高所恐怖症の克服方法は?原因や症状を知って対処しよう!

いままで自覚はなかったのに、高い所へ行ったときにいきなり強い恐怖に襲われ、冷や汗が出て心臓はドキドキして、立っていられなくなってしまった!そんな経験のある方もいらっしゃるでしょう。

それは、高所恐怖症でしょうか。だとしたら、克服できるものなのでしょうか。高所恐怖症と高所恐怖癖とを比較しながら、克服の方法を探ってゆきましょう。

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あなたは高所恐怖症?それとも、高所恐怖癖?

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高所恐怖症とは、実は恐怖症と呼ばれる精神科医を必要とする不安障害のひとつですが、高い所で怖いと思うのは、高所恐怖症でなくとも、誰でもが感じる自然な現象です。単純に高いところが怖い、と感じるのは高所恐怖症ではなく、高所恐怖癖(こうしょきょうふへき)と呼ばれ、これは病気ではありません。

しかし、単に恐怖を感じるだけでなく、体が震えたり、足が動かなくなるといった症状がでる場合や、高さがさほど高くない場合でも恐怖を感じたり、吐き気や嘔吐の症状を伴ったりするほど強い恐怖に襲われるなど、生活に支障が出る場合は、高所恐怖症だと考えられます。
この場合は精神科医での適切な治療が必要となります。

高所恐怖症の主な症状

高い場所に対し過剰に恐怖を感じてしまう

高い所に行くことが恐いのは普通のことです。けれども恐怖症の場合は、他人が高いと思わないような場所、例えばビルの2階や脚立に登るだけでも、本人が高いと感じる場所に強い恐怖を感じ、苦しみを覚えます。

強い恐怖により生活に支障が生じる

恐怖により苦しい思いをするため、高いところを避けて生活するようになり、支障が生じます。

身体的症状

高所恐怖症だけでなく、恐怖症と呼ばれる不安障害に共通する症状として、体が震える、足が動かなくなるなどの症状があります。
また、強い恐怖から、吐き気がする、嘔吐してしまう、脈が速くなるなどの症状が出る場合もあります。ひどい場合にはパニック障害を起こすこともあります。

高所恐怖癖の主な症状

人は誰でも、高い所や、下が見えるガラス張りの建物などに恐怖を感じます。これは、自己防衛本能ともいえます。高い所に行くと体が震えたり、吐き気がしたりした経験を持つ人もいるでしょう。不安から、動悸がして動けなくなることもあります。

でもこれらは、正確には高所恐怖症ではありません。高所恐怖症の人は、そもそも、高い所には行けないからです。

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高所恐怖症かどうかの検査方法

脈拍

この恐怖症の検査方法はほとんどありません。実際に高い所に行ってみて、体がどんな反応をするか確認をするしかないのです。普段の状態と比較してみて、脈拍、心拍数の変化、汗の量や体温にどの程度違いが見られるかを確認します。血圧や血液の量、瞳孔の開き具合などを調べられる場合もあります。しかし、数値だけで見ても、問題は本人がどれほどの恐怖を感じ、それについて苦しみをもち、生活に支障があるかないかです。

おかしな話ですが、たとえ高所恐怖症の傾向を持っていても、高所と感じる場所に出かける必要の全くない人は、生活に支障がないと判断されるため、高所恐怖症の治療は必要なく、検査も必要ないわけです。

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高所恐怖症の原因をさぐる

恐がる女性

生活に支障をきたすほどの高所恐怖症が起きた原因は、一体どこにあるのでしょうか。また、恐怖症ではなく高所恐怖癖の場合でも、人前で取り乱して恥ずかしい思いをするのが苦痛になり恐怖症になることもあり得ます。高所恐怖癖には、原因となるきっかけがあるのでしょうか。

原因はひとつではない

高所恐怖症は、必ずしも原因が明確にあり発症するわけではありません。本人には原因がわからずに恐怖症に陥る場合も少なくないのです。高所恐怖症に限らず、恐怖症とよばれる不安障害には、過去の経験から生じることがあります。

特に幼少期など感受性が豊かな時期に経験したことを脳が「この状況は恐怖である」と認識(医学的には認知という)した場合、それが繰り返されることによって、恐怖症となることもないとはいえません。

経験が原因と思われる場合

原因になりやすい体験例をあげてみましょう。

  • 感受性の豊かな幼少期に、嫌がるのを無理やり高い所に連れてゆかれた。
  • 高い所から落ちて怪我をしとても痛い思いをした。

など子供の頃に実体験したことが、脳みそにインプットされてしまい、これは怖いことだ、と認知してしまう場合などが、これにあたります。

原因が明確でない場合

もともとの遺伝的要素や素質が関係していることもあります。明確な原因があるわけではありません。遺伝的要素といっても、高所恐怖症が遺伝するのではなく、恐怖症となる性質、人格などの素因が関係しているのです。

日本人は人種的に、不安を感じやすい傾向があると指摘されています。これは人種的な素因と言えます。不安や恐怖を感じるのは、脳の中にある扁桃体(へんとうたい)という部分や、脳内物質であるセロトニンが大きく関わっているとされています。扁桃体のはたらきが強い人は、高所恐怖症だけでなく、その他の恐怖症が発症しやすい、とも考えられるでしょう。

恐怖症に陥りやすい性質の人

セロトニンや脳の中の扁桃体という部分が、不安や恐怖を感じることに関与していることは前述のとおりですが、では、どういった人が、そのような素因を抱えているのでしょうか。

元々持っている性質として下記の性質が考えられます。

  • 心配症である
  • 物事を深刻にとらえる癖がある
  • 神経質である
  • 完璧主義である
  • 想像力が豊かである

などです。

症状が悪化するとどうなる

恐怖を感じる高さは人によってさまざまで、脚立や椅子の上でも強い恐怖を感じる人もいます。

症状が悪化すると、歩道橋を渡れない、ガラス張りのエレベーターに乗れない、大きな窓のある見通しのよいオフィスでは仕事ができないなど、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

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高所恐怖症を克服するには(治療方法のいろいろ)

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恐怖を克服するには、より怖い経験をするとよいなどという話を聞いたことはありませんか。高所恐怖症を克服するために、一度とても高いところへ行ってみてはなどと安易に提案するお友達の言うことには耳をかさないようにしましょう。

恐怖症は、さまざまな原因からくる、不安障害という心の病気です。治療には1つの方法だけでなく、少しずつステップを踏んでゆく必要のあるものもあります。いきなり高い所へ行って我慢するという方法を試した場合、別のパニックを起こしてしまうこともありますので、間違っても、自己判断でショック療法など試したりしないよう、現在有効とされる治療方法をみてみましょう。

脳の認識を変える

原因が過去の経験からくる場合には、心理カウンセラーや精神科医の力を借りて、トラウマを克服する必要があります。高い所は恐くないと、脳に再認識させるのです。心配性だったり、想像力が強すぎたりする人は、高い所へ行くと落ちて死んでしまうのではないかというところから想像を膨らませ、高い所に行く前から異常な恐怖を感じてしまうことがあります。

過去のトラウマが原因の高所恐怖症の場合、そのトラウマは長い間繰り返し脳内にしっかりと記憶されているため、簡単には消すことができません。ですが、日本では日常生活では、あえて高い所に登ろうとしなければ、高所恐怖症の症状が出ることもありません。
そこで、普段から、高いところが恐いというイメージを改め、高い所に対して良いイメージを持つようにします。

このイメージトレーニングを長期にわたって繰り返し繰り返し行うことで、長い間のトラウマを書き換える努力をしてみましょう。こうすることで、恐怖症は少しずつ改善してゆけるようです。ただし、時間がかかりますから、根気良く、イメージトレーニングをしましょう。

恐怖症ではなく、恐怖癖と思える人は、このイメージトレーニングだけで、高い所が大丈夫になることもあります。

脳内で体験を上書きしなおす(サブモダリティーチェンジ)

恐怖症の原因となったイメージを、具体的に書きかえてゆくイメージトレーニングの方法です。記憶というものはいろいろな要因との結びつきで、深い所に記憶されます。この記憶される際に一緒に記憶されているイメージの、メインではなくサブの部分のイメージから変えてゆこう、という方法です。恐い記憶のイメージの色が灰色なら白に、暗い所なら明るい色に、という具合です。

たとえば、カラスに襲われて以来、そのイメージが強く残り、カラスを見ただけで恐怖を覚えることがあります。このとき、記憶ではカラスの形、色、鳴き声、そのときの空気の温度やカラスの飛び方など様々な条件から1つの恐い記憶をつくっています。最初は辛いかもしれませんが、頭の中でそのときの情景を思い出し、そのカラスの色が黒ではなく黄色だった、とイメージしてみたり、もっと小さかったとイメージしてみたり、色々に写真をコラージュするように変えてみます。そのイメージが恐くなくなったら、上書き完了できたと言えるでしょう。

カウンセリングを受ける

辛いトラウマが原因である場合や、他にも原因がありそうな場合は、精神科医に相談し、カウンセリングを受けることをお勧めします。

カウンセリングでは、嘘をつかず、正直に感じたことやイメージを話すことが大切です。不安障害の場合は、人の助けがあったほうが、確実に治癒へ向かうことができます。その場合でも、時間をかけて、自分の現実と向かい合いましょう。

物理的に体を慣らす

症状がひどい場合は医師の指導に従って行うべきなのですが、自分でできそうな場合に有効な方法があります。恐い、と思う高さより、少し低いところ、恐怖を感じない高さからスタートし、徐々に高さを上げてゆく方法です。決して、急に高い所へチャレンジなどしてはいけません。体と心を徐々にならしてゆくことが、遠回りなようで、一番の近道です。

恐怖を感じない高さにしばらくいて、問題がなければ、もう少し上にあがってみます。そこでも、恐いようなら、無理にしてはいけません。少しずつ上がってみます。このとき、高い所=恐いというイメージは持たないようにします。また、動悸がしてきたり、過呼吸になっても、あわてずに深呼吸をして、すぐに高さをさげましょう。少しずつ繰り返してならすことで、自分が感じる恐怖との向き合い方、恐怖への対処方法がわかってきて、高所恐怖症を克服しやすくなります。

その他の治療法

抗不安薬や、抗うつ薬を使用する薬物療法や、カウンセリングによる心理療法、催眠療法などがあります。いずれも、精神神経科などに相談し、信頼できる医師のもとで、焦らずにじっくり取り組んでゆきましょう。

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まとめ

高所恐怖症は、不安障害という病気のひとつです。一人で解決しようとせず、専門医をたずねる勇気をもちましょう。

たとえば、歩道橋を渡るのが恐いのに、友達と一緒だからと無理に渡ろうとしてかえって恐怖を強くしてしまい、恐怖症を悪化させてしまうということもあります。恐い歩道橋を渡る勇気よりも、専門医に素直に相談する勇気をもってください。

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