異汗性湿疹とは?症状・原因・治療方法を詳しく紹介!

足の裏や手の平にできる「水ぶくれ」「ぐじゅぐじゅ」「かゆみ」「痛み」と聞いて、どんな病気を想像しますか? ぱっと出てくるのは「水虫」ではないでしょうか。大抵は水虫なのですが、まれにまったく別の病気によって似た症状が出ることがあります。

「異汗性湿疹(いかんせいしっしん)」です。

「異」常な「汗」によって生じる湿疹です。「水虫だ!」と早合点して市販の水虫薬を使い続け、症状を悪化させてしまうことがあります。基本的な知識を身に付けて、適切な治療を受けてください。

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異汗性湿疹の症状

足の裏

実際に異汗性湿疹を発症した患者の症状を紹介します。3人とも医師によって異汗性湿疹と診断されました。

むずがゆい

この患者は、足のむずがゆさから症状が始まりました。同居の家族が水虫を発症していたことから、この患者はなんの迷いもなく、ドラッグストアで水虫薬を購入しました。

ところが改善するどころか、皮がむけるまで悪化してしまいました。しかも患部は拡大する一方です。次にかゆみは痛みに変り、歩行も困難になりました。

アトピー?

別の患者は、元々アトピー性皮膚炎を発症していました。なので、手の平と足の裏がむずがゆくなったとき、「アトピーの症状がここまで広がった」と考えてしまいました。それで、アトピーを診てもらっている医師に「新たな異常」として伝えることができませんでした。

しかし、かゆみはどんどん強くなります。「ダメ」と分かっていてもぼりぼりかいてしまいました。そのかゆみは夜眠れないくらいにまで悪化しました。かゆみ→かく→かゆみ悪化→かく→痛み→痛み鎮静化→かゆみ→かく…という悪循環に陥りました。

水ぶくれ

3人目の患者は、手の平、足の裏、手足の指の間に、赤いブツブツができました。ブツブツは水ぶくれに成長し、それが大量に発生しました。かゆみがなかったので放置していたら、突如痛みが走りました。しかしそれでも治療に取り掛かりませんでした。

水ぶくれは自然に潰れ、皮膚は乾燥し皮がむけて痛みは消えました。しかしこれで治ったわけではありませんでした。ひどい乾燥肌になり、手の皮膚の荒れは人目が気になるほどになってしまいました。

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異汗性湿疹の原因

手汗

それでは次に、この病気の原因についてみてみましょう。

汗と皮脂と皮膚

異汗性湿疹の原因は①汗と②皮膚の脂(あぶら)と③皮膚です。汗も皮脂も、本来は人にとって有益な物質です。汗は体温を調整しますし、皮脂は皮膚のバリアになっています。また、異汗性湿疹を発症しない人は、どんなに汗をかいても、または、どんなに皮脂の分泌量が増えても湿疹は起こしません。

つまり異汗性湿疹は、汗と皮脂と皮膚の3つのバランスが崩れることで発症するのです。

精神性発汗

それでは汗に注目してみましょう。体温調整のための汗のことを、温熱性発汗といいます。これが正常の汗です。

一方で、体温調整をする必要がないときに出る汗があります。緊張したときの汗です。または、驚いたときも人は汗をかきます。またいわゆる「冷や汗」や「手に汗握る」も、体温調整のためではない汗ですので「異常な汗」のグループに含まれます。

異常な汗のことを、精神性発汗といい、これが異汗性湿疹に関わってきます。精神性発汗は、体のある部分の汗が多くなる病気です。全身で大量の汗をかく「汗かき体質」とは別の症状です。精神性発汗の症状が出やすい部位は、手の平、顔、頭、脇、足の裏です。

汗は神経の活動によって出たり出なかったりします。ですので、手の平の汗をコントロールしている神経が異常に活発になってしまうと手の平の汗が多くなり、足の裏の神経が活発になると足の裏が多汗になるのです。

バリア機能の低下

異汗性湿疹の原因「その2」と「その3」は、皮脂と皮膚の状態です。夕方になると「顔がテカる」のは、皮膚の下から皮脂という脂がわき出てくる症状です。これを嫌う人は多いと思いますが、しかし皮脂は皮膚を守るバリアの役割を果たしています。自動車のボディの輝きを守るコーティング剤のようなものです。

しかし皮脂は「油」です。油は酸素と触れ合うと劣化します。劣化した皮脂には、もはやバリア効果は期待できません。皮膚を守るどころか、劣化した皮脂は皮膚を傷めることになります。それで人は、定期的に体を洗剤で洗って劣化した皮脂を拭い去り、フレッシュな皮脂が皮膚の下からわき出てくるのを待つ必要があるのです。

つまり、皮脂が出すぎたり、劣化した皮脂がいつまでも皮膚に付着している状態は、「皮膚の病気の土壌を作っている」ようなものです。皮膚が元からダメージを受けている場合も同じです。

汗腺の詰まり

皮脂と皮膚の状態が悪いときに汗が出ると、汗が出る穴「汗腺」が詰まってしまいます。この「流れ落ちない汗」が湿疹を起こすのです。これが異汗性湿疹の発生メカニズムです。

「流れ落ちない汗」は、体にとって「異物」になっていきます。湿疹は異物を排除しようという活動が、かえって皮膚を損傷してしまうことで生じます。過剰な免疫反応のひとつです。

さらに「流れ落ちない汗」は、水ぶくれの内容物になります。

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異汗性湿疹の治療

薬

異汗性湿疹の治療は、薬がメーンになります。異汗性湿疹の治療は難しくありませんが、市販薬で効果が出ない場合、早めに皮膚科にかかることをおすすめします。

ステロイド

初期の異汗性湿疹で、皮膚の状態が赤いブツブツの場合、ステロイドの塗り薬で簡単に治る場合があります。またステロイドは、症状が悪化してからも使われます。

尿素

水ぶくれが破れた状態になったら、尿素を含む軟膏が処方されるでしょう。また元から皮膚が荒れている患者には、尿素を含む保湿剤を使うことがあります。さらにステロイドと尿素を含む保湿剤が使われることもあります。

塩化アルミニウム

塩化アルミニウム溶液という薬は、汗を抑える効果があります。精神性発汗は神経の異常によって発症するので、塩化アルミニウムでは根治は期待できませんが、異汗性湿疹の症状を鎮めることはできます。異汗性湿疹は生活の質を落とす病気ですので、まずは症状をなくす治療が優先されます。

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精神性発汗の治療

神経

異汗性湿疹は、汗の出すぎによって発症する湿疹です。湿疹も決して無視できない症状ですが、しかし湿疹をはるかにしのぐつらい症状があります。それは大量の汗をかくことです。

精神性発汗の患者の中には、手の平から水がわき出ているかのように汗がしたたり落ちてくる人がいます。テストの解答用紙が汗で破れてしまうほどの汗が出ることもあります。汗の多さに悩み、抑うつ状態になる人もいるほどです。

手術

そこまで症状が悪化すると、精神性発汗を根本的に治療する必要があります。「胸腔鏡下胸部交感神経節切除術」といいます。ある医師は「重症例でも十分な効果が得られる」と述べています。

精神性発汗は神経の動きが異常をきたして起きます。この手術では神経の一部を切除します。手の平の汗をコントロールしている神経は、胸の部分にあるので、手術では内視鏡を差し込んで行います。

ただ神経の「仕事」は汗のコントロールだけではありません。間違った部分を切ってしまうと、重要な「仕事」ができなくなってしまいます。この手術は難しい手術のひとつです。また数多く行われている手術でもないので、専門医が行う必要があります。この手術を受けられる医療機関は限られています。

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まとめ

医者

湿疹やかゆみ、水ぶくれは、放置していても自然に完治してしまうことが多いです。しかし特殊な条件が重なると、治るどころか悪化の一途をたどります。皮膚の病気は命に関わることが少ないため、「すぐに医者にかかろう」と思うことはまれです。

しかし皮膚の状態がいつまでも悪いと、心や仕事に支障をきたすでしょう。効果的な薬と出会うためにも、早めに皮膚科にかかりましょう。

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