嘘をつく病気について!特徴や接し方を知っておこう!

身の回りに平気で嘘をつく人っていませんか。本当のことかと思って確認してみたら嘘だったり、本当でない噂話を流されたり、いくいくと言っていたのに当日ドタキャン、遅刻したのに見えみえの嘘をついてごまかしたり、本当に付き合っていくのが大変なびっくりするほど嘘が多い人っていますよね。

ほんと病気じゃない!って言いたくなりますが、実は嘘をつく、虚言癖とは立派な病気なのです。ここでは虚言癖の原因となる病気について取り上げていきます。

どうして虚言癖になってしまうのか、どういう人が虚言癖と診断することが出来るのかについて紹介していきます。ついつい嘘をついてしまう人は自分が虚言癖でないかどうかを確認してみてください。

嘘をつくのは演技性パーソナリティ障害という病気?

枯れ葉

パーソナリティ障害という病気について紹介します。パーソナリティーとは人格のことです。詰まり、演技生人格障害と言うことになります。

これはどういった病気なのでしょうか?

パーソナリティ障害の特徴

他人の関心や注目に過敏に反応するタイプの障害です。

関心や注目を求めすぎるあまり、嘘をつくようになってしまいます。成人期の早いうちに、若いうちに発症することが多いといわれ、発症の9割は女性です。

自分の外見や性的魅力に常に関心をもち、他人の関心や注目を集めなければ自分は無価値だと信じ込んでいます。他人の注目を集めるためであれば自分を貶める ことも平気でします。

ただしこの障害を持つ人は生身の自分で勝負するほど自分に自身があるわけではないのです。そのため空想の世界で幻の自分を作り上げ、 それが現実であるかのように他人に見せかける、つまり嘘をつくのです。

パーソナリティ障害の症状

平気で嘘をつく以外にたとえば次のような症状があります。

  • 他人に過度に挑戦的に接する
  • 気分が不安定でころころ変わる
  • 話が大雑把でうそっぽい

などと言った症状です。とにかく仰々しく、芝居がかったようで、興奮しやすく、挑戦的な態度、言動をする場合が多いようです。これらの態度や言動には他人の注意を引こうという意図があります。

人の注意を引くために、考えや感情を大げさに大げさに口に出すことが多く、自分が求めている他人の注意を引けないときは癇癪を起こしたり、泣いたり、急に非難がましくなったりします。この障害を持つ人は、内面にもろい部分や傷つきやすい部分を抱えており、表面的には明るく魅力的に振舞うのですが、急にふさぎ込んだり不安でたまらなくなるのです。

パーソナリティ障害への接し方

このような演技的パーソナリティ障害の人が身の回りにいて、逃げられない場合の接し方は二つあります。

・相手の演技に付き合う

演技的パーソナリティ障害の人の演技はその人が生きていくうえでなくてはならないものです。そのような人との上手な接し方は、その演技に付き合うことです。

最初は、そのような人を見ても、その人が期待する反応をしてしまう人が多いでしょう。ただ何度も繰りかしその演技に接するうちに、それがうその演技であることを見抜けるかもしれません。そこで見抜けたら、一歩距離をとってその嘘の演技に振り回されないことが大事です。表面にあるものだけでなくその裏にあるものを冷静に観察しましょう。

演技性パーソナリティ障害の人は常に演技をするという強いストレスを感じているため、そのストレスが身体症状、頭痛や腹痛、ひどい場合には歩けなくなるなどといった症状として現れることがあります。このため急に早退したり、有給を繰り返し取ったりすることがあります。

ただこれらの症状は心因性なので病院にいっても異常なしという診断です。これも嘘の演技か!と怒りたくなる気持ちはわかりますが、そこは冷静に対応しましょう。とりあえず本人の言うまま休ませるのですが、休んでいる期間に好き放題させてはいけません。なぜいつまで休むのかを明確にさせ、本人に責任を取らせることが必要です。

・縁を切る

自分から縁を切るつもりがなくても、あることをすることで絶縁状態になります。あることとは、演技的パーソナリティ障害の人の演技が嘘であることを人前で暴いてしまうことです。

嘘の演技を暴くことは、相手の人格を否定するのと同じことですから反感を買い、相手は激昂し、絶縁にいたります。ただ注意しなければいけないのは、あなたの周囲の方が、相手の演技を見抜けていないときです。その場合あなたが悪者になってしまう可能性が高いです。気をつけましょう。

嘘をつくのは自己愛的パーソナリティ障害という病気?

愛

自己愛的パーソナリティ障害という病気について紹介します。

自己愛的パーソナリティ障害の特徴

自分自身を愛するということは人生に必要なものですが、それが病的に肥大化して自分に対する誇大感を持つようになってしまった障害です。

成人期の早いうちに、若いうちに発症することが多いといわれ、発症は男性のほうが多いと言われています。なんでも自分の思い通りになるといった空想に耽るようになります。すべて自分に都合のいいように物事が進んで、最後は自分が高く評価されるといった空想を夢見ているのです。

聞かれもしないのにやたらと自分のことばかりしゃべります。話の内容は自慢話が多く、話のつじつまを合わせるために平気で嘘をつきます。また他人に対する思いやりが少なく、他人を自分のために利用します。他人の仕事の結果を横取りするような嘘をつくのです。

自己愛的パーソナリティ障害の症状

平気で嘘をつく以外に、たとえば次のような症状があります。

  • 自分を大げさに見せる
  • 嘘をついてまでの自己成功への没頭する
  • 批判に対する大げさな反応
  • 自分は優れている人間であるから他人を利用して当然と考える

などといった症状です。とにかく自己評価と自己イメージへの過度な関心が表れます。

この障害を持つ人は、自分自身の存在の重要性について、空想、実際をとわず、尊大な感情を持っています。過度に評価されることを望み、他人に対する共感を欠き、つねに他人の成功に対する妬みを持っています

そのため、他人からの批判や他人との競争での敗北にうまく対応できず、怒りをもったり、急にふさぎ込んだりします。とにかく自尊心が高いのです。自分は特別であり、特別に扱われるべきであり、他人は自分に従うべきだと思い込んでいるのです。

自己愛的パーソナリティ障害の人への接し方

このような自己愛的パーソナリティ障害の人が身の回りにいて、逃げられない場合の接し方は、悲しいことですが、関わりを最低限にすることが一番です。具体的には

  • 仕事の話だけをし、関わりを最低限にする
  • 敵視はしない、でも距離はキチンととる
  • プライベートな話はしない

です。ただし自分が如何に距離をとろうとしても、攻撃してくる場合があるので心構えはしっかりしていてください。

言いがかりをつけられても挑発にはのらない。反論しない。感情を表に出さずに沈黙を守る。悪意のある言動も受け流す。意見する場合は伝聞調で。断るときは一言で。なんだか悲しくなってくるような内容ですが、とにかく相手は病気なのですから、理解してもらおう、心を通じ合わせようなどといった無駄な努力はせずに、振り回されないようにマイペースを保つのが必要です。

またこのような障害の方が、自分の上司だったり、指導的立場にいる場合、モラハラ、パワハラとなるケースもあります。あまりにひどく耐えかねる場合は周囲や人事に相談するのも解決策かも知れません。

反社会性パーソナリティー障害

暴力

反社会性パーソナリティー障害もしくは非社会性パーソナリティー障害と言います。上記同様人格障害の一種になります。

どの様な特徴のある障害なのかについて紹介していきます。

反社会性パーソナリティー障害の特徴

自己愛の場合には自分を優れていると認識し、他者を利用して嘘などを巧みに使い利用しますが、反社会性の場合は自分の利益を優先した言動を行います。

楽しみや、利益が優先で他人に対して不誠実、平気で虚言を吐き、暴力を利用するケースもあり、暴力や反社会的行為を施行する事に特に躊躇やハードルがありません。

子供の頃から素行の悪い行為を継続して成人になるまで継続し、精神的成長や人間的な愛情に欠けている場合にこの人格障害であることが考えられます。

反社会性パーソナリティー障害の症状

この人格障害の人には、薬物中毒者やアルコール依存症、性的暴行を行う人が多く存在します。

  • 他人の意見や人権を軽視する
  • 暴力や反社会行為に対しての躊躇がない
  • 法律やルールに従うことが出来ない
  • 行動に計画性がない
  • 責任感や良心の呵責がない
  • 暴力や犯罪でのスリスを刺激として楽しんでいる

などの症状、性格を呈しています。事故による人格障害が発生し、前頭葉の損傷により温厚であった人が急に過激になるなどのケースも報告されています。

この症状は年齢が高齢になるについて、軽減していく傾向があります。殆どの場合で30代までの間で症状は安定します。

反社会性パーソナリティー障害の人との関わり方

この障害傾向にある人は診断されていない人を含めると人口の全体の4%ほどの割合で存在しています。患者は男性に多い傾向があります。

この様な人と接する場合はどの様なことを意識すればいいでしょうか?

かかわらない

基本的にこの人格を呈している人とはかかわらないことが最も損失を被らない方法になります。かかわらずに済むのであれば、かかわらないようにしたほうが良いでしょう。

挑発行為などには出来るだけ乗らずに、相手を刺激しないようにしながらその場を離れましょう。特に1対1での状況であれば、出来るだけ人目につく場所を選んで接するようにしましょう。

二人だけの状態では何をされたとしても証言のみで、証拠が残りません。しかも、そういった状況は相手も理解しているので何をされるかわかりません。

この人格障害を呈している人が同じ空間に存在している場合は、立ち回りに気をつけましょう。

中立で否定しない

反社会性パーソナリティー障害傾向にある人は、過去に否定されたり深い傷を背負っていることが多くあります。

親からの暴力や虐待、愛情不足によって人格障害を引き起こしているケースが多くあります。その為否定されたり、拒否されると異常に執着しの行動を取る可能性が高まります。

どうしてもかかわらなくてはいけない学校の同級生や同じクラスの人、同じ会社の人などであればこの方法で、仲間にもならず、敵にもならない立ち位置を死守することが重要です。

脅しや押しに弱いところが露見してしまうと狙われる可能性が高まります。

嘘を付く病気について

悲しい

簡単に虚言を吐く、人を騙すなどの行為を行う人格障害はどうして発生してしまうのでしょうか?その心理と行動からわかる経緯と原因について紹介します。

また、虚言癖とも言うべき、平気で嘘をついてしまう問題は他の症状が原因の可能性もあります。子供に虚言癖がある場合は他の症状も疑ってみてください。

パーソナリティー障害が発生する原因

現在パーソナリティー障害が発生する原因は、遺伝的要因、環境的要因、脳の機能的要因、社会的要因の4つの要因があるとされています。

遺伝的要因では、親からの遺伝子情報が伝達される際に発達している脳神経の発達や神経伝達物質の分泌量などから性格が変化する事。

環境的要因では、子育てをしてくれる両親やその周囲との人間関係や環境とのふれあいの中で性格に与える影響が関係している事。最も影響が大きいのは母親からの愛情とされています。

脳の機能的要因は遺伝と同じですが、後天的または遺伝と認められない脳障害が発生している場合に考えられる要因です。

社会性要因については、社会的な環境や政治などの問題から影響を受けた人がパーソナリティー生涯を発症しやすくなるという問題です。時代背景から一時的にパーソナリティー生涯を発症させる患者が増加する年代があることも報告されています。

その他の障害の可能性

嘘を平気でついてしまう虚言癖を発症させる障害として広汎性発達障害や解離性障害という障害の可能性もあります。

それぞれの障害について紹介します。

広汎性発達障害について

広汎性発達障害は発達障害として有名なアスペルガー症候群や自閉症などの発達障害の総称です。コミュニケーション能力や社会性への発達停滞の特徴がある障害になります。

他者とのコミュニケーションが苦手で、強い個人のこだわりを持っており頑固、特定のものへの敏感な反応や逆に鈍感な部分があるといういずれかの特徴が目立ちます。

他人の気持ちなどを想像することも、自分の気持を表現するのも苦手で嘘をついて人の気を惹こうとしたり、思い込みから空想と現実の区別がつかず自分は犬と話が出来るなどと言って同学年の子供からいじめられる、ハブられるという悩みを親が抱えているという相談などが良くあります。

この虚言を発してしまう心理としては、自分の脳力では満たされない欲求をどうにかして満たしたい現れでもあります。親であれば嘘をついている本人が何を求めているのかを理解してそれを手に入れるためのアプローチを教えてあげる、自分でそれを物にできるように導いてあげることが重要になります。

叱るなどの行為は逆効果となり、得たいものと現実とのギャップに心を歪めて誤った方向に伸びてしまう可能性があります。自分の感情では無く子供の心理をよく考えて対応するようにしましょう。

解離性障害について

解離性障害は自分が自分であるという感覚が失われてしまい、間隔的に記憶を喪失したり、現実感という実感がない状態が続いたり、いつの間にか知らない場所に居るなどの生活面での支障をきたしてしまっている状態のことをいいます。

幼児期に強いストレスの発生するいじめや教育上での家族からの支配、虐待を受けた経験のある子供に発生しやすい障害でもあります。

発症者の原因として多い順に、虐待の遭遇や目撃、両親との不仲、いじめ、事故との遭遇や目撃、強姦の順で症状の発症に至っています。

まとめ

平気で嘘をつくひとの大部分はここで述べたようななんらかのパーソナリティ障害を持つ場合が多いようです。

パーソナリティ障害は心の病気ですから、本人がそれを自覚して医師に受診しない限りすぐに治ることはありません。また病院へ行ったら?、なんていうアドバイスも聞く耳を持たないでしょう。とても困ったことですが、上手に接し、自らが巻き添えにならないように距離をとっていくのが一番です。

とくに自己愛的パーソナリティ障害は最近増えてきており、かつ治療を受けても治りにくいといわれています。何かのために第三者にあらかじめ相談しておくのがいいかもしれません。

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