視野欠損の原因を知ろう!どんな病気の可能性がある?チェック方法も紹介!

わたしたちの目は、生きていく上で大切な情報を手に入れるための、とても大切な器官です。普段何気なく見ている景色も、まんべんなく見えているからこそ、情報をきちんと脳が受け取り、的確な判断をすることができているのです。

しかし、もしも見えている範囲が欠けたり、異物が映り込んだりしたら、一体どうでしょうか?見えにくさ、見えないことのストレスは想像以上に大きなものです。きっとちょっとした動作や何気ないしぐさも、これまで通りにこなすことが難しくなるでしょう。

そんな、視界に影響を及ぼす症状の1つに「視野欠損」があります。これは、視野の一部が欠けているということですが、では一体、なぜそんなことが起こってしまうのでしょうか?場合によっては重大な病気が隠れていることもある視野欠損。その原因と治療法について、詳しくご紹介します。

視野について

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「視野が狭い」とか「視野が広い」などと言いますが、現実的な視野とは、一体どのようなものを指すのでしょうか。わたしたちが何かを見ようとする時、目を動かして隈なく見ようとすることがありますよね?しかし、「視野」の定義は、目を動かさない状態でどれだけものが見えるか、ということです。

具体的に言うと、一般的な人なら、上下に60°、外側が両目を合わせて150°ほどだと言われています。また、ものだけでなく色の映り込みについては、白・青・赤(黄)・緑の順に色を感じられる範囲が狭くなっていくと言います。この範囲を「色視野」と言います。

視野欠損とは

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わたしたちの目は、ものを見る時、その対象物しか見えていないわけではありません。当然、その周りにあるものや景色も、はっきりとは見えないものの、視野には入っていますよね。

このように、見ている対象の周囲も含めたものを「視野」と言いますが、この「視野」の範囲は、上下にそれぞれ約60度、外側が両目で約150度見えるのが一般的なようです。しかし、こうした見える範囲に異常があると、視野の欠損が起こります。

しかし、見え方に異常があると言っても、そのタイプは3つに分かれます。1つ目は「暗点」と言い、視野の中に見えていない部分がある状態。2つ目は「半盲」と言い、視野の左右どちらか半分が見えない状態です。そして3つ目が、視野が狭まる「狭窄」です。

視野欠損の症状

視野が欠損すると、視野の中に見えない部分が生まれます。と言っても、突然見えなくなるわけではなく、症状は徐々に進行しますから、なかなか気づくことができません。視野欠損を伴う目の疾患は、このようにゆっくりと進行することが多いのです。

さらに、もしも片目に視野欠損が起こっていても、反対の目で補ってしまうため、視野欠損に気づくのが遅れるケースも多々あります。自然に備わっている目の作用が、かえって症状に気づくのを遅らせてしまうわけですね。

緑内障と視野欠損について

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緑内障は、視野欠損を伴う疾患の代表格です。眼圧が高くなることによって引き起こされ、高くなっ眼圧によって視神経が圧迫されて視野欠損が起こるというわけです。

では、眼圧が上がってしまう原因についてお話ししましょう。目の中にある房水(ぼうすい)は、毛様体という筋肉によって形成されている線維柱帯を経由して外へ排出される仕組みになっています。房水が作られる量はある程度一定ですから、排出される房水の量によって目の中にある房水の量は変わってきます。

この時、線維柱帯が目詰まりを起こすと、排出がうまくなされず、目の中に房水が多く残ることになりますね。また、虹彩の根元が線維柱帯にかぶさってしまうことで房水の排出を妨げる場合もあるようです。

こうしたことを理由として房水が目の中にたまると、眼球が圧迫されるために眼圧が高くなります。眼圧の高い状態が長期間続くとどうなるかと言うと、視神経が圧迫され、視野欠損が起こります。本人が気づいていなくても、見えない部分があるために、とっさの時に反応できない危険があるのです。

・緑内障の種類

緑内障と言っても、眼圧が高くなってしまう原因によって、種類も様々あります。

分類の方法としては、進行速度で分ける方法と、眼圧が高いかどうかや、その原因によって分ける方法があります。

①進行速度による分類

まずは、進行速度の違いによって分類する方法をご紹介します。進行速度の遅いものを慢性緑内障、急速に進行するものを急性緑内障と言います。

慢性緑内障

進行が遅いために自覚症状に気づきにくく、知らないうちに病気が進行してしまうという、非常に厄介な緑内障です。若干の見えにくさや眼精疲労、蛍光灯などの光を見た時、周囲に虹が架かるなどの症状がありますが、疲れている時にも似たような症状が出るため、判断しにくいと言えます。進行してしまうと、鼻付近の視界が見えにくくなるため自覚できるようになります。

視界の一部が見えなくなる視野欠損は、この慢性緑内障の代表的な症状です。とはいえ、片目だけが慢性緑内障になっている場合、たとえ視野に見えない部分があっても、反対側の目がカバーして、ものを正しく見られるよう補足してしまいます。そのため、本当は見えていないにもかからわず、緑内障だと気づかずに治療が遅れてしまうケースが多いのです。

慢性緑内障は気づきにくいですが、40歳を超えると発症しやすいと言われているため、40歳付近になったら1度目の検査を受けた方がよいでしょう。

急性緑内障

次に、急性緑内障についてご紹介します。こちらは症状が急激に進んでいくのが特徴です。自覚症状としては眼痛や吐き気、充血や視力の低下、発汗など多岐にわたります。

急性緑内障で気をつけなければいけないことは、症状が急速に進行するため、素早い処置が必要になるという点です。急性緑内障の場合、早く処置をしないと失明する可能性が非常に高くなるため、正確な診断が重要になります。

②原因別による種類

さらに、緑内障を発症した原因によっても分類することができます。

先天性緑内障

先天性緑内障は、発達緑内障とも言われ、隅角という部分が未発達であることにより、眼圧が上昇して緑内障を発症するものです。発達緑内障のほとんどに遺伝性は見られず、原因ははっきりと解明されていません。

しかし、CYP1B1という遺伝子に変異が見られるケースもあるようです。症状としては、まぶたが痙攣したり、涙の量が多かったりする他、乳児の場合には光を嫌がるといった症状が現れるのが特徴です。

続発緑内障

続発緑内障とは、何らかの原因によって引き起こされる緑内障のことで、目のけがや葡萄膜炎などの疾患、糖尿病などの全身疾患や、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)などが原因として挙げられます。

病気の治療に使用していた目薬によって眼圧が上がってしまうことも多いため、眼精疾患の治療に目薬を処方された場合には、必ず副作用の有無を確認することが重要です。

原発緑内障

原発緑内障とは、上記に挙げた疾患など、他に原因のないものを言います。つまり、目の構造自体に原因がある場合ですね。この原発緑内障には、以下の2種類に分類されます。

開放隅角緑内障

その名の通り、隅角の部分が少しずつ広がっていく緑内障で、原発緑内障の中ではこちらの方が多いと言われます。眼圧の上昇が緩やかで慢性的なため、進行は遅く、なかなか自覚症状に気づきにくいのが厄介です。早期発見・早期治療が大切なので、違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

閉塞隅角緑内障

隅角部分が狭くなることによって眼圧が急激に上がり、緑内障を発症します。急性と慢性がありますが、急性の場合は自覚症状がはっきりとあり、突然目が痛くなったり(眼痛)吐き気を伴ったりすることが多いと言われています。隅角の閉塞によって眼圧が急上昇することを急性緑内障発作と言いますが、短時間で失明する危険があるため、早急な処置が必要となります。

正常眼圧緑内障

緑内障は眼圧が上がることが原因で引き起こされる疾患ですが、眼圧が正常でも緑内障を発症するケースがあります。これを正常眼圧緑内障と言いますが、日本では非常に多く、緑内障患者の60%以上が正常眼圧緑内障だと言われています。

正常眼圧緑内障の恐ろしいところは、眼圧に異常がないために、早期発見が難しく、知らないうちに進行して失明するリスクが高いといいうことです。初期症状に視野欠損がありますが、欠けている部分はごく一部のため気づきにくく、そのまま放置してしまい進行してしまうのです。徐々に視界が欠損した割合が大きくなり、やがて失明に至る怖い病気です。

正常眼圧緑内障の特徴は、進行が遅く、なかなか自覚しにくいことです。そのため、見えにくさを感じていても受診には至らず、病院へ行った頃にはかなり進行してしまっている場合が多いのです。正常眼圧緑内障は、40歳を過ぎると誰にでもかかるリスクがあると言われていますから、老眼が始まったと感じたり、40歳を過ぎたりしたら、緑内障の検査を受けることをオススメします。

緑内障の診断・検査方法

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緑内障の診断方法や検査方法はいくつかありますが、緑内障と診断された場合、毎回または年に数回、同様の検査を行い、病気の状態を確認する必要があります。

緑内障の検査方法

眼圧検査

眼圧検査は、眼球内の圧力を調べる検査で、眼球を外から押した時に、跳ね返す力がどのくらいあるかを調べます。痛みはないので安心してください。

眼底検査

眼底検査では、眼圧の測定と、視神経乳頭や網膜神経線維厚を調べます。緑内障が進行すると、網膜神経線維層が薄くなるため、網膜神経線維層の厚みを調べることで、進行具合を診断していきます。

また、視神経乳頭も、病気の進行と共に陥凹が拡大するため、状態を確認することは重要です。

詳しくは、眼底検査でわかることは?検査方法や注意点を知っておこう!を読んでおきましょう。

視野検査

視野検査は、どの範囲まで見えているのかを調べる検査です。

光の点が見えたらボタンを押して合図することで、視野範囲を確認します。

画像検査(OCT)

画像検査では、網膜の断面図を確認します。

緑内障であるかどうかを早期に判断する際に有効な検査方法です。

隅角検査

隅角検査では、解放隅角なのか閉塞隅角なのかを調べます。

このほかにも、視力検査や細隙灯検査などの検査を毎回、ものによっては年に数回検査をしていきます。

緑内障の治療法

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では、緑内障の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?

優先順に、点眼薬・レーザー治療・手術がありますので、詳しく見ていきましょう。

点眼薬

緑内障の治療には、基本的に点眼薬が使用されます。

眼圧を下げることで、症状の進行を抑えることが目的です。点眼薬は1種類から始めますが、効果がなければ2~3種類組み合わせて使用し、様子を見ます。

点眼薬の種類

点眼薬には、房水の生産量を抑えるタイプと、房水の排出を促すものがありますが、どちらも方法が違うだけで、眼圧を下げる効果は同じです。このようなタイプの違う点眼薬を配合して使用することもあります。

レーザー治療

レーザー治療には主に2種類あり、レーザーで穴を開けることにより眼圧を下げます。では、それぞれの方法についてご紹介しましょう。

レーザー虹彩切開術

急性緑内障発作を起こした場合、または発作を予防する目的で行います。レーザーで虹彩の根部に穴を開けることにより、房水の通り道を作る治療法です。

ただし、角間内皮に影響を及ぼし、水疱性角膜症を引き起こすリスクがあるため、他の治療が困難な場合にのみ行います。

選択的レーザー線維柱帯形成術

眼房水の排水を行う線維柱帯に、低エネルギーのレーザーを照射する方法です。これにより細胞を活発化させ、排水を促して眼圧を下げることを目的としています。

点眼薬では十分な効果が得られない場合や、点眼薬をきちんと差すことが難しい場合に行われ、有効性は90%と言われています。周囲の組織に熱損傷などのダメージが少ないため、半年~1年に1回程度の頻度ならば繰り返し行うことが可能です。

手術

手術は基本的に、点眼薬やレーザー治療をもってしても目標の眼圧にならなかった場合のみ行われます。

流出路再建術(トラベクトーム)

トラベクトームという装置を使用して行う手術で、房水の流れをよくするため、繊維柱帯を電気メスで切除します。

濾過手術(トラベクレクトミー)

結膜や強膜といった眼球の壁にに穴を開け、房水が外に排出されるようにする方法です。手術に癒着し、この穴が詰まってしまうことを防ぐために、マイトマイシンという薬物を使用します。

インプラント挿入術

フィルトレーションデバイスというステンレス製の前房の中に入れる手術です。これによって房水の排出を促すことを目的としており、トラベクトレミーよりも短時間で行うことができる点、術後の炎症が軽減される点で優れています。

緑内障の早期発見のための自己検査

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緑内障は、早期発見・早期治療が大切です。

そこで、自分でできるチェック方法をご紹介しましょう。時々試してみて、異変があるようなら早急に眼科を受診してください。

ノイズフィールドテスト

使用するのは、テレビのノイズ画面(何も放送されていない画面)です。ノイズ画面が出たら、中央に5mmくらいの丸印を貼ります。

次に、テレビのタテの長さと同じくらいの距離を取り、画面に暗いところや点滅しているところがないか、均一に見えているかをチェックします。片眼ずつ行いましょう。

格子を使った方法

次に、格子を使った方法をご紹介します。格子の中心に丸印があるものを用意し、30センチほど離して片眼ずつチェックします。格子が曲がったりぼやけたり、消えたりしているところがないかどうかを確認しましょう。

格子を使ったチェック方法

視野欠損から考えられるその他の疾患

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では、視野欠損を引き起こす疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?

緑内障以外で考えられる疾患についてご紹介しましょう。

光視症

光視症の見え方は人によっても多少違いはありますが、視界に稲妻のようなものが映ったり、視野全体に光が散らばって見えたりする症状です。光の色は白色が多いですが、赤やオレンジなども見られ、後部硝子体剥離が原因だと考えられています。

レンズの役割を果たす硝子体が加齢によって縮み、網膜から離れていくことによって引き起こされます。さらに、光視症を発症している人の20%で網膜裂孔が起こり、さらに進行すると、失明することもある網膜剥離を引き起こすため、注意が必要です。

また、眼ではなく脳が原因になっている場合にも注意が必要です。脳の血管が痙攣することで引き起こされる光視症の場合は、症状が収まった後に血管が拡張するため、頭痛が起こるのがサインです。

光視症になったら即眼科、ではなく、脳に原因がある場合には神経内科を受診する必要がありますので、原因をきちんと調べることが重要ですね。

また、光視症に似た症状で「飛蚊症」もあります。こちらは白ではなく、黒い糸くずのようなものが視界に映る症状です。原因は光視症同様、後部硝子体剥離や網膜裂孔のほか、硝子体出血や硝子体混濁なども挙げられます。

詳しくは、光視症とは?症状や治療法、原因となる病気を知ろう!診断方法は?を読んでおきましょう。

虹視症(こうししょう)

虹視症とは、電球などの光を見た時に、光の周りに虹の輪が見える症状を言います。特に目が疲れている時や、角膜が汚れている時などに起こりやすく、光が乱反射することで虹の輪が見えるのです。

目の疲れなどが原因の場合はよいですが、しばらく様子を見ても症状が回復しない場合には要注意です。虹視症は緑内障の代表的な症状でもあるためです。もしも虹の輪が見えることが頻繁に起こるのならば、1度医療機関を受診されることをオススメします。

虹視症の原因

眼精広い以外の原因として考えられるれ原因としては、角膜に目やにがついていて汚れている場合や、ビマン性表層角膜炎にかかっている場合があります。また、結膜炎でも目やにが出る場合にも、同様の症状が出ます。

このように、外面的なことが原因で起こっている場合には、原因となる目やにを取り除けば症状は解消されます。

変視症

変視症は、ものが歪んだり、波打ったりしているように見える疾患で、視力低下や虫食いのように視野が欠損するなどの症状が見られます。また、実際よりもものが大きく見える「大視症」や、ものが小さく見える「小視症」なども変視症の一種と言われています。

若年層では、網膜剥離や中心性網脈絡膜症、近視性新生血管黄斑症など、老年層では、加齢黄斑変性症や黄斑円孔が原因として考えられています。また、過労やストレスを抱えていると発症しやすいとされ、ストレスの少ない生活を心がけることが重要となります。

加齢黄斑変性は黄斑部に異変が起きることで引き起こされ、その原因はまだ分かっていません。しかし、喫煙やストレスが原因の1つではないかと考えられているため、今一度、生活習慣を見直すことが大切になります。

網膜剥離

網膜はいわゆるフィルムの役割をしており、目に映った像を脳に伝える働きがあります。さらに、網膜は神経網膜と網膜色素上皮の2層に分かれていますが、通常はぴったりと2層がくっついています。これが何らかの原因で剥がれてしまうのが網膜剥離です。

神経網膜は網膜色素上皮を通して栄養を取っているため、網膜剥離を起こすと栄養が行き届かなくなり、光を感じる視細胞の働きが鈍り、視力や視野に障害が現れるのです。

詳しくは、網膜剥離の原因は?症状や治し方を知っておこう!を参考にしてください。

網膜動脈閉塞症

網膜動脈が詰まることが原因で、血液が網膜に行き届かなくなった状態を網膜動脈閉塞症と言います。血液が届かなくなった網膜細胞は、酸素不足によって死滅するため、眼病としては非常に重い疾患の1つです。

高年齢になるほど発症しやすく、糖尿病や高血圧症、心臓弁膜症を患っている人が発症しやすい疾患でもあります。また、若年層で起こる場合には、膠原病や動脈の炎症、自己免疫疾患や経口避妊薬などが原因として挙げられます。

網膜に血が通わなくなることで起こる疾患ですから、症状は急激に現れるのが特徴です。詰まる場所によって中心動脈閉塞症・分枝動脈閉塞症とに分類され、症状の現れ方にも違いが見受けられます。

中心動脈閉塞症は、視野が全体的に暗くなるのが特徴dえ、視力も大幅に低下します。これに対して分枝動脈閉塞症では、視野が暗くなるのはほんの一部で、閉塞が起こった部分に限られます。また、視力低下は必ずしも起こるわけではなく、網膜の中心が閉塞部にふくまれていル場合のみ起こります。含まれていない場合には、視力低下は見られません。

網膜色素変性症

網膜は、光を関知する視細胞という細胞がたくさん集まってできています。この視細胞が実年齢以上に早く老化して、機能を失ってしまうことで起こる病気です。

視細胞が機能停止した部分は光を関知できないため、視野が欠損することになります。そのため、症状としては、初期の「夜盲(鳥目)」や、視野が狭くなる「視野狭窄」などが見られます。症状がさらに進行すれば、失明することもあり得る病気です。

進行は非常に緩やかなため、すぐに失明したり、生活が困難になることはありませんが、徐々に視野が狭くなり、人やものにぶつかりやすくなったり、捜し物が見つかりにくくなったりします。

視神経炎

視神経炎は、眼球の後方にある視神経に炎症が起こることによって引き起こされる視機能障害です。特徴として、片眼性の視力低下や、眼球の奥の痛みが挙げられ、多発性・再発性の炎症(多発性硬化症)の初期症状として、全身の神経に起こることもあります。また、片眼性から両眼性に移行することもあると言われています。

原因は今のところ解明されていませんが、近年では中枢神経の蛋白質であるアクアポリン4に対する自己免疫が原因の1つである可能性も示されつつあります。というのも、アクアポリン4に対する抗体が、再発性視神経炎の4分の1の割合で見られるためです。

詳しくは、視神経炎とは?種類や症状、原因や治療方法を理解しよう!を読んでおきましょう。

中毒性視神経症

中毒性視神経症は、薬物による視神経障害の1つです。中心視力低下を引き起こしますが、原因となる薬物の使用を中止すれば症状は治まります。

原因となる薬物としては、シンナーや農薬である有機リン、メチルアルコールのほか、エタンブトール(結核薬)、クロラムフェニコール(抗生剤)、アミオダロン(抗不整脈薬)、ビンクリスチン(抗腫瘍薬)、タモキシフェン(抗エストロゲン薬)などがありますが、症状が深刻になる前に使用を中止することで、取り返しのつかない状態を回避することは可能です。

エタンブトールによって発症した場合、色覚異常や、視野障害(両耳側半盲)が現れることがあります。また、中毒性視神経症のほどんどでは、視野の中心部分が見えにくくなる中心暗点が現れます。

虚血性視神経症

虚血性視神経症は、梗塞や卒中が視神経に起こった状態です。高齢者が発症する例が多く、視神経に急激な循環障害が起こることで引き起こされます。

特徴的な症状は、片眼に急激な視力低下が起こることで、動脈炎型と非動脈炎型に分類されます。動脈炎型では視力障害が重篤になりやすく、反対の眼にも発症するために、早期発見・早期治療が大切になってきます。

眼球と視神経をつなぐ視神経乳頭で起こった者を「前部虚血性視神経症」、視神経の後方で起こったものを「後部虚血性視神経症」と分類しています。

遺伝性視神経症

遺伝性視神経症は、乳児から思春期あたりにかけて発症する、視力障害を伴った遺伝性の疾患です。

特に、レーベル遺伝性視神経症は15~35歳にかけて発症することが多く、視力が0.1程度にまで落ち込む、著しい視力低下が見受けられます。

特発性視神経炎

特発性視神経炎の原因はよく分かっていません。20代から50代の女性に発症することがやや多く、片眼または両眼に視力低下が生じます。視力低下が見られる数日前あるいは同時期に、眼球を動かした時に痛みが現れる場合があります。

見え方としては中心暗点が多く、全体に霧がかかったように見える場合や、視野の一部が徐々に見えにくくなる場合もあります。

頭の病気による視野欠損

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これまで眼の病気を主な原因として紹介してきましたが、実は、頭の疾患が原因で視野欠損につながるケースもあります。

モノを診ると、まず網膜で光をキャッチし、それが視神経を通して大脳に伝わり、後頭葉で情報として処理されます。視神経から大脳、後頭葉へ資格情報が伝えられる道を「視覚路」と言いますが、疾患などによって視覚路が遮られると、視野障害が起こり、見え方に異常が発生します。

では、視野欠損を引き起こすような頭の病気には一体どのようなものがあるのでしょうか。

脳梗塞

視野に影響をもたらす頭の病気としては、脳梗塞屋脳内出血が挙げられます。脳梗塞の照応に片麻痺がありますが、これは眼についても例外なく起こります。右眼・左眼ともに片方の視野が狭くなる「同名半盲」を引き起こすほか、両目で見た時にものが二重に見える両眼複視が起こる場合もあります。

大脳の中でものを見る役割を担っているのは後頭葉ですが、側頭葉や大脳基底核に障害が起こった場合でも、視野に異常が現れます。上記のような症状が現れた場合には、眼の病気と決めつけず、早めに脳神経外科を受診することをオススメします。

脳梗塞のリスク

脳梗塞になると、視野欠損や複視など、さまざまな障害が現れますが、これ以外にも、眼に厄介な症状が現れることがあります。

わたしたちの眼は、何かを見ようとする時、その対象を眼で追うことができますが、それは眼筋という、眼の筋肉があるからです。眼の周りの筋肉には、水平方向に走る筋肉(外直筋・内直筋)と、垂直方向に走る筋肉(上直筋・上斜筋・下直筋・下斜筋)という、6種の筋肉があります。わたしたちが不自由を感じることなく目を動かし、対象を捉えることができるのは、これらの6種類の筋肉のおかけです。

脳梗塞になると、これらの筋肉が動かなくなる、眼筋麻痺が起こることがあります。 この眼筋麻痺によって起こるのが、先ほど脳梗塞の症状としてお伝えした複視です。両目でものを見る時、本来ならば目の位置を調整する力が働きますが、眼筋麻痺によってそれがうまく機能しなくなるために、複視を引き起こすというわけですね。

 まとめ

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ここまで視野が欠ける病気についてご紹介してきました。視野欠損というと、すぐに症状に気づきそうな気がしますが、実際のところはなかなか気づきにくいということが分かりましたね。わたしたちの目は、片方に異常が起きても、もう片方の目で不足を補ってしまうため、非常に便利ですが病気の発見が遅れてしまうデメリットもあるのです。

だからこそ、少しでも違和感を感じたら放置せず、早めに眼科で見てもらうようにしましょう。また、紹介した方法で自己検査を定期的に行うことも大切です。家庭にあるもので簡単に検査できますから、日頃から目の健康には気を配りたいものですね。目は一生使うものですから、しっかりとケアをしましょう。

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これらの記事を読んでおきましょう。

  
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