日光アレルギーとは?症状や種類、チェック方法を知ろう!

最近では化粧品以外でもUV対策グッズが多岐にわたり販売され、わたしたちの認識も「紫外線の浴び過ぎはよくない」ということが常識となってきました。また、日常生活でも喘息や花粉症だけでなく、その他にも沢山のアレルギーがあることも広く、細かく知られてきています。

しかし、日光アレルギーという名が知られるようになったのはごく最近です。この日光アレルギーとも呼ばれる光線過敏症は、体が日光に対して過敏に反応してしまいアレルギー症状を起こすもののことをいいます。わたしが紫外線アレルギーという言葉を初めて耳にしたのは10年前くらい前になりますが、どうやら、これもまだあまり詳しく知られていないようで、日光アレルギーが紫外線アレルギーのことだけだと思っている人もいるのではないでしょうか。

自分は敏感肌なだけ、と思っていた方も、もしかしたら日光アレルギーかもしれません。もしアレルギーならば、対処法や注意点も変わってきます。では、日光アレルギーとは具体的にはどんなものなのか、現在の紫外線予防策との関係やアレルギー症状の軽減方法も含めて、見てゆきましょう。

日光アレルギー(光線過敏症)とは

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本来、光線過敏症(この場合の光線とは主に日光のことです)の別名です。別名、日光過敏症や日光性皮膚炎と呼ばれることもありますが、日光に対して体の持つ抗体(免疫システムのひとつ)が過敏に反応し、アレルギー反応を起こすものを指します。

これらをまとめて、光線過敏症(日光アレルギー)といいますが、これらには、その症状が発症する時期や、症状によって、いくつかに分類されています。

細分化された病名ごとに、ひとつひとつみてゆきますが、その前に、アレルギー反応とはどういうものかも知っておきましょう。アレルギーがどうして起こるかを少しだけ知ることで、間違った対策をしてしまわない予防線にもなります。

そもそもアレルギーとはなぜ起こるのか

まず、アレルギーは、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が直接、体に何かするわけではありません。たとえば、花粉症の場合、花粉に毒があるわけではないですよね。花粉症にしても、イネ科アレルギーにしても、特定のアレルゲンに対して、体の中にある免疫システムの特に抗体が過剰反応して起きる症状を、アレルギー反応というのです。

わたしたちの体には、免疫システムというすばらしい仕組みがあり、体の中にあっていいもの(自己)と体に害をなすもの(非自己)を見分け、認識し、非自己のみを捕まえ、抹殺し、排除する、という仕組みが整っています。このシステムのおかげで、ウィルスや細菌など体にあってはならないものが、うまく排除されるわけです。

風邪をひいたときに、喉が腫れる(炎症を起こす)、鼻水が出る、熱がでるなどの症状が出ます。これらの症状は実は免疫システムが、風邪の菌を非自己、侵入者であると認定し、システムの精鋭である白血球のマクロファージなどの免疫細胞が侵入者と闘っているのです。その闘いを助けるため、Ig抗体は侵入者と特異結合し、変化することで侵入者を捉え、白血球が食べやすいようにしたりして、最後に排除するのです。

このとき、闘った白血球はほとんど死んでしまいますが、少しだけ生き残るものがあります。これらはメモリー細胞と呼ばれ、その時に闘った侵入者の情報を獲得するのです。獲得免疫といい、次回からの闘いを効率的にしてくれます。ちょうど、水疱瘡などの要望摂取で軽く病にかかることで免疫を獲得するのと同じような作用です。

この免疫システムがなんらかの原因により、本来は自己であるべきのものを、有害な非自己である、と認識してしまい、攻撃をしかけてしまうことがあります。本来は体を異物(抗原)から守るべき免疫システムなのですが、これが過剰に反応してしまう状態が、アレルギー反応と呼ばれます。

アレルギーには、1つの物質に対してのみアレルギー反応が起きる場合や、いくつかの物質に対してアレルギー反応を起こす人など、アレルギー反応は様々です。そして、生まれ持って敏感すぎる免疫システムを持つ人は、本来無害であるはずの食べ物、薬品、環境に対して過敏に反応してしまい、アレルギー反応を起こすこともあります。

アレルギー反応を起こす抗体

Ig抗体が変化して出来る抗体は5つあり、その中のIgE抗体はとくにアレルギーに深いかかわりを持っています。

おおくの場合、免疫システムがはじめてのアレルゲンに接触した時点では、免疫グロブリンE(IgE抗体)が作られます。IgEは、抗原(アレルゲン)と結合することで、ヒスタミンなどの炎症を起こす伝達物質を放出させ、炎症を起こします。

特定のアレルゲンにアレルギーを持つ人の場合、その人の免疫系は、他の人には通常無害である物質(自己)を、有害なもの(非自己)と認識してしまうのです。非自己と認識した免疫細胞は、それらを排除しようと活動を開始します。

アレルギー反応の初回では、たいていは軽い症状ですみますが、アレルギーにかかった人が二回目に同じアレルゲンを体内に入れた時、このIgEをもつ細胞がヒスタミンやプロスタグランなどの物質を放出し、周りの組織にむくみ、腫れ、痒みを伴う炎症を起こします。さらに、これらの物質が反応の連鎖を引き起こし、患部を継続的に刺激しつづけてしまい、結果的に傷つけてしまうのです。

感作した状態(アレルギーの発症までの待機時間)

上記のように、初回の接触ではアレルギー症状は出ませんが、アレルギーにかかっている状態を、感作といいます。体内に特定の抗体が入るとアレルギー反応を起こしうる状態を、感作というわけです。感作された状態であるだけでは、アレルギー反応は起きません。この状態で、再度アレルゲンとの遭遇が合った場合に、肥満細胞(マスト細胞)の表面に出来て待機しているIgE抗体と抗原が結びつくことで、脂肪細胞からヒスタミンなどを放出し、炎症や湿疹や腫れを起こすのです。

アレルギー反応には様々な症状がありますが、ひどい場合にはアナフィキラシーショック状態となり、死にいたることもあるので、注意が必要です。

*アナフィキラシーショックについてはイネ科アレルギーとは を参照してください。

紫外線アレルギーだけではない

日光アレルギーは、前述したように日光に対してのアレルギー反応を起こすアレルギーのことなので、アレルゲンは紫外線のみではないのです。

日光アレルギーは紫外線アレルギーのことだと勘違いしている人もいるようですが、光線過敏症の中には、紫外線ではなく可視光線がアレルゲンとなるものもありますので、ここは間違わないようにしたいものです。それでは、日光アレルギーのいろいろを症状とともにみてゆきましょう。

症状別にみる日光アレルギーのいろいろ

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多形日光疹

光線過敏症の中で最も多い病気です。日本人のおよそ4%が罹患しているとみられ、思春期から青年期の女性がかかりやすいと言われています。軽症で済む場合が多く、疥癬やアトピー性皮膚炎の患者さんの症状の中で、光線憎悪現象として現れることもあります。

原因として、繰り返す紫外線照射で皮膚に光抗原が出来てしまい、これに対しての自己免疫的な接触アレルギーなのではないかという説もありますが、本当の原因はわかっていません。

日光に当たってから数時間で発疹が現れ、その発疹が数日間続く、という特徴があります。

日光蕁麻疹

日光に当たってから数分ないしは数十分以内に、光があたった部分だけ蕁麻疹が出ます。この病気は、症状が出ても日光を避けることで、10分から2時間程度で蕁麻疹が消えるのが特徴です。

この蕁麻疹のアレルゲンは、日光の中でも紫外線ではなく、可視光線が作用することがほとんどなのです。紫外線による発症はほとんど見られないため、日光アレルギーを紫外線アレルギーだと勘違いしている人は、日光蕁麻疹は紫外線アレルギーではありませんと書いているのを見かけますが、言葉上は正しいのですが、紫外線アレルギー=日光アレルギーとするならば、間違いです。アレルゲンは紫外線だけではないのです。

原因としては日光を浴びることで皮膚ないにアレルゲンが作られ、それに対するIgE抗体(詳しくは後述します)が生産されてアレルギーが起きるのではないかと考えられていますが、詳しい発症のメカニズムは良く分かっていません。

光接触皮膚炎

中年期に一番多く起きる光線過敏症のひとつが、この光接触皮膚炎です。この皮膚炎には2種類あり、光毒性のものと、光アレルギー性のものがあります。

前者には光毒性物質、後者には光アレルゲン形成に光線が必要な点をのぞいては、通常の接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎と同じメカニズムで発症します。

光毒性皮膚炎

厳密にはアレルギーではありませんが、光過敏症(日光アレルギー)の光アレルギー性皮膚炎のように、光に反応して皮膚炎を起こすので、簡単に示します。

薬物、主に外用薬を塗った状態で光にあたることで皮膚炎を起こす症状をいいます。薬を塗った部分だけが炎症を起こしますので、診断がつきやすいです。

光アレルギー性接触皮膚炎

原因となると考えられるのが、外用薬や化粧品とされてきましたが、時代の変化とともに、原因も変化しつつあります。最近では、非ステロイド系の消炎鎮痛剤(外用薬)であるケトプロフェンハップ剤によるものが多くなっています。

ケトプロフェン光アレルギーは他の非ステロイド性の抗炎症薬との交叉反応もあるので注意が必要となります。また、ケトプロフェンハップ剤以外にも、香料や局所麻酔薬、サンスクリーンに含まれる成分(オキシベンゾン・ブチィルメトキシジベンゾイルメタン・メトキシシンナメート)なども注意する必要があります。

光線過敏型薬疹

薬剤を投与した後に、日光(特にUVA)にあたった部分の皮膚に湿疹が出来ます。

原因となる薬剤は、以下のとおり

フェノチアジン系向精神薬(一般的な薬剤名と、()内が商品名)

クロルプロマジン塩酸塩(ウィンタミン、コントミン)
クロルプロマジン塩酸塩・プロメタジン塩酸塩・フェノバルビタール配合のもの(ベゲタミン-A、ベゲタミン-B)
レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)
フェルフェナジン(フルメジン、フルデカシン)
ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリラホン)
プロクロルペラジン(ノバミン)
トリフロペラジンマレイン酸塩(トリフロペラジン)
プロペリシアジン(ニューレプチル)

他にニューキロノン系の抗菌(尿路、消化器官、前立腺などの炎症、皮膚の感染症、骨髄炎や関節炎、性行為感染症などの治療に使われる)や、グリセオフルビン、プロピオン酸やオキシカム系のNSAIDs(非ステロイド系抗炎症剤)ほか、高脂血症治療薬であるシンバスタジンや降圧剤のシラザプリル、糖尿病薬など、長期投与が必要な病気の薬剤なども原因となっているので、注意が必要です。薬剤を服用後、早い場合では数時間、通常では2、3日後から2週間くらい、まれに半年以上内服してから、日光にあたることで症状が出るケースもあります。

症状が悪化すると、湿疹以外にも、さまざまな症状が出てきますので、長期薬剤服用をしているかたは、注意されたほうがよいでしょう。気付かずに光線過敏症を繰り返してしまうと、慢性光線性皮膚炎に移行してしまうこともあるので、気になるかたは一度皮膚科で検査をされることをおすすめします。

晩発生皮膚ポルフィリン症

この病気は、アレルギーではないのですが、ヘム代謝系の活性低下によって、肝臓にウロポルフィリンの蓄積が起きてしまい、これが血液によって皮膚に運ばれ光線過敏になるものです。肝臓障害を伴うことが多いので、要注意です。また、腎不全で人工透析を受けている場合にも、発症することがあります。

特に飲酒歴の長い男性がかかりやすく、光過敏症の顕著な症状が出るというより、慢性的な皮膚症状として現れることが多いものです。皮膚が荒れやすくなり、ちょっとした外傷で水泡が出来たりただれたりする、後に皮膚が委縮した痕が残る、色素沈着があるなど、また顔面はどす黒くなり、しわは深くなり、多毛になります。

重大な病気にかかっている場合もありますので、ひとつのサインとして知っておくとよいでしょう。

慢性光線性皮膚炎

老年になってから発症することが多い病気です。特徴として、湿り気の多い湿疹が光をあびた部分だけでなく、光のあたっていない部分にまで拡大したり、湿疹がいつまでも続くことがあげられます。紫外線だけでなく、可視光線にまで過敏性をしめすこともまれではありません。

慢性皮膚炎の状態となり、アトピー性皮膚炎患者やHIV感染者に生じることもあります。原因としては、日光に当たることで体内に内因性の光抗原が作られ、それに対して接触アレルギーを起こしている可能性があげられています。

これら場合、日光の光がアレルゲンとなりますが、他のアレルギーと同じように、光のものが直接アレルギーを引き起こすのではなく、抗体の反応によって起きるわけです。では、その抗体が悪者なのでしょうか。いいえ、本来、抗体は私たちの体をまもってくれるべきものなのです。ではなぜ、アレルギーが起こるのでしょうか。まずは気になる自覚症状から見てゆき、その後アレルギーはどうして起こるのかを知っておきましょう。

チェックしてみよう、自覚症状

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日光にあたった後、日焼けした後などに、赤くなるだけでなく、湿疹ができたら、疑ってみるべきです。また、すぐ湿疹ができる場合もありますが、数日たってから日にあたった場所だけ、蕁麻疹のような湿疹、ブツブツが出来るならば、まず間違いないでしょう。

日光アレルギー(光線過敏症)には、上記に示したように様々な症状がありますが、わかりやすい日光アレルギーのほぼ全体に通じる自覚症状(チェックポイント)として、下記のようなことがあげられます。

  • 肌が赤くなり、いつまでもひかない
  • 日に当たってから数日経ってから湿疹が出る
  • 日光を浴びた部分だけ腫れたり水ぶくれができる

また、他のアレルギー症状と同じように、

  • 目のかゆみや異物感がある
  • 目が腫れたり充血したりする

ということもあります。また症状がひどくなると、頭痛や発熱、吐き気が起こることもあるのです。敏感肌なだけと思っていた方も、一度皮膚科へ行ってみると良いかもしれません。なぜなら、他のアレルギーと同じで、突然発症し、一度発症すると完治が難しいのですが、アレルギーが軽傷の場合は服薬だけですむ場合があること、そしてアレルギーである以上、放っておくと症状がひどくなった場合、アナフィキラシーショックを起こして死亡に至るおそれもないとはいえないからです。

日光アレルギーにならないためには

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残念ながら、他のアレルギーと同じように、明確な原因がわかっていません。アレルギーが起きる仕組みはある程度わかっていますが、なぜ抗体が無害なものに反応するようになってしまうのかなど、根本的なことはわかっていないのです。

繰り返しますが、紫外線はアレルゲン(アレルギー反応の原因となる物質)です。厳密に言うとアレルギーそのものの原因ではないのです。アレルギー反応は、IgE抗体の過剰な反応によって引き起こされます。花粉症などにかかっている人は、このIgE抗体の血液中の量がとても多いことがわかっています。

紫外線を浴びすぎなければ紫外線アレルギーにならないか

厳密に言いますと、紫外線を浴び過ぎないでいたからアレルギーにならないとは言えません。

前述したように、紫外線だけでなく、可視光線によるものもありますし、薬剤によるものもあるためです。まれに紫外線にあたりすぎたために抗体が一定量を超えてしまい紫外線に過敏に反応するようになるという意見を見かけますが、これは、若干違います。

浴びる光線の量が多すぎるために免疫システムが過剰反応しやすくなる、あるいは抗体が増えるというデータは今のところ何処にもありません。*免疫システムの働きと抗体のしくみは前述を参照してください。

光線を一定量以上浴び過ぎたから日光アレルギーになるのではなく、通常問題ない量の光線を有害物質(非自己)と判断してしまう免疫システムの異常が、アレルギー反応を引き起こしているのです。確かに、一説には繰り返される光線照射によって、皮膚に光抗原が出来てしまい、これに対する自己免疫的な接触アレルギーではないのかという説もあるにはあるのですが、抗体が増えるわけではありませんし、正確なところはまだわかっていません。

しかし、もし、すでに日光アレルギーにかかっている場合には、2回目の酷いアレルギー反応を防ぐために紫外線や日光などを浴びない、つまりアレルゲンに接触しないようにすることは一番大事なこととなります。

酷い症状が出ていなくてもアレルギーかも知れません

前述のアレルギー反応のところに書きましたが、アレルギーは初回は軽い症状ですむのが普通です。2度目に同じアレルゲンに接触したときに、IgE抗体が過敏に反応し、様々な症状を引き起こします。これは、日光アレルギーだけでなく、ほとんどのアレルギーの特徴です。

もう一度言います。アレルギーにかかっても、1度目は症状は軽く、その後2度目のアレルゲンとの接触がなければ、症状は出にくく、本当のアレルギー発症まで時間がかかることもあるものなのです。

日光アレルギーにかかっているかどうかは、アレルギー検査(日光アレルギーの場合は光線過敏症検査が有効、薬剤に起因するものは、薬剤投与あるいは塗布と光照射の検査が有効)で調べることができます。

もし紫外線アレルギーにかかっていたら

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アレルギーそのものを無くすことは、残念ながら現代の医学では難しいとされています。おおもとの原因がはっきりしないためです。

しかし、日頃の生活で症状をやわらげたり、アレルギー反応を防いだり少なくすることはできます。これらは、他のアレルギーにも言えることですが、特定のアレルギーの人は、そのアレルゲンを避けることが一番のアレルギー反応の発症の予防となります。

アレルゲンを避けよう

日光アレルギーの場合、前述のように症状により治療法は変わってきますが、アレルゲンが光線であることは間違いありません。アレルゲンである日光を避けることが、大切になってきます。

服装や外出時間に気をつける

  • 帽子や手袋を着用して肌を露出しないなど、遮光をこころがけましょう
  • 紫外線がアレルゲンの場合は、UVサンスクリーンも有効です
  • 可視光線がアレルゲンの場合は、肌が直接日光にあたらないように注意しましょう
  • UVサンスクリーンはものによっては薬物性の日光アレルギーを起こすこともあるので注意して選びましょう
  • 紫外線アレルギーの重症の場合は、部屋の中でも遮光カーテンを使うなど、紫外線カットを徹底的にするようにしましょう

症状がでたら

  • 痒みがある場合、かきむしったりしない
  • 自己判断で痒み止めの薬などを塗らず、皮膚科にゆく
  • 症状が治まる日光アレルギーもあるので、症状が治まっても一度は皮膚科に相談を

日常の食生活に気をつける

Igの抗体については、まだまだ分からないことが多いのですが、アレルギー発症の大きなカギを握っているのが、IgE抗体です。IgE抗体の量が多いからと言ってアレルギーというわけではありません。しかし、アレルギーを発症した人はみな、IgE抗体の量が増えます。

抗体が増えるというのは、過敏な反応を示しやすいということです。となれば、日常生活でIgEが多く含まれる食品は、なるべく減らした方が得策です。また、IgA抗体は、普段は体内の粘膜を覆っていて、抗原(異物、非自己)を粘膜に直接触れないよう、保護膜としての働きをしています。

このIgAが体内に足りないと、抗原が粘膜に付着してしまい、アレルギーが発生してIgEを増やします。このことから、IgAを多くとることで、IgEは過剰反応しにくくなると言われています。IgEをなるべく増やさず、IgAを多く摂取することを心がけると、花粉症などの症状が軽くなるという事例もあります。では、見てみましょう。

どんな食事をしたらよいか

  • 加工食品や食用油に含まれるリノール酸の摂取を控えましょう
  • アレルギー抑制効果のあるα-リノレン酸の含まれる、エゴマ、シソ、ホウレン草やくるみを適切に摂取しましょう
  • 体のバランスを整えてくれるDHAやEPAを適切量摂取しましょう
  • IgAが多く含まれるビタミンA、βカロテンを積極的に摂取しましょう

*ビタミンAは豚肉のレバーやうなぎにも多く含まれていますが、うなぎは他のアレルゲンとなりやすいため、避けた方がよいでしょう。

まとめ

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今回は長くなってしまいましたが、日常のあらゆるところにアレルゲンが生まれる可能性があります。

一番いいのは、体が正しい免疫システムを働かせられるような環境、食べ物、生活ができることです。けれども、なかなかそうは行きません。小さいころ清潔にしすぎた部屋で育った子がほこり・ダニアレルギーになりやすいことは、医学で証明されました。「正しい免疫をつくる」ことができれば、アレルギーになる確率は引き下げられるかもしれません。

また、日光アレルギーになってしまっても、現在ではさまざまなアレルギー反応の防止グッズ、抑制グッズも出ていますから、初期症状ならさほど酷い症状にならずにちょっと気をつけるだけで普段どおりに生活が出来ます。食べ物に関しても、聞けば教えてくれるお店も多くなってきました。

あやしいなと思ったら、皮膚科に行き、相談しましょう。食生活にも気をつけて、健やかな毎日を過ごしたいものですね。

  
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