ギランバレー症候群の原因は?ウイルスや細菌について

ギランバレー症候群という病気を知っていますか?2013年小説家の中村うさぎさんがギランバレー症候群にかかり集中治療室(ICU)に入ったことで有名です。他にも多数芸能人の方がこのギランバレー症候群にかかり苦しみ、時には亡くなってしまった方もいらっしゃいます。

では、このギランバレー症候群とはどんな病気でどのような治療があるのでしょうか?

ギランバレー症候群とは

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ギランバレー症候群とは主に運動神経を障害する病気です。運動神経以外にも感覚神経にも障害を及ぼすこともあります。この病気を発症した人の3分の2が、1週間から2週間程前から風邪のような症状が出ますが風邪だと思い病院を受診せず、大体の人が手足の力が入らなくなってから受診するケースが多くあります。

この病気は幅広い年齢層に発症する病気ですが、女性よりも男性の方が発症しやすいと言われています。年間10万人当たり1〜2人が発症するといわれていますが、現在はっきりとした原因は見つかっていません。

ギランバレー症候群の原因

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、主な原因はウィルス感染により免疫システムがダメージを与えられ自分の神経を攻撃し破壊してしまうようです。

主な発症理由とされているといわれるウィルスがこちらです。

・カンピロバクター

ギランバレー症候群を発症する最も多いウイルスです。カンピロバクターとは食中毒菌の一種です。近年、このカンピロバクターによる食中毒が増えています。主な生殖場所は牛、羊、ブタ等の私達が普段よく口にする動物達に生息しており、不十分な調理により人間の体内に侵入、食中毒を起こすと考えられます。

大体発症患者の30%がこのウィルスが原因です。

・サイトメガロウイルス

世界中どこにでもあるウイルスです。60~90%の成人が知らないうちに感染してると言われています。ほとんどの人の場合感染しても無症状です。

もし、感染しているかどうか知りたい場合、血液検査で調べられます。サイトメガロウイルスが脅威となるのは主に妊娠中の人、免疫力の落ちている人です。通常ならば症状のないサイトメガロウイルスですが、免疫力が低下している時に感染すると危険です。

また、妊娠中の人が感染すると胎児にも感染する可能性があるので妊娠中の人、免疫力が低下している人は気をつけなければいけません。

・EBウイルス

EBウイルスは免疫細胞の1つであるB細胞に感染します。EBウイルスが人に感染すると、B細胞の細胞の核が変わってしまい”異型リンパ球”となります。この異型リンパ球は血液検査をすることで見つかります。主に思春期、成人に多く見られます。

・マイコプラズマ

近年、大人の間でも流行っているのがマイコプラズマ肺炎です。そのマイコプラズマという病原体は多くの人の咽喉に生息しており元気な時はなんでもないですが、疲労やストレス等で免疫力が落ちると発症します。マイコプラズマ肺炎になると飛沫感染するのでもし、自分がマイコプラズマ肺炎かも?と思ったら早めの受診をしましょう。

ギランバレー症候群の症状

ギランバレー症候群は徐々に進行していきます。まず、両足に力が入らなくなり体から両手へと移行していきます。その他にも様々な症状がありますので紹介します。

  • 手足に力が入らず、歩けなくなる
  • 体が痺れて感覚が鈍くなる
  • 胸を大きく動かすことができず呼吸が困難になる
  • 便意をもようしづらい
  • 物を飲み込みづらくなる

最悪の場合呼吸ができなくなり、集中治療室(ICU)に入り人工呼吸器が必要になることもあります。

ギランバレー症候群が発症してしまったら?

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もし、あなたがギランバレー症候群を発症してしまったら?その診断方法と検査方法はこちらです。

診断

この病気を診断するにはMRIやCTだけでは診断できず髄液検査や血液検査、神経の伝わる速度を測定することで診断の目安が立ちます。

検査方法

・神経学的診察

ギランバレー症候群は症状の進行が遅い為、症状の経過を問診することも非常に重要です。まず、神経内科医が神経の異常を詳しく診察します。

神経学的診断とは、意識異常、感覚、運動、言語、脳神経、反射など様々な点から診察を行い神経系のどのような病気の可能性があるのか見極め、必要な検査をすることになります。

・髄液検査

髄液検査とは、腰椎いの間に針を刺し髄液を採取し圧、細胞数、糖、たんぱく、外観を調べる検査です。初期の時には異常が見られないことが多いのですが、1週間程経過するとたんぱくの上昇が見られます。

もし、髄膜炎の場合だとたんぱくと同時に細胞数も増えるのですが、ギランバレー症候群の場合はたんぱくのみが上昇、細胞数は増えないのが特徴です。

検査は病室または処置室等、無菌な場所で行われます。所要時間は15〜20分程で終わり、検査前6時間は飲食禁止です。腰に針を刺す検査ですので痛いのでは?と思われるかもしれませんがきちんと麻酔をしてから行いますので安心してください。

・血液検査

早期の血液中に”抗糖脂質抗体”が検出されるといった特徴がギランバレー症候群にはあります。末梢神経障害が起きる病気は他にもありますので、ギランバレー症候群と特定する為には必要な検査です。

・末梢神経伝道検査

末梢神経を皮膚の上から電気で刺激します。その伝道する速さによってギランバレー症候群の程度を把握する検査です。もし、この検査で異変が見つかったらその他の神経も調べ、どの程度の障害があるのかを把握することが可能です。

所要時間は20~60分くらいと言われていますが、その人の障害のによってはもっと時間がかかることもあります。この検査では神経を電気で刺激するので多少の痛みが発生しますが、力を抜いて動かないようにした方が検査がスムーズに行えます。

ギランバレー症候群の治療方法とは?

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ギランバレー症候群の治療には日本神経学会監修の ”ギランバレー症候群、フィッシャー症候群” 診療ガイドラインがあり、このガイドラインにより治療方法がまとめられています。

治療方法

・免疫グロブリン大量静注療法

人の血液の成分である”免疫グロブリン”という、免疫反応の主役の一つである成分を5日間連続で点滴する治療法です。副腎皮質ステロイド薬を併用すると回復が早まるなど、高い効果があると考えられています。

副腎皮質ステロイド薬とは…炎症や免疫異常により引き起こされる様々な疾患に対して強力で確実な治療法です。ただし、ギランバレー症候群の治療においては副腎皮質ステロイドの単独治療は点滴も飲み薬も有効ではないと言われています。

・血漿交換療法

血液中の”血漿”を分離することで血液中に含まれている病気の原因物質を取り除く治療です。この分離させた血漿は全て廃棄しますが、そのままでは体に必要な成分も失ってしまうので、代わりに”アルブミン”と言う成分を体内に戻します。

回復

大体の発症者は発症してから1か月で最も重症化します。その後回復の方向へ向かい、リハビリを得て、数か月で回復します。

ギランバレー症候群発症者の約10%の人は後遺症で歩くのが困難になることもあり、0.1%の人が死に至ることもありますが、大半の人は治療やリハビリにより回復し日常生活に戻れますのでそんなに心配はありません。

回復後

ギランバレー症候群を発症した人のうち再発する人が3〜5%います。この再発を防止する為には自己免疫力を高める必要があります。

元々この病気はウイルスの侵入によって、免疫システム異常が起こり自分の神経を攻撃してしまうというものです。出来るだけストレスや疲労を溜めずに、免疫力をあげてウイルスの侵入をさせないことで再発の確立を下げることができるのです。

まとめ

ギランバレー症候群について色々かきましたがいかがったでしょうか?この病気はどんな人でも突然やってきます。不治の病ではありません、きちんと治療をすれば元の生活に戻れます。もし、書いたような症状があれば出来るだけ早く病院を受診して早期発見を目指しましょう‼︎

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