風邪をひいたの時に腰が痛くなる方はいませんか?
風邪の症状の代表的なものには、咳、くしゃみ、発熱、鼻水、鼻づまり、体のだるさなどが一般的ですが、その中には腰の痛みを起こす人もいます。
一般的に考える症状とは関係ないように思われる腰の痛みが、なぜ風邪の時に発症するのでしょうか?
ここでは風邪にかかった時に発症する腰の痛みの原因と、その対処方法について、あるいは、腰痛と風邪との間にはどのような関係関係があるのか調べていきましょう。
この記事の目次
風邪と腰の痛みの関係について
風邪と腰の痛みの関係はどのようになっているのでしょうか、その原因と対策はどうでしょうか、それを知れば、もし風邪をひいた時に腰が痛くなっても対処することが可能です。
風邪の症状と原因について
風邪をひいたとき、必ずと言っていいほど腰が痛くなる症状が出てくる人がいます。喉が痛いとき、鼻水が止まらないとき、熱が出てきたときに、腰にもなんとなく重だるさが感じられます。
風邪をひいた時の腰痛で悩んでいる方は、実は大変多いのです。風邪は、ウィルス感染で発症し、ウィルスの種類や感染場所により、その症状に違いがあります。
また、ウィルスに感染する場所によっては風邪ばかりではなく、別の種類の合併症を引き起こす場合もあります。人により、その症状が大変危険な場合もあれば、腰の痛みは軽度でそれほど気にする必要がない場合もあり、その症状は千差万別とも言るのです。
最近になり、腰痛は、風邪のウィルスが原因になり発症している場合が多いことがわかってきました。
風邪の際に腰痛を伴う原因
風邪をひく仕組みは理解できたけれど、腰痛とはなかなか結びつきませんよね。ここでは、風邪をひいた際に腰痛を引き起こす、4つの原因を紹介します。
筋力の低下
高熱により関節痛を引き起こし、さらに起き上がれないほどの頭痛……。こんな重い風邪をひいたときは、二、三日寝込むこともありますよね。体を休めるために横になっているのにも関わらず、これが腰痛の原因になってしまうのです。
人間は寝ている間に無意識で寝返りを打ちます。そのほとんどは自分の寝やすい態勢におさまることが多く、身体にかかる負担が偏ることにより、腰の痛みへとつながってしまうのです。さらに、二、三日ベッドに横になっていれば、筋力が大幅に低下します。腰骨をささえる周辺の筋力が衰え、結果的に腰痛を引き起こしてしまうということです。
また、意外と注意が必要なのが、筋力が衰えている際のくしゃみです。もともと腰痛持ちの方は特に注意しましょう。くしゃみをするという行為は、意外とたくさんの箇所の筋肉と関節に力が加わります。そのひとつとして、腰もそうです。筋力が衰えている時に勢いよくくしゃみをすると、腰にダイレクトに力が加わり、腰痛を引き起こしてしまう場合があります。気を付けましょう。
関節の炎症
ウイルスや細菌が体内に入ると、菌を抹消しようとする力が起こります。その時に分泌されるのが、白血球のサイトカイン。この物質は、ウイルスが体内で広がっていくのを防ぐ有能な物質ですが、過剰に分泌してしまうと健康な臓器を機能不全にしてしまうという問題があります。しかし、PGE2(プロスタグランジンE2)という新たな物質が分泌されることによって、サイトカインの過剰分泌を抑えることができます。
この通り、PGE2は菌から体を守るために必要不可欠な物質ですが、この物質には関節の痛みを起こす作用があります。これが原因で、腰痛が発症する可能性は十分に考えられるでしょう。
化膿性脊椎炎
なかには、風邪と思っていたら重度の病を患っている可能性もあります。化膿性脊椎炎は、主に40~50代の中年がなりやすいと言われていますが、抵抗力が弱まっている際に誰でもなりうる疾患です。
原因は、背骨にウイルスや細菌が入ることで炎症を起こし、患部に膿がたまってしまう病気です。腰や背中に激痛が走り、安静にしていても痛みます。触るだけでも痛みは強くなり、風邪同様に寒気と発熱が起こります。こうした症状が現れた場合、まずは風邪の症状だと自己判断をして、市販の薬で治そうと試みる方も多いのではないでしょうか。
しかし、それが危険なのです。間違った対処法で症状が悪化する前に、激痛で寝ていられない状態であれば、まずは医師に相談しましょう。
妊娠の初期症状
女性で妊娠の可能性がある方は、妊娠が成立した際に起こる初期症状の可能性も疑ってください。受精、着床が成立すると女性の体はホルモンの分泌が活発になり、体が著しく変化していきます。その過程で、風邪や腰痛の症状を感じる人も少なくありません。ここで注意したいのが、市販薬の服薬です。
生理予定日から3週間後にあたる妊娠4~7週の妊娠初期。この期間は、胎児の器官形成期で、重要な器官が勢いよく作られる時期です。奇形を起こすかどうか過敏性が高い「絶対過敏期」とも言われ、薬の影響を最も受けやすくなっています。
しかし、多くの人が妊娠に気が付く前の時期ということもあり、妊娠成立により発症した初期症状とも知らず、薬を服薬してしまうケースが少なくありません。妊娠の可能性がある方は、まず病院へ行きましょう。
坐骨神経痛の可能性
坐骨神経痛は基本的には腰の筋肉が硬くなったり、脊柱の骨にある坐骨神経を圧迫することで足の痺れや腰の痛み、下半身の不自由さを感じる症状で20代〜40代までの若い世代にはヘルニアから派生する場合が多くそれ以降の年代では骨盤や腰の骨や老化による症状の悪化が多くなっています。
近年ではこの坐骨神経痛は感染症や身体的なストレスだけでなく精神的なストレスによっても影響を受ける可能性があるものとしても認識されています。
なので、風邪などを引いた場合の身体的なストレス、精神的なストレスと、感染症の影響によって坐骨神経痛が引き起こされている事も視野に入れて考えたほうが良いでしょう。
また、インフルエンザなどの症状の強い感染症では更にこのストレスの影響は大きなものになり、同時に関節痛も引き起こされやすいので、湿布を貼って対策するだけでなく、病院での検査を忘れないようにしましょう。
風邪で引き起こる腰痛の対処法について
それでは、風邪をひいて腰が痛い時の対策には、どんなものがあるのかを見ていきましょう。
緩やかな痛みの場合には?
もし、それほどひどくない緩やかな腰の痛みを感じるときには、おそらく幹部に炎症が出ているとは考えられませんので、風邪の時に体を温めると楽になるように、腰の痛みも軽減します。
風邪の処方薬には、鎮痛作用や解熱作用が含まれるものもありますが、それらは症状を抑える薬であり、風邪の根本的治療には自然治癒力を高めるのが一番です。
ですから、風邪が完全に治るまでは腰の痛みも治らない場合が多いですが、ほとんどのケースで、風邪が治れば腰の痛みもなくなります。
体を温めることは、体の免疫力や抵抗力を高め、風邪の症状や腰の痛みを緩和する為に有効です。
このように緩やかな腰の痛みの場合には、風邪の症状が治まるまでは腰を温めて、医師の診察を受け、その原因を探っていくことが重要です。
急激な腰の痛みを発症する場合には?
急激な腰の痛みの場合、原因として考えられるのは、腰の内部の筋肉炎症の場合、急激に体内の様々な臓器の病気が進行している場合の二つが考えられます。
炎症の場合には、その部分を冷やす必要があり、風邪に対しては温める方法が、逆に症状を悪化させてしまう結果にもなります。ですから、体は温めながら、腰の痛いところは冷やした方がいいでしょう。また、安静にして腰が無理に動かないようにすることも重要です。
体内の様々な臓器の病気の進行で極度の腰の痛みを起こしている場合には、特に専門的処置が必要になります。風邪が治るまでは、無理せず、我慢せずに、最後まできちんと診察してもらう必要がるでしょう。
また、風邪薬の影響で、体内の様々な臓器の病気をさらに悪化させてしまうようなケースもあるので、炎症を引き起こしているときも、他の原因による痛みのときも、放っておくと重篤な事態になりかねません。
ですから、いずれも場合でも、病院で医師の診察を受けることをお勧めします。
寝過ぎで起こる腰の痛みの場合には?
風邪のひき初めは何ともなくても、風邪で長く寝込んでいる間に腰の痛みが発生することもあります。
普通、運動により体は疲労しますが、ずっと同じ格好で寝続けると、身体を動かさないがために、逆に疲労がたまりやすくなることもあるのです。
同じ態勢で寝すぎない
体調が優れない時に安静にすることは大切ですが、同じ態勢で長時間横になると、負担がかかる場所が均一にならず、部分的に痛みを伴います。態勢を変えながら、寝たり、座ったり、たまに歩行するなど、無理のない程度に体を動かしましょう。
起き上がるのが難しい時は、仰向けの場合は足の下にクッションを入れてみたり、膝にクッションを挟んで横向きに寝てみるなど、腰に負担がかからないよう工夫をしてください。そうすることで、風邪の完治と共に、腰痛もおさまるでしょう。
漢方薬を飲む
風邪で弱っている体にも副作用の心配が少なく、徐々に痛みを軽減してくれる漢方薬は効果的です。中でもおすすめなのが、腰痛などの痛みを抑える作用がある「五積散(ごしゃくさん)」と「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」。
どちらも風邪などで免疫が低下し、胃腸が弱まっている時にでも安心して飲めて、じんわりと症状を和らげるのが特徴です。
この2つ以外でも、漢方はあなたの体質とその時々の症状に一番合ったものを専門の医師が選んでくれるので、漢方を取り扱う病院を受診することをおすすめします
日頃からの腰の痛みのケア
日頃から注意してケアをしておけば、風邪の腰痛も怖くありません。
いつも腰が痛い場合は、日常生活の習慣の中で、何か腰に負担がかかっているような体の使い方をしている可能性があります。
たとえば、長椅子で長時間すごしている場合、イスの背もたれによりかかって座っている場合、栄養バランスが適切な食事で摂れていない場合、足元が冷えている場合、就寝時間帯が遅い時間帯の場合、睡眠時間が短い場合、腰に負担のかかる歩き方、動き方、体の使い方をしている場合、などなど、知らないうちに体や腰に負担をかけている場合が多いのです。
腰の痛みを防ぐための対処法は、疲れない程度の運動、ストレス発散、冷え防止、しっかりと眠る、食べるものはバランスよく取る、これらを気をつければ、腰の痛みをかなり改善させていくことも可能です。
このようなことから、風邪の腰痛で悩んでいる人は、もう一度、生活習慣を見直してみる方が良いかも知れません。
まずは風邪の治療が先決!
風邪で腰痛を引き起こしている場合、腰痛を抑えても風邪が完治していなければ再び痛みが発症します。
風邪以外の大きな病でも妊娠でもないと分かったら、まずは風邪の治療が何よりも大切です。ここでは、風邪の有効的な治し方を見ていきましょう。
お茶うがいをする
うがいは、風邪予防で行うものというイメージがありますが、風邪をひいてしまった後でも有効的です。緑茶には殺菌作用があるカテキンが含まれており、喉に侵入してしまった最近やウイルスを撃退するという効果があります。70~80℃に温めた高温のお茶は、カテキンの成分が最大限に出るため、熱湯で淹れたお茶を冷ましてからうがいを行うといいでしょう。
消化にいい食べ物を噛んで食べる
風邪の時は、消化するためにエネルギーが使われてしまい、ウイルスと戦うパワーが失われてしまうため、胃腸に負担がかかる食事は避けましょう。最もいいとされている食べ物のおかゆでさえ、体力が奪われている風邪の時は消化に時間がかかります。ゆっくりと時間をかけて、よく噛んで食べましょう。体を芯から温める効果をもたらしてくれる、ニンニク・ショウガ・ネギの3種をおかゆにいれると、さらにいいでしょう。
質のいい睡眠をとる
風邪の時は、咳が止まらなかったり、鼻が詰まるなどして、眠りが浅くなってしまいがちです。しかし、風邪を治す近道は、良質な睡眠をとることなのです。人間は眠りにつくと、副腎皮質ホルモンという免疫力を上げるホルモンが分泌され、これにより風邪が治るのを手助けしてくれます。横向きになり気道を確保したり、枕を高くして鼻詰まりを改善するなど、寝方を工夫して良質な睡眠をとる努力をしましょう。
高熱の時は大きな血管を冷やす
風邪の時は体を温めることが大切と言われていますが、38.5℃以上の高熱の場合は、大動脈が通っている箇所を冷やして体力の消耗を防ぎましょう。
体温を下げたい場合は、大動脈が通っている箇所をピンポイントで冷やしましょう。おへその上、首まわり、脇の下、太ももの付け根が有効です。氷水を入れた袋や冷えたタオル、市販の熱さましのシートを使うのもいいでしょう。
こまめに水分補給
風邪で体力が落ちているときは、体液に近いスポーツドリンクで栄養と水分をしっかり補給しましょう。また、細菌やウイルスの侵入を防ぐため、喉が乾燥するのを避ける必要もあり、こまめな水分補給が重要です。喉に潤いを与えながら栄養と水分を補給したい場合、スポーツドリンクを温めて摂取するといいでしょう。血流も良くなり、体を冷やす心配もなく、風邪で弱った体に安心です。
流感の腰の痛みの症状は?風邪との違いを紹介!
流感は高熱ばかりではなく、関節の痛みや筋肉の痛みなどの症状が出ますから、身体の痛み高熱もとてもつらいものですね。
ここでは流感にかかってしまったときの腰の痛みの症状、どんな痛みか、風邪のときとの違い、腰痛の対策をみていきましょう。
流感の腰の痛みの対処法には以下のものがあります。
- 流感で腰の痛みとはどんな症状?どんな痛み?
- 流感と腰の痛みの関係とは?
- 風邪と流感の時との腰の痛みの違いは?
- 腰の痛み以外の流感と風邪の違いは?
流感で腰の痛みとはどんな症状?どんな痛み?
流感の症状の中に、関節の痛みや筋肉の痛み、体の末端の痛みがあります。
流感で引き起こされる腰の痛みは、体を動かす場合にギリギリと痛むケースが多く、また、体を動かさずにじっと寝ているだけでも腰に痛みを感じることがあります。
また、流感は、背中や首、足や腕などに痛みが見られる場合もあります。
流感と腰の痛みの関係とは?
流感ウイルスが体内に侵入すると、体の中でプロスタグランジンという生理活性物質が生成され、血管が広がり、発熱します。
このことにより、体温が高くなり免疫が高くなり、流感の重症化を防いでいます。
このプロスタグランジンが、じつは関節の痛みの原因で、体が、今、流感ウイルスと戦っているという合図で、腰の痛みや発熱などの症状が出ているのです。
風邪と流感の時との腰の痛みの違いは?
風邪の時と流感のときとでは、腰の痛みに違いがあるかを紹介します。
流感の場合には、流感ウイルスに反応して、前述のプロスタグランジンという生理活性物質が痛みを発生させますから、腰の痛み、肩、足、首、腕などの筋肉の痛みや関節の痛みなどの症状が出ることも多くありますが、風邪の時には、このような痛みの症状はほとんど見られません。
腰の痛み以外の流感と風邪の違いは?
流感の症状には、腰の痛みや筋肉の痛みや関節の痛み以外にも、40度近いの急激な発熱、全身のだるさ、悪寒、などの全身症状が現れます。
風邪の時は、くしゃみや鼻水、喉の痛みといった呼吸器に症状が発生します。
流感か風邪かの診断は、このような症状の違いに注目します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。風邪で発症する腰の痛みは、その原因によって対処が異なります。
風邪のときの腰の痛みは、風邪そのものが原因になっているものもあれば、風邪以外の原因が風邪によって引き起こされることもあるのです。
原因をしっかりと把握し、最善の処置のためにも、医師の診断を受けることが最も重要なことだと言えるでしょう。風邪の時と流感のときとでは、腰の痛みに違いがあります。
流感の場合には、プロスタグランジンという生理活性物質が痛みを発生させるので、腰の痛み、肩、足、首、腕などの筋肉の痛みや関節の痛みなどの全身症状が出ることもありますが、風邪の時にはこのような痛みの症状はありません。
流感対策で一番大事なのは予防することですが、原因をしっかりと把握し、最善の処置のためにも、医師の診断を受けることが最も重要なことだと言えるでしょう。
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