肺に穴が空く病気って?原因や治療方法を紹介!

なんか胸の辺り、もしくは背中が痛くて息苦しい・・・息をすると肺の辺りがスカスカするような感覚がある・・・大きく息を吸っているはずなのに空気が入らない、じっとしていても背中に痛みがある。

という方、もしかしたら肺に穴が開いている可能性があるかもしれません。

自然気胸という病気をご存知ですか?肺に穴が空いて吸った空気が漏れ出して胸腔内に溜まってしまう病気です。

そんな自然気胸の原因などご説明致しますので気になっている方は是非読んでください。

肺に穴が開く病気を気胸(ききょう)といいます

肺mac症

気胸という病気について紹介します。どういった人がかかりやすい傾向があるのか、肺に穴が開く原因や症状について紹介します。

肺に穴が開くメカニズム

肺を覆っている肺胸膜というものがあります。

その真下に存在するブレブ【直径1センチほどの異常な気腔で健康な気腔と違い破裂しやすい物】やブラ【肺胞の一部が嚢胞化(のうほうか)してしまった物】が破裂してしまいます。

この破れた部分から胸腔(きょうくう)という部分に空気が流れ込み溜まってしまい戻らなくなり肺が圧迫されていきます。これを気胸といいます。

空気が溜まってしまいますが、周りに肋骨があるのでそれ以上に膨らむことができません。ですので空気が行き場を無くし肺や心臓を押してしまい、肺や心臓が小さくなってしまうので胸や背中側に痛みや苦しさを感じてしまうのです。

このブラやブレブと呼ばれる気泡は自然に繰り返す呼吸の中で発生しだんだん大きくなり1〜3cmを超えてくると破裂する可能性が出てきます。3cm級の大きなものになると、穴は大きくなり外科的な治療が必要になります。

気胸の種類と原因

・自然気胸

気胸は10代後半~30代に多く、特に痩せ型の男性が比較的発生しているようです。ハッキリとした理由もなく起きてしまうので自然気胸と呼ばれています。自然気胸には自覚症状がほとんどなく油断してしまいがちな病気です。

・外傷から発生する外傷性気胸

交通事故や強くぶつけてしまい肋骨が折れてしまい、肺に刺さると気胸を起こします。このような場合外傷性気胸(がいしょうせいききょう)と言います。また、医師の治療や検査によって肺を傷付けてしまい気胸を起こすこともありこれを医原性気胸(いげんせいききょう)といいます。

・病気から発生する続発性気胸

肺結核や肺気腫や喘息などの肺の病気にかかり、併発してしまう気胸を続発性気胸(ぞくはつせいききょう)といいます。

・生理が関係している月経随伴性気胸(げっけいずいはんせいききょう)

生理周期の月経前後に発生する気胸になります。全く関係ないと思われる膣内に発生する病気の子宮内膜症が肺にまで影響を与える事により気胸が発生する場合があります。

ホルモン治療や外科的治療のどちらかを行って治療を行います。ですので女性の場合は気胸が発生した時期から考えればこの子宮内膜症の病気の可能性も考慮しなくてはいけません。

続発性気胸を引き起こす病気

こちらの肺気腫は気胸の症状ととても似ていて、肺気腫の場合でもブレが存在します。ですので肺気腫から気胸になる方がとても多いです。

※クリックできる場合、その病気について詳しく説明されていますので合わせてご覧ください。

気胸の症状

主な症状としては「胸の痛み」「息苦しさ」「呼吸困難」「乾いた咳」「肩・鎖骨の違和感」です。気胸は軽い症状のものから重度ものがあり一刻を争そう場合もあります。肺に穴が開く病気というと非常に痛そうなイメージがありますが、実際には刺我慢できるし仕事も出来るくらいけど辛いという微妙で地味な痛みがあるでしょう。

痛みの特徴としては刺すような痛み、息が詰まるような痛みという表現が適当でしょう。他の発症者を見ていても背中の方に強く痛みを感じやすい傾向があります。

重症度は以下の通りです。

・軽度気胸

こちらは入院する必要はなく安静にしていれば、漏れた空気が自然と血液に溶けていき消失します。ただし、軽度といっても呼吸困難などの症状がある場合は入院が必要になります。

・中等度気胸、高度気胸

背中、肺の痛みや息苦しさが強くなり、運動が困難になり一定の制限を感じます。呼吸が困難に感じるほどの痛みが発生することもあり、浅い呼吸になります。

中等度になると入院をし、胸腔ドレナージなどの治療をしていく必要があります。治療法については下記で詳しく説明します。

・緊張性気胸

緊張性までになると、大量に行き場をなくした空気が肺や心臓を圧迫し影響を与え、命の危機に関わりますので、すぐに胸腔鏡下手術を行わなければいけません。この場合血圧低下やショック死に繋がります。

気胸になりやすい人の特徴

気胸になりやすい人の特徴が幾つかあります。当てはまっている人は注意しましょう。

  • 背が高く痩せ型の人
  • 肩幅の狭い人
  • 猫背の人
  • 胸部の周囲が狭い
  • タバコを吸っている喫煙者
  • スキューバダイビングや登山や飛行機での移動など気圧変動が大きい環境にいる

などの特徴を持っている人に発生しやすい病気になります。有名人ではBUMP OF CHICKENの藤原基央さんや佐藤健さん、嵐の相葉雅紀さんなどが罹った事のある病気にあります。

体系的にはちょうどこの特徴に当てはまっている男性ばかりですね。

気胸の治療

肺が痛い

軽度気胸の場合は安静を取り自然治癒を待ちます。基本はこちらになるのですが、中等症状からはまた違ってきますのでそちらを紹介します。

診察方法

気胸になった場合呼吸器内科のある病院を受診しましょう。まず胸部レントゲン写真を撮影し、この時点でどの程度の気胸なのかを観られます。

その次に胸部CTもしくはレントゲンを受け、何の病気がひそんでいるかを診断します。ここでブレブやブレが有るか、どのくらいあるのかを確認します。その後聴診を行い、肺に空気が入っていないと判断されれば緊急性肺気胸の場合が高く緊急入院となります。

溜まった空気を抜く

溜まった空気が多い場合はその空気を抜く治療から入ります。胸腔ドレーンという管を胸腔内に挿入し空気を排出します。この管を使って排出する際、外側から空気が入らないようにドレン・バックという機械を使い逆流を防ぎます。こちらの治療は保守的治療といい、気胸そのものの治療ではありません。

脇腹の肋骨と肋骨の間から直径2cm〜3cmくらいの棒で穴を開けて胸腔内まで管を通します。局部麻酔で行います。麻酔をしているので痛みはありませんが、肋骨などから衝撃や振動は伝わるので怖さはあるでしょう。

中等症状の場合はこの治療を行い様子を見ます。また空気が大量に溜まり血液に溶けにくい状態を3回以上繰り返す場合は内視鏡手術を行います。

胸腔ドレーンを行うリスクとして、再膨張性肺水腫を引き起こす可能性があります。これは虚脱していた肺の再膨張が一気に起こってしまう際に、肺内の血流が増えてしまい血管透過性が亢進して肺水腫になるものです。主に虚脱期間が長かった肺に起こりやすいものです。あまりにも酷い場合は人工呼吸管理が必要となります。

この装置の装着自体は10分もかからないくらいで終了します。しばらくは空気が抜けるまで数日間は肺と管とで繋がったキャリーバックほどの機会を引いて入院生活をすることになります。ドレナージ治療の目安は3〜4日間ほどで、更に抜いてから空気漏れがないか癒着の経過を観察するために1〜2日間様子を見ることになるでしょう。

気胸の手術

ブレブおよびブラの切除を行います。医療技術の向上によって現在では胸腔鏡手術という胸に穴を空けて治療する方法が主流ですが、状態によっては胸を切り開く腋窩小開胸法(えきかしょうかいきょうほう)を取る場合もあります。胸腔鏡下手術は2センチほどの傷を3ヶ所開け、そこから胸腔鏡と切除する為の特殊な道具を入れ治療します。

胸腔鏡下手術のメリット
  • 手術の傷が小さく目立たない
  • 手術後の痛みが少ない
  • 回復が早く入院期間の短縮になる
胸腔鏡下手術のデメリット
  • 突然の出血があった場合の対応が遅れてしまう
  • 使用する道具が限られ高度な技が求められる

また、以前呼吸器官で重い病気を患った患者さんや呼吸機能が著しく悪い患者さんには全身麻酔をかけられないので、胸腔内癒着療法を行います。癒着剤を胸腔内に流し肺胸膜と壁側を癒着させる治療法です。こちらは確実に気胸を治す方法ではないので再発するリスクが高くなってしまいます。

気胸って再発するの?

以前患った時にどの治療法をしたかにもよりますが

  • 自然治癒の場合    50パーセント
  • 胸腔鏡下手術の場合  5~10パーセント
  • 開胸手術の場合    0.3~5パーセント

となっています。勿論人によって違いますができるだけ肺を使うことは避けてください。過度な運動や楽器の演奏、スキューバーダイビングなど再発するきっかけとなってしまいます。

また、右側だけを治療した場合、左肺は手付かずの状態ですので発生確率は高いままです。検査の段階で反対側の肺についても状態を確認しますので、逆の肺にブラなどが存在していないかを確認してみましょう。

おそらくお医者さんが申告してくれるはずですが、反対側にもブラが発見させる場合はいつ病気が発生するかわからない状態でもあり、そのまま生涯まで破裂しない可能性もあります。

もし片方に気胸が発生ている状態で反対の肺にブラが確認される場合、両肺をいっぺんに手術してしまう医師も存在します。

しかし、そのような医師は完気胸の手術をかなりの人数こなしている人しか出来ない治療でもあります。どこでも受けられる訳ではないので、もし受けられる場合はよく考えて治療し、発生率を下げていきましょう。

気胸の予防は?

肺活量

肺気胸は突然発生する症状になります。特に前兆となる症状などはありません。運動やストレス、疲労の蓄積、生理などの要因によって肺胞に存在しているブラなどが破裂した瞬間から痛みがじわじわと発生する様になります。

予防策がない

残念ながら気胸について突発性の病気になっているので、これといった予防方法がないのです。自然気胸以外では原因が明確ですが、自然気胸については本当にふとした時起きるもので原因が未だわかっていません。

ですが気胸になりやすい人の特徴としてあげた項目に当てはまる人は誰でもこの病気が発生する可能性があるので生活習慣などを整えて対策する他ありません。

肺気胸の発生率は人口10万比40〜50人となっていてその7割は喫煙をしている方のようです。

身体を大きくする

特徴をなるべく無くすために、胸部を広げて肺や心臓などをしまっている胸腔内を大きくする事で気胸を予防できるかもしれません。

大人になると大きく骨や軟骨が動くことは難しいので、子供や思春期の内に運動や競技などをして身体を大きくしておくと、この病気になりにくくなるでしょう。

しかし、成人を迎えてから急激に身体に負荷をかけると、気胸が発生しやすくなる事もあります。徐々に負荷を上げて身体を作っていきましょう。

禁煙

タバコの影響が原因として上げられていますので、出来るだけ吸わないようにすることが予防法としては有効です。

気にせず病気が治った次の日からスパスパ吸っている喫煙者も居ますが、出来れば禁煙したほうが良いでしょう。気胸は再発率が高い病気です。治療が終わったからと行って安心はできません。

若い頃に吸った場合でも、肺に与えた影響は禁煙をしても回復することはありません。最初から喫煙をしないことが最も有効な予防法でしょう。

ストレスからの可能性も

先ほど述べた特徴に当てはまらなくても、ストレスで気胸になる場合もあり得ます。こちらもはっきりと解明されてませんが、仕事の時間ばかりで睡眠時間が減っていたり、悩み事が多くよく考え込んでしまう方、ストレス発散をする場所がなく溜め込みすぎている方はなりやすい傾向があります。

また、喫煙する方は肺に大きく負担をかけますので本数を減らす、弱い物を吸うなどして気をつかってみてください。一番はやめることにこしたことはないのですが、急にやめてしまうとそれがストレスの原因になりますので、病院等で徐々に吸わなくしていくというのが一番良いでしょう。

予防策が確立されていないからこそ必要なことです。

肺に良い食べ物

予防法がないので食事でも気を使ってみましょう。肺の免疫力を高めるために抗酸化作用のある食材を取り入れましょう。特にビタミンA,ビタミンC,ビタミンEが有効です。「レバー」「ニンジン」「ピーマン」「キャベツ」「イワシ」これらの食材を意識して食事を作ってください。

逆に肺の老化に繋がる原因として血圧を上げる塩分の取り過ぎです。また添加物の多い加工食品やカップ麺やコンビニ弁当はあまり食べないようにしましょう。毎日添加物が入ってるものばかり食べていると気胸もそうですが、他の病気にもかかりやすくする体をつくってしまいます。

入院期間・費用

お金

軽度の気胸であれば入院期間は3日です。胸腔ドレナージを受ける際は7日~11日程入院が必要になります。

ここで治らなければ胸腔鏡下手術に移り、更に7日程入院が必要になります。費用は病院によって異なりますが胸腔鏡下手術の場合大体20万〜40万円ほどになっています。胸腔ドレナージのみの場合は平均10万未満となっております。

※保険適用の場合です。

10万円以上の治療費を払った場合には高額医療費制度が受けられるので、領収書などはちゃんととっておき、申請するようにしましょう。

ステップが増えると治療費は高くなる

例えば、最初にドレナージの治療を行っていて途中で再発率が気になって手術に移行する場合や、呼吸障害や強い胸部や背面の痛みが発生していて、緊急搬送され緊急的にドレナージ治療を受けてから手術に移行する場合。

また、最初の病院でドレナージ治療だけを受けたが、その後手術の為には病院を移って手術を行う必要がある。などの場合は、二重に治療費がかかってしまいますので、40万円前後の金額がかかってしまうことがあります。

特に緊急の症状に発展してしまった場合にはこの可能性が高くなります。

気胸という病気が任意保険適用にならない場合もありますので、もし気胸になりやすい特徴を持っている人は、腹腔鏡手術を行う治療や気胸が保険適用ないであるかどうかを確認してから、保険をかけておくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

気胸は誰でも急にかかってしまう病気というのが怖いです。

詳しい原因も予防策がないとなると、本当に日常生活で健康な体を造るということに気を付けていきたいところです。風邪でもないのに長期間咳が続く場合は病院への受診をオススメします。

自然治癒の場合再発率が50パーセントとなると軽度の気胸でも手術を受けたほうがいいのかなとも思ってしまいますね・・・。

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