仮面うつ病の症状をチェック!原因や診断方法、治療方法について知ろう!

気分が落ちており、極度に何もしたくないという状態に陥るほか、さまざまな身体的症状が現れることはありませんか?また、それがなかなか周囲に理解してもらうことができないということはありませんか?

それは、ひょっとすると「仮面うつ病(masked depression)」の可能性があります。では、仮面うつ病はいったいどんな症状が見られるのか、どういった原因で起こるのか、診断や検査の方法には何があるのか、その後の治療も加えて説明をしていきます。

仮面うつ病の原因

うつ

仮面うつ病は、身体症状が前景を占めて起きる場合の「うつ病」を言います。

仮面うつ病は、気分障害に分類されています。気分障害には、躁病、うつ病、躁うつ病(双極性障害)があり、その内のうつ病の一種です。

周囲には怠け者や甘え者と勘違いもされやすく、症状を捉えにくい事が特徴です。まず、仮面うつ病には心因性と内因性と外因性の3種類があります。

心因性(性格環境因性)

精神的ストレスや精神的なショック、性格の歪みといった原因が、仮面うつ病を引き起こすことがあります。こういった原因は、遺伝的な要因よりも、環境的な要因が大きな原因となります。つまりは、生活をしていく中で身の回りの環境に上述したような原因が加わり、仮面うつ病となるのです。

次に述べる内因性による精神障害と比較すると、心因性の方が内因性よりも症状が軽いとされています。

心因性のよるものでは、心身症やノイローゼが含まれています。ノイローゼは、神経症とも言われています。いわゆる、神経衰弱や恐怖症、ヒステリックな性格の人に起きやすいヒステリー等が代表的なものとして挙げられます。

内因性(性格環境因性)

遺伝、性格、生まれながらの体質が原因となってうつ状態となる可能性があります。

仮面うつ病を発症しやすい性格傾向は、「責任感が強い」、「完璧主義」、「真面目」といった性格です。自分に自覚がない場合は特に注意が必要です。性格からくるプレッシャーやストレスが、内科系の身体的症状を誘発する場合があります。

なお、「うつ感がある、だから私はうつ病だ」という認識の仕方をしているケースでは、仮面うつ病でもうつ病でもない可能性が高いです。

原因は、脳内の何らかの変化によって発症しているケースも過去にありますが、明確化はされておらず、不明となっています。

外因性(身体性)

外因性の場合は、脳や身体に物理的な衝撃が加わる事が要因として起こる場合と、身体のホルモンなどのバランスの乱れといった病的要因によって起こる場合があります。例えば、症候性精神障害や中毒性精神障害、脳器質性精神障害、甲状腺機能低下症(ホルモンバランスが乱れることで起きる)、アルツハイマー型認知症といったものが原因として挙げられます。

症候性精神障害は、ホルモンなどの内分泌障害や肝機能障害、胃腸系の障害など、臓器の疾患によって引き起こされる精神障害です。

中毒性精神障害は、多いものではアルコール依存症による精神障害、その他に麻薬依存症による精神障害も挙げられます。また、タバコなども依存性は強く、こういった依存性の高い物に対して中毒になって生じる精神障害を言います。

脳器質性精神障害は、頭部外傷後後遺症や脳炎による後遺症などによって引き起こされる精神障害です。

仮面うつ病の症状

落ち込む

仮面うつ病は、うつ病の一種なので、精神症状はもちろん見られますが、身体症状が顕著に出現することが特徴となっています。

では、どういった症状が出現するのか、見ていきましょう。

自覚がない

心の病ですが、身体症状に気がついても精神症状に気づく人はおらず、自覚がないため、発見が遅れる可能性が高い厄介な病気です。

なお、仮面うつ病に特徴的な性格の傾向から、医師が「あなたは仮面うつ病です」と伝えてもなかなか認めようとしない人が多く、ドクターショッピングをしてしまったり、病院に来なくなってしまうといったケースもあります。

身体症状

仮面うつ病で特徴となる身体症状をまとめていきます。動悸(心悸亢進)やめまいといった症状が出現します。これを、自律神経失調症と間違えてしまう人が多いですが、仮面うつ病の症状と類似しているというだけで、双方は異なります。

また、動悸以外にめまいや四肢末端の血行不良による冷えなどの症状が出現していきます。脱力感や全身倦怠感、疲労感、無気力感、頭痛、肩こり、味覚障害、頻尿、体熱感や微熱、狭心症発作時の不安感なども生じます。

部分的症状として、全身の部分部分に痛みが生じることがあります。これを、内科系の疾患と間違える場合があります。痛みは、上述している頭痛や後述している胸痛のほかに、全身的な筋肉痛や背中の痛み、腰痛などが挙げられます。手足の痺れ(しびれ)が起きることもあります。また、この痺れを痛みと感じてしまうなど、不定愁訴となる場合もあります。

その他、あらゆる精神的負荷によって便秘や下痢、嘔気、胸やけ、腹痛、胸部圧迫感、腹部不快感といった胃腸系の不快感が生じることがあります。時には、本当は辛くない、痛くないにも関わらず、「○○が痛い」と訴えるといった不定愁訴が見られる場合もあります。

自律神経症状

神経に異常が生じて口渇や発汗、めまい、目のかすみや耳鳴りなどの聴覚の異常といった症状が出現します。これは、自律神経失調症とは異なります。

症状が類似しているため、間違えられることが多いです。

呼吸器系の症状

胃腸系の障害とは異なる胸痛や、過呼吸、呼吸困難といった症状が出現します。不安感からくる呼吸器症状の可能性もあります。

特に、無意識にため息が多く出る人は、うつ傾向にあり、仮面うつ病が疑われます。

睡眠障害

睡眠が過剰になったり、入眠障害、熟眠障害、早期覚醒といった睡眠障害が見られます。睡眠障害が続くと、1日の生活リズムが崩れる可能性があります。

食欲障害

食欲の減退や味覚が変化する可能性があります。これによって、体重が減少する場合や1日の生活リズムの乱れから過食になる場合もあります。

性欲の障害

性欲が低下したり、興味をなくすことがあります。また、不感症、インポテンスといった症状が生じる可能性があります。女性では特に、月経異常になる場合があるため、注意が必要です。

仮面うつ病の診断・検査

医師

仮面うつ病は、身体症状も精神症状も出現するため、どういった病院を受診すると良いかわからない人が多いです。

行くべき科を受診せずに間違えたドクターショッピングをする人もいます。精神科や心療クリニックでは、うつ症状のチェックをする検査を幾つか行います。検査にはいろいろなものがあるため、年齢と性別、これまでの背景や現在の状態などを問診などで把握して検査を選び、進行していきます。

では、どういった病院を受診すると良いのか、仮面うつ病と間違えやすい病気も加えて説明をしていきます。

内科系の検査

内科系の疾患があるかもしれないと思って内科の医師の元へ受診し、検査を受けても原因を突き止めたり、症状を改善させることが困難なことが多い場合は、仮面うつ病などの精神疾患が疑われます。

その場合は、精神科医のいる診療科への受診が勧められます。また、紹介状を出してくれる医師もいます。

精神科への受診に抵抗がある場合は、心療内科や心療クリニックへの受診もおすすめします。

見分けるポイント

精神科医が、仮面うつ病なのかそうではないかを見分けるポイントがあります。その人がどういった性格かを捉え、まず、仮面うつ病の性格の傾向にあるかを見ます。

そして、精神エネルギー、つまり精神的な活力が十分にあるか、低下しているのかを見ます。その他に、本人が落ち込んでいるかどうか、気力や活力がなく休日も家に引きこもり、何もしない状態にいるのか、集中力が低下しているか、考え方がネガティブに引っ込み思案になっているかどうか等を見ていきます。問診だけではなく、検査をします。

家に引きこもっている場合、特に、カーテンも閉めきって、朝から晩まで電気を消して部屋が暗い状態になっており、床や寝床にずっと横になっている、うつむき加減にいる場合は、うつ傾向になっている可能性が高いです。本人が行かなくとも、家族や友人など、周囲の人が病院へ連れて行ってあげるようにしましょう。

セルフチェック

仮面うつ病かどうかをセルフでチェックすることができるサイトがあります。

会員登録が必要なサイトが多いです。あくまでセルフチェックなので、それをやったことで自身が下面うつ病かどうかを自己判断することは避けましょう。

自分に正しい診断が下るのは医師の検査や判断の元で起きます。自己判断は間違えている可能性が高いため、気休め程度に行いましょう。

よく間違える疾患

精神科や心療内科以外の他科での医師の診療の際、患者本人の主訴からよく間違えられやすい病気があります。どのような病気と間違えられるのか、見ていきましょう。

・自律神経失調症

自律神経性症状が出現する場合は、自律神経失調症に陥っている可能性があります。自律神経失調症によって、交感神経や副交感神経といった自律神経が乱れると、めまいや動悸、代謝不良が起きて血行不良による冷感などが起きます。

これらが、仮面うつ病にも見られる症状であるため、自律神経失調症と間違えてしまう場合があります。

・認知症

認知症の初期症状には、気分の落ち込みや無気力感といった症状が出現します。これはがうつ病の症状と類似していることから、「自分は認知症だ」と勘違いする可能性があります。

主症状は類似していますが、認知症は抑うつ感をほとんど感じません。但し、認知症が重度になるまで進行していると、うつ感が生じるケースがあります。

・更年期障害

更年期障害は、40歳以降の女性に起きやすい病気です。主な症状は、体熱感やめまいです。仮面うつ病と類似しているため、特に40歳以降の女性は、更年期障害と勘違いをしてしまい、自身が仮面うつ病ということに気づかず症状を悪化させてしまうことがあります。

仮面うつ病は、早期治療が必要な病気なので、更年期障害と勘違いして病状を悪化させてしまうと治療が困難になります。

・メニエール病

耳鼻科に受診すると、メニエール病と類似しており、間違える可能性があります。メニエール病は、三半規管や内耳といった耳の器官の異常によって生じる病気です。

主症状は、耳鳴りや強いめまいと、うつ病と類似している症状が出現します。

・栄養に左右されて起きる障害

鉄やビタミンB群、ビタミンCやビタミンDの過剰摂取または栄養不足、ミネラル不足によって引き起こされる障害があります。その他の内科系の疾患に繋がる場合もあります。これによって、めまいや自律神経失調症、血糖調節障害など、仮面うつ病と類似した症状が出現することがあります。

仮面うつ病の治療方法

メンタル 薬

仮面うつ病は、早期発見・早期治療が必要な病気です。

気分が落ちやすく、何も手がつかない、作業効率が悪くなって引きこもりがちなど精神症状が見られるほか、更に身体的症状が強く出現する場合には、早期に病院を受診しましょう。

受診する病院

仮面うつ病は、身体症状が顕著に表に出るものの、身体症状の検査では症状の原因を捉えることが全くできない場合があります。それは、心の病であるからです。最初は、症状によっては内科や耳鼻科に通うこともありますが、その病院の担当の医師が身体的な疾患ではないことに気付いた場合、心療内科医や精神科を勧めてくれます。

また、仮面うつ病の症状により、性的な病気が出現している場合は、女性は婦人科、男性は泌尿器科を受診する必要があります。

薬物療法

仮面うつ病の基本的な治療法は、うつ病の基本的な治療と同様、薬物療法となります。

以前は、依存性が強く、不眠症になるなど副作用の強いうつ薬が多かったですが、近年は、副作用が弱く、効果はちゃんと得られる薬が増えています。短期間の服用をして、「治らないじゃないか!」と言う人もいますが、継続的に服用をしなければ効果は得られにくいです。

もちろん、その人の全身状態によって個人差があります。効果を得られるのに時間を要するため、治療には根気が必要です。

内科的な治療は間違えている可能性がある

仮面うつ病には全身症状として頭痛や腹痛といった身体性の内科系の症状が出現します。

これに対して痛みなどの内科的な治療を行ったとしても、症状の改善が見られることはほとんどありません。効果の見られない薬を服用し続けると、症状が悪化するケースもあります。正しい投薬治療が必要です。

精神療法

患者の状態によっては、必要であれば、精神科に入院または外来通院してカウンセリングやリハビリテーション(主に作業療法)を受けることがあります。

それぞれ、患者に合わせて患者の同意の元、検査・評価を行い、プログラムを立てて治療が進められていきます。

周囲の人の、仮面うつ病患者への接し方

仮面うつ病患者の家族や友人といった周囲の人は、まずは、その本人を理解して見守ることが大切になります。無気力感など、抑うつ気分といった症状が出現している時は、周囲から見ると怠けていたり甘えているように見えるかもしれません。

そこで、周囲の人は、「大丈夫?」、「きっと大丈夫だよ。」、「一緒に頑張ろう。」、「何とかなるよ。」など、励ますような声かけはしてはいけません。これは、逆効果になり、本人にプレッシャーなどのストレスを与えることになります。

また、仮面うつ病の症状により、感情の起伏が生じて落ち込み気味だった様子が一変して急に怒鳴るなどの感情の変化が見られることがあります。そういった時も、仮面うつ病のため、このような症状が出ているというように本人のことを理解し、見守りましょう。

以上のように、どのような状態であっても本人を近くで暖かく見守ることが最適な対応です。極論を言うと、近くで一緒に同じ空間にいて、寄り添っている、同じ時間を共有するようにしていくと良いです。このように周囲の環境を調整していくだけでも、仮面うつ病の改善につなげることができます。

休息をとる

仮面うつ病の人は、精神的にとても疲弊しています。

身体症状も出ていると、更に心身共に強い疲労など様々な症状に襲われます。少しでも早く治すためには、十分に休息をとることが必要です。必要であれば、入院をして休息をとり、徐々に活動量を増やしていきます。

また、医師の判断によっては、仕事をしている人の場合、仕事をしばらく休職して心身共に休息をとるようにします。

まとめ

うつ リラックスする

仮面うつ病といった精神障害は、早期発見・早期治療がとても重要になります。

発見が遅ければ遅いほど治療の開始も遅れ、治癒も困難となる場合が多いです。身体や心の状態が何かおかしいと感じた場合は、早期に病院を受診するようにしましょう。

また、病院に行くだけではなく、家族や友人といった周囲の人の接し方や環境を変えていくことがとても大切になります。また、なんといってもリラックスができる環境をつくることも大切です。

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