へその膿の原因を紹介!臭いや痛みがある病気は?

「最近、何だかおへそが痛いな、と思ってよく見たら、膿が出ていてビックリした!」そんな人はありませんか?

突然へそから膿が出ていたら、誰でも驚きますよね。

しかも、大抵の場合、膿にはくさい臭いも伴うので、周囲に迷惑をかけているのではないかと心配になってしまいます。

そこでここでは、へそから膿が出たり臭いがするのはなぜか、その原因や予防法などをご紹介します。

◆へそとは?

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へそは、母親の体内にいた時にあった「へその緒」のなごりで、生まれてからは特に役に立つことはありません。

へその緒とは、お母さんのおなかの中にいた頃に、栄養をもらっていた管のことです。

体内の赤ん坊は、自分で口からご飯を食べることができません。そこで、お母さんのおなかのなかの胎盤と呼ばれる部分と、赤ちゃんのへそをつなぐ「へその緒」を通して、お母さんの体から栄養や酸素をもらうのです。

生まれたばかりの赤ん坊のへそには、まだこの「へその緒」がつながっているのですが、生まれて必要がなくなったへその緒は、次第にかさぶたのように乾燥してぽろっととれてしまいます。

この、へその緒が取れた後に残っているのが、「へそ」なのです。

◆へそのゴマがたまりやすい人

へそ02

へそからの臭いが気になる場合、大人の場合は大抵、長年溜まったへその垢が原因で臭うことが多いようです。いわゆる、「へそのゴマ」ですね。

実は、へそに垢がたまりやすい人があります。

まず、へその穴が小さかったり、へそが奥の方にあるという人は、入浴した時に全身を洗っても、へその奥まで洗いづらく、垢や皮脂がたまりやすいのです。
こういう人は、洗っているつもりでも、きっちり奥まで汚れが取れていない可能性があります。

また、肥満体型の人も、お腹まわりの脂肪が邪魔してへそ周辺の汚れが取れにくいという場合があるようなので注意しましょう。
次に、汗をかきやすい人は、汗で皮脂が流れてへその中に入り込んでしまい、そのままへそのごまとなって溜まってしまいます。

よって、汗をダラダラかく人や、新陳代謝の活発な子どもはへそのごまが作られやすく、気をつけるべきでしょう。

3番目に、毛深い人は、お腹の周りにも毛が生えているため、体毛を不潔にしておくと細菌が繁殖しやすくなり、へそのごまとなりやすいのです。

この場合、細菌はへそからおなかの内部に入り込んで、内臓の炎症の原因にもなることがありますので危険です。

体を大事にするためにも清潔を保っておきましょう。

◆どうしてへそから臭いがしたり膿が出てしまうのか?

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臭いに加え、膿が出ていたり、痛みが生じている時には、すでに炎症が発生して化膿している可能性が高いので注意が必要です。

「おへそをいじると、お腹が痛くなる!」というのは、誰しも一度は注意された経験があるのではないでしょうか?実は、これはあながち的が外れた迷信とも言えません。

へそはとてもデリケートな場所で、触りすぎると引っ掛き傷ができてしまい、そこから細菌感染して炎症を起こすことがあるのです。

また、へその周辺には神経が集中しており、触りすぎると神経を刺激して、強い痛みが発生するなどの症状が出ることもあります。

先に述べたように、へその垢やへその臭いが気になって、掃除するのはいいのですが、正しいやり方で丁寧に掃除をしないと傷がついてしまい、そこから細菌が入り込んで炎症が発生し、膿が出たり、痛くなってしまいます。

へその形は大抵の場合、奥に深く凹んだ形をしているため、傷がついていても気づきにくく、放置された結果、細菌・雑菌が繁殖して炎症が起こりやすいのです。

◆掃除しないのも問題?「臍石(さいせき)」とは?

へその石

では、あまりへその掃除をしないほうがいいのでは?と思う人も多いでしょう。

ところが、これにも問題があり、へその周りを洗う習慣がないと、確実にへそのゴマがたまっていき、「臍石(さいせき)」と呼ばれるものができてしまうのです。

この「臍石(さいせき)」とは、文字通り「へその石」という意味ですが、これは角質が長い期間たまったために、変化して、石のように塊となったものです。

つまり、石の正体は「垢(あか)の塊」で、軽く引っ張っただけでも取れることがありますが、場合によっては角質を軟らかくする塗り薬を使用してから取り除いたり、ひどい場合には、手術が必要になることもあります。

このようにへそは、掃除し過ぎても、しなさ過ぎても問題があるちょっと面倒な場所なのです。

◆へそから膿が出る症状で疑われる病気①臍炎(さいえん)

赤ん坊のへそ

続いてへそから膿が出るなどの症状で疑われる病気を見ていきましょう。

臍炎とは

臍炎(さいえん)は、新生児のへそのトラブルの中でも、最も多いものです。へそに炎症が発生する病気で、きちんと対処しないと、赤ん坊の場合には全身にばい菌が広がってしまう危険性があります。

生まれたばかりの赤ちゃんは、上に述べたとおりへその緒がついたままですが、1週間ほど経つと自然と取れ、乾燥して普通のへそになります。

ところがへその緒が取れたばかりの、へそになる部分は傷口と同じ状態にあっているので、清潔にしていないとへそに細菌が侵入して臍炎になってしまうのです。おへそがじくじくと湿っていたり、膿や出血の症状が出ることがあります。

大人でも臍炎になることが

生まれたばかりの赤ん坊だけでなく、大人になってからも、へそのくぼみに垢や汗が溜まると、細菌に感染して臍炎になり、へそが腫れたり、赤くなったり、膿が出るなどの症状になります。

場合によっては痛くなり、膿を取り出す手術を行わなければいけないこともあります。臍炎から臍周辺の炎症へと症状が進行することもありますので、早めに治療する必要があります。

へその周辺には腹膜があり、ここが炎症になったまま放置しておくと、全身に細菌が感染して敗血症となり、命に関わる危険性もあるのです。

臍炎の治療

臍炎は消毒を行って塗り薬を使用する治療が中心になります。へそを綺麗な状態にしてから行います。

膿が大量に溜まっていて、激しく痛む時には、膿を排出する手術を行う場合もあります。膿を取り除く手術が必要になる前に治療するようにしましょう。

◆へそから膿が出る症状で疑われる病気②尿膜管遺残症

へそ04

尿膜管遺残症について紹介します。

尿膜管遺残症とは

尿膜管遺残の「尿膜管」というのは、おへそから栄養を摂取していた胎児の頃に存在していた管のことで、膀胱とつながっています。

通常は生まれた後に自然と塞がってしまうのですが、稀にその管が閉じず、そこに菌が溜まってしまう人が居るらしいのです。

「尿膜管遺残」とは、この尿膜管が残っている状態です。人によっては、へそから尿が漏れ出したり、へその周囲が炎症を起こして、痛みを覚えたりします。

赤ん坊の時だけでなく、大人になってから症状が出ることも少なくありません。また、いったん閉じた尿膜管が、へその化膿、膀胱内の圧の上昇などで再び開くこともあるようです。

炎症が悪化すると腹膜炎になることもありますので、注意しましょう。

尿膜管遺残症の治療

処置は、外科手術が基本です。お腹をメスで切り開いて尿膜管を取り除くため、手術をするには入院をしての全身麻酔が必要となります。

必要な時はへその下の皮膚を切開して膿を出します。聞くだけで痛そうですね!

へそから膿が出てしまったら

ここまで述べてきたように、へそから痛みや膿が出ているなどの症状があれば、すぐに病院に行って診察してもらいましょう。

受診するのは、一般的に皮膚科か外科を受診して、抗生剤の服用と抗生剤軟膏をおへそに塗ることで、炎症を鎮める処置をしていきます。

その時、尿膜管遺残症の可能性が疑われる場合は、泌尿器科への紹介状を受け取るか、泌尿器科を再診するように説明を受けると思いますので、その時の医師の指示に従うようにしましょう。

◆へそから臭いや膿が出てしまう前に予防しましょう

綿棒

へそから膿が出たり臭いが気になる前に、へそを清潔に保つことが大切で定期的に掃除するのが良いです。

正しいへそ掃除のやり方などをご紹介します。

正しいへそ掃除のやり方

・用意するもの

  • ○ベビーオイルまたはスクワランオイル
  • ○綿棒
  • ○ガーゼ

・手順

  1. へそにオイルを塗る。
  2. へそ垢が柔らかくなるまで10分~15分ほど放置する。
  3. へそ垢が柔らかくなったら、綿棒やガーゼで優しく拭く。

無理にへそのゴマを取ろうとすると、へそを傷つけてしまう可能性があるので、オイルでへそ垢が完全に柔らかくなってから、優しく拭き取るように取り除きましょう。

へそから5mm下には、内臓を保護している腹膜があります。腹膜には、痛みを感じる神経が張り巡らされており、特にへその周囲には神経が集中しているため、爪や綿棒でつついたり、奥まで無理に掃除しようとすると、腹膜を傷つけて炎症が起きたり、そこから雑菌が入ったりする可能性があります。

へそ周辺も洗いましょう

シャワーだけよりも湯船に浸かったほうが、へそのゴマが柔らかくなるため、汚れが落ちやすくなります。

腹部を洗浄する場合は、へその周りを強く擦ったりしないようにして、スポンジや手を滑らかに滑らして洗浄しましょう。

これだけでも蓄積されるへそ垢が違いますし、臍石の予防にもなります。

まとめ

風呂

いかがでしたか?

へそから膿が出たり臭いがしたりすると、いくつかの病気の疑いがあるということが、おわかりいただけたかと思います。

入浴や、定期的なへその掃除で、おへその周辺をきれいにしておくことが大事です。

もし炎症を起こして膿が出たり痛みがある場合には、市販薬だけで治そうとせず、速やかに病院に行き、見てもらうようにしましょう。

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