「かゆい」という感覚は、生きていれば必ず経験することだと思いますが、その中でも足の指がかゆい時はとても辛いものです。
足は普段靴で隠れていますし、掻きむしって気持ちを静めようにも外で靴を脱いまでボリボリかいているその姿はあまりにみっともないので、かけずにもどかしい気持ちを押さえ込むしかありません。
今回はそんな非常に厄介極まりない辛い足のかゆみについて紹介します。
どうして、足に痒みが発生しているのかの原因と、痒みが発生してしまった場合の対策方法について紹介していきます。
また、水虫や病気である可能性もあります。その場合の治療法や市販で売られている効果的な治療薬についてもあわせて紹介していきますので、そちらも参考にしてみてください。
足がかゆいと言えば「水虫」
もしかしたらその足の痒みの原因は水虫が関係して発生しているのかもしれません。
まずは最も恐れられているであろう水虫から知っていきましょう。
自分が水虫であることなんて信じられない・・と言う人も症状や原因を確認して当てはまっていないかどうかについて確認してみましょう。
足の病気の代表格、水虫
かゆみを伴う足の病気と言えば、まずは水虫が思い浮かぶのではないでしょうか。夏のプールの更衣室も冬の蒸れた靴の中も原因になりうる、季節を問わずに警戒しなくてはいけないこの水虫、正式名称は白癬と言います。
水虫は皮膚の角質層に白癬菌が入り込むことによって発症しますが、症状が出るまでに時間がかかるので、白癬菌が付いていることに気付かないうちに足に水ぶくれが出来たり、かゆくなったりするのです。
水虫は足だけでも3通りの症状があります。
・趾間型
足の指の間がふやけて皮がむけるといった症状です。かゆみを伴う、多くの方が想像する水虫の種類がこちらです。
・小水泡型
足の裏やふちに2~3㎜の水泡が出来ます。かゆみが強いのが特徴です。この水疱はそのうち勝手に破れてしまい、かさぶたのようになって皮が剥けてきます。
しばらくすると痒みも軽減して治ったか?と思いますが、また再び水疱が発生すると言う症状を繰り返します。
・角質増殖型
かかとの角質がカサカサになり皮がむけるタイプで、かゆみを伴いません。
また足の他にも手足の爪に出来る爪白癬、体中に丘疹の出来るぜにたむし、下腹部に出来るいんきんたむし、東部に脱毛巣の出来るしらくもなども、水虫と同じく白癬菌が原因です。
水虫にだけはなりたくない!一体何を心がければいいの?
白癬菌が皮膚の角質層に入り込むことが水虫の原因ですが、皮膚に白癬菌が付いたからと言ってすぐに水虫が発症する訳ではありません。白癬菌が潜んでいそうなところを繰り返しはだしで歩いたり、靴の中が蒸れたまま放置したりすることによって、白癬菌が過ごしやすい環境が整ってから発症します。
白癬菌は高温多湿状態で活発化するので、一日中同じ靴を履く必要が無いように工夫しましょう。靴は時々陰干しすると効果的です。
また、共用のバスマットなどからもうつる可能性があるので、家族に水虫の方がいる場合は必ずマットを分けるようにしましょう。家だけでなく不特定多数が使用している銭湯やプールなどでも感染してしまうリスクがありますので、頻繁に通っているタイミングには注意が必要です。
また、白癬菌は足に付いても24時間以内に足を洗えば水虫にはならないので、足は常に清潔に保つよう心がけましょう。
水虫になってしまったら
水虫は症状や体質によって使用する薬が変わっていきます。セルフケアも出来なくはないのですが、水虫はなんと二人に一人が再発しています。
その原因は「かゆみが無くなったから治った」という慢心からであり、白癬菌が侵入した角質がすべて入れ替わる前に塗布をやめてしまうがために、新たな角質層に白癬菌が入り込んでしまうのです。
こう言ったことを防ぐためにも、やはり自分だけでなく皮膚科の指示を仰ぎながら治療を進める必要があります。また、高温多湿状態も完治が遅れる原因になりうるので、予防方法と同様に足元は涼しく清潔にするよう心がけましょう。
水虫については、水虫の治し方を紹介!症状や感染しやすい環境とは?の記事を読んでおいて下さい。
水虫に効果的な市販薬は?
水虫を治すのに最も確実な治療は皮膚科などの病院に行き、専門家にしっかり治療してもらうことですが、出来れば自分で治療したいですよね。
効果的な治療薬について紹介します。
薬のタイプについて
水虫の市販薬にはまず4つのタイプの薬品に分けることが出来ます。症状によって効果的な薬の形状が違いますのでそれをまず把握していきましょう。
軟膏タイプ・・・かゆみだけでなく、痛みや皮膚のひび割れなどが発生している場合に有効なタイプの治療薬になります。べたべたしてしまうデメリットがありますので、素足の状態では床などに付着してしまい、床を汚してしまう点がデメリットになりますが、保湿性も強いですし、効果も長く持ちます。
クリームタイプ・液体タイプ・・・液剤の伸びもよく、薄く塗りやすいタイプで、液体と軟膏のちょうど間の性質を持ったタイプになります。バランスよくどのタイプにも適合するのでおすすめのタイプになります。
ジェルタイプ・・・皮膚内部に浸透してしまうタイプの製品ですので速乾性がありサラサラしている使用感のタイプです。若干のアルコールを含んでいる商品のため、他のタイプのように保湿性には乏しく、逆に乾燥を招いてしまって症状を悪化させてしまうこともあります。
比較的症状が軽症である場合に有効な商品になります。
スプレータイプ・・・消費スピードが早いために最も薬代が高く付いてしまう商品になります。しかし、最も手軽に使用でき、痒みも抑えられて使用感も良いのが特徴です。
手に塗らずに使用できることで手が汚れないこともメリットです。
おすすめの市販薬
水虫に効く3つの商品を紹介します。
ラミシール
ラミシールにはジェルタイプ、液体タイプとクリームタイプの3つのタイプの商品があります。まずは1週間の使用を推奨しています。
製品を使用して症状の軽減が確認されたら1ヶ月以上、症状がなくなってからも続けて使用してください。ラミシールクリームはテルビナフィン塩酸塩の有効成分が含まれている治療薬です。
テルビナフィン塩酸塩は抗真菌薬の有効成分ですので、水虫の原因である白癬菌を除菌してくれます。
ブテナロック
ブテナロックは液タイプ、スプレータイプ、クリームタイプと他にもパウダータイプやエアータイプという独自のタイプの治療薬も販売しています。
白癬菌の殺菌、痒みの抑制、臭いの防止、炎症の軽減という4つの働きで水虫の辛さと症状を改善してくれる治療薬になります。
タムチンキ
スプレータイプと液体タイプの2種類のラインナップになります。用量が大きいので長持ちします。ジュクジュクになってしまった水虫を効果的に治療してくれます。
1日数回の塗布が必要ですので外出時間が長い人ではなかなか何度も使用するのは難しいかもしれません。
複雑な水虫について
一般的な足の指に発生している水虫であれば、これらの治療薬を使用して自己治療で治すことが出来ますが、もし爪水虫になってしまっていればそれは、病院に行って治療を行わなければ行けない症状になります。
放置しておくと、爪がどんどん厚くなってしまったり、変形してしまうこともありますので病院で治療するようにしましょう。
水虫が発生している場合の専門科は皮膚科になります。しっかり通院して症状を完治させていきましょう。
水虫と区別が難しい?汗疱の耐え難いかゆさ
水虫と誤診されることが多いのが汗疱です。自己診断ではほぼ見分けることが出来ないので、皮膚科など専門家のもとへ行って検査を行うようにしましょう。
汗疱は特に手に発生しやすい症状になりますが、足に発生してしまう事もあります。この症状の特徴と原因などについてみていきましょう。
水虫に比べてあまり知られていない汗疱…どんな病気?
汗疱は正式には汗疱状湿疹もしくは異汗性湿疹と言い、手の指の側面をはじめとし、1㎜程度もしくはそれ以下の小さな水泡が出ます。
この水泡がしばらくすると強いかゆみを生じるようになり、自然に治っていくこともありますが、うっかりかいてしまって水泡をつぶすと痛みやかゆみを伴う上に、治りが遅くなります。
特に手のひらや手の指に出ることが多いですが、足に出ることもあります。水虫を疑って皮膚科に行っても白癬菌が発見されないとなると、この汗疱だと診断されるものになります。
実は原因がまだ判明していないのが汗疱
異汗性湿疹と言う別名があるだけあって、汗の多く出る夏や多汗症の方に多いため、汗疱は汗が詰まって出来ると言う説が一般的ですが、水泡がつぶれた後に出てくる汁は汗ではないため、汗の詰まりが原因ではないのではないかとも言われています。
他にも何らかの細菌やアレルギーという説もありますが菌は見つかっていませんし、金属アレルギーや喫煙、ストレスやアトピーなどの仮説も挙げられていますが、これのどれにも思い当たる節の無い人でも汗疱が出来てしまうこともあります。
感染しないので他人の協力を必要としない分、水虫に比べると軽い皮膚病のように思えますが、明確な治療法が存在しない上に再発性もあるので、一度かかってしまうと「治らない水虫」のような症状を何度も繰り返すことになります。
不治の病のような汗疱、どう言った治療や対策をするのか
原因不明の汗疱になってしまったからと言って悲観することはありません。明確な原因が分からないために再発が避けにくいだけで、汗疱に効く薬などは大体わかっているようです。
まず軽症のうちは尿素系クリームやワセリンなどで保湿をします。湿疹化してしまった際には抗アレルギー剤、ステロイド外用薬、サリチル酸で治療をします。じくじくしてしまった場合は亜鉛化軟膏を塗った上に包帯を巻くといいそうです。
また、汗が原因とみられているため高温多湿の環境を避け、汗は早めに洗い流すことも重要かと思われます。更にこれはどの病にも言えることですが、喫煙や添加物の多い食事を避けることや適度な運動をすることは健康に近付く基本的な手段です。
原因がわからないからこそ、基本を整えて健康な体を作ることが重要視されます。
かゆい上に痛いしもやけ
寒い乾燥している季節に発生しやすいしもやけ。特に手に発生しやすい症状ですが、足の指にも発生してしまうこともあります。子供によく発生するイメージがりますが、大人も条件さえ揃えばしもやけになりますので注意しましょう。
しもやけが発生する原因とメカニズムについてみていきましょう。
子供の時によく悩んだしもやけ…大人のしもやけがあるなんて!
幼い時はよくしもやけに悩まされましたよね。大人になれば大丈夫、もししもやけになってしまっても大して目立たないだろうと思っている方も少なくないと思われますが、実は子供のおしもやけと大人のしもやけは違いがあります。
子供に多く見られるしもやけは樽柿型といい、手足全体が柿のように膨れ上がるタイプのしもやけでした。しかし大人がしもやけになると多疹滲出生紅斑型と言い、手足の指やふち、他にも耳などに赤い斑点が出来ることが多いです。
斑点の大きさも、特に大きいものだとアーモンド程度のものまで出てくるのでとても目立ちます。症状としては腫れや斑点の他、どちらも暖かい時はかゆくなり寒い時は痛くなる、足に出来た場合は歩いた時に痛みを感じるなどがあります。
また、どちらもひどくなると水泡、のちにただれを引き起こすので早めの治療が不可欠です。
しもやけの原因とは?
気温が低下すると血行が悪くなり、手や足などの末端に栄養が届かなくなります。これが原因で手足が炎症やうっ血を起こしたのがしもやけです。
大人に比べ外で遊ぶ子供や、ブーツや先の細いパンプスで血行不良を起こしがちな女性に多く見られるというのも納得ですね。また、気温と皮膚の温度の差が大きい時は、特にしもやけになりやすいです。
原因が血行不良なら予防は簡単、自宅で出来るしもやけ治療も
血行不良が原因であれば、説明せずともしもやけを予防する方法が分かるかもしれませんが、やはりまずは体を冷やさないことです。
パンプスやブーツはきつすぎないものを選び、血行不良を防ぎましょう。また、汗をかいた後やお風呂上りも体が冷えるので注意が必要です。軽い運動やエアコンを使い過ぎないことも基礎代謝が上がるので、しもやけだけでなく他の病気の予防にもなるでしょう。
しもやけになってしまった場合の対策ですが、まずは洗面器などに40度程度のお湯と5度程度の水を張り、1~2分ごとに交互にしもやけ部分を浸すのが効果的です。この時、必ずお湯から始めてお湯で終わるようにして下さい。
お風呂の中でのマッサージも効果的ですが、強くもみすぎると毛細血管が切れて症状が悪化する可能性があるので注意しましょう。
足が痒くなってしまうときの対策法
足のかゆみはあまりにも激しい場合には水虫などの症状の初期症状である可能性がありますが、そうでなくても足のムレや汗などが原因になってかゆみが発生することは頻繁にあります。
足のかゆみを予防する方法と痒みの対策方法を紹介します。
予防法について
以下の方法を取り入れてみてください。
- 靴下の変えを持ち歩く
- 靴を洗う・よく乾燥させる
- 5本指靴下を使用する
- 足用の除菌シートを使用する
特に雑菌が発生している靴や靴下を長時間使用しているとかゆみが発生しやすくなります。2〜3足の靴をローテーションで履き替えてしっかり通気性の良い場所で保管し乾かすことが有効でしょう。
特に革靴は蒸れやすいですので、しっかり通気性のいい場所で保管してください。
痒みの対処法について
痒みが発生している状態からの対策は出来るだけ掻かずに痒みを沈静化することが最良の選択になります。
幾つかの方法がありますので参考にしてみて下さい。
- 冷水で冷やす
- 軟膏を塗る
- 乾かす
- 足を洗う
以上が足を掻きむしらずに痒みを抑える有効な方法になります。外出先ではやはりどうしても靴を脱がないと行けないので難しいですが、可能なタイミングで上記の方法を試してみてください。
しかし、足の指や裏をあまり強く洗浄しないようにだけ注意してください。足の裏は感覚が鈍い部分でもありますので、知らないうちに傷つけていしまい、そこから菌が侵入し水虫になりやすくなってしまいます。
アカスリを使用せずに手で優しく洗浄していきましょう。
まとめ
感染性のある水虫、原因の分からない汗疱、侮ると怖いしもやけ、いずれにせよ足に強いかゆみを感じることにより、かけないストレスが生まれがちだと思われます。ストレスは他の病気を呼び寄せるので、出来る限り避けていきたいですよね。
稀に糖尿病の初期症状として足の指が痒くなる事がありますので、気になる方は精密検査をすることをおすすめします。
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