「風邪の時は寝て治せ」とよく言われますが、そうは言われてもすぐ眠りにつくことが出来ないと言うこともありますよね。また、普段は寝ていない時間に寝るせいで夜中に寝付け無いときもあります。
咳などの風邪の症状で今すぐにでも眠りにつきたいのに眠れないこともあります。
今回は風邪の時に寝れなくなる以下の5つの原因について対処法を解説します。原因をしっかり理解して、その原因に対して対策して問題を解決していきましょう。
風邪で中々眠れない場合に有効な対策方法を原因ごとに紹介し、更にそれでも改善できない場合に合わせて行うと効果のある方法について紹介したいと思います。
しっかり休んで、風邪を早く治せるように対策していきましょう。
風邪で寝れない5大原因
風邪の症状で不眠症に繋がってしまう主な原因は以下の症状から発生している場合が多くあります。
- 関節痛
- 寝すぎ
- 頭痛
- 咳
- 鼻水
いずれかの症状が発生している場合に、自分に当てはまる症状からその原因と対策方法を参考にして、問題を解消していきましょう。
関節痛がひどくて寝れない
ウィルスや菌が体内に侵入し、風邪の初期症状が発生すると、熱か関節の痛みのどちらかが強く初期症状として現れます。
関節痛が発生してしまう原因と対策方法を見ていきましょう。
風邪の時の発熱とPGE2の関係
風邪の時に関節が痛くなるのは、風邪の時に発生する発熱と関係があります。
体内にウイルスなどの有害な異物が入って攻撃する場合、体温を高くした方が有利です。その時に体内にPGE2と言う物質が分泌されます。
風邪をひいているときに、白血球が体をウイルスから守るためにサイトカインと言う物質をだします。サイトカインは非常に強力な物質で、体に侵入した菌やウィルスを攻撃し排除してくれますが、同時に内臓や健康な細胞まで一緒に攻撃してしまう諸刃の剣のような免疫機能になります。
サイトカインの過剰分泌は内臓の機能不全の原因になります。また、アレルギー反応と似たような症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。
それを防ぐために体内でPGE2が分泌され、サイトカインの分泌を抑制します。この時体に引き起こされる作用として、体が発熱すると同時に、もしくは発熱よりも先に関節痛を感じるようになります。
これが風邪の時の関節痛の原因です。
対処法:寝る,薬の使用またはアロマオイル
風邪による関節痛は最終的には寝て風邪を治さないと治りません。しかしその関節の痛みのせいで眠れない。これは明らかな悪循環ですね。
痛みのひどい場合に有効な対策法としては薬やアロマオイルを使った方法があります。
最近では関節痛に効く風邪薬もあります。関節痛のひどい方はそういった薬を
処方するのもひとつです。
関節の痛みを和らげてくれる風邪薬としては
- EVE(イブ)
- エスタックイブファインEX
- ルルアタックEX
があります。※風邪薬と他の薬の併用は危険なので止めましょう。
特にルルアタックEXには眠気を誘発する副作用が強く含まれていますので、もし休める環境で寧ろ早く眠りたいのであれば、この副作用は有効に働きます。
注意点として車などの運転をする場合や仕事中には集中力を削いでしまう問題に繋がりますので、使用シーンをしっかりと判断して使用するようにしましょう。
また、ペパーミントやラベンダーの入ったアロマオイルや鎮痛作用や精神的効果があるとされ、関節痛のあるところに塗ると患部が少し楽になるでしょう。
香りにはリラックス作用があるので、呼吸を穏やかにし、睡眠導入効果を期待できます。しっかりリラックス出来る環境を作って、眠気を誘っていきましょう。
寝すぎて寝れない
風邪の時は回復のために、昼夜を問わずベッドの上で寝ます。
しかし、普段は活動している昼間に寝てしまうと、夜中に眠れなくなってしまいます。人間が一日に寝る時間は一般的に6~8時間なので、それを大きく超えて寝ることは普段ありませんよね。
また、風邪をひいてから、ピークを越した後に眠れない時はその時は回復に向かっている時が多く、体力が回復しているからこそ寝れないという場合が多いです。なので、寝すぎて眠れない場合は心配なのですが、無理は禁物です。
風邪がぶり返さないように、眠れなくても目を閉じてベットの上で安静にしましょう。たとえ眠れなくても目を閉じて横になっているだけで睡眠時に近い心身の回復効果があるそうです。
対処法:トリプトファンが含まれる食べ物を食べる
風邪をひいて食欲が無いときに、卵の入ったおかゆをお母さんが作ってくれた、そんなことはなかったでしょうか?
実は卵入りのおかゆと言うのは消化に良いだけなく、精神を安定させて快適な睡眠に導入する、「セロトニン」という物質を作る材料である「トリプトファン」と言う必須アミノ酸を多く含んでいます。
他にも肉や魚などに多く含まれますが、風邪をひいたときはウイルスと戦うために出されるサイトカインで内臓に負担が掛かります。なので、消化の悪い肉などよりも胃腸に負担が掛からない卵やおかゆやうどんなどの方が良いです。
また、バナナや大豆などにもトリプトファンが多く含まれるので豆腐やネギ、卵などの入った鍋焼きうどんやおやつにバナナやリンゴといった食事も風邪の時は向いているでしょう。
しかし、トリプトファンは食べてからすぐに効果が出るわけでなく、摂取してから時間をおいてセロトニンが生成されるので、午前中やお昼頃に摂取するのが良いとされています。
頭痛がひどくて寝れない
風邪の時は頭痛が伴う事もあります。場合によってはひどい頭痛で眠れないこともあります。
これは、風邪の病原菌に対抗するために体が発熱すると同時に血管が拡張されるので、押し広げられた血管に神経が刺激されるために起こるものと考えられています。
血管拡張型の頭痛は片頭痛と同様の症状になります。脈打つ度に血管に血が流れて神経を刺激するので、痛みがズキズキと訪れます。
鼻や目からの刺激に敏感になり、光や音や嗅覚いなどに反応して痛みが増してしまう傾向があります。痛みは風邪の酷いタイミングに現れやすく、4時間〜24時間の間継続する症状になります。
痛みや神経への刺激が強い場合には吐き気などを発生させる場合もあります。
対処法:薬と食事方法で対策
こちらもまずは寝て回復を優先するのが一番です。風邪薬の中には頭痛に効くものもあるのでそういった薬を選ぶのも一つです。
頭痛にも有効な成分を含んでいる風邪薬は
- バファリンプレミアム
- イブクイック
- 葛根湯
- ナロンエース
などがあります。
ただ、風邪薬と頭痛薬の併用は成分と効果が重複し、副作用を強く発生させてしまう危険性がありますので絶対にやめましょう。
また食事の後に血糖値が上がり、血圧も上昇することで頭痛が悪化してしまうこともありますので、なるべく血圧が急激に上昇しない様な食事を摂ることをおすすめします。
控えたい食事としては塩分の多い味付けの濃い食事になります。頭痛をひどくしたくない場合には塩分控えめで高タンパクの物を摂ったほうが良いでしょう。
出汁や風味を利かせた食事が美味しく血圧を上げない有効な食事になります。
頭痛が発生していない場合には逆に熱の影響で汗を掻いて塩分を欲して、しょっぱいものが食べたくなる事もありますので、その場合はしっかりポカリなどで水分や電解質を補給したり、塩分濃い目の食事を摂っても問題無いでしょう。
咳がひどくて寝れない
空気が乾燥しする冬などでは、空気感染で喉風邪が流行する事があります。こういう場合は、ひどい咳で眠れなくなってしまう事もあります。特にインフルエンザの場合、普通の風邪よりも咳がつらく、なかなか咳が止まらない時もあります。
特に風邪の咳の症状は眠るときや安静にしている時にひどくなる傾向があるので、どうしても喉が以外がして眠れないことが多いでしょう。
対処法:カモミールティなどのハーブティ&ハチミツ
ドイツで行われている対策法としては「ドイツ人は風邪をひいたらとにかく大量のお茶を飲む」という方法がとられています。
ドイツは風邪大国で、日本よりも寒く、内陸で気候は乾燥しています。一年中通して寒くてひんやりする日が多いドイツは冬になると必ず風邪が流行ります。
ドイツは空気が乾燥しているためウィルスが飛沫されやすく風邪を貰いやすいのです。
風邪ウイルスは湿気に弱いという特徴があります。実際にはウィルスが湿気に弱いのではなく、喉などの粘膜が乾燥に弱く、乾燥した環境下では粘膜が保護機能を正常に果たせずに荒れてしまって、その結果ウィルスに感染してしまうと言うメカニズムになります。
常に暖かい飲み物を飲んでいると、喉が常に濡れてイガイガしなくなるのと同時に体も常に暖かく保たれ、発熱による体力の消費も軽減され症状が軽減します。
ドイツ人の友達は「お茶」とだけ言ってましたが、お茶や紅茶にはカフェインが含まれているのでカモミールティなどのハーブティが最適です。
カモミールティにはリラックス効果で自律神経を整えるほか、胃の粘膜を修復する効果や鼻づまりや冷え性を改善してくれるので、風邪の時には最適なハーブティの一つです。
あとカモミールティが風邪に最適なのは、暖かい飲み物なので何杯飲んでもお腹を壊さない事です。脱水症状になりやすい風邪の時に水分を補給しつつ、余計な水分と一緒に老廃物などを排泄することが出来ます。
お茶を飲んでない時は、加湿器をつけて、部屋の湿度を上げるとより効果的です!湿度の目安は50%前後が最適です。
ポイント:ハチミツを入れたらさらに効果的!
風邪のときは、ハチミツも咳止めに良いとされています。ハチミツに含まれるグルコン酸には殺菌効果があり、古くから民間療法で使われていました。
なので、カモミールティにハチミツを入れると風邪の症状を軽減するだけでなく安眠効果も期待できます。
そのほかにもホットミルクなども身体を温めてリラックス作用があり、有効ですのでおすすめです。
鼻水がひどくて寝れない
花粉症や鼻炎などがひどいときは鼻水で寝るときに息が出来なくてなかなか寝付けない事がありませんか?風邪の時も鼻水や痰が出て寝るときの呼吸が妨げられることがあります。中にはアレルギー症状並みに鼻水が出てしまう風邪もあります。
そんな時は鼻水が気になってなかなか寝れないですよね。こうなるとなかなか眠れないだけでなく、眠れたとしても睡眠が浅く、睡眠不足の症状になり体力の回復が遅くなってしまうなんてことになりかねません。
そんな時は以下の対処法をお勧めします!
対処法:上記カモミールティ及び漢方薬
前述のカモミールティも花粉症にも効果的とされ、鼻の通りがよくなり非常に効果的ですが、
お茶を飲んでいない時間帯が心配な方やハーブティの味がお好きでない方は漢方で売っている鼻水対策の薬も効果的です。
一般的な市販薬の併用は危険なので、漢方や食品で対応した方が安全かつ効果的でしょう。
風邪のときの注意点
風邪の時にお風呂に入ることは問題ないのですが、湯船に浸かるのは避けたほうが良いでしょう。実際にシャワーを浴びるか浴びないかで風邪の回復時間が変わってくることはありませんが、湯船に使ってしまうと、体が温まりすぎてしまい身体的に負担となってしまいます。
体温を冷ますことにはかなり体力を使うので、体力が低下している風邪の時には非常に負担になります。
また栄養を取ろうとして沢山食事をしてしまうのも、風邪で体力が落ちている時は負担になります。胃腸への負担がかかってしまい中々体が休めなくなります。
適度に食事を摂ることが重要ですので、普段よりも少なめで、水分をしっかり摂るようにしましょう。
最後に3点目は無理に解熱剤などを使用して熱を下げないことです。熱は体に侵入した菌やウィルスを排除するために重要な反応になります。
無理に熱だけを下げてしまうと、体の中にウィルスが滞在しさらに増殖しやすい環境が整ってしまい、風邪が長引いたり、症状が悪化してしまう事があります。
もし、風邪薬に頼らずに休んで治療できる場合にはしっかり休息を摂って治療したほうが良いでしょう。
風邪の時に眠りをよくするレシピ
「風邪の時は食欲が無くても食べろ」とよく言われます。それは、食べることによって栄養が取れるだけなく、寝付けも良くなるからです。
また、生姜やネギなど殺菌効果のある食材も食べるとよいとされています。以下の様な料理を食べることで、眠りを良くし、風邪の回復を早くするのも良いと思います。
卵とネギのおかゆ
材料
- 米 100g
- 水 500~700ml
- ネギ(ナナメ切り) 20~30g
- 生姜(すりおろし) 少々
- 卵 1個
- 塩少々
作り方
- まず鍋にお米と水を入れます
- 蓋をして30~40分弱火でコトコト煮ます
- ネギ、生姜、塩を加えて2分ほど煮込みます
- 最後に、溶き卵を上にかけて蓋をして3分ほど蒸らせば完成
次に、風邪のピークが過ぎて、体力が回復してきたころにおかゆ以外の物が食べたくなったときに使えるレシピです。
免疫力を高めて回復力を高めましょう。
特製鶏つくね入り親子鍋焼きうどん
材料
- うどん1人前
- 昆布だし 適量
- 水 500ml
- 鶏ひき肉 50~70g
- 生姜 少々
- ネギ 50~70g
- 豆腐、油揚げ 50g
- 卵 1ヶ
- キノコ(シイタケなど) 2ヶ
- 春菊 or ほうれんそう 30g
- 塩 少々
- 醤油 適量
作り方
- 鶏ひき肉、塩コショウ、刻んだネギ(少々)を混ぜ合わせてつみれを作る
- 昆布だしの入った水を鍋に入れて沸騰させる
- 沸騰したら先ほどのつみれを食べやすい大きさにして鍋に入れる
- ネギ、豆腐、キノコも食べやすい大きさにして入れる
- 春菊を入れたら、灰汁を取りながら塩と醤油で味付け
- 最後に溶き卵を落として蓋をして2分蒸らして完成
おすすめの風邪薬
風邪薬として優秀な商品を幾つか紹介します。
実際には、具体的な症状によって最も有効な風邪薬を選んだほうが良いですが、もし症状がぼんやりしていてどの薬を選んだら良いのかわからない、常備薬としておすすめの薬を探しているなどの場合におすすめ市販薬を紹介しますので、こちらを参考にしてみてください。
ルルアタックEX
参考価格:18錠タイプ/1000円〜1700円
喉、鼻、咳、発熱などの全ての症状を総合的に網羅している総合風邪薬です。
症状の中でも特に喉の症状に特化して配合されているので、喉が弱い人には特におすすめの市販薬になります。
1回2錠の服用を1日3回行うことが推奨服用量で、15歳以上から使用することが出来ます。
即効性があり、眠気が強く現れやすい特徴があります。
パブロンSα錠
参考価格:70錠/1100円〜1300円
年令によって1回1〜3錠の服用量を1日3回服用する薬になります。ルルアタックEXと違って5歳から使用することが出来るので、家族間で共有しやすい薬でもあります。
70錠と用量は多めですが、家族で共有できれば消費できない量ではないので大人数で利用できる人に向いています。大容量を求める人には130錠タイプもあります。
こちらも、鼻、喉、頭痛、発熱の風邪の症状全般に効く総合風邪薬になりますので、殆どの風邪の症状を補完できます。
エスタックイブファインEX
参考価格:24錠/1300円〜2100円
最も価格の高い商品になりますが、即効性と高い効果が期待できる商品になります。
エスタックは他にも二つ名の付いた商品が沢山ありますが、この商品はくしゃみ・発熱・咳・鼻づまり・鼻水・痰・関節痛・筋肉痛・悪寒・頭痛などの風邪の症状を改善する総合風邪薬になります。
注意点として5日以上の連続使用が禁止されています。
1回2錠を1日3回復用します。15歳未満は使用することが出来ません。
配合されているイブプロフェンには胃を荒れさせてしまう副作用もあります。酸化マグネシウムでそれを保護する様に対策していますが、胃が弱っている場合にはそれでも胃の荒れる症状が出てくるかもしれません。
しっかり何か胃に入れてから薬を飲むようにしましょう。
まとめ
風邪で寝れない時にポイントになるのが以下3つです。
- 眠りにつきやすいように食事を工夫する
- 眠りを妨げる症状を改善する
- もし寝れなくても目を閉じて横になる
食事はセロトニンの材料になるトリプトファンが多く含まれる食事を早めの時間に取るように心がけましょう。風邪で食欲が落ちている時でも、少しはお腹に入れておくのがよく寝て回復するために良いでしょう。
また、アロマオイルや加湿器、カモミールティ等のノンカフェインのハーブティ等を用いて、関節痛や頭痛、咳や鼻水などの症状を改善すると眠りにつきやすくなります。特にハーブやアロマにはリラックス効果や安眠効果があるものありますので、上手く使うと良いでしょう。
最後に、なかなか眠りにつけない時があってもなるべく目を閉じて横になり安静にしておくと回復が早くなるので良いでしょう。
関連記事としてあわせて参考にしてみてください。