右手のしびれの原因を紹介!考えられる病気について詳しく知ろう!

右手、右腕にしびれを感じたら。肘をぶつけたり、長時間右腕を下にした姿勢を取っていたなどで右手右腕がしびれてしまうことは誰にでも経験があるでしょう。

しかし、そのようなことは思い当たらないのに突然しびれを感じたり、しびれが長く続く場合には、思わぬ病気が潜んでいる可能性が考えられます。しびれを感じたときに、どのような病気が考えられるかを見ていきましょう。

右手のしびれの原因として考えられる疾患

腕上がらない

しびれの原因の多くは、神経の圧迫です。しびれが出るとすぐに脳の異常を心配する人も多いですが、腕のしびれは、脊髄から出ている末梢神経が圧迫されているために起こることが多いです。皮膚や筋肉の感覚は、末梢神経、脊髄、脳へと伝わりますが、そのどこかで障害があるとしびれや痛みとして脳に伝わるのです。

腕や手の神経は、脳から首(頸椎)を通り、鎖骨の下を抜けて腋窩(脇の下のくぼんだところ)を通って、腕や指先へと伸びています。この神経の通り道のどこかが圧迫されるとしびれが現れます。基本的には、右手右腕でしびれが起きたなら右側の神経の圧迫が起こっていると考えてよいでしょう。

神経の圧迫によって引き起こされるしびれは一般的には、ピリピリ痛むような感覚や、ビリビリ電流が入ったようなしびれが多く、神経に沿った範囲で現れるしびれとなります。

この神経の圧迫の原因となる疾患は実にさまざまな可能性が考えられます。

肩こり

肩こりや首のこりがひどくなると、肩から腕、指先にかけて痛みやしびれを起こすことがあります。頚椎から出て上腕部に分布する神経の束を上腕神経叢(そう)といいますが、この上腕神経叢の根本は神経根と呼ばれ、椎間孔という隙間を通っています。神経根はわずかに圧迫されただけでも腕や手指のしびれや痛みを感じます。圧迫される場所により、右手だけに症状が出ることもあるでしょう。

肩こりによって引き起こされる神経根の症状は、神経根への刺激によって起こった一時的な炎症によるものであることが多いため、2~3週間経つと自然に解消されることがほとんどです。それ以上続く場合には、頚椎や脊髄に他の要因がある可能性を考えなくてはなりません。

解消法

肩凝りの原因の一つに自律神経失調症の可能性が考えられます。過度のストレスを受けることによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい血液循環の不良や神経障害などを引き起こします。

また、足裏から身体全体のバランスが崩れることで、崩れたバランスを補おうと腰や肩に余計な負担がかかっている場合もあります。

正しい姿勢と、足裏のバランスを正常に保ち、体操やストレッチを行うことで筋肉の凝りを和らげていきましょう。

肘部管症候群

しびれを感じる部位が小指である場合に考えられるのが、肘部管症候群の可能性です。右手のしびれであれば右腕の肘部管症候群を疑います。肘部管症候群とは、尺骨(しゃっこつ)神経が肘の内側の肘部管というトンネルで圧迫や引き延ばしを受けることで発症する神経麻痺です。このトンネル内は狭くゆとりがないため、圧迫や引き延ばしの力が慢性的に加わることで、簡単に神経麻痺を発症してしまいます。尺骨神経とは、小指と薬指の感覚や指を伸ばしたり閉じたり開いたりする手指の筋肉を支配している神経です。

圧迫の原因はさまざまです。トンネルを構成する骨が隆起した骨棘、靭帯の肥厚、トンネル内外にできたガングリオンなどが考えられます。また尺骨神経の引き延ばしの原因には、小児期の骨折によって生じた外反肘(がいはんちゅう)(肘を伸展させると過剰に外側に反る変形)などを考えることができます。

肘部管症候群を発症すると、初期には小指と薬指の小指側にしびれを感じる程度ですが、神経麻痺が進行すると、手の筋肉がやせてきたり、小指と薬指をまっすぐ伸ばすことができなくなってしまったりします。さらに筋力が低下すると、指を開いたり閉じたりすることが困難になってしまいます。

治療法

肘部管症候群の治療では、疾患の初期でしびれや痛みが軽症である場合は、肘を安静にして、消炎鎮痛薬やビタミンB剤を内服します。症状が進行しており保存療法では効果がない場合や、筋肉にやせ細りがある場合は手術を行います。手術ではじん帯を切開しトンネルを開き、神経の圧迫の原因を取り除きます。ガングリオン嚢腫であればそれを切除します。

肘部管の部分は非常に狭いため手術を行う場合が多いのが特徴です。この時筋肉量が低下しやせ細ってしまう前に手術を行えば手術後の活動も良好にすすめることが出来ます。

特に運動によっての指神経の神経障害などの症状を表すものなので、運動機能の復帰のためにも早めの治療がの望まれます。

詳しくは、肘部管症候群とは?症状や原因、治療方法を紹介!を参考にしてください。

デスクワーク(マウス症候群)

パソコン、とくにマウスをよく使う人では、右手右腕にかかる負担が大きく、手や腕のしびれにつながってしまうことがあります。マウスを操作している間中、腕の重量を支え筋肉を緊張させていなければならないため、右腕にばかり疲労がたまってしまうのです。

デスクワークのやりすぎを控え、右腕をマッサージするなどして負担をやわらげてあげましょう。

予防法

PCの使用を控えることはもちろん、体操や運動を取り入れて柔軟性と筋力の増強を行うことや、症状が現れたら患部を温めることやサポーターを利用したりしましょう。

しかし炎症が起こっていると感じられる場合は患部は炎症がおさまるまでは冷やすほうが有効です。温めてしまうと逆に症状が悪化してしまいますので冷湿布や消炎症のスプレーなどで対応しましょう。

マウスの使用を逆の手で行うことや、マウスの種類を変えてトラックパッドのマウスを使用したり、タッチペンやタッチパッドなどを使用するのもいいでしょう。

なるべく症状の現れている手首に負荷をかけないようにしてあげることが重要です。1時間に1度のこまめな休憩を入れてみるなどして、患部をいたわってあげましょう。

変形性頚椎症

変形性頚椎症は頸椎の老化によって起こるとされています。椎椎骨の間にある椎間板が薄くなったり、椎骨のふちに骨棘が出てくるなどの原因により、周囲の組織である脊髄や神経根、血管を圧迫してしまうのです。

変形性頚椎症になっても、無自覚な場合もあります。初期の自覚症状では肩こりや首の痛みを感じます。症状が進むと、肩や腕のしびれが出ます。また後頭部や首などに痛みを感じる場合もあります。さらに症状が悪化すると、手がしびれてボタンをかけるような細かい動作ができなくなってしまうまでに進行します。足にもしびれが出、歩行障害や排尿障害にまで至ります。

治療法

変形性頚椎症の治療方法は、早期のうちであればけん引療法やカラーを用いた装具療法、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法、また温熱療法などによって症状の進行速度を食い止めることが可能です。しかし神経麻痺などの日常生活に支障をきたす深刻な症状がある場合には手術が行われることもあります。

原因となる動作や長時間の同一姿勢を避けることで症状の悪化を防ぐとともに、痛みの起こっていない時は軽い体操やジョギングなどの運動も効果的です。また、横になった時に楽になる傾向があるので、しっかり睡眠をとることも有効です。

基本的には保存的治療による疼痛のコントロールを行うことが一般的です。出来るだけ症状の軽いうちから対処しておくことで症状の悪化を防ぐことが出来るので、早めに対策していきましょう。

椎間関節症候群

椎間関節は、首の関節です。首には7個の骨がありますが、その骨と骨とで構成される関節が強く圧迫されたり、強い回転力が加わると、関節に痛みが起こります。痛みが起こり関節が過敏になると、腕や手に痺れのような痛みを感じることがあります。この状態を頸椎椎間関節症候群といいます。

頸椎椎間関節症候群を発症する原因は、頸椎の関節への慢性的な負担です。正常な首は「前彎」といって前側にカーブしています。このカーブが理想的な前彎の曲線ならば頸椎の関節への負担も小さくすみますが、前彎が大きくなると頸椎の関節への負担が大きくなります。負担が大きいと関節が圧迫されてしまいます。

交通事故などで首に大きな力がかかったときにも起こりえますが、多くは姿勢の悪さなどによる日頃の慢性的な負担が原因であることが多いようです。

椎間関節症候群で感じる腕や手のしびれは、じわっと重だるいようなしびれです。ピリピリ痛む、ビリビリと電流が走ったようなしびれではありません。

治療法

椎間関節症候群の治療にはカイロプラクティック治療が有効です。頸椎を整え、動きをよくしてあげることで症状の緩和が期待できます。

一般的な治療としては消炎鎮痛剤や牽引マッサージなどの方法を用いて症状の緩和を図ります。電気を使ったマッサージなども行う場合がります。あまりにも痛みが強い場合はブロック注射を使って、痛みを和らげることもあります。ブロック注射は痛みを発生させている神経や椎間関節の部分に直接麻酔注射を行うことで、痛みを発している神経を麻痺させるので痛みの感覚が無くなります。この処置は個人差がありその日だけしか効果がなかった人やひとによっては1週間もの間痛みがなくなったという人なども居ます。

骨盤から椎間関節までの骨と関節の歪みを矯正し歪みと炎症を取り除くことが最も有効な治療法になります。

頚椎椎間板ヘルニア

脊椎と脊椎の間にある軟骨組織を椎間板と呼び、椎間板は髄核とその周囲を包む繊維輪で構成されています。この繊維輪が破れ髄核が外側に飛び出ると炎症を起こします。また飛び出した髄核が脊髄や神経根を圧迫し、痛みやしびれなどの神経症状が出現します。この状態を椎間板ヘルニアといいます。椎間板ヘルニアが首に発生すると頚椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。頚椎椎間板ヘルニアでは、上肢の痛み・しびれ、胸部の痛み・しびれなどがみられます。

治療法

頚椎椎間板ヘルニアの治療ですが、ヘルニアは突然の疼痛が起こり、その後著明な疼痛の軽減ないし完全な消失があるという特徴があります。そのためまずは安静にして経過をみることが治療のひとつです。安静で治らない場合には、神経再生薬の投与や、神経の圧迫を除去するための手術が行われることもあります。

内服薬や頚椎牽引や保護装具の装着などで症状の緩和を図りながら経過を観察していきます。緩和が無く症状が強く出る場合などは、ブロック注射での神経痛の緩和処置を行います。

ヘルニアの保存治療でも重要なのは長時間の同一姿勢や痛みが発生する姿勢をなるべく取らないことが重要になります。

姿勢や外傷的な問題だけでなく、精神的な要因などからも症状が発生する可能性もあるため多角的な治療を行う必要もあります。

ヘルニアでは関節などの痛みや痺れの他に、症状が進行すると膀胱の機能障害や歩行障害などの症状も出てくるので、この様な症状まで進行した場合には手術を行う必要性が出てきます。

残尿感や便意や尿意の異常や歩行に障害が確認される際は医師に相談してみましょう。

手根管症候群

手根管症候群とは、手首の手のひら側にある骨と靭帯(じんたい)とに囲まれている「手根管」というトンネル内で、そこを通っている正中神経が慢性的な圧迫を受けて、しびれや痛み、運動障害を起こす病気です。中年以降の女性に多くみられます。 手根管症候群では人差し指、中指を中心に親指と薬指の親指側に、しびれと痛みが起こります。このしびれと痛みは、朝目を覚ましたときに強く感じ、手を振る・指を動かすなどの手指の運動により楽になるのが特徴です。進行すると親指の付け根にある母指球筋という筋肉がやせてしまい、細かい作業が困難になります。

手根管症候群の原因は、手腕の過度の使用、妊娠によるむくみ、骨折や腫瘤(しゅりゅう)による圧迫、血液透析によるアミロイドの沈着などがあげられます。

治療法

手根管症候群の治療は、しびれや痛みが軽症〜中等症の間には、手首を安静に保つための装具の装着、ステロイド薬のトンネル内への注射、消炎鎮痛薬やビタミンB剤の内服などを行います。これら保存療法で効果がみられない場合や、症状が進行していて筋肉のやせ細りがある場合には手術を行い、神経の圧迫を除去する治療が選択されることもあります。

やはりこの病気の場合も基本的にはまず保存治療が行われます。保存治療の期間はその人の症状によって様々で、痛みなどの症状が強く現れた場合に治療方法の変更を行います。

この手術では内視鏡を使用した手術で短時間で終了するので、日帰りでの手術が可能です。手術後すぐに簡単な動作であれば手を動かすことも可能です。

手根管症候群の手術では術中に手の神経を傷つけてしまう可能性がありますので、経験豊富な専門の医師に行ってもらうのが良いでしょう。

胸郭出口症候群

右腕にしびれを感じる場合に、腕を特定の位置にもっていくたときに、腕や手指にしびれやだるさ、痛みなどが生じるのであれば、胸郭出口症候群が疑われます。

胸郭出口症候群は、鎖骨周辺で腕神経叢(わんしんけいそう)という腕や手指の末梢神経の束が、鎖骨下動脈や鎖骨下静脈という血管とともに圧迫されることで引き起こされる病気です。首が長く、なで肩の女性に多くみられます。

手指や腕のしびれ以外に、初期では熱感・冷感、脱力感があります。症状が進むと、首や肩、肩甲部のうずくような痛みを感じるようになります。肩をあげて後ろに反らす運動や、首を反対側に傾けてさらに後ろへ反らす運動などをしたときに症状を強く感じます。さらに進行すると、こういった動作がまったくできなくなります。

神経が圧迫されることによって生じるのはしびれや痛みですが、他に動脈が圧迫されると腕や手指の色が蒼白になります。また静脈が圧迫されると腕や手指の色が暗青紫色になります。

治療法

胸郭出口症候群の治療は、症状を悪化させる動作を禁止し、消炎鎮痛薬を内服します。ひどい場合には手術が用いられることもあります。原因によって、第1肋骨切除、頸肋切除、前斜角筋切除などの手術が行われます。

治療が行われた後は肩甲帯が下垂するのを防止するためにストレッチや筋力トレーニングによってリハビリと患部の柔軟性の向上を行います。

自分の肩がなで肩かいかり肩かを観察し、その症状も一緒に改善していく必要があります。鎖骨と肩甲骨の位置を正常に戻して症状が出ないようにしましょう。不良姿勢によって症状が引き起こされる場合が多いので、姿勢を矯正し長時間の同一姿勢での作業には注意しましょう。

まとめ

右腕にしびれを感じたとき、考えられる疾患は非常にたくさんあります。肩こりなど軽いものから、深刻な症状まで進行する疾患もありますので、気になるしびれが続く場合にはすみやかに病院で診察を受けるようにしましょう。

早期発見をし、保存治療をしっかり行うことで手術を行わずに症状を緩和、消息させることが出来ます。痛みが我慢できなくなる前に専門医での診察をしていきましょう。

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