山芋アレルギーの症状を知ろう!原因や対処方法は?色んな食材に混ざっているので注意!

アレルギーには食物アレルギーと仮性アレルゲンに分かれています。食物アレルギーは自分の体の免疫細胞により起こるのですが、仮性アレルゲンは食べ物によりアレルギーが起こるのです。

食物アレルギーはよく聞きますが、仮性アレルゲンは余り聞かないですね。皆様一緒にしておられる方が多いです。食物アレルギーはその原因となるものを食べると、毎回症状の反応が出ますが、仮性アレルゲンは体調の悪いときとか、食品の鮮度によって出るときもあれば、出ない時もあります。

山芋はその仮性アレルゲンなので、山芋のアレルギーについて調べてみました。

山芋とは

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さてそれでは山芋についてまず知りたいと思います。山芋の効能などを知ってから山芋のアレルギーを見ていきたいので、山芋について詳しく見てみます。

山芋は縄文時代以前から食べられていて、中国では山の薬、日本では山のうなぎといわれるほど、滋養や健康に欠かせない、漢方としても利用されていました。

山芋

山芋には色々な種類があり、皆様が良くご存知なのが、スーパーで見かける長芋です。山芋には自然薯、ダイジョ、ヤマイモと、3つに大きく分ける事ができます。

自然薯

自然薯は日本原産の天然腫で、細長く他の種類に比べて粘り気があります。収穫に3~4年かかる事や、掘り出すのに大変な事から、天然物は市場に殆ど出回っていません。殆ど栽培ものです。

ダイジョ

ダイジョは東南アジアを原産として、ラテンアメリカや、アフリカ、熱帯アジアなどで主食として栽培され、日本では沖縄、九州などの一部の地域で栽培されていて、白色や赤紫色があり着色料などにも利用されています。

ヤマイモ

ヤマイモは芋の形により、長形腫、偏形腫、塊形腫の3種類に分かれています。

長形腫

一般的なナガイモと呼ばれるもので、スーパーなどで見かけるものです。一年で生育するので一年芋とも呼ばれ、粘り気は少なくサラダとしても楽しめます。

偏形腫

イチョウイモ、ブッショイモと言われるもので、様々な形をした芋で、関東の方では大和芋と呼ばれています。粘りが強く、アクがないので、すりおろして食べれます。

塊形腫

伊勢芋、大和芋、丹波芋など形は球型や塊型があり、近畿、中国、四国で栽培され、皮の色も白から黒まで色々あります。

大和芋は和菓子の原料、かまぼこの練り物のつなぎに使われています。

山芋の栄養成分の効果効能

ビタミンB1,ビタミンC,パテント酸、カルシウム、カリウム、分解酵素のアミラーゼ、ジアスターゼ、ムチン、サポニン、コリン、食物繊維などがあります。

山芋には肌に張りとつやを与える、ヒアルロン酸同様の保水効果があります。

アミラーゼ・ジアスターゼ

アミラーゼ・ジアスターゼにはデンプン分解酵素があります。その為消化を助け新陳代謝を活発にして、疲労回復や滋養強壮に良く、栄養の吸収を高める効果があります。

ムチン

ムチンは血液中のコレステロールを抑えたり、血糖値を抑えて糖尿病の予防にも効果があります。

山芋のぬめりはムチンによるものです。ムチンは胃腸の粘膜を潤し、保護しますので消化酵素と共に滋養強壮効果を高めます。

しかしアミラーゼやジアスターゼ・ムチンは熱にとても弱いので、熱を加えるとこれらの効果はなくなってしまいます。生で山芋を食べると、これらの酵素は私たちの消化酵素を助けてくれます。これらの分解酵素はすりおろすことで、一層分解酵素の働きが強くなります。

サポニン

サポニンはラテン語で石鹸を意味します。サポニンは水に溶けると、石鹸のように泡を発する働きがあって発砲作用があります。この作用は余分な脂肪を溶かす働きがあって、余分な脂肪を吸収しなくなります。

サポニンには血栓の生成を抑制する働きと、過酸化脂質の蓄積を抑制する働きがあり、強い抗酸化作用もあります。

コリン

山芋のアレルギーの原因ともいわれるコリンですが、このコリンには高血圧や動脈硬化の予防する働きがあります。

コリンにはアセチルコリンと、いうとろろアレルギーの原因と悪者にされている、アセチルコリンという血管を広げて血圧を、下げる働きのある物質があります。

またコリンには細胞膜の作られるレシチンの材料となります。レシチンは脂肪が肝臓に溜まらないよう、また血管壁に付着するコレステロールを防いだりする働きがあり、肝硬変や動脈硬化の予防として期待されています。

食物繊維

食物繊維は便秘を解消する効果があり、腸内環境を整えて腸内を正常化させ便秘の解消の働きがあります。

山芋には若返りのホルモンといわれる、ジオスゲニンが含まれています。このジオスゲニンはアルツハイマー病の、特有のタンパク質アミロイドβーの、生成の抑制と神経軸索が正常に戻って、アルツハイマー病や認知症の、予防効果が証明されています。

保存方法

山芋を買ってきた場合丸のままは、新聞紙に包んで冷暗所の、風通しの良いところで1か月程度で、25℃になる場合は冷蔵庫に入れて保存します。

スーパーで買ってきた長芋の場合の、切り口のあるものに対しては、切り口から酸化と乾燥が進みますので、切口に酢水を塗って、ラップで空気を入れないように密着させて、冷蔵庫で保管1週間から10日持ちます。

冷凍保存の場合はすりおろしてラップに入れて板状にして、冷凍庫で1か月ぐらいで解凍時は自然解凍します。すりおろすときは陶器のすり鉢が酸化しにくいです。金属のすりおろし器は酸化を速めます。

山芋アレルギーとは

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山芋のとても効能効果のある事がお解り頂けましたが、山芋にはアレルギーが起こる方がいます。アレルギーは昔は余り起こらなかったそうですが、現代は2人に1人は何らかのアレルギーを持っていると言われています。10年程でものすごい勢いで増えています。

これだけ地球が汚れてきたことを意味します。山芋も土の中で育ちますから、土がいかに汚れてきているかお解り頂けるはずです。

アレルギーの原因

アレルギーの原因となる物質は、アレルゲンと言われるタンパク質です。卵、小麦、牛乳はアレルギーの3大アルゲンと言われています。アレルギーの原因となる物質のタンパク質を、アレルゲンと言います。

昔は3大アレルギー食品は卵、大豆、牛乳と言われていましたが、現代はクッキーやパンが主流になってきて小麦が3大アルゲンになっています。

交差反応性

交差反応性とは特定のアレルゲンでないものに反応して、アレルギーを引き起こすことをいいます。アレルゲンの構造分子が似ているものを、免疫機能が間違えて攻撃することがあります。

それを交差反応性といいます。例えばラテックスフルーツ症候群の様な、バナナやアボガド、キウイフルーツなど、特定の果物食品にアレルギーを起こす人は、天然ゴム製品にアレルギーを起こす人です。

アメリカ

アメリカではピーナッツアレルギーの方が非常に多く、毎年50人~100人がピーナッツアレルギーで死亡しています。

日本の医療

日本でも急速にアレルギーが増えてきているのに、専門の医師が非常に少ないので、病院に行って処方を間違えて、重症化するケースもあるそうです。

山芋アレルギーの注意点

山芋アレルギーは生のとろろを食べるだけでなく、色々な加工食品に入っていますので、一度山芋アレルギーを発症された方は、注意が必要です。

山芋が入っている食品

和菓子、かまぼこ等のつなぎ(はんぺん・つみれ等)ソバ、カステラ、クッキー、ハーゲンダッツアイスクリーム、ブルーシールアイスクリームの一部、お好み焼き、たこ焼きなどにも入っています。

このような色々な食品を食べても、山芋アレルギーを起こす可能性もありますので、山芋アレルギーの人は、食品表示をみて注意して購入してください。

山芋アレルギーの原因

牛乳アレルギー

山芋アレルギーの原因にアセチルコリンの物質が、人体に作用することから起こるといわれています。アセチルコリンは脳の神経伝達物質の一種で、一般にいわれるアクのことです。

アセチルコリンを含む食材にはタケノコもあります。山芋はこのアセチルコリン物質が多く含まれているため、アレルギーの原因となります。

仮性アレルゲン

しかし山芋のアレルギーは直接食べた人の人体に影響して、免疫反応とは別のものとなっているので、仮性アレルゲンに分類されています。

アセチルコリン

山芋アレルギーの原因はズバリ、アセチルコリンです。このアセチルコリンは血管を拡張して、血圧を下げる働きがある物質です。

アセチルコリンのアレルギー

アセチルコリンは化学伝達物質として副交感神経で働いています。脳内では目覚め度を増強させて、アセチルコリン作動神経を活性化させます。アセチルコリンアレルギーは副交感神経を刺激して、自律神経失調症や血管の拡張、気管支喘息などのアレルギーを起こします。

アセチルコリンを含んだ食べ物

山芋、タケノコ、トマト、ナス、サトイモ、松茸、クワイ、落花生(ピーナッツ)ソバなどです。長芋は特定原材料に準ずるものとして、表示が義務ずけられていて、一度山芋アレルギーを発症した人は、注意して食品表示を良く見て、商品を購入してください。

アレルギーを起こさない食べ方

とろろ芋は生で食べたり、サラダにし生で食べますが、加熱することでアレルギーが弱まりますので、加熱して食べると仮性アレルゲンを起こさなくて済みます。

しかし加熱してもアレルギーが出る人もいますので、一度山芋アレルギーになった人は、対策として注意して、体調など悪いときは摂取しないようにしたほうが良いです。

シュウ酸カルシウム

山芋に含まれているシュウ酸カルシウムは、針状結晶になっていて、その数は芋の種類によって違いがあります。

シュウ酸カルシウムはイチョウイモの皮の近くに、結晶細胞が多く存在しています。素手で皮むきをすると、手の皮膚にかゆみを強く感じます。

イチョウイモは関東では大和芋を指して、関西ではつくね芋を指しています。すった山芋を食べたときに、口の周りにかゆみを一番感じるのは長芋です。

イチョウイモは針の本数が平均約75本(51~98本)長さは平均約120μ(50~170μ)です。ちなみに長芋は針の本数が平均約121本(67~168本)長さは平均約136μ(40~230μ)だそうです。

山芋アレルギーの症状

ダニアレルギー

自律神経失調症、血管収縮、血管拡張、血管拡張による全身のかゆみ、血圧上昇、血圧降下、心拍数低下、動悸、気管支収縮やそれに伴う気管支喘息、腹痛や下痢、嘔吐や吐き気、発汗、顔面紅潮などの症状を示します。

アセチルコリンを含む食品を食べて食後、アレルギーが出てもアレルギー検査で、反応しない場合は仮性アレルゲンによるものです。

これらの症状を避けるための方法として、加熱する、アク抜きをする、一度に大量に摂取しない、身体が不調な時は摂取しないなどの注意が必要です。

皮膚に出る症状

皮膚に出る皮膚症状は、じんましんやほてり、かゆみ、赤みなどの症状が、全身または身体の一部に出てきます。また人によっては口内炎や瞼の腫れ、しびれの症状が出てきます。

安静にしていれば、それらの症状は殆ど納まりますが、酷い場合は皮膚科を受診しましょう。

消化器官に出る症状

発熱を伴うこともあり、消化器官にでる症状としては、腹痛、胃痛、嘔吐や吐き気、下痢などがあります。

呼吸器官に出る症状

山芋アレルギーは気管支喘息を引き起こすことが有ります。気管支喘息を引き起こされるために呼吸が苦しくなることがあります。気管支が炎症することで、喘息症状を引き起こし、酷くなるとアナフィラキシーショックを発症することもありますので、注意が必要です。

アナフィラキシー症状

アナフィラキシーショックという症状は血管が拡張して、血漿成分がも出れることが原因で起こります。

初期症状は唇のしびれ、のどが詰まった感じ、嚥下困難、口内異常感、耳鳴り、めまい、両足の末端のしびれ、胸部不快感、目の前が暗くなった感じ、悪心、心悸亢進、四肢の冷感、腹痛、尿意、便意、虚脱感など自覚症状が出てきます。

また皮膚的症状として、じんましん、皮膚紅潮などが出ます。くしゃみ、まぶたや唇のむくみ、反射性咳発作がでて、さらに急激な血液低下が起こり、循環不全に伴う意識障害、チアノーゼ、気道が狭くなる呼吸困難、気道狭窄による窒息などの他覚症状が出てきます。

これが初期症状ですが、この時点で救急車を呼ばないと手遅れになる場合がありますので、アナフィラキシー症状だと思ったときは、緊急に救急車を呼ぶことです。詳しくは、アナフィラキシーショック症状について!原因や予防法、対応法を知ろう!を参考にしてください。

山芋アレルギーの対処法

治療

山芋アレルギーになった時の対処法としては、どのようなものがあるのでしょうか?

栄養のある山芋ですから、できれば摂取したい野菜ですが、アレルギーになると摂取もままなりません。アレルギーとしての対象法を見てみたいと思います。

酢水

山芋のアレルギーの人体に付着すると痒くなるのは、山芋の皮付近に存在する、針状のシュウ酸カルシウムが刺激するためなのですが、このシュウ酸カルシウムは非常に酢に弱いので、レモンとか酢水につけると、かゆみは取れます。

針状結晶は酸にも溶解しやすく、酢の水につけるとかゆみが緩和されます。皮をむくときに、酢に付けてむくとかゆみはでません。酢で手を洗ってから皮をむくと、かゆみが酷くなりません。仮性アレルゲンの特徴は毎回このような症状が出ないのが特徴です。

山芋でアレルギーが起きたときの対処法は、食べる前に調理している時山芋を素手で触って、かゆみなどが出たときは、酢水に患部をつけると、かゆみが取れてきます。

掻きむしると症状が悪化しますので、酢水につけて氷水で冷やしてください。それでも治らない時は皮膚科に受診されたほうが良いでしょう。

酢と山芋納豆を料理すると、疲労回復効果があります。疲労成分である酢が乳酸を燃やしてくれます。納豆でビタミンB1、山芋の消化酵素の滋養強壮と一緒に取ることで、食欲が落ちる暑い時期に食べると、疲労回復効果が期待できます。

加熱

シュー酸カルシウムの針状結晶は、加熱すると弱まります。針状結晶は胃の中では溶解しCa量は芋全量の3分の2を占めています。

山芋アレルギーを起こしたときは、皮膚の場合は皮膚科に、胃腸などの症状の時は胃腸科に、アナフィラキシーなどの症状は救急車で病院に行くことをお勧めします。

手がかゆくならない調理法

山芋を冷凍庫でいったん凍らせます。凍った山芋はピーラーで簡単に皮がむけます。それをすりおろすと、手がかゆくならずに摩りおろすことができます。

また山芋をゆでてからすりおろしても、手がかゆくなりません。沸騰したお湯の中に山芋を10秒ぐらい付けてすぐに氷水で冷やして、皮をむいてすりおろします。

赤ちゃん

9か月以降の赤ちゃんの場合は、山芋を離乳食に使っても大丈夫ですが、その時は必ず加熱することを忘れない事です。

まとめ

如何でしたでしょうか?とても栄養価の高い山芋ですが、アレルギーも増えてきています。この10年間でものすごい勢いで増えてきているのは、地球の環境が悪化したと言えるでしょう。

そのような時自分の体を守るための対策として、山芋の弱点を知って予防することが大切です。

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