足の裏がかゆい!それって水虫なんじゃないの?そんな風に考える前にここを見てください。足の裏がかゆい原因は水虫以外にも色々あるんです。
症状や原因を把握し、きちんと医療機関に受診してあなたの症状に合った治療法を受けましょう。
足の裏が痒いときの原因は疾患?
足の裏がかゆいときの原因は疾患なのでしょうか?多少痒い場合などや、足指が痒い場合は長時間痒くなる場合があるのでそのような場合は一時的なもので問題ないですが、長期間に渡って症状がある場合や、痒みのある所に湿疹の症状や何かしらの皮膚炎などの症状がある場合は自然に治療出来ないケースが多くあります。
特に足は靴を履いていて蒸れやすかったり、日本の気候が湿気の多い気候なので足に疾患が発生しやすい傾向もあります。また、外国のように土足ではなくて、室内では靴を脱ぐので感染する可能性もあります。
足にかゆみの発生する可能性のある疾患をまとめてみました。
水虫
白癬菌というカビの一種による感染症で足に感染したものを足白癬、水虫などとよんでいます。この足白癬に感染しても恥ずかしさや普段見えないところのために皮膚科を受診しない人も多く、感染が広がる傾向にあります。多くの場合は下記のようなことで感染します。
- 家族内に患者がいる
- 老人ホームなど施設入居者で集団生活をしている
- プールや温泉などの共同入浴施設を利用することが多い
また罹る人の側にも、多汗であったり、足の指と指の間が狭いタイプや皮膚が常に湿っているようなタイプ、また仕事や日常生活の環境で長時間にわたり靴を履く習慣のある人、入浴の回数が極端に少ない人など、個人的な条件がある場合にも罹りやすくなります。
白癬菌の他にもカンジダ菌という皮膚の常在菌によって水虫のような症状になるケースもあります。
水虫の種類
趾間型(しかんがた)小水疱型(しょうすいほうがた)角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)という3種類に分けることが出来ます。またこのいずれかの種類ではなく、いくつもの種類が重なって症状として現れることもあります。
①趾間型(しかんがた)
足の指や間にできる足白癬で、赤みを帯びていることが多く、皮がむけます。まれにただれや亀裂を伴うこともあります。
②小水疱型(しょうすいほうがた)
足の裏や内・外側に水泡が出来て、強烈なかゆみを伴うことが多いです。水泡の大きさも米粒大の大きさのものが何個も固まってでることが多く、のう胞のような状態になることもあります。多くが春から夏にかけて発症することが多く、かゆみも伴うことがあります。
③角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
足の裏やかかとなどが乾燥によってひび割れします。皮膚が厚く固くなり角質化し、細かく皮膚が剥がれ落ちます。かゆみはあまりなく、冬場もかかりやすいタイプです。
いずれの種類の足白癬でも、白癬菌に接触後24時間以内にきちんと洗い流したり殺菌することが出来れば感染を防ぐことができると言われていますので、感染を防ぐためには常に清潔を心がけることが良いでしょう。
水虫の診断方法
カビの確認を顕微鏡検査をして行います。
注意したいのは、目視だけでは似たような症状で、接触皮膚炎や汗疱(かんぽう)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などがあるということです。足白癬はカビの検査をすれば分かります。
水虫の治療法
白癬菌を殺菌する薬で治療します。内服や外用があります。治療期間は一ヶ月以上必要になり、塗り薬や内服薬で地道に治療しなければいけません。併せて毎日の入浴も必要です。よく足を洗い清潔にし、乾燥させることを忘れずに行いましょう。
また靴下や靴も毎日同じものを履かず、変えて履くようにしましょう。特に靴下は通気性の良いものを選ぶことで快適になるので素材にも気を遣うと良いでしょう。また家族間で使用する爪きりにも注意してください。爪切りからの感染もあるそうです。
足白癬は、自分の心がけ次第でかなり症状も改善されます。足白癬だと思ったらすぐに医療機関に受診しましょう。早めに受診することで回りの人への感染を防ぐとともに悪化するのを防げます。水虫については、水虫の治し方を紹介!症状や感染しやすい環境とは?を参考にしてください。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほう)とは、手のひらや足の裏などにできる水疱状のもので膿が溜まり破けたりします。何年にもわたり同じようなことを繰り返す症状です。
掌蹠膿疱症の症状
赤い小さなぶつぶつからはじまり、かなりのかゆみを伴います。かゆみから徐々に痛みも起きる場合があります。段々と膿が溜まり始め、その後皮膚の亀裂や角質がはがれるようになります。悪化したり、改善したりと周期的に繰り返すことが特徴です。重症化すると関節痛なども起こします。
掌蹠膿疱症の原因
原因不明といわれていて、遺伝的要素や金属アレルギーなどのアレルギー物質、そのほか身体への細菌感染などの要素が関わっていると思われています。手のひらだけでなく、足の裏にも出来るので、かゆみがあるとかなり苦痛を伴います。
掌蹠膿疱症の治療方法
ステロイドの外用薬やビタミン剤入りの外用薬、またはアレルギー症状にヒスタミン薬、菌だと抗生物質などで対処します。場合によっては殺菌のための紫外線療法などの治療法をすることもあります。
掌蹠膿疱症の予防法
原因が分からないので、これといった予防法はありません。ただどんな季節に出るか、何かの原因らしきことと関連があるかなどを把握できるようであれば、事前に原因物質と接触しないなどの対処法をすることが出来ます。
最近では喫煙者によく発症することも分かっています。また子供の場合は、歯科矯正などで矯正器具に金属が使われていることが原因の場合もあり、注意が必要です。
掌蹠膿疱症については、掌蹠膿疱症の原因はストレス?治療方法も紹介!を読んでおきましょう。
汗疱(かんぽう)
汗疱とは汗により水疱ができることで、異汗性湿疹(いかんせいしっしん)と言います。症状の様子から足にできる足のあせもなどとも言われています。汗によって起こる湿疹なので、普段から汗をかく人に多く発症し、汗をかかない季節にはあまり発症しない症状です。
ただし医学的には、あせもであることもはっきりとは分かっておらず、あくまでも汗が影響する湿疹ということが分かっているだけだそうです。
汗疱の症状
手のひらや足の裏、指の間などに小さな透明上の水疱や湿疹ができます。多少の痛みやかゆみを伴うことが多く、よく水虫と間違われる症状です。
おおよそ3週間程度で皮膚が剥がれ落ちで完治しますが、まれに重症化することもあるので、皮膚科などに受診することをオススメします。一度出来ると繰り返し発症することが多いので注意しましょう。
汗疱の原因
基本的には汗の出る汗管の炎症が原因といわれていますが、きちんとしたことが分かっておらず、細菌検査などでは白癬菌はでません。よく言われているのは、以下のようなことです。
- 多汗症
- 過剰なストレス
- 食物や金属、環境などのアレルギー
- 自律神経の乱れ
これらの要因で汗をかくことが多くなったためと言われています。汗疱については、汗疱の6つの原因とは?ストレスや病気の可能性も!を参考にしてください。
汗疱の治療方法
強いタイプのステロイド外用薬が処方されます。強烈なかゆさや痛みを和らげますが、長期間使えず、あまり直接的な解決にはならないので、あくまでも対処療法と思っておきましょう。
ごく稀に医療機関に受診した場合で、初見のみで水虫との判断が出る場合があります。その後薬を飲まされたが治らない。ということもあるそうです。その場合は念のために顕微鏡での菌検査をお願いしてみましょう。汗疱では白癬菌は検出されません。
汗疱の予防法
まずは汗の予防をしましょう。汗をかいてもすぐに乾燥できるように、速乾性の靴下を履いたり、靴も通気性の良いものにしましょう。夏場にブーツなど通気性の悪い環境を作らないようにしましょう。
また汗をかいたり汚れたりしたらすぐに手洗いできるようにしましょう。足の場合は靴下を履く前に制汗パウダーなどを使用するのもオススメです。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎とは、簡単に言うと何かに触ることで起こるかぶれの症状です。皮膚が原因となるものに触れたことでアレルギー反応が起き、皮膚に炎症を起こすのです。
接触性皮膚炎の症状
赤く腫れたりかゆみを伴うことがあります。多くが原因物質に触れてからおおよそ数時間程度で赤く腫れたりかゆみが出たりします。
接触性皮膚炎の原因
刺激物や毒性のあるものです。植物や虫、または薬剤などです。接触性皮膚炎の原因で多いのが、うるしやアロエなどの植物、金属、シャンプーや石鹸などの化粧品、衣類の素材、医療用、市販用のぬり薬などです。どのようなものが原因になるかは、個人で違いますし、そのときの体調などによっても変わりますので、気になる人は気をつけましょう。
接触性皮膚炎の治療法
原因物質の特定ができるのであれば、それを避けることが一番です。さらに症状が治まらない場合はステロイドの外用薬を利用して治療することになります。
またアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬の服用も併せて行います。強烈なかゆみが出た場合も清潔にし、悪化しないようにあまり掻きむしらないようにしましょう。
レストレスレッグス症候群
むずむず足症候群とも呼ばれることがある病気です。または医学的には肢静止不能症候群とも呼ばれます。痒くなると言うような症状よりかは足がむずむずする感覚に襲われる病気です。
レストレスレッグス症候群の症状
初期症状では特に夕方から夜にかけての間で症状が現れやすい傾向があり、足が動かしたくてたまらなくなったり、足を虫が這うような感じがして掻きむしってしまったり、足の中心から外側にむず痒くなるような症状や痙攣などの症状が現れます。
特に男性よりも女性に多い傾向があります。年齢を重ねるごとにこの症状を発症する可能性が高くなります。その他にも小さい子供が成長に伴い足がむずむずするような症状を訴えることもあります。
日本で行われた調査ではこの症状を訴える患者は全体の2%〜4%ほどで、日本での患者数は300万人ほどになります。しかし、症状の大小振れ幅があり、治療を必要とする患者はそのうちの70万人ほどとなります。
映画を見ているときや、就寝時などのじっとしている時などに足に何とも言えないむずむず感を感じた場合はこの症候群の可能性があります。
この症状によるストレスが原因でうつ病などの症状に繋がる可能性もあります。
レストレスレッグス症候群の原因
レストレスレッグス症候群の症状は突発性のものと他の病気から引き起こされる二次性のものがあります。
突発性のものに関しては、原因が不明なことが多く、また自然と治っていく、症状が収まっていくというケースがあります。
二次性のものではレストレスレッグス症候群を引き起こす可能性のある病気としては、パーキンソン病やリウマチや糖尿病や鉄欠乏性貧血や末期腎不全などの病気があります。
考えられる原因としては、神経細胞の異常により足のむずむずが発生していることが考えられます。現時点での有力な説は神経伝達物質のドーパミンの活動がうまく働かない事によって症状が現れる可能性が考えられます。
そのドーパミンの生成を行っているのが鉄分なので鉄が不足することでもドーパミンの活動に影響が現れて症状を発生させる可能性があります。
また、この病気に関する遺伝子情報も見つかっていて遺伝によってこの症状を発症する場合もあります。
レストレスレッグス症候群の治療法
突発性の場合の治療では、睡眠前に激しい運動を避けるなど良質な睡眠を行うための睡眠指導などの治療や睡眠の妨げになったり、むずむずする症状を発症すると考えられるカフェインやアルコールやニコチンなどの嗜好品の摂取を控える指導などが行われます。
その他には有効なマッサージ方法などの指導を受けます。
二次性の場合は要因の可能性がある抗うつ薬や抗ヒスタミン薬やドーパミン遮断薬などの投薬を中止する処置をして経過を見ます。
基本的にはこの様な非薬物治療が行われた後に、症状の改善が見られない場合は鉄分の投与や抗てんかん薬やドパミン作動薬などの投薬を行い症状の沈下を図ります。
レストレスレッグス症候群の予防法
レストレスレッグス症候群の症状を予防する生活習慣としては、欠乏するとむずむず症候群の症状が現れる可能性のある栄養素を積極的に食事に取り入れて、栄養の不足に気をつけます。
食事では鉄・葉酸・ビタミンB群などの栄養素をしっかり摂取するように心がけます。特に女性は生理によって血液を失うことなどが原因で鉄分が男性に比べて不足しがちです。積極的に摂っていきましょう。
また、適度に運動を取り入れ、就寝前には激しい運動を控えることや、カフェインやアルコールやニコチンなどの過剰摂取は控えるようにしましょう。
また入浴方法では、皮膚に寒暖の刺激を強く与えると予防に効果的だと言われています。温かいお湯に浸かって温まったら、足に冷たいシャワーなどをかけて寒暖差の刺激を与えてみるといいでしょう。
その他の原因
そのほかに考えられる原因もあります。
ダニ
・原因
ダニが原因のこともあります。このダニは、ヒゼンダニと言われている種類のダニです。人間の皮膚の中に住み着き、皮膚の中を移動することができ、卵を産んだりします。人間の皮膚の中でしか生息できないダニで、このダニに噛まれると強烈なかゆみが起こります。時には痛みも伴います。
・症状
小さく赤いぶつぶつが出来る。かゆみがある。感染原因は、直接皮膚での接触や衣類や寝具などからの間接的な接触によって起こります。高齢者施設などの集団生活をする施設などでは単なる湿疹と間違えて感染が拡大してしまうことあり、注意が必要です。
・治療法
ダニの検出は皮膚科で行うことが可能です。その上で、かゆみ止めや痛み止めなどの外用薬を処方されます。ヒゼンダニは熱や乾燥に弱いといわれています。医療機関に受診して最適な治療を早期に始めましょう。
・予防法
感染拡大を防ぐために、まずは感染者と他の人のものは分けましょう。身に着けるものやタオルなどの共用は避けましょう。また念入りに手洗い、掃除をして、布団やシーツなどの寝具類は殺菌のための熱消毒を行いましょう。
カンジタ菌
カンジタ菌が原因で足の裏がかゆくなることがあります。カンジタ菌はカビの一種です。カンジタ菌は人間の皮膚の中に常駐しているカビですが、高温多湿の環境や人間の免疫力の低下、何かしらの原因で多汗などの異常な状態を起こし増殖することがあります。
そのような状態になると皮膚が反応して湿疹やかゆみなどの症状を起こすことがあります。カビが原因なのは同じですが、水虫とは違います。
まとめ
いかがでしたか?足の裏のかゆみでも、様々な原因によって症状があることがわかりました。もし上記と同じような症状がでたら、まず症状を良く観察し、状況や程度を確認した上で皮膚科などの医療機関に受診しましょう。
必要であれば、きちんと検査を受け、症状や原因にあった治療法をすばやく行うことで、不快な症状は改善に向かいます。
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