性交時または射精時にズキンと痛む頭痛。そんな経験はありませんか?
あまり知られていませんが、欧米ではよくあることとして受け入れられています。オナニーやセックスなど男性は射精を行う時には快感を感じるものですがどうして関係ないと思われる脳に痛みが発生してしまうのでしょうか?
射精時の頭痛は脳の病気が関係しているのでしょうか?ここでは頭痛の原因と対処法についてまとめて紹介しています。
また、射精時に頭痛を感じたことのある人は毎回症状が発生するわけでなく、たまに発生する傾向があるかと思います。この記事で射精時に送られる脳への信号と頭痛の関係性について知って、どの様な場合に発生しやすい症状なのかを明らかにしていきましょう。
射精とは?
一般的に射精とは、性的興奮が高まった状態で精神的・身体的な性的刺激に対して反射的に起こるもので、尿道から精液が放出される反応のことを言います。時には睡眠中に起こる夢精といわれるものや前立腺のマッサージによるものもあります。
また射精が起きるときには、陰茎は勃起しているのが前提です。そして射精は筋肉の働きで起こる反射であるのに対し、勃起は血液の働きが関係して起こります。
射精が起こる前には体内で射精にむけた前段階があり、精子が精巣上体から精管膨大部まで移動してきます。この前段階から射精は始まっていると考えられています。ここまでくるともう反射行動になるので、自分の意思では止められない状態といわれます。
射精と脳内物質の関係性
射精と脳内物質の変化では頭痛以外にも変わった反応を及ぼします。
射精後には男性は俗語で言うところの「賢者タイム」に突入します。賢者タイムとは性行為前や性行為中には、ものすごく意欲的で興奮していた男性が射精後に急激に冷静になり、性的な欲求を感じなくなってしまう状態のことで、悟りを開いたように性に興味を示さなくなることからそう呼ばれています。
これは射精後に脳内で分泌されるいくつかの物質が関係しています。男性がオーガズムを感じた瞬間には6種類もの物質が分泌されます。
その中のプロラクチンという脳内物質が性的欲求を満たして、性欲を落ち着かせます。このプロラクチンの分泌が少ない場合の男性はその後も性行為に対して意欲的であったことが明らかになっています。
動物にこのプロラクチンを注射したところ運動量が低下したという記録もあります。またオナニーよりセックスの方がこの物質が4倍分泌される傾向があり、性行為後に顕著に男性の態度の変化を観察することが出来ます。
また同時に眠気を誘発するメラトニンも分泌されるので、リラックス効果と相まって寝てしまう事もあります。男性が性行為後にすぐに寝てしまう裏にはこのような脳の働きがあるのです。
頭痛の原因と種類
ではなぜ射精に近づいたり、射精をすると頭痛が起きるのでしょう?まずは一般的な頭痛の種類や原因についてまとめてみました。
射精後に発生する頭痛はどの頭痛に当てはまるのかをみていきましょう。
緊張型頭痛
多くの慢性型頭痛のタイプがこの緊張型頭痛です。頭蓋を包んでいる筋肉の収縮によって起こるもので、頭を締め付けられるような痛みとともにだらだらと痛みが続き、スッキリすることがありません。特徴は首や肩のこりを訴える方が多く、首の後ろ近くでは押すと痛みを感じるところもあります。
原因は、精神的・身体的ストレスや眼精疲労などによって引き起こされる筋肉の収縮といわれています。またその頭痛がさらに引き金となり筋肉が収縮し、血流が悪くなり頭痛を悪化させていくという悪循環に陥ります。
対処法は、まず筋肉の収縮を引き起こすようなストレスや眼精疲労などを解消することです。そのためには、ストレスに感じない程度の運動や趣味などのストレス発散方法を見つけること、または定期的に身体をリラックスさせるマッサージなども効果的でしょう。正しい姿勢で過ごすことも肩や首の筋肉には良いでしょう。毎日の入浴では身体を十分に温めてコリをほぐしましょう。
片頭痛
片頭痛は、頭部の血管が拡張したために起こる頭痛です。
女性に多く見られる頭痛とも言われます。症状は、突然ひどい痛みとともに数時間から3日ほど続きます。目がちかちかしたり、目の前が暗くなったりまたは頭部片側がずきずき痛むなどして時には吐き気を伴うこともあります。この頭痛の特徴として、痛みを感じている最中に頭部の位置をずらしたり動かしたりすると症状が軽くなることがあります。
原因は、特にはっきりしたものは無く性格的に努力家であるとか、神経質な人がなりやすいといわれています。もちろんストレスや過度な疲れなども刺激の原因として考えられています。
対処法は、まず痛い場所を冷却することです。血管の拡張が直接的な原因の時は、一時的でも冷やし血管を収縮させることが痛みを和らげる一番の近道です。
また日頃のストレスを解消できるようにするとともに、日常生活では規則正しい生活を心がけ自律神経を整えることも大切です。
群発頭痛
群発頭痛とは、1ヶ月程度の間毎日決まった時間に片側の目の奥の辺りが強く痛み出すのが特徴です。
男性に多く見られる頭痛で、20代から30代に特に多いといわれています。期間は毎月ではなく1年に2回から3回程度が多く、時間帯も明け方が多いのも特徴です。この頭痛は目の充血や鼻水などの症状を伴うこともありますが、1~2時間程度で和らぎます。
原因ははっきりとしていないのですが、目の後ろにある血管の拡張が、周囲の神経に刺激を与え炎症が起きてしまうというのが主な要因であるといわれています。
対処法は、血管が拡張されるようなことは避けるようにしましょう。アルコールなどの血管拡張作用のあるものを飲用しないことや、入浴など全身の血行がよくなるものは長時間入らないなど心がけましょう。あまりにもひどい頭痛には酸素吸入が効果的です。しかし通常は傍にないと思いますので、症状がひどい場合は医療機関に受診してみてください。
薬の使用によるもの
時に違う疾患の治療薬である薬の作用で頭痛が起きることがあります。血管拡張のための薬やバイアグラに代表されるED治療薬の副作用でも、頭痛が起こることがあります。
特に使用方法を守らずに、多くの薬を飲んでしまったり間隔を開けずに連続使用した場合に副作用が発生しやすくなっています。
バイアグラなどのED治療薬には血管の拡張作用があり、ペニスの陰茎に血液を送ることで勃起を促したり、長時間勃起を維持させたりする効果があります。なのでこの血管拡張作用が脳や体の方に影響してしまい、頭痛が発生してしまう事が推測されます。
特にお酒を飲んだい時に顔の色が赤くなりやすい人に頭痛の症状が発生しやすい事がわかっています。
薬の効果継続時間は商品の成分量によって変わってきますが多くのものが30分から効果を感じ始め4時間ほど持続します。この時間を過ぎれば頭痛の副作用も徐々に落ち着き、軽減していくでしょう。規定量を超えて使用している場合はこの限りではありません。
また薬の副作用の頭痛には頭痛薬などの薬が有効で、消炎作用のある鎮痛剤が有効とされています。
射精時の頭痛の原因とは?
このように頭痛の種類が理解できたところで、射精時の頭痛はどうして起こるのでしょうか?
射精時の頭痛は、欧米ではわりと一般的な症状として理解されています。また日本でも表に表れていないだけで、診断を受診する頭痛患者の3%程度を占めるといわれています。病院での診断では良性性交性頭痛などと呼ばれます。
この性交時の頭痛に関しては上記の片頭痛や群発頭痛と同じ血管の拡張が原因と同様と考えられています。稀に高血圧など他の疾患が原因の時もあります。
射精時の頭痛の種類
性交時の頭痛では状態によってさまざまなタイプがあるといわれています。原因ごとに分けられていますのでその違いについて知っていきましょう。
①姿勢型
特定の体位を長時間することによって頭痛が起きるタイプで、長いときは3時間程度痛みが続きます。しかし体位を変えると、痛みが和らぐ場合もあります。
特に首や肩付近の頭に血管が繋がっている途中の筋肉が凝ったり、こわばったりしてしまうことで頭痛につながってしまいます。
性行為中の筋肉の動きは、体験したことのある男性であればご存知かと思いますが想像以上に筋肉を使います。この力みが関係して頭痛が発生してしまいます。遅漏の男性や運動不足の男性には特に発生しやすいでしょう。
②爆発型
いわゆるオーガズムを迎え射精したときに起こる頭痛のタイプです。いわば性行為のクライマックスの状態で全身の血流がよくなり、血管が拡張し周りの神経を刺激するのです。これも長いときで3時間程度痛みが続きます。
性的な快楽が大きいほどこの影響は強く発生する傾向があり、射精というよりもその行為自体にどれだけ興奮しているかに比例して頭痛が発生しやすいでしょう。
③鈍痛型
上記の2つのタイプが混ざったものです。
どちらか片方というよりも、上記の原因が二つとも重なった場合に特に頭痛が起きやすいので、この痛みが発生している可能性が高いでしょう。
④ED治療薬や血管拡張剤の影響
ED治療薬や血管拡張剤には副作用として頭痛が起きることがあります。射精時の頭痛があるときは担当のお医者様と相談するのが良いでしょう。
専門家としては、脳神経外科にかかるといいでしょう。基本的な頭痛の時にかかる病院が脳神経外科になります。もし、他の病気も危険視しているのであれば、検査でその他の病気も同時に検査することが出来ます。
まず病院で検査することで安心して生活するが出来るので、不安を抱えている場合は一度検査を受けてみましょう。
射精時の頭痛の痛みの特徴
射精時の痛みの症状としては、首筋から後頭部にかけての痛みを訴える患者が多くなっています。いきなり急激な痛みを感じる場合と、じわじわ射精後に痛みを感じる場合に分けられます。
射精をする前から痛みを感じるケースもあります。
痛みの強さは激しい場合が多く、急激に痛みが増幅していきます。
痛みの継続時間についても個人差やその日の体調によっても数時間の変化が生じます。数分で頭痛の症状が収まる場合もあれば、数時間もの間頭痛が続く場合もあります。
疾患の可能性は?
稀に射精時だけだと思っていたら、隠れた疾患があったということもあります。たとえば高血圧などの疾患は主に中高年に多い疾患ですが、血圧の急激な上昇によって頭痛も誘発します。
一般的に、上の血圧が200を超えると頭部両側がズキンズキンするような痛みが起きたり、下の血圧が110を超えると後頭部あたりに重い痛みを感じたりします。
このような方は、急激な動作を伴う性行為の最中にも頭痛が起きることがあります。普段から血圧が高めの方は医療機関に相談してもよいと思います。放っておくと稀に性交時に意識障害など起こすことがあります。
危険な二次性頭痛について
また、危険な頭痛に二次性頭痛と言うものがあります。これは頭痛の原因が気圧や血管の拡張などによって引き起こされたものではなく、外傷や血管障害や感染症などが原因となって発生している症状になります。
症状の特徴としては今までに経験したことのない痛みや、意識障害、言語障害、手足の痺れや違和感などを伴う特徴があります。
がんや糖尿病やHIVなどの免疫疾患を抱えている人、神経障害のある人などに発生する場合がある症状です。
クモ膜下出血や髄膜炎、脳腫瘍など命にかかわる危険があり頭痛の症状を発症した場合の1割程度はこの二次性頭痛の患者になります。この頭痛が発症している場合は根本となる病気を治療しなければならず、治療方針を決定しなければいけない重要な自覚症状でもあります。
もし健康診断などで異常数値がでている人や、健康状態がよろしくない状態が確認されている人は特に定期検診を忘れずにこのような症状につながらないようにしましょう。
射精時に頭痛が起きないための対処法
では、射精時や性行為中に頭痛が起きないようにする対処法はあるのでしょうか?
治療法としては、まず症状が現れた時から2~3週間は性行為を避けて頭痛の要因を調べ治まるのを待ちます。それでも改善しないようであれば、性行為前に頭痛薬や鎮痛剤などの薬の服用や、交感神経の興奮を抑えるような薬を服用するのも効果的でしょう。
またED治療薬服用時の頭痛に関してはお医者さんと相談してください。また因果関係がはっきりしない頭痛があるなら脳神経外科など頭痛の専門医療機関を受診することをオススメします。
性行性頭痛が発生している場合は、冷やすか温めるのどちらかの対処法で症状は和らげますが、逆の処置を行うと痛みが増幅します。
筋肉のコリから発生している場合は温める、血管の拡張による頭痛の場合は冷やす。が有効ですので覚えておきましょう。
日頃から気をつけたいこと
射精時に限らず性行為時の頭痛は精神的にも辛い状況だと思います。
上記にもあるように性交時の頭痛にもタイプがあります。そのタイプによって日頃から気をつけたいことが分かります。自分の頭痛はどのような状況から発生するのかよく理解して日頃から心がけておくことで症状も和らげることが出来るでしょう。
自分の体に発生している問題ごとに対策法をまとめました。これらを参考にして対策していきましょう。
血圧の変化による頭痛の場合
性交時の室内温度にも気を配りましょう。急激な温度変化は血圧にもっとも良くない状況です。またタバコなども害を及ぼします。
そして必要以上の興奮は血圧を上げすぎることにもつながります。難しいでしょうが心がけてみましょう。
姿勢や肩・首の筋肉の疲労や緊張などによる頭痛
全身の筋肉疲労やコリをほぐしておきましょう。なるべく全身の血流をよくするよう、食事内容や適度な運動などを行って対策していきましょう。
特にパソコンのしすぎや眼精疲労、長時間の同一姿勢での作業などが原因となりやすいので、頭痛の原因となりやすい状況を取り除いていきましょう。
また歯のかみ合わせが悪いことから頭痛を引き起こすこともあります。矯正を行うかどうか考えたり、噛み癖などを改善して原因を排除していきましょう。
ストレスなどの精神的なものからくる頭痛
心身ともにリラックスできるようにしましょう。ストレスが溜まると交感神経が優位に立って血管も緊張し収縮します。
そうすると全身の筋肉のこりが発生しやすくなり、筋肉の緊張からくる緊張型の頭痛へとつながってしまいます。深呼吸でもよいので日頃から精神的負担を軽減しながら生活をしてストレスを溜め込まないようにしましょう。
またリラックスのためのアルコールやカフェインなどの嗜好飲料にも気をつけましょう。アルコールには血行促進や血管拡張などの効果がありますし、カフェインには血管を収縮する作用があります。
適度にこれらを利用しないと頭痛が発生しやすい環境ができあがってしまいます。アルコールが入っている状態での性行為も頭痛が発生しやすい行動ですので、これにも注意しましょう。
自分の頭痛のタイプを正しく理解し、要因を取り除くことで頭痛は和らぎます。
まとめ
いかがでしたか?
射精時の頭痛にもさまざまなタイプがあります。自分の頭痛のタイプや原因を正しく理解することで解決できるかもしれません。
性行為での頭痛は、天国から地獄へ一気に気分を墜落させる症状です。この症状を発生させないために対策していきましょう。
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