対人恐怖症と仕事について!向いている職業は?

「対人恐怖症」とは、他人の目を過剰に意識しすぎてしまうことで、人前に出ることや人と接することに過剰な怖れや恐怖を感じてしまう症状の疾患です。そのため、外出することや人と接することを、なるべく避けて暮らすようになってしまう場合が多いようです。

日本では一般的に対人恐怖症と呼ばれますが、海外ではその症状がよく似た「社交不安障害」と同じ病気ではないかと言われています。それはどちらの症状も他者に注目されることや、人前で恥をかくことに対して、過剰な怖れと恐怖を抱いているという特徴があるからです。

今回は対人恐怖症の原因やその症状、対人恐怖症でも出来る仕事や、仕事をする上での注意点、そして対人恐怖症を克服するための方法などをご紹介していきましょう。

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対人恐怖症になる原因

対人恐怖

対人恐怖症は世界で日本だけに突出して多い疾患で、その理由は日本は恥の文化だとよく言われるように、日本は歴史上、他人の目を気にする、他者の評価ばかり気にしやすい文化ということになります。

海外でこのような考えがあまり理解されないのは、特に乳児の頃から一人部屋で独立心を育てることや、小学校の頃から自己表現の仕方、コミュニケーション力を鍛えることなどを重要視するアメリカなど海外の文化からは、確かによく理解できない心理なのでしょう。

ただ、そのような症例が全くないというわけではなく、対人恐怖症とほぼ同じような「社交不安障害」と呼ばれる疾患が海外では古くから存在していました。そして近年になって行われてきた、さまざまな研究結果から、この2つの疾患は同じではないかと考えられるようになり、現在はどちらも「社会不安障害」と呼ばれるようになってきているようです。

対人恐怖症になる原因は?

ではどのようにして対人恐怖症は発症してしまうのでしょうか?その原因については、現段階では、まだはっきりとわかっておらず、いろいろな要因が複雑に絡み合い発症するようです。また、対人恐怖症になりやすい年齢としては10代が圧倒的に多く、それは男女問わず数多く発症しています。

理由として考えられるのは、10代はもっとも多感な時期と言われているように、社会的な経験を積むための大切な時期で、受験や試験を受けるときや、部活の試合などのプレッシャー、ほかにも多くの人の前で発表をするというような極度の緊張状態が続く場面での、ちょっとしたきっかけが原因で発症してしまうのではないかとも考えられています。

例えば何らかの理由で学校内でいじめを経験したことによって「誰かに攻撃されるのは自分が相手を不快にしてしまうからだ」という間違った意識を持ってしまったり、また、みんなの前で発表するときにうまくいかなかったら「大失敗をしてみんなに笑われ、大恥をかいてしまった」と思いこんでしまうなど。

しかし実際は、ほとんどのいじめは本人のせいで起こるのでははなく、いじめる側の嫉妬心や妬みなどから発生する場合がほとんどです。また、大失敗したと本人は思っている場合も、本当は大した失敗ではなく、ほとんど誰も気がついてないかもしれません。

ただ、当の本人がそのように感じてしまって自分を追い込み、他人と接するのが怖くなるということが対人恐怖症の発端となってしまい、いつも人目を極端に気にするようになってしまうようなのです。

対人恐怖症になりやすい人って?

持って生まれた性格の特徴が、子供の頃から不安を感じやすい心配性だったり、緊張しやすい神経質な人のほうが、より発症しやすいと言われています。人前に出るとすごく緊張してしまう、ちょっとしたことでも不安を感じやすい人のほかにも人にどう思われているかがとても気になったりする人などは、そうでない人よりも対人恐怖症になりやすいと言われています。

また、幼少期に育った環境の影響が原因で発症している場合もあります。これは恥をかくということを極端に嫌う家族のもとで養育されてきた場合で、その子供は「恥をかきたくない。」「他の人を不愉快にしていないか?」という気持ちが強すぎて、他の人とのコミュニケーションがうまく取れなくなってしまいます。そうした考え方の癖が強い場合は対人恐怖症を発症しやすくなるようです。

そしてあと一つは遺伝的な要素があげられます。これはある特定の遺伝子が性格に影響を及ぼすことがあるという研究結果があるためです。親や親戚に対人恐怖症や、内気な性格や、恥ずかしがり屋の素質は、ある程度は遺伝するものですが、その影響はそれほぼ強くはなく、遺伝よりも、成長過程に受ける環境の影響のほうが大きいと言えるようなのです。

不安

対人恐怖症の症状とその対処法

対人恐怖症になると「みんな自分を嫌っている」とか、「相手に嫌な思いをさせている」などと思い込んで不安になることから更に、「自分が醜いから嫌われる」とか「太っているからいじめられる」とか、「自分が臭うからみんなを不快にしている」などと、だんだん妄想的になり、ありもしない理由を自分で勝手に作り上げるようになってしまうことが多いです。

そのような妄想を膨らませてしまうと外に出るのも嫌になったり、他人を避けるようになってしまい、人と会話するのも恐怖になってしまうでしょう。10代に増え続けている引きこもりや不登校の中にも、対人恐怖症が原因の方が、かなり多いのではないでしょうか?

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対人恐怖症と仕事について

対人恐怖症の人は、仕事とどう向き合うべきなのでしょうか。

対人恐怖症と仕事の関係

対人恐怖症の発症後、人によっては今まで勤めていた会社に行けなくて休みがちになったり、会社を辞めたいと思うようになってしまった方も、そして実際に辞めてしまったという人は少なくありません。

自分の今いる職場でいじめにあっていたり、その会社での失敗がトラウマになって発症してしまった場合などは、無理してその職場に留まっていること自体が、対人恐怖症の悪化を招く恐れもあるでしょう。そんなケースは仕事を変えることも選択肢に入れて、よく考えることが必要です。

仕事を一度辞めてしまうと、そこからひきこもりになってしまうパターンがとても多いので、その点も含めてしっかりと考えなくてはいけません。

対人恐怖症にも出来る仕事

やむなく仕事をやめてしまった場合、次に働く仕事を探さないと生活していけなくなります。対人恐怖症の症状があっても出来る仕事がいくつかあります。

対人恐怖症に向いている仕事は、

  • 内職や在宅で出来る仕事(クラウドワーク)
  • プログラマーやイラストレーター
  • 工場などのライン作業

などは比較的に他人と関わることが少なく、黙々と作業する仕事なので対人恐怖症の方には向いているでしょう。そのほかにも新聞配達やポスティングも人がいない早朝に配るようにすれば人との接触は極端に減りますね。自分の持っているスキルや、自分の症状でもこれなら出来そうと思える仕事を見つけましょう。

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対人恐怖症を克服するためには?

では、そんな対人恐怖症を克服する方法を紹介します。

思考や意識をちょっとだけ変えてみる

対人恐怖症を克服する前に、どうしてもやらなくてはいけないのは「対人恐怖症を克服したくない」と思っているかもしれない自分に気が付くことが大切です。そんなはずはない、だってこんなに克服しようと頑張っているのに…と思うかもしれません。

しかし、もし頑張ってもほとんど効果が出ていないのならば、あなたは無意識に対人恐怖症の克服を拒んでいるのかもしれません。人は本来、変化を嫌い、現状維持を望むという本質を持っています。

簡単に言うと、無意識に自分は現状を変えられるのに「今のままでいい。」と思っているということですね。そのことを自覚するために、考えられる理由を紙に書きだしてみましょう。そして、克服出来た場合にいいこと、悪いことの2つに分けるのです。それに気が付くことでやっと、無意識を自分で意識して変えることが出来るようになるのです。

少しづつステップアップ

対人恐怖症の疾患を持つ方に見られるのが自己肯定感の低さです。こんな自分じゃだめだと思い込んでしまう傾向があります。

例えばいじめにあうと自分が○○だから嫌われると思ってしまう。また、人に見られていると意識しすぎたりするのは自分に自信がないために起こりやすい心理なのです。

そのような心理に陥ってしまったのには理由があるはずです。そして、自分でその根本的原因を探っていき、それに気づいて取り除くことが出来れば対人恐怖症の克服は可能だと言えます。しかし、自分ではなかなか気が付けない深層心理で起こる原因の特定は、やはり心療のプロでないと見つけることは難しいかもしれません。

その治療方法には催眠療法などを使って本人の深層心理を探っていき、そこから原因をあぶりだしていく手法が多くとられているようです。

マイナス思考や完璧主義をやめてみる

対人恐怖症には自分に自信がつくこと、すなわち自己肯定感が必要なのです。自己肯定感を高めるには小さな自信を持つことから始められます。

これはノートや手帳などに、過去の記憶の中で、自分が好きだと思えた瞬間や、うまくいった体験、自分ひとりでやり遂げた経験などを思い出して書き出してみましょう。

そうすることで、何もできないと思っていた自分にこんなことが出来るんだと思えるようになれば、それによって自分を少しづつ認めてあげることが出来るようになってきます。そして、毎日、小さなことでも嬉しかったことや楽しかったこと、ラッキーだと思ったことなども手帳にメモしていきましょう。

1週間に一度、その手帳を後からゆっくり見返して見ます。そうすると自分が思っていたよりも、世の中はそんなに悪くないんじゃないかと気が付くようになるでしょう。この方法のポイントは、日記のように出来事すべてを記入するのではなく、いいなと思ったことのみをほんの1行づつ書き出していくだけで、決して嫌だなと思ったことや傷ついたことなどは書かないことです。

その理由は対人恐怖症の疾患を持つ方の多くは、既に何でもマイナス思考のなっていることが多く、これ以上嫌な経験を思い返すことが無いように、そして、これはいい面に目を向ける、プラス思考になるための訓練だからです。

そして完璧でなくても、ちょっとだけ、前に進んだ。それだけで自分を褒めてあげましょう。自分はこうあるべき、などの考えは対人恐怖症には逆効果な思考なのです。焦らずに、ほんの少しの進歩でも喜ぶ、ちょっと後戻りしてしまうことがあっても「まぁこんなこともあるさ」くらいの気持ちになれるように、完璧主義を出来るだけ抑えるように努力をしましょう。

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まとめ

いかがでしたか?対人恐怖症の方が仕事に就く場合に気を付けたいことや、症状の改善に向けて自分でも出来るちょっとした考え方やそのための方法をご紹介しました。

3人に1人に発症の危険があると言われる対人恐怖症、これからも増える傾向にありますが、このように思考のちょっとした変化で同じ現象が、違う感じ方になることに気が付くことができれば、あまり重症化しないうちに、その症状を治めることも出来るかもしれません。

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