ふと急に体がかゆくなったり、ちょっとしたことで体が赤く腫れたりすることはありませんか?皮膚が過敏な状態になってしまうという症状は、女性に特に多いと言われています。
食器を洗うときに、中性洗剤が手に少しついてしまっただけでも、皮膚に赤みがさしたり、化粧品によっても肌が合わずに、簡単に赤くなってしまったり、強いかゆみを感じて、睡眠の妨げになったり…皮膚が過敏な状態になると、日常生活にも様々な支障をきたします。今回はその原因や、対策についてまとめてみました。
敏感肌について
女性に多いと言われる敏感肌ですが、具体的にはどういう症状なのでしょうか。
皮膚過敏
敏感肌という言葉は、CM等でも聞いたことがあると思いますが、実は「敏感肌」という言葉は医学的にはありません。一般的に使われる「敏感肌」という言葉は、洗剤を使用するとすぐに肌が荒れたり、衣類がこすれることによって肌がピリピリとかゆみを感じたり、ちょっとしたことで皮膚炎になったりなどという、肌がすぐに荒れてしまうような、皮膚が過敏な状態であることを指すようです。
皮膚が過敏になる原因
肌が過敏な状態になって、荒れやすくなることには、様々な原因があります。症状によっては、病気が原因である場合もありますし、ストレスなどの心因性のものからくる皮膚過敏もあります。
ストレス
ストレスを貯めこんでしまうと、敏感肌などの症状を現すことがあります。人の体はストレスを感じ、自律神経が乱れると、体の抵抗力が下がってしまいます。体の抵抗力が下がると、アレルギー反応などが非常に起こりやすくなってしまい、敏感肌の原因となってしまいます。
また、ストレスを慢性的に受け続けると、免疫力が低下し、皮膚の健康に必要な水分が不足してしまうこともあります。これによって、肌が過乾燥を起こし、敏感肌になりやすくなります。
ビタミン、ミネラル、タンパク質等の栄養素の不足
栄養バランスが悪いというのも、敏感肌の原因となることがあります。特に慢性的に栄養バランスが悪かったり、過度なダイエットを続けていたりする場合には、体がストレスを感じて、皮膚が過敏な状態になってしまいます。また、体の細胞を形作る、ビタミンやタンパク質などの栄養素が不足すると、各機関に影響を与え、肌トラブルの原因となります。
アレルギー
アレルギー性の敏感肌の場合は、特定の成分に体が反応して、炎症や、腫れ、湿疹、蕁麻疹などの症状を現します。アレルギーは遺伝的によるものが多く、生まれつきに意識していることが多いですが、成人してからもアレルギーを発症するということもあります。特に環境の変化などが会った場合には、今まで体に触れることのなかった成分に、体が過剰反応して、アレルギーを引き起こすことがありますので、注意してください。
ただし、アレルギー性の場合は、原因が特定しやすく、予防、治療を行いやすいという側面もありますので、思い当たる所がある方は、直ちに医療機関にてアレルギーの検査を行ってみてください。
体調の変化
体調がすぐれない状態だと、体の抵抗力や、免疫力がダウンし、皮膚が乾燥したり、かゆみの症状や、炎症などを引き起こしやすい状態になってしまいます。風邪や、胃腸の状態が悪いこと、睡眠不足、女性の場合には、妊娠、生理前などの体調の変化によって、皮膚に備わっているバリア機能が失われてしまい、皮膚炎などの症状が起こりやすくなります。
皮膚過敏状態のケア方法
皮膚がひどくピリピリするというような状態になってしまった場合には、どのようなケアの方法が正しいのでしょうか。外面的なケアはもちろん、内面的なケアも見てみましょう。
紫外線対策
まず、肌が弱い方は、紫外線の影響をうけやすいので、人一倍紫外線対策に力を注ぎましょう。外出時には帽子を着用することや、日傘を使うこと、半袖などの肌を露出するような服装は控えることで、日差しを直接肌に受けないように、よく注意しましょう。
日焼け止めクリームなどを塗ることも忘れてはいけません。紫外線は、曇り空や、冬の空からも降り注いでいますので、常にしっかりと紫外線対策を行って、外出をしましょう。
スキンケアを改める
誤ったスキンケアを行ってしまうと、肌を痛める原因となって、敏感肌の症状が重くなることにもつながります。普段の洗顔や、ボディケアの時に、体を強くこすりすぎてしまったりすることには、特に注意が必要です。
敏感肌は皮膚のバリアが少なくなっている状態なので、その状態で肌をゴシゴシと強くこすってしまうと、肌が強いダメージを受けてしまいます。日頃から、皮膚がピリピリと痛む症状があるという方は、普段使用している化粧品なども見なおしてみましょう。肌に合わない化粧品を使用すると、肌が強いストレスを感じて、抵抗力が下がってしまいます。値段が高い物が単純に良いとは限らないので、自分の肌に合う化粧品を見つけてみてください
また、お風呂に入るときには、シャンプーやコンディショナーなどのすすぎ残しが、肌に触れてしまうことも注意しましょう。シャンプーやコンディショナーなどを、直接肌に付けてしまうと、過敏症がひどくなるという場合もあります。
食生活を改める
食生活を改善することも、皮膚の症状を回復させるのを早める効果、皮膚過敏の予防効果を期待できます。敏感肌と呼ばれるものの状態の多くは、もともと備わっている皮膚のバリア機能が無くなってしまうことで起こります。また、慢性的な栄養不足によって、皮膚の角質をつなぎとめる役割を持つセラミドが、しっかり作られず、皮膚がアレルギー反応を、引き起こしてしまうこともあります。
積極的に摂取すると良い食べ物としては、ビタミンAやビタミンEを中心とした、ビタミン全般を意識しましょう。ビタミンは緑黄色野菜や卵、牛乳、魚、レバーなどに多く含まれています。皮膚の健康状態を維持するには、他にもタンパク質や、アミノ酸も重要です。食事制限などでも、肌の健康を損ないがちなので、ダイエット中の方は特に栄養バランスに気を使って、食事をとりましょう。
皮膚の病気
皮膚が荒れやすくなったり、ピリピリとした痛みを感じるなどの症状によっては、皮膚の病気の可能性も疑われます。皮膚の病気とはどのようなものがあるのでしょうか。
日光皮膚炎
日光皮膚炎は、皮膚が強い紫外線に長時間さらされると、肌が炎症を起こすことです。ひどく日焼けした時に、肌が赤く、ヒリヒリとした状態になることがありますよね。その状態を日光皮膚炎と言います。
軽度な症状であれば、赤くヒリヒリするという症状だけで済みますが、重度になると、みずぶくれや、むくみを呈することもあり、健康被害としても、頭痛、発熱、食欲不振などの症状も現れることがあります。特に酷い症状の場合には、意識低下などで入院して治療を行う必要が出てくる場合もあります。
対策
日光皮膚炎を防止するには、しっかりとした紫外線対策を、行う必要があります。日差しの強い日には、念入りに日焼け止めを塗り、特に肌が白く、日焼けをしやすいという人は、長袖などの衣服を着用し、あまり肌を露出しないようにしましょう。
もし、強い紫外線を浴びて、皮膚が炎症を起こしてしまった場合には、冷やしたタオルや、氷枕などを使用して、すぐに患部を冷やしてください。皮膚炎の応急処置で一番に重要な事は、冷やすことです。また、皮膚が炎症を起こすような強い日差しを肌で受けてしまった場合は、脱水症状が見られることもあるので、水分補給もしっかり行いましょう。
皮膚炎が広い範囲に及ぶ場合には、医療機関への受診が必要になる場合もありますので、症状がひどい時には、早めに治療を受けましょう。
皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)
皮膚そう痒症とは、皮膚の知覚過敏のことを指します。知覚過敏といえば、歯のことを先ず思い浮かべると思いますが、実は皮膚にも、知覚過敏が起こることがあります。
皮膚の知覚過敏の特徴は、湿疹や、蕁麻疹などの症状がないのにも関わらず、強いかゆみを感じたりすることです。乾燥肌、ドライスキンと言われる方に多いと言われる病気です。
具体的には、本来は皮膚の表面に出ていない神経繊維が、より表皮に近い部分まで伸びてしまうことによって、皮膚が敏感になってしまうという症状を現します。
皮膚そう痒症の原因となるのは、食生活、またストレスによるところも大きいようです。特に慢性的に皮膚が敏感で内にもかかわらず、突然皮膚が過敏な状態になってしまったという場合には、ストレスによる皮膚そう痒症が疑われます。
対策
皮膚そう痒症は、体質的なものによる所が大きく、改善が難しいのですが、日頃から肌の刺激に対して、特に気をつける必要があります。肌を強く刺激しない洗顔料や、ボディケア用品を使用したり、肌の感想を抑えるために、充分な保湿を行うことが重要です。
皮膚科で受診した際に、ストレスによるものという可能性が大きいと言われた場合には、日々のストレスを減らすようにしてみましょう。ただし、ストレスの治療については、意識すればするほど悪化してしまうということもあるので、身近に親身になって話を聞いてくれるような人がいる場合は、その人と相談をして、悩みを打ち明けてみるのも一つの方法です。ストレス治療については、とにかく、一人で抱え込まないことが重要ですので、場合によっては、カウンセラーに相談を行って、気持ちを楽にしましょう。
体調不良を起こしてしまうと、症状が重たくなってしまいますので、特に健康面に気をつけって、栄養バランスや食生活の見直しが必要な場合もあります。
まとめ
今回は、敏感肌や、皮膚の病気に関する記事でしたが、いかがだったでしょうか。
特に女性は、男性よりも肌の免疫が弱く、肌トラブルを抱えている方もおおいようです。ストレスなどによっても、肌の健康は損なわれてしまいますので、気をつけてみてください。