視神経炎とは?種類や症状、原因や治療方法を理解しよう!

視神経炎について、お聞きになられた事はありますか?この病気は眼球の後ろの視神経に、炎症が起こる病気です。球後視神経炎とも言われます。

多発性硬化症の初症状として発症する事もあり、片側の目の視力低下から、発症する事が多く眼球の奥に痛みをともない、両方の目に視力低下が起こる様になります。

発症年齢は20~30代の女性に、やや多いと言われていますが、小児や60代でも発症します。10万人1人の割合です。日本においては少ない病気ですが、自己免疫疾患の疑いもあります。

これから多くなる事も予想されますので、その時の為にも知識を、インプットする事は大切に思います。ご一緒に見ていきましょう!

視神経炎とは

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視神経炎とは視神経に炎症が起こり、視覚機能が異常を起こす病気です。視神経炎は目の視神経だけでなく、多発性硬化症や視神経脊髄炎等の様な、体全体の病気になっている事があるので、注意を要します。

突発性神経炎の多くは回復する人が多く、視力も74%が1.0まで回復する事もありますが、数%は視力が回復しない人もいます。

視神経炎の原因

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視神経炎の確かな原因は不明です。神経の周りを幾重にも取り巻いている、被膜(髄鞘)が炎症を起こし髄鞘が傷害して、視神経が炎症を起こし、視神経機能が異常をきたします。

現在では髄鞘を作り出している、たんぱく質に対する自己免疫が、原因ではないかと言われています。またウイルスや細菌の感染なども考えられています。

また最近アクアポリン4が自己免疫の発症に、関与しているのでは?と言われています。アクアポリアン4は中枢神経の、たんぱく質による抗体です。これは視神経と脊髄に障害を起こす事が多く、高齢の女性や両眼性・進行性で再発し、重篤化しやすいと言われています。

疾患による視神経炎の原因

多発性硬化症

視神経炎の場合多発性硬化症が原因の事が多く、この多発性硬化症は脳や脊髄を覆っている髄鞘(神経の周りを幾重にも取り巻いている被膜)が炎症を起こす病気で、治療はコルチコステロイドを投与します。

視神経脊髄炎

アクアポリタン4の抗体が原因で視神経と脊髄による炎症が繰り返されます。視神経脊髄炎は他の神経炎を合併して、再発を繰り返す病気で完治がむつかしく、難病に指定されています。

感染症による疾患が原因の視神経炎

ヘルペス、梅毒、副鼻腔炎、結核、おたふく風邪、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、髄膜炎、EBウイルス、サイトロメガロ等

免疫による疾患が原因の視神経炎

サルコイドシース、シェーグレン症候群、SLE、ギャランバレー症候群、グレーヴス病、グッドパスチャー症候群、全身性エリテマトーデス、ブドウ膜炎などの眼内炎症、ワクチン接種、悪性貧血等

その他による疾患が原因の視神経炎

腫瘍によって視神経が侵されて、視神経炎の症状がでます。

一部の抗生物質、メチルアルコール、鉛、ヒ素、化学物質、キニーネ、薬物等により視神経が侵され視神経炎の症状がでます。

稀に糖尿病や蜂刺されや外傷等から視神経炎の症状を起こす事があります。

視神経炎の症状

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目の圧迫感や眼球痛などがあり、片側や両側の急激な視力低下に加え、真ん中の視野が欠損したり、した半分が見えなくなるのが、特徴的な症状です。視力低下は2~3日で0.1以下になります。

視力低下を起こす数日前から、眼球の奥の痛みがひどく、全体にぼやけて見えたり、視ようとするところが見えなかったり、だんだんと視野の一部が欠けてきます。

体温が上昇する運動や入浴の時に、見えにくい症状が出る事が特徴です。自覚症状として眼球の後ろが眼球運動でおこる、球後痛が自覚症状ですので、この様な自覚症状が出た場合は、専門医に早急に相談する事をお勧めします。

球後痛とは目を動かすと、目の奥が痛む状態をいいます。色の識別が困難となり、赤と緑の色の違いが分かりにくなります。また対抗反応の障害がでて、ちらつきが分かりにくくなったり、眼底の異常が起こる事があります。

視神経の種類

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特発性視神経炎

眼球側の視神経が赤くはれる場合は、比較的治りが速いです。しかし視神経乳頭(眼球側の視神経)には異常がなく、正常に見える場合、救後視神経炎と言われるものは、多発性硬化症といって、脊髄や大脳の視神経の、集まっている所に異常が起こり、悪化と軽快を繰り返していきます。

また視神経炎や多発性硬化症の一部に、免疫が自分の組織と違うと認識して抗体を作り、抗原抗体反応を起こして、多発性硬化症以外の炎症を、起こす事がある事も分かってきました。

治療は一般的に副腎皮膚ステロイドや、ビタミン薬の点滴を行う事が多いです。また突発性視神経炎は原因不明が多いです。

多発性硬化症の視神経炎

完治が難しい病気で、難病指定されています。他の神経炎を合併して再発を繰り返し、脳と脊髄を覆っている膜の繊維が硬くなって、視神経に炎症をおこします。

世界では250万人と多いですが、日本には12,000人と患者数が少ないです。多発性硬化症は神経を覆っている膜の繊維がむき出しになる脱髄疾患です。破壊された髄鞘が回復すると、病気も回復しますが、髄鞘が炎症を何度も起こすと疾病は治らないままとなります。良くなったり悪くなったり繰り返します。

症状は視力低下、麻痺や脱力、しびれや感覚がマヒする症状が多いです。

症状は個人差が非常に大きく、良く成っても完治はせず、時間と共に病状は悪化していきます。20%との人は独立歩行できるようになりますが、後の人はだんだんと悪く成り、50代でつえ、60代で車いす、最終的に寝たきりになります。

視神経脊髄炎の視神経炎

抗アクアポリタン4の抗体ができ、免疫系がアストロサイト周辺を攻撃して、脱髄が起こり脱髄疾患になります。多発性硬化症の視神経炎と昔は同じにされていましたが、現在ではこの原因がはっきりと違う事が分かってきました。

視神経脊髄炎はあらゆる年齢で発症し、特に高年齢発症が多く、視神経と脊髄に炎症を起こすので、視力低下や眼痛、また両眼が同時に発症する場合や、失明する場合もあります。

視神経脊髄炎は多発性硬化症よりも症状は重く、炎症が脊髄の広範囲に起こると寝たっきりになる事もあります。また脳にも炎症が及ぶと生命にも致命的に成り、最近では筋肉にも炎症が起こるとされています。

視神経脊髄炎を疑った場合は早急の治療が必要です。

視神経が萎縮して再発を繰り返し重症化していきます。脊髄の病気が長期に及ぶ場合は、抗アクアポリタン抗体の神経炎の視神経脊髄炎です。これも難病に指定されています。

重症の脊髄炎を発症し、高齢者の女性に多くまた再発回数も多く、視神経萎縮がおこり中心の視野が欠損したり、した半分がみえなくなります。

治療は一般的にステロイドパルス療法を行います。酷い場合は血液浄化療法を行う事もあります。

虚血性視神経症

虚血性視神経症は血液が視神経に栄養を与える、血管の循環に異常を起こす病気です。高齢者の片方の目にある日突然視力低下や視野の欠損が起こります。

視野の下がり方は同じでは無く一気に下がる場合と、数日後に下がる場合があります。

外傷性視神経症

眉毛の外側に近い部分の前額部を交通事故や、落下などで強打した場合、片側の視神経が破損して視力、視野の障害が起こる事があります。24時間以内なら副腎皮膚ステロイドが投与されますが、手術には議論を呼んでいるそうです。

圧迫性視神経症

腫瘍などで視神経が圧迫されて起こる病気です。腫瘍に圧迫される事により、徐々に視神経が異常を起こし視力や視野の障害が起こります。脳外科治療を行います。

中毒性視神経症

薬の長期使用で、視神経の障害を起こしています。エタンブトール等の抗結核薬等が良く知られていますが、抗生物質や抗ガン薬や農薬などでも、中毒性視神経症が起こされ、視神経の異常が起こり視神経症になります。投薬した薬や農薬の使用を中止する事が必要です。

遺伝性視神経症

遺伝によるもので治療はできません。レーベル病は10代から40代に発症する事が多く中心部の視力低下が起こり母系遺伝の男性に多いです。

0.1以下に両眼ともなりますが、周りの視野には異常がみられません。若い時に発症した場合は稀に改善がみられる事もあります。

抗アクアポリン4抗体性視神経炎

急激な視力低下、視野の障害がおこり50%の患者で、眼痛を訴えます。体温が上昇するときに、霧が掛かった様に見えにくくなったり、中心の視野が欠損したり、半分が見えなくなったりと視野異常が起こります。

高齢の女性に非常に多く、突発性神経炎の10%ぐらいがこの抗アクアポリタン4抗体性視神経炎であることが多いです。

アクアポリタンとは細胞の中に入る、水の出入りを制御するたんぱく質でできたもので、人間の赤血球の膜に存在しているもので、水チャネルといいます。

このアクアポリタン4の抗体ができて、視神経の毛細血管、脳、脊髄に異常をおこし日本人女性に多く、視神経炎の約10%に抗体があり、両眼の視野、視力低下を起こします。

治療はメチルブレドニンの大量療法や血漿交換療法、免疫抑制薬、大量ガンマグロブリン等の治療が施されます。直っても再発が多くその時は副腎皮膚ステロイド等が使用されます。

その他

視神経症の10~20%は原因不明です。また副鼻腔炎の手術をした後とか、ビタミンB群の欠乏によるものもあります。視神経に関する限り医学的にまだまだ分からない事があります。

視神経炎の治療

点滴器具

視神経炎の治療はMRIで眼球の後ろに腫瘍ができていないか、頭部MRIで多発性硬化症や視神経脊髄炎になっていないか調べます。

視神経炎と判れば副腎皮膚ステロイド剤の点滴が行われ、多発性硬化症や視神経脊髄炎等の合併症が起きている場合は、インターフェロンによる治療が行われます。

視神経炎はとても早く症状が進ので、眼球の後ろが目を動かした時に痛い場合は、早急に専門医に相談ください。

まとめ

視神経炎について少しはお解り頂けましたでしょうか?視神経炎は疾病によっては回復する事もある様です。視神経炎は元々目の病気の様ですが、目の病気だけでなくその中に色々な病気が含まれていて、合併症を起こす事で治らない病気になってしまう事もあります。

突発性視神経炎の場合は治りは自然治癒や治療で治るようですが、その他合併症がある場合は元の病気を治療してその病気を治す事で、治る事もある様です。

何事も早期発見、早期治療が大事ですので、症状がもし出る様でしたら、迷わず専門医に相談してくださいね。

  
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