不安を引き起こします。閉所恐怖症を感じやすい場所は、電車、バス、飛行機、映画館、エレベーター、狭い部屋、カプセルホテル、MRI検査などが挙げられます。

高所恐怖症

高所恐怖症は、高いところにいるのが苦手な症状のことで、いくら安全な場所であったとしても「あんなに高いところに登ったら、落ちて死ぬかもしれない」という想像をしてしまい、予期不安を引き起こします。

高所恐怖症の患者の中には1メートル弱の脚立でも足がすくみ動けなくなることがあります。

不眠症・睡眠障害

不眠症とは、夜寝つきが悪い、睡眠を維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅いなどの状態が続いて、日中に眠気を引き起こしたり注意力が散漫になったり体調不良を起す状態を言います。

不眠症が起こる原因は環境の変化や身体症状、心の問題、生活習慣などの様々なことが要因となって引き起こされます。精神的な不安や自律神経の乱れが原因で不眠症になると、思考がネガティブになり予期不安を引き起こしやすくなります。

嘔吐恐怖症

嘔吐恐怖症とは、嘔吐することに対して極度の恐怖を感じる状態のことです。過去に自分が嘔吐して恥ずかしい経験をした事があったり、他人が嘔吐したのを見て嫌悪感を抱いたことが原因となって引き起こされると言われています。

嘔吐の恐怖に直面すると、激しい動悸や眩暈、震えなどの症状が起こります。また「体調が悪くなると嘔吐してしまうのではないか」などの予期不安を引き起こします。

抑うつ神経症

抑うつ神経症とは、うつ病の一歩手前のことで、抑うつ状態が慢性化した状態のことを言います。うつ病の症状と似ており、憂うつ、無力感、無気力、悲哀感、絶望感などの症状が現れます。

うつ病と異なる点は、うつ病は原因がはっきりしていないのにも関わらず、抑うつ神経症は原因が特定できます。例えば、死別や別居、離婚、仕事のチェックミスなどの明確な原因があり引き起こされます。

この抑うつ神経症も予期不安を引き起こし、予期不安が起こる事で更に精神的に疲労を感じ「自分は一生治らないかもしれない」と不安な気持ちが高まるとうつ病に発展してしまう可能性があります。

対人恐怖症

自分の外見や匂い、表情、しぐさなどが「人に嫌悪感を抱かせるのではないか」や「不快感を与えてしまうのではないか」という気持ちが強くなり人前に出たがらなくなる症状のことを対人恐怖症と言います。

人と会話をしたり、関わるのが怖くなり、自宅に引きこもる可能性も高いです。

書痙(しょけい)

書痙とは、文字を書こうとすると手が震えたり痛みが生じて書けなくなる状態のことです。「人から字が汚いと思われたくない」や「字を書くときに震えているところを見られたくない」など他の人を意識するあまりに極度の緊張が高まって発症します。

このような状態の人は、人前で字を書く場面があると「このあと皆の前で字を書かなければいけない」などの予期不安に襲われるようになります。

赤面症

対人恐怖症の1つの症状に赤面症があります。通常人間は、激怒したり嬉しいなどの感情の表れや、発熱や飲酒などの生理的理由、暑いなどの環境的理由により、顔が赤くなります。

しかし、赤面症は対人関係に苦痛と感じている人に起こる症状で、表面上はコミュニケーションが上手な人でも赤面症を発症します。

赤面症の場合は「人前に出て、また顔が赤くなったらどうしよう」などと精神的負担を抱え、予期不安を引き起こします。また、赤面症だけでなく多汗症の人も同様のことが言えます。

疾病恐怖症

疾病恐怖症は強迫性障害の1種で、自分が重大な病気になってしまうのではないかと不安な気持ちになることです。

「癌があるかもしれない」など医師に宣告され、実際に病気が治ったもしくは病気の疑いが晴れたにも関わらず「自分は癌かもしれない」や「重大な病気が隠れているかもしれない」などと恐怖感をひきずり、予期不安に襲われていきます。

アルコールやタバコ、カフェイン

タバコやアルコールなどの依存性のあるものは予期不安に繋がることがあると言われています。精神に作用する薬の中にはアルコールやタバコなどと一緒に服用すると、予期不安を起すことがあります。

依存性のあるものは、タバコやアルコールだけではなく、コーヒーや紅茶などのカフェインが多く含まれる物も該当します。

予期不安の対処法・解消法について

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予期不安が頻繁に起こっている場合「すぐに治療したい」と思っても簡単に治療できるものではありません。一生治らないわけではなく、治療には時間を要するという事を頭に入れて置きましょう。ここでは対処法や解消法についてご紹介します。

客観視する

予期不安は自分の過去に起こった死ぬほど苦しい体験を基に「次こそは死んでしまうかもしれない」という不安から生まれるものです。しかし、死ぬほど辛い体験といってもその病気の症状を見てみると、それが原因となって死に至ることはありません。

例えば、パニック障害でも死ぬほど辛い心理状況にいたとしても、パニック障害が起因して死ぬことはありません。これは、自分の病気の症状をよく調べて、客観的に物事をみると気づけることです。

物事を客観視して「あんな状態になっても、死ぬわけではないのか」という心持を持つことが重要です。このような客観的な理由を挙げて事実を否定することは、認知行動療法とも呼ばれパニック障害の治療にも用いられている方法です。

思考を変える

予期不安を治療するには、根本的な問題である不安要素をなくそうと努力することも大切です。例えば、対人恐怖症や赤面症の人で「人前に出たくないから外にでない」など対象のものを回避行動し続けていると、いつまでたっても克服することができません。このような場合は思考を変えることが重要です。

恐怖を抱いている原因の多くは、自信を失ってることが関係しています。しかし、物事はすべてネガティブにもポジティブにも言い換えることが出来るため、同じ物事であっても見る人の視点によっては異なる思考が生じます。

「無口」は「物静か」と言い換えられ、「心配症」は「用心深い」とも言えるように、思考をポジティブに変えていく癖をつけることで、少しずつ自信をつけていくことができ根本的な問題を解決することができます。

薬物療法

心療内科や精神科では予期不安の症状に対して抗不安薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を処方しています。ネガティブな思考になってしまうのは、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの分泌に異常が起きていると考えられているからです。

しかし、全ての原因が脳内物質にあるとは考えられません。別の要因でパニック障害が引き起こされている場合は薬物療法は逆効果になります。医師と相談のもと使用するのは慎重に検討しましょう。

腹式呼吸

過呼吸症候群や動悸、眩暈、息苦しさなどの症状がでた場合は、腹式呼吸で呼吸を深くゆっくりすることで発作を沈めることができます。予期不安は極度の不安や緊張により自律神経の乱れを引き起こします。

腹式呼吸は緊張や不安などのストレスを落ち着かせる精神安定や血圧上昇抑制、脳の活性化などの効果があります。息苦しいなど予期不安の症状を感じた場合は、腹式呼吸をして呼吸をゆっくりと取り入れましょう。

やり方は、まずお腹に手をあてて、意識しながらお腹がへこむまでゆっくりと口から息を吐き、力を抜いて空気を吸い込みます。この方法をゆっくりと行うことで精神的な安定を取り戻すことができます。

カウンセラーに相談

パニック障害を治したいと思っているのに、なかなか治らない方は対処法があっていない可能性があります。自分だけで何とかしようと思わずに、パニック障害カウンセラー、精神科医などの専門家に一度相談してみましょう。

森田療法

森田療法と呼ばれる森田正馬により創始された神経質に対する精神療法があります。これは、対人恐怖や広場恐怖などの恐怖症、強迫神経症、不安神経症(パニック障害や全般性不安障害)、心気症、慢性化するうつ病や癌患者のメンタルケアとして効果をあげています。

森田療法では症状である「捉われ」から脱出して「あるがまま」の心を育てながら、神経症を克服していく援助をしていきます。森田療法の本を読んで、自分で学習して回復することも可能だと言われています。他にも病院の外来治療で森田療法を受ける事が出来ます。

外来治療では、日記を通じて日常生活の情報をやりとりをします。日記は記録として残るため、患者が治療者の書いたコメントを何度も読んで時間をかけて克服することができます。また、現在ではMTカウンセリングと呼ばれる方法もあります。

このMTカウンセリングの特徴は、直接治療者に会わずにメールを通じて森田療法の考えを習得するように工夫されたものです。まずは症状を参考に無料診断を行いMTカウンセリングで克服可能な症状かどうかをチェックすることができます。

おわりに

人間は過去の経験から多くの事を学びます。中でも辛い経験があると「また起こったらどうしよう」と不安な気持ちになるのは誰でもあることです。

しかし、このような気持ちが強くなり、日常生活に支障をきたしたり、パニック発作を引き起こすようであれば、今回ご紹介した対処法・解決法を是非試してみて下さい!

  
  
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