みぞおちの痛みの原因はなに?部位ごとの病気を知ろう!痛くなりやすいのはどんな人?

体に痛みが走る時、その場所によって病気をある程度特定することができます。胸が痛いときは心臓や胃に何かしらの病気がある、なんてことはよくあることです。

みぞおちの痛みは様々な病気の可能性があるため、自覚したときは注意しなければなりません。時として、命の危険もあるので早めの診断・治療が望ましいでしょう。

では、みぞおちの痛みを感じた時、どういった病気の可能性があるのでしょうか。それぞれの病気の特徴、自覚症状、原因について詳しくみていきましょう。

みぞおちの痛みが主症状の病気

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みぞおちとはお腹の上、左右の肋骨の中心の部分です。ボクシングなんかでこの部分をパンチすると、大きなダメージを負ってしまう部分です。

みぞおちは体の中心。そこには様々な臓器が集まっています。胃、肝臓、膵臓。みぞおちの痛みを感じた時、まずこれら臓器の病気を疑うことができます。

病気によってはみぞおちの痛みのほか、発熱、嘔吐や下痢。さらに悪いケースですとナイフで刺されるような激しい痛みを感じることがあります。この場合、立っていることが困難になる程です。

では、それぞれの臓器の病気についてみていきましょう。

膵臓の病気

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みぞおちの痛みが起こった時、1つの可能性として膵臓の病気を疑うことができます。膵臓ってなに?という人もいるかもしれませんから、まずはその機能についてお話ししましょう。

膵臓は胃の裏側に存在する細長い臓器です。主な役割は2つ。「膵液の分泌」と「インスリンの分泌」です。膵液は炭水化物・脂質・タンパク質などの成分を分解する役割があります。

インスリンは血糖値を下げるホルモンです。血糖値をあげるホルモンは複数種類あるのですが、血糖値を下げるホルモンは唯一インスリンのみで、膵臓から産生されます。では、みぞおちの痛みが起こる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

膵炎

なんらかの原因で膵臓に炎症ができてしまう病気を膵炎と言います。急性型のものと慢性型のものがあります。どちらもかなり強い、みぞおちの痛みを発症します。

膵炎は自覚症状の少ない病気です。このため、発症時にはかなり強いみぞおちの痛みを発症し、ナイフで刺されるようとも例えられます。自身で救急車を呼ぶことも困難です。

膵炎の主な原因はアルコールの過剰摂取。アルコールを摂取すると膵液の過剰分泌が起こり、膵臓が疲弊してしまいます。これが膵炎の原因と言われています。

日常的に飲酒をしている人。それもかなりの量を飲んでいるようであれば、膵炎には注意が必要かもしれません。自覚症状がありませんから、摂生するようにしてくださいね。

詳しくは、膵炎の症状とは?原因や種類、治療法も知ろう!似ている病気は?を読んでおきましょう。

膵臓がん

かのスティーブ・ジョブズも膵臓がんだったことを明かしています。膵臓にがんができてしまうと、同様にみぞおちの痛みを発症します。その他、食欲不振、胃のもたれといった症状が起こります。

膵臓がんの特徴は自覚症状の少なさです。体の深部にあることから、検査では発見されにくく、これといった症状もないため、発見された時には手遅れということがあります。事実、膵臓がんが発見された人の5年生存率は約10%といわれています。

膵臓がんの進行が目で見てわかるのは、目に黄疸ができたときです。これは膵臓にできたがんが、肝臓から流れ出る胆汁の流れを阻害し、血液中に流れ込むことで起こります。目だけではなく、他の部位にも黄疸が出たら、即病院へ行くようにしましょう。

詳しくは、膵臓がんの原因となる生活習慣とは!治療が難しいのはなぜ?を参考にしてください!

膵臓の病気と合併症

先に述べたように、膵臓はインスリンを分泌する役割があります。病気によって膵臓の機能が落ちると、インスリンがうまく分泌されなくなり、合併症を招くことがあります。

その代表例が糖尿病です。糖尿病はインスリンが分泌されず、血糖値が高くなってしまう病気です。突然、糖尿病になってしまった。このような背景には膵臓の病気が関係していることがあるのです。

肝臓・胆のうの病気

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肝臓はみぞおちの右にあります。代謝、解毒、胆汁の産生という3つの役割を持っていて、どれも生命維持には欠かせない機能です。ただ、一方で病気になっても気づきにくいという特徴があります。

胆のうは肝臓から産生された胆汁を貯めておく袋状の臓器です。この部分に何かしらの病気が起こることでも、みぞおちの痛みを発症します。では、具体的にどのような病気が起こるのでしょうか?

肝臓がん

肝臓はがんになったとしても、膵臓同様に自覚症状が少ないです。それこそ、ちょっとしたみぞおちの痛み、膨満感といった、あまり気にならない程度の症状しか起こりません。

そのため、見つかった時には肝臓がんがかなり進行していることも少なくありません。沈黙の臓器といわれれるように、病気の進行に関しても沈黙を貫いてしまう臓器なのです。

肝臓がんは肝炎や肝硬変が原因となって発病します。特にB型肝炎、C型肝炎ウィルスに感染し、そのまま正常な細胞ががん化してしまうことが病気の引き金となります。そのほか、他臓器からのがん細胞の転移といったことも、病気の原因とされています。

肝硬変は日常的なアルコールの飲酒が原因で発症します。肝臓はアルコールを分解する臓器ですが、負担をかけすぎてしまうと病気になってしまうのですね。飲酒には気を配る必要があるでしょう。

詳しくは、肝臓がんの末期症状について!生存率や余命はどのくらい?を読んでおきましょう。

胆石

肝臓から産生された胆汁。それは胆管を流れて胆嚢という部位に貯められます。胆汁は消化液のひとつで、食事の際、十二指腸へ分泌され、食べ物を消化する役割があります。胆石はその胆汁成分が固まってしまった固形物です。

胆石ができる部位は主に3箇所。肝臓から胆管へ向かうところにできる「肝内胆石」。胆管内でできる「胆管胆石」。胆嚢内でできる「胆嚢結石」があります。胆石症のうち、8割は胆嚢結石です。

胆石症はほとんど自覚症状がありません。初期のうちではみぞおちの痛み、膨満感、胃のもたれを発症します。健康診断で石を確認することがありますが、症状が深刻でなければ経過観察とします。

石が次第に大きくなると、みぞおちの痛みも悪化します。痛みも周期的に襲ってくるようになり、その間隔は次第に短くなります。この段階で胆石を取り出す手術をすることが多いです。

胆石症の原因はアルコールの過剰摂取やコレステロールを多く含む食材を頻繁に食べているなどがあげられます。暴飲暴食をしている人ほど、そのリスクがあるのです。

詳しくは、胆石の原因とは?症状や治療方法も詳しく知っておこう!を参考にしてください!

胃・十二指腸の病気

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みぞおちの痛みを引き起こす病気は胃や十二指腸に好発します。特にこれら臓器は日常的なストレスに影響を受けやすい傾向があります。仕事が忙しい人ほど、そのリスクがあるのですね。では、病気に関して詳しくみていきましょう。

胃潰瘍

胃の粘膜が弱まり、そこに消化液が進行してしまう病気です。胃潰瘍は自覚症状があるものの、放置してしまうことで強いみぞおちの痛みを感じることがあります。

そのほかの症状は膨満感、食欲不振、食後の胃痛などがあります。進行すると嘔吐、下痢、発熱、腰痛などがみられます。食事後にお腹に異変があるときは、病気の可能性があるでしょう。

先に述べたように胃潰瘍はストレスによって発症するリスクが高まります。若年者でも、胃潰瘍を発症することがありますから、環境要因が関係しています。

詳しくは、胃潰瘍の症状をチェック!治療するための方法は?を参考にしてください!

十二指腸潰瘍

十二指腸は胃の先、小腸へと繋がる部分です。膵液や胆汁といった様々な消化液が分泌される部位です。名前の由来はその名の通り、指を横に12本並べた時の長さであるといわれています。

十二指腸潰瘍も胃潰瘍と同様にストレスによって発症することがあります。十二指腸内の粘膜がストレスによって、その機能が低下していまい、消化液で溶かされてしまうのですね。

十二指腸潰瘍ではみぞおちの痛みのほか、食欲不振、空腹時の腹痛、下痢などが起こります。放置すると吐血やナイフで刺されるような強い激痛が走ります。食事に関してなんらかの異常があるようでしたら、早い段階で検査を受けるようにしましょう。

詳しくは、十二指腸潰瘍の症状をチェック!原因や治療法は?を読んでおきましょう。

胃炎

潰瘍の一歩手前とも言えるのが胃炎です。なんらかの原因によって、胃の粘膜が損傷し、痛みを発症します。吐き気や下痢。時として吐血といった症状も見られます。胃炎には主に神経性胃炎と急性胃炎があります。

神経性胃炎は過度なストレスにより、自律神経が乱れることで発症します。自律神経の乱れは胃酸の分泌過多を招き、そのまま胃炎を発症してしまうことがあるのです。

自律神経が乱れる原因は仕事のストレスのほか、睡眠不足、過労といったことがあります。働きすぎの日本人にとっては、なかなか多い病気の1つなのかもしれませんね。

急性胃炎は暴飲暴食、感染症、食あたり、アレルギーなどが原因で、急速に発症する病気です。変なものを食べたり、賞味期限切れものを食べたりすると、発症することがあるでしょう。長期化することは少なく、病院へ行き、安静にしていれば治癒します。

みぞおちが痛む意外な原因

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膵臓、肝臓、胃。みぞおちの痛みの原因は主にこれら内臓の病気が関係していることが多いです。一方で、これ以外の部位に異常が起こることで、症状を発症することもあります。具体的には以下の病気があげられます。

心筋梗塞

心臓に血液を送る冠状動脈が細くなったり、閉塞してしまうことで起こります。発作時にはみぞおちに強い痛みが走ります。命の危険もあるため、早急な治療が必要です。心筋梗塞では前兆症状として、以下のことが起こります。

  • 強い動悸
  • 吐き気
  • 緊張もしていないのに冷や汗をかく
  • 不整脈
  • 高血圧
  • 食欲の低下

心筋梗塞は血管の病気です。発作が起こる前に、上記症状が起きているようであれば注意が必要でしょう。心当たりがあるようでしたら、一度検査を受けて見てください。

詳しくは、心筋梗塞の前兆は?症状を知って適切な処置を!を参考にしてください!

自律神経の乱れ

自律神経とは体の興奮・鎮静を司る神経です。興奮を司る交感神経、鎮静を司る副交感神経によって構成されます。この神経が乱れると、胃酸が過剰に分泌され、伴ってみぞおちの痛みを発症することがあります。

自律神経の乱れは精神的なストレスを始め、環境的な身体負担、不規則な生活によって起こります。例えばエアコンが効きすぎた部屋に長時間いると、それだけで自律神経はバランスを崩してしまいます。

食べ過ぎ

みぞおちの痛みが病的な原因ではなく、単なる食べ過ぎで起こることがあります。普段はこんなに食べないのに、気分が良くてものすごく食べてしまった。これは全く気にする必要のない症状です。運動をして、カロリーを消費してあげましょう。

みぞおちの痛みが発生しやすい人は?

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ここまでみぞおちが痛くなる病気を見てきました。中には命の危険もある病気の可能性がありますから、たかがみぞおちの痛みとスルーするのではなく、きちんとした対処をする必要があるかもしれませんよね。

これら病気を発症する人には、いくつか共通する原因があります。具体的には以下のことがあげられるでしょう。

日常的な飲酒がある

仕事終わりに飲むお酒はなんとも美味しいものです。週の終わりに飲むことで、それまでの疲れやストレスなんかを吹き飛ばし、楽しむなんて人も多いでしょう。

しかし、お酒の量が多ければ、それだけ病気のリスクを高めてしまうでしょう。特に胃腸、肝臓、膵臓への負担は大きなものになります。適量であれば体に良いとされるお酒も、飲みすぎたら病気の元になるのです。

特に膵炎はお酒の飲み過ぎで起こることが多いです。過剰なほどの膵液分泌が促進されますから、それだけ膵臓が疲弊してしまうのですね。お酒を飲むときに気分は良くても、体は悲鳴をあげているなんてこともあるのです。お酒の量には十分注意を払うようにしましょう。

暴食をしている人

お酒は飲まなくとも、食事に問題があることがあります。それは特に食事量が多かったり、栄養が偏っているなんてことが考えられるでしょう。肝臓や膵臓、胃には負担がかかる食べ物は避ける必要があります。

例えば、ファストフードの発展により、いつでも安く食事ができるようになりました。特に肉類なんかは濃い味付けで、ついつい食べてしまうという人もいるでしょう。

しかし、安くて量を食べられる分、体には負担となります。消化するにも吸収するにも、消化液を出さなければなりませんから、それらを出す臓器には負担になりますよね。

栄養が偏っている人。食べるものがいつも同じな人。そして、食べる量が多い人。これらのことに該当するようであれば、いずれ病気にかかる可能性があるかもしれません。

疲労が溜まっている人

最近になってようやく長時間労働について、話題になってくるようになりました。日本人は働きすぎ、とはよく言ったもので、有給取得率や労働時間は世界的にも見て悪いです。

当然、長時間の労働は体に害を与えます。十分な休息を得られないまま、仕事をする。仕事では常にストレスがかかり、体はどんどん疲れていってしまう。そんな状況では病気にかかってもおかしくはないでしょう。

また、仕事のストレスを解消するためにお酒や食事で発散してしまうことがあるかもしれません。それはさらに病気を呼び寄せることにつながりますから、なるべく別のことで発散するほうがいいでしょう。

まずはきちんと休養をとること。体に溜まった疲労は、長い時間をかけて癒していく他ありません。このことを放置し続けると、やがて体はボロボロになってしまうでしょう。

病気にならないために

日々の不摂生が病気を招く。当たり前といえば当たり前のことなのですが、それを改善することはなかなか難しいのかもしれません。難しいからこそ、病気になってしまうのでしょう。

病気にならないためにできることは、大きく2つ。暴飲暴食を避けること。そして、体に良いものを食べるということです。体は食べたものから作られますから、この2つはとても重要なことでしょう。

今後、この生活を続けていったとき、自分の体はどうなるだろうか。一度立ち止まって考えてみてください。なにか引っかかる部分があるのであれば、それは修正する必要があることなのでしょう。

自分の体の健康は、自分が一番分かっている。そういう人もいますが、実際に正確に体の状態を理解している人は多くないでしょう。自分が一番のヤブ医者という認識を持つことが、病気を早期に発見する第一歩なのです。

まとめ

単なるみぞおちの痛みが実は重篤な病気の可能性がある。ほんの小さな自覚症状ですが、放置し続けてしまうと、命の危険もあります。体は小さなサインを出してくれていますが、健康でいるためにはこれはきちんと受け取ることが大切でしょう。

また、他の人から見て悪い生活習慣をしているようであれば、早々に改善することをおすすめします。病気になって困るのは自分だけではありません。周囲の家族の負担も大きなものになるでしょう。

継続的に痛みがあるとき。まずは検診を受けてみましょう。大丈夫と先延ばしするのではなく、体の状態を把握することも必要です。

  
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