毛嚢炎の症状や原因、治療法を知ろう!大人と赤ちゃんとの違いって?

「毛嚢炎」は「もうのうえん」と読みます。「嚢」は「ふくろ」とも読みます。毛嚢は毛穴のことです。毛穴の「根っこ」は、袋状になっているので、このような名前が付いています。その毛穴が炎症を起こす病気を紹介します。

赤ちゃんに発症しやすい病気で、多くの場合、しばらくすると治ります。思春期または成年が発症することもあります。そのひとつは「ニキビ」です。ひげそりをした後に起こるブツブツも毛嚢炎の一種です。赤ちゃんのケースと大人の場合では、発症までのメカニズムが異なりますので、別々にみてみましょう。

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赤ちゃんの毛嚢炎

赤ちゃん

赤ちゃんの毛嚢炎は、生まれたばかりのときに発症することが目立ちます。

赤いぶつぶつ

お母さんのお腹から出てきてまもなく、皮膚に赤いブツブツが出てくることがあります。これが毛嚢炎です。悪化することはまれで、数日から1週間以内に消えています。治療も必要ないことが多いです。

バイキンデビュー

お腹の中の赤ちゃんは、羊水のプールの中に浮かんでいる状態です。無菌状態にあります。ところがお腹から出てきた途端、外界はバイキンだらけなのです。これから一生続くバイキン生活にデビューしたことになります。

赤ちゃんに触れるものには、人の手、衣服、器具、空気などがありますが、それらに存在しているバイキンたちが、一斉に赤ちゃんの皮膚に移り、繁殖していきます。

バイキンの勝利

バイキンは菌です。菌には、体にとって良い働きする菌もありますし、良くも悪くもない菌もあります。悪い菌のことをバイキンと呼んでいます。赤ちゃんの皮膚に乗っている菌のうち、バイキンの数が少なく、善玉菌や普通菌が多い場合、毛嚢炎は生じません。

バイキンの力が強いときに毛穴の中に入り込み炎症を引き起こすのです。

バイキンに勝つ方法は?

大切な赤ちゃんに、例え1週間以内であろうと赤いブツブツができることは、親にはつらいことです。ではどうしたら、赤ちゃんの皮膚の上の善玉菌を増やし、バイキンを減らすことができるでしょうか。残念ながら、その方法は見つかっていません。

善玉菌もバイキンも、人の手や衣服や空気などに存在することは分かっています。しかしどの菌がどこにいるのか分かりません。それでいまのところ、赤ちゃんの毛嚢炎には打つ手がないのです。

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大人の毛嚢炎の症状

ひげそり

大人の方が毛嚢炎を発症した場合の症状をみていきましょう。

ニキビ

ニキビは思春期以降にできる、主に顔面の皮膚の異常の総称です。ニキビは最初、赤いブツブツができます。このツブの1つひとつが毛嚢炎です。赤は炎症の印です。

ただニキビには、毛嚢炎以外の症状も混在しています。「面皰(めんぽう)」もブツブツができるのですが、色は赤ではなく薄い黄色です。面皰は、皮膚の脂や皮膚のカスが毛穴に詰まった状態です。皮膚の脂は思春期に大量発生します。それで毛穴からスムーズに排出されずに、詰まってしまうのです。

毛嚢炎や面皰を放置しておくと、ニキビ痕という「きずあと」になってしまいます。ニキビ痕は痛みもかゆみもないのですが、美容上の大きな欠点になってしまいます。

カミソリ負け

男性はひげそりの後に発症することが多いです。女性も脱毛のためにカミソリを当てることで起こります。いずれも症状としては赤いブツブツです。これが、カミソリ負けによる毛嚢炎です。

「大人のニキビ?」と考えてしまう人も多いのですが、違います。カミソリ負けの毛嚢炎の特徴は、当然のことですが、カミソリを当てた部分だけに起きます。またニキビは、1つのツブと、別のツブの距離が近づいていたり離れていたりしますが、カミソリ負け毛嚢炎は一定間隔で発症します。またニキビのブツブツほど盛り上がらず、1つのツブの「高さ」が低いというのも毛嚢炎の特徴です。

あせも

あせもも、毛嚢炎と同様に、菌に感染して発症します。あせもの特徴は、赤ちゃんによく発症し、首や肘の内側など汗がたまりやすい場所に起きます。

あせもは「膿疱性汗疹(のうほうせい・かんしん)」といい、毛嚢炎とは別の病気ですが、いずれも外見上は医師でも区別がつかないくらい酷似しています。

「せつ」と「よう」

毛嚢炎が悪化すると「おでき」になります。正式名称は「皮膚膿瘍(ひふ・のうよう)」といいます。毛穴の炎症が拡大し、隣の毛穴と結合して症状が激しくなってしまいます。膿瘍が小さい状態を「癤(せつ)」といい、10センチ程度まで拡大した状態を「癰(よう)」と呼びます。

皮膚の表面が破れて、こってりとした白いクリーム状の液体が出てきます。毛嚢炎では痛みが起きませんが、「せつ」や「よう」にまで悪化するとかなりの痛みが出てきたり、さらに発熱することもあります。

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毛嚢炎を引き起こす菌

顕微鏡

赤ちゃんの場合も、大人の場合も、毛嚢炎の原因はバイキンに感染することです。この病気を引き起こすバイキンは2つあり「黄色ブドウ球菌」と「表皮ブドウ球菌」です。

まず黄色ブドウ球菌からみてみましょう。

ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は、地球上のどこにでも存在することから「常在菌」と呼ばれています。人に感染すると、皮膚の表面や腸内、鼻の中を「住み家」にします。誰でも持っていて、ほとんどの人は発症しません。つまり、悪いことをしないときは、一切なんの悪事も働きませんが、ひとたび悪に手を染めると、とことんまで人間を苦しめる菌なのです。

「ブドウ球菌」は、ブドウの房のようにひと粒の細菌が4~20個程度集まって形作っています。「黄色ブドウ球菌」は「その他のブドウ球菌」と異なり、「コアグラーゼ」を作り出します。

コアグラーゼ

コアグラーゼは、酵素と呼ばれる物質のひとつで血液中の「血漿(けっしょう)」という成分を固めてしまう、やっかいな物質なのです。しかも黄色ブドウ球菌は、コアクラーゼによって「固めた血漿」で自らをコーティングしてしまうのです。菌が「防護服」を着込んだようなものです。そうなると、悪い菌をやっつける白血球が攻撃しづらくなるのです。黄色ブドウ球菌は、優れた防御力を持っているのです。

エンテロトキシン

黄色ブドウ球菌は「防御力」に優れているだけでなく、「攻撃力」もすさまじいものがあります。それが、エンテロトキシンです。人にとっては完全な「毒」で、これが食中毒を引き起こすのです。

表皮ブドウ球菌

毛嚢炎を引き起こす表皮ブドウ球菌は、黄色ブドウ球菌より恐くない菌です。というのも、健康な人に感染しても、まったく症状を引き起こしません。人が病気になって免疫力が落ちたときに、少し暴れる程度です。

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毛嚢炎の原因

清潔

毛嚢炎の原因を紹介します。

毛穴に移動

毛嚢炎を引き起こす菌は、皮膚の上に乗っている菌です。「何か」が生じたときに、菌が皮膚から毛穴に移動するのです。カミソリを皮膚に当てて、皮膚や毛、そして毛穴を傷つけることは、「何か」のひとつです。

また、ニキビも「何か」に含まれます。ニキビが先に発症し、ニキビによって毛穴が傷ついて毛嚢炎を引き起こすことがあります。逆に、毛嚢炎が先行し、ニキビを誘発することもあります。

いずれにしましても、皮膚や毛の根元に過度な刺激が加わると、それが菌に付け入るスキを与えることになってしまうのです。

不潔や皮膚病

菌が付け入るスキは刺激や傷だけではありません。皮膚の表面の衛生状態が悪いと、菌が繁殖しやすくなり、毛穴に侵入するリスクが高まります。また皮膚を清潔に保っていても、皮膚病を持っている人は皮膚が弱っていますので、菌が攻撃しやすくなります。

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毛嚢炎の治療

薬

毛嚢炎の治療方法を紹介します。

放置

赤ちゃんの毛嚢炎は、薬も何も使わずに放置されることがあります。赤ちゃんが菌になじんだら、症状が消えるからです。ただ親の判断で放置するのは禁物です。医者に診てもらった上で、医者の判断のもとで放置してください。

薬物療法

大人の毛嚢炎も軽症の場合は様子を見ます。痛みが出たり、見た目が悪くなると、薬を使います。処方されるのは、抗菌洗浄剤や抗生物質です。毛嚢炎が生じている範囲が狭い場合、塗り薬の抗生物質を使います。症状が広がってしまった場合、飲み薬の抗生物質を使います。

感染予防

毛嚢炎は菌の感染によって発症するので、患者は自身の治療と並行して、感染が拡大しないようにしなければなりません。浴槽を塩素消毒することで家族への感染が防止できます。

刺激軽減

毛嚢炎は皮膚の刺激によって悪化することから、ひげそりを中断したり、皮膚病の治療方法を変えたりする必要もあります。

薬が効かない

近年、黄色ブドウ球菌の力が強まっています。抗生物質でやっつけることができない菌が増えているのです。その1つが「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」です。別名の「MRSA」を耳にしたことがある人もいるでしょう。

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まとめ

毛嚢炎は、小さな病気です。しかしまれに大きな病気を引き起こすので、異変を感じたら皮膚科に行きましょう。

毛嚢炎で医者にかかるメリットは、症状の緩和だけでなく、別の病気が見付かることもあります。体調不良のサインとして毛嚢炎が発症することがあるからです。

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