乳頭腫ってどんな病気?種類・症状・原因・治療法を紹介!喉や鼻にもできる?

皆さん、乳頭腫(にゅうとうしゅ)という病気を知っていますか?知っている方の中でも、乳房に出来る病気だと思っている方もいますが、乳房以外の様々な場所に現れます。

多くの乳頭腫は良性のものだと言われていますが、悪性癌化する可能性があったり、再発を繰り返す場合もあります。

ここでは、乳頭腫の概要や原因、代表的な乳頭腫や予防方法について詳しくご紹介します。

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乳頭腫について

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ここでは、乳頭腫の概要や原因についてご紹介します。

乳頭腫とは?

乳頭腫は腫瘍の1種で、良性のものと悪性のものがあります。名前から判断して乳房に出来るものと思っている方もいますが、乳房だけでなく、咽頭や食道、鼻腔や目、舌など様々な場所に現れます。リスクが高いかどうかは出来る場所やタイミングにとって大きく異なります。たとえば、咽頭に出来た場合、最悪のケース声帯を切る必要があり、声を失う場合もあります。

乳頭腫は、乳頭状の形しているものを指し、外見は白い色をし、各器官の上皮や粘膜にベタッとくっついています。拡大してみると見た目は花キャベツやカリフラワー、イボ、乳頭のような形と様々あります。痛みはとくにありませんが、触ると膨らみやしこりがあるのを確認できます。

この乳頭腫はほとんどが良性で、転移する可能性は極めて低いです。しかし、出来る場所によっては、再発を繰り返したり、悪性癌へと変化する可能性があります。

乳頭腫の原因とは?

この乳頭腫ができる原因は、「ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirusHPV)」と呼ばれるウイルスによる感染で発症する事が多いと言われています。

どこの国にも古くから存在するウイルスで、現在では150型以上の型があることが報告されています。中には、ガン化に影響を与える型があり、子宮頸がんは約90%のケースでヒトパピローマウイルスが検出されていると報告があります。

このウイルスは性行為や皮膚の接触だけでなく、全ての接触感染で皮膚や粘膜の小さな傷口から体に入り、感染します。血液には入らないので、ウイルス血症は起こしません。

このウイルスは、成人女性の50%の方が、一度は感染した経験があると言われています。しかし、感染した方の70%の方は1年以内にウイルスが自然消滅し、約90%の方が2年以内には自然消滅します。その為、感染した方の80%以上の方が気づいていないと言われています。

人の体はウイルスが進入してきた場合は、免疫記憶されて、次に同じ型のウイルスが入ってきた場合に、体が増強して対応できるようになっています。しかし、このウイルスのほとんどは、免疫記憶されずに抗体生産が十分に行われていない為、同じ型のウイルスに何度も感染する場合もあると言われています。

感染しているのに気づかない状態で、新生児などに接触した場合は、新生児に様々な症状を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

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代表的な乳頭腫

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ここでは、乳頭腫ができる確率の高い場所、代表的な乳頭腫についてご紹介します。

乳管乳頭腫

乳管乳頭腫(にゅうかんにゅうとうしゅ)は乳房の中にある、乳汁を乳頭へ送る「乳管」という部分に生じる乳頭腫で、最も乳頭腫が出来やすい場所です。形状や症状が似ていることから「乳がん」と間違えられやすいです。

35歳~55際の出産経験のない女性に乳管乳頭腫が出来る確率が高いと言われています。乳管乳頭腫は良性の腫瘍ですが、放っておくと1割程度の低い確率で、乳がんを併発する場合や、乳腺症などのしこりが多数できる病気を合併する場合があります。また、閉経後にしこりや分泌物などの症状が現れた場合は、悪性癌である可能性が高いと言われています。

主な症状は、乳頭から赤色や茶褐色の血液の混じった分泌物がでたり、しこりが出来ます。分泌物は、時には透明の場合もあったり、ベタベタしたもの、水っぽいものやサラサラした場合もあり、人それぞれです。また、分泌物の量も下着に付く程度の方もいれば、乳汁のように大量に出る方もいます。

専門医であっても、「乳管内乳頭腫」と「乳がん」の区別は非常に難しいといわれています。乳腺の病気を診断するためには、一般的には、乳房X線検査(マンモグラフィ―)や超音波検査を使うことが多いです。しかし、このような検査を通じても悪性か良性かの判断は難しいといわれています。

乳頭から分泌物が見られる場合は、顕微鏡検査を行い、しこりがみられる場合は、病変の一部を切り取り確認する、針生検などの検査を行います。診断が難しい病気の為、結果がでるのに時間を要する場合もあり、様々な検査を通しても最終的には、乳がんと区別が出来ないということもあります。

様々な検査結果を受けて、異常がないと診断された場合は、経過観察をします。しかし、分泌物が出続けたり、癌の判断がつかない場合は、手術で乳管を切除することが多いです。手術の方法は、分泌物を出す乳管を含んだ腺葉を摘出する乳腺腺葉区域切除術や、腫瘍とその周りを摘出する乳腺腫瘤切除術、腫瘍だけを摘出する腫瘤摘出術などの方法があります。

患者さんの状況に合わせて手術方法が選ばれますが、場合によっては内視鏡手術が可能な場合もあります。この場合、小さな傷口で手術が行えるので、回復もはやく数日で退院する事ができます。

乳管にできる乳頭腫を自分でチェックする方法は、仰向けになり、乳頭や乳房の周り、わきの下を触りしこりがないか確認します。また、鏡の前で手を上げたり、下げたりを繰り返し行い、乳房の形や大きさが左右異なるか、へこみなどがないかなどを確認します。お風呂場や寝る前など定期的にセルフチェックすることで、乳頭腫や乳がんの早期発見につなげられます。

乳管乳頭腫や乳がん以外にも、しこりや分泌物が出る乳腺の病気は多く挙げられます。その為、しこりや分泌物が確認された場合は、自己判断せずに専門医の診断を受けましょう。

喉頭乳頭腫

喉頭乳頭腫(こうとうにゅうとうしゅ)は、声帯にできる乳頭腫です。声帯に腫瘍がつく為、声に影響を与えます。この病気の特徴としては、再発しやすいことです。症例の中には、完治させるまでに10回以上の手術を行った方もいると報告されています。

この乳頭腫の原因は、「ヒトパピローマウイルス」だと考えられ、子供から大人まで誰でも発症します。喉に起きる乳頭腫の場合、ヒトパピローマウイルスの6型と11型が腫瘍をつくる原因になっているといわれています。

また、子供の場合は、出産時に母親の産道を通る際に感染している可能性が挙げられています。子供の場合は重症になる場合があり、声帯を取り除かなければいけない場合もあります。声帯にできる乳頭腫は、多くのものが良性のものです。しかし、悪性になる可能性も確率は極めて低いですがあります。

主な症状は、声帯に乳頭腫が出来ることにより、声帯の振動を上手く調節する事ができず、声が変わります。また、乳頭腫が成長すると、気道が狭まり喘息のようなゼエゼエとした音が出たり、呼吸困難を引き起こします。

今のところ、ウイルスを死滅できる薬品はありません。その為、声帯を部分的に摘出する手術を行います。昔の手術方法では声帯を摘出することで、声を失いましたが、現在では医療の発展により声を失うことが少なくなってきています。

現在の手術方法は、レーザー治療が一般的な方法です。レーザー治療では、腫瘍にレーザーをあてて病変のついた細胞ごと死滅させます。腫瘍が出来た場所が部分的だった場合や、1回の手術で完治した場合は、声を失う可能性は極めて低いです。しかし、声帯の部分は完全に取り除くことが難しい場合が多いので、再発する可能性が高いです。その為、声帯の大部分に広がりをみせたり、再発して何度も手術をした場合は、声を失う可能性もでてきます。

鼻・副鼻腔乳頭腫

鼻・副鼻腔乳頭腫(び・ふくびこうにゅうとうしゅ)は鼻の中にできる乳頭腫です。鼻に出来る場合の乳頭腫は30%の確率で再発しやすいことや10%の確率で悪性癌になりやすいことが特徴として挙げられます。

主な症状は、乳頭腫ができることで鼻の穴が狭まり、詰まったように感じたり、通常の鼻炎の症状が起きます。他にも、鼻血が出たり、鼻水が喉方向に流れやすくなります。鼻の中で腫瘍が成長すると近くの器官にも障害が出てきます。たとえば、涙が出たり、眼球が前に出る、頭痛がするなどが挙げられます。

鼻・副鼻腔乳頭腫を検査する方法は、MRIや鼻腔ファイバースコープ鼻腔から挿入して画像として確認する方法や、生検による病変の一部を切り取り、顕微鏡で観察して診断します。また、これらの他にも、血液検査で腫瘍マーカーを確認する方法もあります。腫瘍マーカーとは、血液検査の項目の1つで、悪性腫瘍を発見するのに、利用されています。

この病状の場合は、主に外科手術により腫瘍を取り除きます。手術方法は、内視鏡を患部の近くまで運び、腫瘍を切除します。この時に切除が完全に行われなかった際には、再発する可能性が高くなります。2年以内に再発する確率が30%と言われています。

口腔乳頭腫

口腔乳頭腫(こうくうにゅうとうしゅ)は口の中にできる乳頭腫です。他の乳頭腫よりも様々な原因で発症しますが、再発率は低いです。場所を問わず、口の中であればどこでも発症しますが、舌や上あごの粘膜部分、歯茎に出来やすいと言われています。

口の中に出来る乳頭腫は、様々な刺激を受けることで発症すると言われています。他の乳頭腫と比べて原因は様々あり、下記のような原因が挙げられます。

  • 歯並びが悪く口の中のどこかにあたっている
  • 入ればが合わずにどこかにあたっている
  • 尖った歯の部分が口の中にどこかにあたっている
  • タバコ
  • アルコール
  • 熱いものなどの刺激
  • 誤って噛んでしまいやすい箇所
  • ヒトパピローマウイルスによる感染

口腔乳頭腫は良性の場合が多いですが、悪性化する可能性も少なからずあります。

口腔乳頭腫の治療方法は、癌の疑いがない場合は、まず経過観察をし、成長して邪魔になったり食べにくいなどの障害がでるようであれば、外科手術で摘出します。

眼瞼の乳頭腫

眼瞼の乳頭腫(がんけんのにゅうとうしゅ)は目のまぶたにできる乳頭腫です。まぶたは、腫瘍が出来やすい場所と言われ、腫瘍の種類は様々あります。まぶたの乳頭腫は、まぶたのふちや内側に出来やすいのが特徴です。

良性のものが多く、美容的な問題や視界の邪魔に感じる程度です。まぶたにできる悪性腫瘍は、少し盛り上がりをみせ中がただれたり、じくじくした状態になるので、見分けがつきやすいです。乳頭腫ができた場合、病変の一部の組織を取り出し、病理組織診を行い、診断します。

良性の場合でも美容上の問題や悪性化する可能性をなくすために摘出する場合が多いです。大きく切除が必要な場合は、まぶたの機能的と美容上の問題で再建術を行う場合もあります。

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乳頭腫の予防方法

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ここでは、乳頭腫が悪性癌化しない為の予防方法についてご紹介します。

外科手術

乳頭腫の多くは良性の場合が多いです。摘出せずに経過観察する方が多いですが、悪性化する可能性も少なからずあります。その為、良性の場合でも摘出した方が、リスクを回避でき、また場所によっては生活しやすくもなります。

ヒトパピローマウイルスワクチン

ヒトパピローマウイルスワクチン (HPVワクチン、子宮頸癌ワクチン) と呼ばれるヒトパピローマウイルスの一部の型に対するワクチンがあります。このワクチンは、ヒトパピローマウイルスワクチンの6型、11型、16型および18型の感染を予防し、子宮頸癌、尖圭コンジローマなどを始めとする癌の発生に関与するヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチンです。

日本では2009年に導入され、3回の接種で4万円~5万円と費用が高いです。その為、当時はこのワクチンはあまり普及されませんでした。これを受けて2010年に厚生労働省が市区町村が行う接種事業を助成したこで、中学生~高校生相当の女性は無料で受けられたり、低金額で接種を受けられるようになりました。お住まいの市町村に助成金がでるかどうか確認してみることをおススメします。

このワクチンを受けた際には、副作用として注射した箇所に局所反応が起こり、痛みを伴う場合があります。接種時の注射の痛さはその他のワクチンと同じですが、このワクチンは筋肉に注射をする為、注射後は筋肉痛のような痛みが続くのが特徴です。ワクチン後に胃腸の不調や頭痛を訴える方も中にはいますが、こちらはワクチンの副作用とは関係ないと言われています。

また、このワクチンを受けた際に失神を起こす場合もあります。ワクチンが痛すぎて失神をおこすのではなく、注射が怖いという緊張反応から起こるものです。その為、緊張がなくなったとたんに、失神したりします。その為、緊張しやすい方や、以前に血液検査や献血で失神したことがある方は、事前に医師に伝えておき、寝たままの状態でワクチンを受けたり、接種後30分程度は安静にすることをおススメします。

一部のヒトパピローマウイルスの型に対するワクチンの為、全ての型には対応していません。その為、別の型に感染した場合は乳頭腫が再発する可能性もあります。

尖圭コンジロームを治療

尖圭コンジローとは、ヒトパピローマウイルスによって感染する性行為感染症の1つです。ヒトパピローマウイルスに感染し、1ヶ月~2ヶ月の潜伏期間を経て、陰部にイボができます。声帯にも自覚症状はなく、痒みや痛みもありません。約1年ほどで自然治癒する場合もあります。

この尖圭コンジロームにかかっている方が出産した場合、産道を通る時に赤ちゃんにウイルスが感染し赤ちゃんの喉に乳頭腫が発症することがあると言われています。

赤ちゃんにウイルスに感染し、乳頭腫が成長すると、喉が詰まり呼吸が難しくなったり、声がかれるなどの症状が現れだします。喉にできる乳頭腫は完全に取り除くことが難しい為、再発する可能性がとても高いです。その為、発症するたびに手術をするとなると小さな体にはとても負担がかかります。

また、最悪の場合手術を繰り返すことで、声を失う可能性もあります。これらを予防するには、母親がきちんと、尖圭コンジローマを治療することが予防に繋がります。

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おわりに

乳頭腫は、体のどこにでも出来る腫瘍の1つです。基本的には良性のものが多いですが、出来る場所によっては、再発しやすいものや、悪性に変化することもある為、注意が必要です。この乳頭腫にかかる原因として考えられているのは、ヒトパピローマウイルスというウイルスで、誰も感染する可能性があり、全てを防ぐことは難しいです。

しかし、予防接種で防げるものや、手術をすることで悪性になるかもしれないという不安を取り除くこともできます。医師とよく相談の上、再発防止や悪請癌化を防止する為に何ができるか確認し、今回紹介したものを取り入れてみてください。

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