手首に痛みが走って、作業をしようとしても気になってしまう。でもそんなに痛くないから放っておこう。そんな状態になっている人はいませんか?意外と軽視しがちな手首の痛みですが、症状が進行してしまうと手首の動きに障害が生まれてしまったり可動域が狭くなってしまいます。
このような症状になる前にならないようにしっかり原因を把握して対処法を行っていきましょう。
ではいったいどんなことが原因で手首に痛みが生じるのか紹介します!
手首に痛みを感じる原因
基本的には手首や手関節の痛みの原因は腱鞘炎という炎症が起こって痛みを感じています。腱鞘炎は、ひどい症状になると手首が腫れてくる場合もあります。
ではこの手首の痛みを引き起こす腱鞘炎はいったいどのようなことが原因で発症するのかを紹介します!
パソコン業務
近頃はパソコンを使って仕事している人が急増しました。実はこのパソコン業務が手首に負担をかけている可能性が高いのです。キーボードやマウスを使う作業では一定の姿勢のまま長時間いることが多いため、手首にかかっている負担を分散することができず、一部に負担がかかっている状態が続きます。
仕事の場合それが毎日続くことになるので、腱鞘炎になってしまうというわけです。パソコンが原因で、発症した腱鞘炎を「マウス腱鞘炎」、もしくは「パソコン腱鞘炎」と呼んだりもします。
パソコンを使うときはなるべく同じ場所に固定せずに使うか、たまに手首を回すなどして負担を減らしてあげましょう。
出産
実は、出産した後に腱鞘炎を発症させている人が多くいます。
出産を終えた後の女性の体内は、出産により歪んだ骨盤や、ゆるくなった子宮を正常に戻すために大量のプロゲステロンという成分を分泌します。このプロゲステロンが役割を果たすと、腱鞘の部分が狭くなってしまい腱鞘炎を起こしやすい状態になってしまうのです。
さらに、子供を抱っこしたり家事をしたりすることが手首へ大きな負担をかけてしまいます。出来れば手首にあまり負担をかけないように意識するようにしましょう。
ストレス
ストレスと腱鞘炎は一見関係なさそうですが、実はストレスを貯めることにより体の自律神経が普段の働きをしなくなります。
そうなると体のホルモンバランスが崩れて、血の流れが悪くなってしまいます。血の流れが悪くなったことで、体内の不純物を体外に排出できなくなり腱の部分に蓄積され、腱鞘炎になりやすい体になってしまうため、ストレスと腱鞘炎は深いつながりがあるといえます。
普段からストレスをためていて、パソコン業務をしている人は腱鞘炎を発症しやすいといえるでしょう。
骨折
場合によっては骨折が起きている可能性もあります。打撲や腱鞘炎でも痛みはありますが、骨折の場合は多くの場合が何かしらの外傷を受けたときから継続的に強い痛みが発生します。
徐々に痛むような痛みの場合は骨折ではないといえます。また、痛みが1週間以上続く場合は骨折の可能性があります。普通の骨折であれば痛みも強いですし腫れも確認できるので1週間もの間我慢できませんが、ひびなどの比較的に軽症の場合に腫れがあまり起きずに痛みも我慢できるほどである場合があります。
確認する方法としては、痛みを発している患部とは少し離れた部分を叩いてみて、その振動で骨に響いて痛みを感じる場合は骨折している可能性があります。
打撲の場合であっても捻挫の場合であっても腫れが酷い場合や痛みが強い場合や内出血が起こっている場合などは病院で経過を観察してもらったほうが障害や後遺症を残さないためには懸命かもしれません。
詳しくは、手首の骨折は手術が必要?治療方法や原因についてを読んでおきましょう。
手首の痛みの対策方法
痛みを感じたときはどのようにすれば良いのか紹介します!症状によって正しい対策法を行わないと症状が悪化してしまう可能性があるので、しっかり自分の症状を把握した上で処置を行いましょう。
もしわからない場合は、痛みが大きくならない様に処置を行い、接骨院か整形外科を受診しましょう。痛みの治療は症状が悪化してしまってからでは慢性的な症状に変化して、なかなか治りづらくなります。早期に対策をしっかりとっておき、痛みの小さいうちからしっかり対策しておきましょう。
温める場合と冷やす場合を間違えないようにする
手首が痛いときは冷やすべきか、温めるべきなのか迷うと思います。間違った対処をすると症状を悪化させる可能性があるので、正しい対処をしましょう。
手首をひねった時やスポーツで怪我をした直後の腫れている状態のときは、冷やすのが効果的とされています。炎症部分が熱を持っているために温度を下げてあげる必要があるからです。
逆にパソコン業務などで、慢性的に痛みが続いている場合は温めるようにしましょう。この場合は温めることで血の流れを良くし、リンパ腺の働きを手助けできる効果があります。これにより自己治癒を促すことができます。
このように状況によっては、冷やす時と温める時があるので間違った対処をしないようにしましょう。
ツボを押してみる
ツボを押すことで、痛みを和らげたり回復を早めたりすことが出来るので、痛みを感じなければ押してみましょう。
・陽地
手の甲側を少し曲げたところにできるシワの真ん中あたりにあるのが「陽地」というツボです。冷え症や肌荒れにも効果があるとされています。
・外関
甲側の手首から、ちょうど指3本くらい離れたところにあるくぼみが目印のツボです。頭痛などにも効果ありといわれています。
・曲池
ちょうど肘を曲げたときに出来るシワが目印のツボです。むくみやニキビにも効果ありとされています。
・陽谿
「ようけつ」と読みます。手を思いっきり広げた時に親指の付け根付近にくぼみができ、そこにあるツボです。肩こりにも効果ありです。
以上が腱鞘炎に効果があるといわれているツボです。時間をみつけてツボを押してみてください。徐々に症状が良くなる可能性があります!!
薬を飲む
どうしても痛みが気になる時は薬を飲むという選択肢もあります。一般的に腱鞘炎と診断されると「ロキソニン」という薬を処方してくれます。
しかしロキソニンを飲むことで痛みが治まることはありますが、腱鞘炎が治るというわけではありません。一時的に痛みを和らげているだけなので、痛みが引いてる間にしっかりと治療しましょう。初期の段階だと、神経再生薬が処方される可能性もあります。
専用のサポーターを使う
仕事などにより手首の痛みを引きずっている人は、なかなか完治させるのが難しい場合が多くあります。そんな時は専用のサポーターを用いて手首の負担を減らして、痛みを緩和しながら治療することをオススメします。
・腱鞘炎を治療する磁気治療サポーター
・新しいタイプの手の痛み用サポーター
・お医者さんが開発した手首サポーター
これらは手首の痛みに特化して作られているサポーターです。何をしても痛みを改善できない人はぜひ試してみましょう。
使用している道具を変える
仕事道具である、マウスやペンなどの道具を変えてみましょう。トラックパッドのマウスやタッチパネル式のものなどなるべく手首を使わない道具に変更することで手首の炎症を抑えるようにしましょう。
同じ道具を長時間使っていると同じ部分を毎回酷使するために一部に負担が蓄積し怪我や炎症を引き起こす原因になります。
原因と考えられるものを見つけて道具変更などの対策をすることで症状を和らげることが出来るでしょう。回復してきたら、道具を交互に使うなどして、同じ箇所の負担を軽減し疲労を蓄積しないように心がけると治療を行わなくても改善できるでしょう。
手首の筋肉を伸ばす
代表的な手首の痛みの原因である腱鞘炎の予防法として、手首の筋肉を伸ばす事を行うと効果的です。手首や腕のストレッチを積極的に行っていきましょう。
方法としては手のひらを上に上げた状態で、反対の手で指の先端を取って下方向に手のひらを向けて、筋肉や腱をしっかり伸ばします。壁などに手をついて逆に手をついて伸ばしてもいいでしょう。
反対側も同様に手首の外側も伸ばしていきましょう。
これらのストレッチは痛めない程度にゆっくり行いましょう。特に手首のストレッチは柔軟性が弱い分伸ばしすぎないようにしましょう。
また、腕の筋肉も肩からしっかり伸ばしていきましょう。左右に腕を伸ばしたり、肩の上で三角形に二の腕の下の部分を伸ばしたりするのも効果的です。
手首に続く筋肉を全体的に伸ばして行きましょう。
腱鞘炎以外の手首に痛みを感じる病気
腱鞘炎の他にも手首に痛みを感じる病気があるので紹介します。これらの病気を患っている人は症状の悪化の可能性がりますし、まだ病気の発見されていない人はもしかしたら、病気の前兆かもしれません。
病気の早期発見に繋がるかもしれませんので、早めに診察を受けて原因の解明をしていきましょう。
関節リウマチ
関節リウマチは、体の免疫が正常に機能せずに異常が生じることが原因で発症するといわれています。症状としては、発熱・気怠さ・食欲不振などが初期症状としてみられ、その後関節痛の痛みが、様々な場所で感じるようになってきます。
中年の人で、喫煙者やストレスが多い人が発症しやすい傾向にあるようです。発症すると完治は難しい難病ですが、早期発見できれば症状を軽くすることはできるとされています。特に手首に負担をかけていないのに、急に痛みを感じるようになったのであればすぐに病院へいくようにしましょう。
関節リウマチについては、リウマチの初期症状をチェックしよう!指のしびれに要注意!の記事を参考にしてみてください!
キーンベック病
キーンベック病は、手首の関節の月状骨という場所に上手く血液が送ることができなくなり骨が機能しなくなる病気です。手首にひどい痛みを感じ腫れてくるといった症状がみられます。
はっきりとした原因は判明されていませんが、パソコン業務などをしている手首に負担をかけやすい人が発症している傾向にあります。発症してしまうと、日常生活に支障をきたしますので早くに病院へ行きましょう。症状が重くなると手術の必要があるので注意してください。
キーンベック病に関する詳しい記述はキーンベック病とは?症状・原因・治療法を紹介!手術をしなければならないのはどんな時?を御覧ください。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
小指側の手首の部分だけ痛みが発生するといった場合は、TFCC損傷である可能性が高いといえます。
症状としては、腫れが現れ腕を動かすときに痛みが発生するといったことが挙げられます。ラケットを使ったバトミントンやテニスなどのスポーツをしている人が発生しやすいほか、手を床に強くついた際に発症してしまうことがあります。また、加齢により発症しやすくなるので、高齢者の方は手首に強い衝撃を受けた時は注意するようにしましょう。
治療方法は、固定をして手首を動かさないようにする必要があります。症状が重い場合は、注射を行ったり手術を行ったりする場合があります。
TFCC損傷についての詳しい記述はTFCC損傷を詳しく知ろう!治療のための手術や原因、症状を細かく紹介!こちらの記事を御覧ください。
ドケルバン病
親指側の手首に痛みを感じる場合は、ドケルバン病である可能性が高いといえます。
親指側にある腱鞘部分で炎症が起きて、腫れや痛みといった症状が現れます。女性の方が発症することが多く、特に産後の方や高齢者の人が多く発症します。他にもパソコンを使った仕事をしている人も発症しやすいので注意しましょう。
ドケルバン病も、患部を固定して動かさないようにする保存治療が用いられます。それでも症状が良くならない場合は、注射や手術により治療する場合もあります。
この症状の確認方法は親指を動かすことで確認できます。親指を動かすと痛みがある、親指の付け根を押すと痛い、親指の付け根が腫れている、親指を握る形で拳を作って手首を小指方向に傾けると激しく痛む「アイヒホッフテスト」という方法などがあります。
その他にも親指が思うように動かせない場合などはドケルバン病の可能性がるでしょう。
ドケルバン病に関する詳しい記述はドケルバン病とは?症状や原因を知ろう!治療にはサポーターやテーピングなどの保存療法が有効?こちらの記事を御覧ください。
ばね指
手首の他にも腱鞘炎の様な症状と同様に手指にも炎症の症状が現れることがあります。ばね指や弾発指と呼ばれる症状で指の運動時に引っかかる様な感じや違和感を感じる事があります。
指に痛みが発生する病気で、ピアノを引く人やパソコンでのキーボードの操作などの動作や野球やゴルフやテニスなどの握りしめて打つ動作をするスポーツなどでよく症状を発症する人が居ます。
指の付け根に腫れが確認できたり、熱を持ったりしている場合は炎症が発生している可能性が強いです。
治療は、消炎症剤を使った炎症の沈下や温熱療法やステロイド注射での保存治療で経過を見る方向が基本的です。
症状がひどい場合や活動に支障が出る場合には手術が行われる場合がります。手術方法では腱鞘切開手術と内視鏡手術があり、内視鏡手術には術後の回復が早いことや傷が目立たないなどのメリットが有り、腱鞘切開手術では患部を直接目視しての手術が行えるため誤って他の神経を傷つける心配が無いのがメリットです。
ばね指に関する詳しい記述はばね指の治し方とは?原因や症状、手術の方法を知ろう!を御覧ください。
まとめ
手首の痛みの大半は腱鞘炎によるものです。
手首に痛みを感じるようになる腱鞘炎の発症原因
・パソコン業務などのデスクワーク
・出産した直後によるホルモンバランスの崩れ
・ストレスによる血行不良
腱鞘炎になった時の対策方法
・冷やす場合と温める場合を間違えないようにする
・ツボを押してみる
・薬を飲む
腱鞘炎以外の手首に痛みを感じる病気
・関節リウマチ
・キーンベック病
・TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
・ばね指
・変形性関節症
以上が今回の記事のまとめです。
日々の生活で手首に負担がかかる機会が多い人は特にこれらの病気や症状に注意するようにしてください。普段から、手首や指を酷使する仕事などに従事している人はしっかり腕を休ませることを忘れずに、負担を蓄積しないようにしましょう。
こまめにマッサージをすることや、関節にいい食事を心がけるようにするなど、サプリメントなどでも栄養を補給し長期間健康に使える様に手首のメンテナンスを行っていきましょう。
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