子供の頃、ピーナッツをたくさん食べると鼻血が出るよ、と食べさせてもらえなかった記憶がありませんか?やまいも、コーヒー、はちみつなども乳幼児の子どもには、与えてはいけない食材になります。
これらは、まだ身体ができていないため、消化ができないなどの理由によります。
また子供がピーナッツを食べてはいけない理由として、その破片が肺に吸い込まれて、喘息をおこすことや、免疫機能がまだうまく備わっていない状態ではアレルギーになってしまう可能性が高いからです。
ピーナッツアレルギーはあまり日本ではまだ馴染みの浅いアレルギーになりますが、アレルギーの中でも危険度の高いものです。食の欧米化が進んできている日本では今後患者数が増えることが予測されるアレルゲンになります。
このアレルギーについての正しい知識を持っておき、しっかり対処できるようにしていきましょう。
ピーナッツアレルギーとは
では、ピーナッツアレルギーはどういった原因で起きるのでしょうか。ピーナッツとアレルギーの関係性について見ていきましょう。
ピーナッツアレルギーとは
ピーナッツアレルギーは大人から発生することもありますが、子供の時に発生させやすい症状になります。
落花生やアーモンド、カシューナッツ、くるみなどの食品が関係して発生するアレルギーです。単一の食物に対して発生させるもので、落花生がアレルゲンとなっているからと言って他のナッツ類でもアレルギー反応が発生することはありません。
子供に発生しやすい理由としては消化酵素がまだしっかり作られていないことで、アレルゲンとなるタンパク質を上手に消化できずに症状が発生していると考えられていますが詳しくは明確になっていません。
食物アレルギーについて
昔からの食生活が変わってきた影響で、食べ物によるアレルギーが年々増えているとの統計も出ています。これらのものは一般的に食物アレルギーといって、大まかにその食べ物も分類されています。
要は、その食べ物を食べることによって、身体に異常をきたすことを食物アレルギーといいます。以下にそれらを上げてみます。
- 卵
- 牛乳
- 大豆
- 麦、ピーナッツ他、ナッツ類
- 蕎麦
- 甲殻類(イカ・タコ含む)
これらのものを食べると、蕁麻疹や腫れ、皮膚のかゆみ、呼吸困難などを引き起こすといわれています。卵や牛乳はよくある例ですね。牛乳などは、下痢なども引き起こします。
これらも食品は、その食品に含まれていると知らずに食し、亡くなってしまうという事件もあります。それほどの害を身体に及ぼすものなので、ご自身がアレルギーを持っている場合は注意が必要です。
加工食品は確認が必要
食品の製品表示を良く見ておくことも大事なことです。どういうことかといいますと、直接にそのアレルギーのものが入っていなくても、その製品と一緒に製造されるケースもあります。その場合は、表示に「○○を原料にした製品と同じ設備で作られています」と銘記してありますので、こちらも注意して確認しましょう。
また、機会があれば自分はどんなアレルギーがあるか、確認しておくとよいでしょう。すでにどんなアレルギーをもっているか、確認ができていればいいのですが、自分は何がアレルギーの原因かを知らない人は、検査しておくことも重要かと思います。食品以外にも色々なアレルギーがあります。ハウスダスト、ペット、カビなど、知っておくと、思い当たる節があるケースも出てきます。
検査料はたいした額ではありません。たいだい5000円ほどです。内科で血液を取ってもらい検査します。何十種類ものアレルギーをチェックできます。
アナフィラキシーショックについて
また、アレルギーが原因のアナフィラキシーショックというものがあります。
これはその食品を摂取した際の急激に身体への変化が起こる症状で、寒気、吐き気、呼吸困難等を引き起こします。さらに顔色が青くなり意識が朦朧となったり失ったりします。最悪の場合は命を落とすこともあります。
アナフィラキシーショックを一番起こしやすいのは、卵でその次にピーナッツがきます。
また、直接にその食べ物が原因ではなく、他の要素との絡みでも、引き起こす可能性もあります。例えば、非常に疲れていて体力が落ちている時や体調が悪い時、風邪気味の時なども注意が必要です。また、何も口から摂取した場合とは限りません。その成分を含んだ食べ物が身体に付着した場合にも症状が出るケースも確認されています。
ピーナッツアレルギーの症状と対処法
では、ピーナッツアレルギーが発生した場合の症状を知っておきましょう。これらの症状が発生している場合は何かしらのアレルギーの可能性があります。
ピーナッツアレルギーなどの食物アレルギーは似た症状が発生します。症状によって何のアレルギーなのかを特定することは出来ません。
食事の後にこれらの症状が発生した場合にはアレルギーの可能性を疑いましょう。それぞれの症状の対処法もあわせて紹介しますので参考にしてみてください。
消化器官系への影響
この場合は腹痛や下痢、嘔吐といった症状が出ます。経過を見るのが一般的ですが、ひどいようですと、医者の診断が必要となります。一部、食道といいますか、のどに違和感が生じるケースもあります。
当然、薬で症状は和らぎますが、経過を見ている間に納まるときもあります。あまりひどくないようでしたら、水を多めに取るようにして、様子もみるといいでしょう。水にはアレルギーのもととなる抗体を薄める効果があります。
症状はそのピーナッツを摂取してからすぐに現れることもありますが、大体3~4時間以内に発症する場合がほとんどです。
・対処法
先に述べたように、医師の診断が確実ですが、その応急処置として水の補給がいいようです。
あくまでも水が好ましく、水分と称するお茶とかコーヒー、ジュース類ではありません。この辺はよく勘違いされる方もいるので注意してください。
また、果物をとることは有効です。当然そのアレルギーがない場合ですが、果物でもリンゴやパイナップルは酵素がそのアレルギーを分解し、排出を促してくれます。
下痢や嘔吐の症状が出るということは、そのアレルギー元を早く排出したいという身体の反応です。
お風呂で汗を流すのも、一つの手段として有効です。しかし皮膚症状が発生している場合は温める事で血行が良くなり痒みや炎症などが増してしまう事もあります。
循環器系への影響
子どもの場合は、ピーナッツの破片が気管支に入り込み、喘息になりやすくなります。身体がまだ成長段階でできていません。よって、大人なら排出できる小さな破片なども子どもは排出できないがゆえに、子どもに食べさせてはいけないということになっています。
この場合も呼吸困難となりますが、まだアレルギーの段階ではありません。このようなケースが多々ありますと、やがて大人になった際にアレルギーとして発症します。
アレルギー症状としては、胸の痛み、咳や痰が発生します。重症の場合は呼吸器官の粘膜が腫れてしまい呼吸困難に陥ります。
慢性的にアレルギー症状で咳をしている場合は、その刺激が肺に悪影響を及ぼし肺に腫瘍が発生したり、がん化してしまう事もあります。
ただ単に咳や痰ですと原因の追究は非常に難しいでしょう。この場合はアレルギーの症状と判断するには医師の診断しかありません。
・対処法
必要とあれば、医師の診断が必要となります。特に呼吸は生命に関わることにつながりますが、その判断は慎重にしたほうがいいでしょう。一過性のものと簡単に判断してしまうと、本人の苦しみが増した際に、手遅れとなることもままあります。
また、アレルギーの判断とするのは難しいと述べましたが、アレルギーの原因となるものを食すとその症状が出ると思い当たるようであれば、その摂取を控えなければいけません。
皮膚系への影響
腫れたり蕁麻疹の症状がでます。肌は赤みを帯び、かゆみを伴うケースがかなりあります。腫れや肌の赤みの場所は、特に何処と決まったような場所はありません。血液が循環しその要素がたまる場所に発生します。
見えるところに出ると、わかりやすいのですが、下着などで隠れた場所に発症しますと、発見しにくいですし、気付かないことよって症状が悪化するケースもあります。
発生しやすい場所としては顔、首、脇のした、内もも、二の腕など皮膚の薄い箇所に発生しやすい傾向があります。
・対処法
こちらも食してからすぐに反応が出ますので、原因の特定はしやすいのではないでしょうか。
そして、数時間の内に治まるケースがほとんどですが、長引くようでしたら医師の診断を受けましょう。この場合も、水と果物による対応は有効です。
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食物アレルギーであれば、飲食後2時間〜24時間程度で症状が発生します。長い場合は48時間に以降に症状が発生する可能性もあります。
症状が見える位置に発生している場合は写真などを撮っておき病院でピーク時の症状について見せると良いでしょう。
注意点について
ピーナッツアレルギーの注意点を紹介します。ピーナッツアレルギーはアレルギーの中でもそばのアレルギーに匹敵するほど危険度の高いアレルギーです。
しっかり注意点を抑えて問題が発生しないように注意しましょう。
外で食べるときの注意点
ピーナッツアレルギーは、何より一番はピーナッツを食べないことですが、自分がそのアレルギーであることを知らないとか、知らないで食べてしまった場合もあります。
知っている場合には、食品のパッケージにある成分表をこまめにチェックする習慣があると思いますので、問題ないかと思います。しかし、レストランなどではその成分がわからないことがほとんどなので、あらかじめレストラン側には伝えておく必要があるでしょう。
ピーナッツアレルギーはナッツ以外にもピーナッツオイルやピーナッツバターなどでアレルギー反応が発生する場合もあります。
見落としがちな食品もありますので、注意しましょう。
子どもに食べさせてもいい?
最近の研究では、逆に子ども頃にピーナッツを食べてなかった人は、その免疫力がないため、大人になるとピーナッツアレルギーになる確率が高いとする説があったり。
逆に3歳までの間にピーナッツを食べることでアレルギーになりやすい、6歳まではピーナッツは控えたほうが良いなどの研究結果があるなど意見が大きく別れています。
ですので、未だはっきりこの議論に関しては具体的な予防法が定まっていないのが現状です。もし子供にナッツ類を与える場合は、喘息の問題を回避することを考慮して3歳前後の歯がしっかり生え揃う状態になってから食べさせるようにしたほうが良いでしょう。
アレルギーの検査方法と治療方法について
アレルギー症状が発生していることが確認された場合しっかり何がアレルゲンであるのかを判断する必要があります。
摂取しているものを明らかにして、病院に行って検査を行いましょう。
何科に行けばいいの?
アレルギー科にいくのが望ましいですが、あまり設立されていないので総合病院の内科。もしくはアレルギー検査を行ってくれるお近くの内科、耳鼻科、皮膚科などを受診しましょう。
受診前に電話で確認してからの方が良いでしょう。
特に酷い症状が出ている科を受診することが好ましいでしょう。
検査方法について
アレルギー検査で行う検査方法を紹介します。
血液検査
血液内のIgE抗体と好酸球の数値を調べて検査します。
食物アレルギーでは最も手軽で一般的な検査方法になります。
経口負荷検査
アレルギーの疑いとなる食物を一つ一つ検査して可能性を潰していく方法です。実際にアレルギー症状が発生するであろう量を摂取して検査していきますので、危険が伴います。
だれでも簡単に可能な検査になりますが、必ず医師の管理のもとで行ってください。
アレルギー検査は保険が適用されるの?
アレルギー検査は受ける検査の内容によっても変わります。
病院によっても医師の判断で変わる可能性はありますが、保険が適用される検査の条件は、症状が発生してからの検査かどうかになります。
アレルギー検査は症状が発生する前でも行うことは出来ます。ですので、症状が発生する前に検査を行う場合は保険適用外検査となります。
検査費用についても病院ごとに異なることが多く、保険適用でだいたい5000円〜8000円程度が相場になります。
保険適用外であれば2万円前後の金額がかかるでしょう。
アレルギー検査は項目が多くなればなるほど、検査費用がかさみますので予め検査する項目を絞っておくことも重要です。
ネットで検査から郵送で行えるアレルギー検査キットも存在します。これらを上手く活用してアレルギー検査をしてみると良いでしょう。
まとめ
今回は、ピーナッツアレルギーについての記事でした。
症状が現れた時に間違った対処を行わないようにしましょう。自分がピーナッツアレルギーということを自覚していない人は注意する必要があります。
自分がピーナッツアレルギーだと自覚している人は、なるべく摂取しないように注意して、症状が現れても適切な対応を出来るようにしましょう。
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