気づいたら、脇にできものができていた・・・。実は脇のできものに悩んでいる人はとても多いです。中には痛みを伴ったり、赤く腫れてしまったり、治ったあとも跡が残ってしまったり、さまざまな嫌なことが起こることもあります。
ここでは、脇にできるできものって一体何なのか、そしてなぜできてしまうのか、治療が必要なのか、どんな治療法なのか?ということについてお伝えします。脇のできものに悩んでいる人はぜひ読んでみてください。
この記事の目次
脇にできるできものには、こんな種類があります
脇にできものができてしまった時、考えられる可能性を6つ紹介します。
粉瘤(アテローム)
脇にできるできものの多くは粉瘤(ふんりゅう)、アテロームとも呼ばれます。
これは皮膚の下に膿疱という袋ができて皮脂や老廃物などが溜まっている状態で、数mm~数cmのできもの、しこりのような形で、良性の腫瘍です。中心が酸化して黒くなっていることが多いのが特徴です。
毛穴が塞がってしまってうまく老廃物を排出できずに詰まっている状態ということで、ニキビととっても似ていますが、ニキビとの違いは自然治癒しないことと、袋ができていること、コブのようなしこりが出来る点です。
ニキビ(丘疹、膿疱、膿腫)
ニキビは皮脂分泌の多い顔や胸元、背中にできることが多いですが、脇の付近にできることもあります。
ニキビは身近なのでつい軽く捉えてしまいますが、尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という病気なんです。
ニキビは皮脂や汚れが毛穴に詰まってしまい、皮脂が溜まってしまっている状態です。皮脂が溜まり始めた頃は白ニキビ、溜まった皮脂が酸化して黒ニキビに、そして炎症が起きてしまうと赤ニキビ、炎症が進み化膿してしまった状態を黄ニキビといいます。
白ニキビと黒ニキビの段階で適切に処置すれば、跡にならずキレイに戻ることもありますが、炎症が起きてしまうと色素沈着やクレーターのような跡になってしまう可能性が高まります。なるべく早めに皮膚科で治療することがおすすめです。
食生活に偏りがあったり、ストレスがある場合、また皮脂の分泌が盛んになる成長期、思春期に多いです。
脂肪腫
できものというよりは、コブ、しこりというほうがしっくり来るかもしれません。
脂肪腫は40~50代に多いと言われています。はっきりとした原因は解明されていません。筋肉と皮膚の間にできる、脂肪のかたまりで、触るとブヨブヨしています。痛みやかゆみなどは出ない場合がほとんどで、そのままにしておいても問題はありませんが、まれに悪性腫瘍になってしまう場合があり判断が難しいため、専門医による検査が必要です。
背中や足など脂肪腫ができる場所によって、痛みを感じたり関節の動きに支障が出るようなばあいは手術による切除が有効です。また、化膿してしまったり強い痛みを感じる場合などは脂肪腫ではなく他の疾患の可能性もありますので、速やかに受診するようにして下さい。
脇の下の脂肪腫は、リンパ節の腫れとも症状が似ているため、安易に自己判断しないことをおすすめします。リンパ節が腫れて、悪性リンパ腫になってしまうと全身に転移して重篤な症状を起こすこともありますので、ただの脂肪腫だから大丈夫と思わず、すみやかに受診するようにして下さい。
脂肪腫については、脂肪種って何?症状・原因・治療法・予防法を紹介!を読んでおきましょう。
副乳
哺乳類は、4つ以上の乳房を持つ動物が多いですよね。ヒトも進化の過程で左右一対の乳房になりましたが、かつては多くの乳房を持っていたとも言われています。完全に無くならずに残っている状態のものが、副乳です。女性の5%、男性の2%に副乳があるそうです。
ポツ、という出っ張りがある場合や、アザのようなものがある、という場合もあるようです。
脇の下から恥骨にかけてのVラインはミルクラインと言われそのラインに副乳があります。脇の下やお腹にある人が多いようです。女性が妊娠した時や生理の時に目立つようになることも多いようです。
進化の過程がカラダに残っているとは驚きですね。
毛嚢炎(もうのうえん)
毛嚢炎(もうのうえん)、または毛包炎(もうほうえん)とも言われます。主にムダ毛の処理の時に皮膚を傷めてしまい雑菌が入るなどして炎症を起こしている場合です。また、下着のゴムなどで常に皮膚が擦られている場合にも多いようです。
食生活のバランスが崩れている時や、甘いものの食べ過ぎ、糖尿病の人などは毛嚢炎になることが多く、悪化しやすいと言われています。
赤いプツプツからはじまり、だんだん白い膿が見えてきます。ニキビとよく似ていますが、中央がへこんでいるのが毛嚢炎の特徴です。ニキビはアクネ菌に感染することによって発症しますが、毛嚢炎はその他の菌に感染することで起こります。
軽い場合は自然治癒しますが、重度になるとどんどん悪化する場合もあり治療が必要になります。
詳しくは、毛嚢炎の症状や原因、治療法を知ろう!大人と赤ちゃんとの違いって?を読んでおきましょう。
帯状疱疹
帯状疱疹は背中やお腹にできることが多いですが、初期症状は左右どちらかの脇の下に出ます。チクチクとする痛み、赤い発疹や水膨れが出て、風邪のような症状が出る場合は帯状疱疹の初期症状かもしれません。
帯状疱疹のウイルスは水ぼうそうのウイルスと同じです。一度水ぼうそうに罹ると免疫が出来て再度水ぼうそうになることはありませんが、免疫力が落ちた時に体内に残っていたわずかなウイルスが暴れだすことで帯状疱疹の症状が出ます。
帯状疱疹の初期症状かな、と思ったら速やかに受診してください。抗ウイルス薬を初期段階で取り入れることが出来れば症状を軽く済ませられることもあります。また薬を使わずに自然に収まった場合に、帯状疱疹後神経痛といって、ウイルスによって傷ついた神経の痛みが続く場合もあるので薬を上手に使って経過させるようにするのがよいでしょう。
詳しくは、帯状疱疹はうつるの?治療するには薬が効果的?を参考にしてください!
脇のできもの、なぜできてしまったの?原因は?
脇のできものができてしまう原因は、主にこのようなものが考えられます。
制汗スプレーで毛穴を塞いでしまう
ニオイや汗を抑えたいという気持ちはわかります。でも汗がなぜ出るかというと、老廃物や皮脂などの不要なものを体内から外に排出するためなんです。それをスプレーで塞いでしまうと、出したいのに出ることができず、内側に溜まって炎症や腫れなどの症状が出ます。
制汗スプレーはどうしても必要な時だけにして、なるべく汗を出せるようにしてあげることがカラダにとって必要なことだということをいつも意識するようにしたいです。
脱毛で皮膚を傷つけている
カミソリや毛抜きで脱毛処理をして、その後の皮膚のケアを全くしないことは、皮膚にとってとても大きなダメージになるということを忘れてはいけません。
脱毛の後には、充分に保湿することが重要です。ボディクリームや、化粧水と乳液を使用してしっかり保湿しましょう。潤い不足のまま脱毛してしまうのもダメージを大きくする原因なので、脱毛後だけでなく、脱毛前のケアも必要ということですね。
ゴシゴシ擦り過ぎて皮膚の表面が傷ついてしまう
毎日毎日ボディソープをつけて、アクリルのタオルなどでゴシゴシこすっていては皮膚が傷だらけになってしまいます。できものができるのは汚れが溜まっているから?と思ってゴシゴシするのは逆効果ということです。
そもそも市販のボディソープで毎日カラダを洗っていると、皮膚の表面のバリアの役目を持った油分まで取り去ってしまうため皮膚にはダメージになってしまっているんです。
特に乾燥肌を自覚している人は、市販のボディソープではNGです。保湿力のある、皮膚に優しいボディソープを使うようにしてみてください。そして毎日毎日ゴシゴシしなくても、お湯で流して手でなでるだけで充分に清潔を保つことができますよ。
脇のできもの、治療が必要?必要だとしたらどんな治療なの?
上に挙げた症状の中で、すみやかに治療が必要なのは以下の3つです。
脂肪腫
悪性の脂肪腫だった場合、また脂肪腫に似ている違うものだった、という場合はすみやかに治療する必要があります。
悪性の脂肪腫は脂肪肉腫といって、そのままにしておくと様々な場所に転移してしまいます。自覚症状が出た時にはかなり広がっていたというようなことも少なくないようです。小さい腫瘍であれば日帰り手術も可能です。大きくなってしまうと全身麻酔での大規模な手術になることもあります。
脂肪腫に似ているものは主に、多発性血管脂肪腫と神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)があります。
多発性血管脂肪腫は、良性の脂肪腫ですが押すと痛むのが特徴です。血管も巻き込んだ脂肪腫のことで、同じ場所に多数の小さい発疹が出ます。何もしなくても痛むことがあるため、早めに治療するのがいいでしょう。治療は、局部麻酔を用いて切開し腫瘍を取り出します。手術後に血液が溜まらないよう管を入れることもあるようです。
神経鞘腫は神経の近くに腫瘍ができた状態です。表面ではないので見た目や触ったかんじでは気が付きにくいです。鋭い痛みがあるため、早めに治療したいです。CTやMRIでの細密検査が必要です。治療は、神経の近くなので顕微鏡などを用いて精密に手術を行います。神経を傷つけることのないように腫瘍を取り出します。
毛嚢炎が悪化したとき
見た目で判断できる軽度のものなら自然治癒することが多い毛嚢炎ですが、膿を持って悪化してしまった場合は、どの菌に感染して起きているのか原因を突き止める検査を行うことから始めます。
毛嚢炎にはさまざまなパターンがあるため、治療法もさまざまです。まずは原因となる菌を特定して、抗生物質や抗真菌薬、または切除を行う場合もあります。あまりに悪化してしまうと継続的な治療が必要になる場合もあるようなので、ひどくなりそうだと思ったら早めに受診しましょう。
帯状疱疹
帯状疱疹の場合は、上記のとおり初期段階で気づくことができれば、抗ウイルス薬によって重症化を防ぐことができます。症状の重い場合や免疫力が低下している人は入院して点滴による治療をする場合もあります。
使用する薬は抗ウイルス薬、鎮痛消炎剤が一般的です。
抗ウイルス薬はウイルスを無くすのではなくウイルスの増殖を防ぐものなので、早ければ早いほど、ウイルスが増えずに症状を抑えることができます。また、初期段階で神経ブロック注射で治療を行うことも効果的です。
帯状疱疹は皮膚の炎症というより神経の病気です。市販のかゆみ止めなどを塗ることは逆効果になることもあるので気を付けましょう。
脇のできものを予防するために、気を付けるべきこと
脇のできものができないように気を付けることは何でしょうか。共通項をまとめました。
清潔にすること
これはどんなことにも共通のことですが、清潔にすることは大切ですよね。できもの予防にも、エチケットとしても、人としても。
でも気を付けたいのは清潔にしすぎないことです。程よく、必要最小限の皮脂成分は残して清潔にすることを意識しましょう。洗浄力の強すぎるボディソープは控えて、皮膚に優しい成分のボディソープを使うこと、またはお湯だけで十分に汚れが取れることに気付くことが大切です。
汗をかいたらこまめに拭くことや着替えること、また寝具や衣服、お風呂上りのタオルなどもこまめに洗濯するようにしましょう。部屋の掃除や空気の入れ替え、空気清浄器の導入も良いでしょう。
皮膚を傷つけないこと
脇は特に、脱毛や制汗剤などでダメージを受けることが多い場所です。極力ダメージを与えないよう、工夫して脱毛、制汗しましょう。特にカミソリを定期的に使い続けることは大きなダメージになるので避けたほうがいいかもしれません。より皮膚に優しい方法を探してみましょう。
洗う時にゴシゴシこするのも禁止です。タオルを使うならアクリルなどのごわごわした素材より、オーガニックコットンなどのしっとりしたものを選びましょう。
乾燥している時は丁寧に保湿ケアしましょう。ボディクリームや、化粧水+乳液、または化粧水+オイルも効果的です。
脱毛サロンでのレーザー脱毛が原因でできものができてしまう場合も多いようです。皮膚が弱い人は避けたほうが無難でしょう。
ストレスを溜めないこと、工夫してリラックスすること
これもすべてに通じる大切なことですが、現代人は常にストレスを感じていてなかなかリラックスするための特別な時間をとることが難しいですよね。
ストレスが溜まってしまうと、カラダの様々なところに悪影響があります。脇のできものも、肌荒れ、冷え症、胃腸が弱まるなどなど、それがさらに血流を弱めたり新陳代謝を弱めたりというように、ストレスを上手に発散させることは現代を健康に美しく生きるうえでとても重要なことだと感じます。
最近リラックスしてないな、と感じたら、自分にとってリラックスできることは何か?その時間をどうやってつくるか?ということを考えてみてください。ほんのわずかの時間でも意識してリラックスすることでカラダの調子は大きく良くなるはずです。
いつもと違う?と感じることができるように、いつも自分のカラダを意識すること
日々忙しくしていると、自分のカラダのことなんか全く意識しないまま時間だけが過ぎていくような感覚になることがあります。
ちょっとした不調があっても無視して放置しておくと、後になって大きな症状になってしまったり、取り返しのつかないことになってしまう場合も・・・。
自分の健康は自分で守りましょう。自分のカラダのことは自分がいちばんよくわかります。いつもと違う?というちょっとした変化を感じるためには、いつも自分のカラダの調子を意識することが大切です。胃腸の調子が良くないから消化のよい食事を選ぼう、なんだかいつもと違う痛みがあるから早めに診察してもらおう、違和感を感じるから今日はなるべく休憩しよう、というように、忙しい中でも自分をきちんとケアしていくことが大切だと感じます。
まとめ
- 脇にできるできものには、様々な種類がある。
- できものの原因として考えられるのは、制汗スプレー、脱毛時のケア不足、ゴシゴシ洗いすぎ。
- すみやかに受診して治療が必要になってくるのは、悪性の脂肪腫、脂肪腫に似た多発性血管脂肪腫と神経鞘腫など。そして帯状疱疹。
- 治療は手術で腫瘍を摘出する。帯状疱疹の場合は抗ウイルス薬などの薬で行う。
- 予防は、清潔にすること、皮膚を傷つけないこと、ストレスを溜めないことをいつも意識すること。
脇のできものと一言で言っても、さまざまな原因とさまざまな症状があるんですね。
原因不明のものもありましたが、やはり日頃の習慣や意識の持ち方で違ってくるんだな、と改めて感じました。脇のできものだけでなく、健康と美容を意識して生きていくためには、いつもカラダの声を聴くことが大切なんですね。
ここでは主要なものを紹介しましたが、他の病気の可能性もあるので、迷った時は自己判断せずに専門医に受診してくださいね。