三叉神経痛とは?症状・原因・治療法を紹介!手術の方法や似ている病気はなに?

三叉神経痛という病気を聞いたことがありますか?三叉神経痛は、顔面の片側にビリッと電気が走るような激痛が生じる病気です。顔面に痛みや違和感がでる病気は沢山あるので、どんな病気か判断しにくいです。

患者の中には、食べた時に痛みを感じたり、歯が痛いように感じ、歯科医院で数本抜歯をしてから、三叉神経痛であったことが判明したという話もあります。ここでは、三叉神経痛の概要や、症状、似ている病気、診断方法や治療方法について詳しくご紹介します。

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三叉神経痛について

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ここでは、三叉神経痛の概要と三叉神経の概要、症状についてご紹介します。

三叉神経痛とは?

三叉神経痛とは、顔に存在する三叉神経に障害が起こり顔に痛みが出る病気です。医学的には特発性三叉神経痛と呼ばれています。特発性とは原因が不明なことを意味します。この病気は、17世紀頃から知られていましたが当時は、原因が分からなかった為、このように呼ばれていました。

しかし、1967年にアメリカのジャネッタ医師が、血管が神経に触れていることが原因ではないかと考え、原因を明らかにしました。原因は明らかになっていますが、今でも特発性三叉神経と呼ばれています。

三叉神経とは?

三叉神経とは、顔に感じる感覚を脳に伝達する神経です。顔で感じる触感や、冷たい、熱い、痛い感覚を伝えます。例えば、顔をつねられた時に痛いと感じるのは、三叉神経が脳に痛みを伝達しているからです。誰かが頬を触れた時に感じる触感も、三叉神経が脳に信号を出しているから感じる事が出来ます。

三叉神経は脳神経の中で最大の神経で、脳から出た神経は3つの枝のように分かれ、おでこ、頬、顎に存在します。このように3つに分かれていることから、三叉神経と呼ばれるようになりました。1本にだけ痛みが走る場合もあれば、2本の枝に痛みが走る場合もあります。

三叉神経痛の症状は?

顔の片側に激痛を伴います。頬や下あごの部分に起こりやすいと言われていますが、おでこの付近にも起こる場合もあります。特に小鼻の横に感じる方が多いです。痛みの起こり方は一瞬電気が走るように痛みを感じます。長くても10秒ほどの痛みですが、患者のほとんどは鋭利なものを刺したり、えぐられるような、ビリッと電気が走ったような鋭い痛みを表現する方が多いです。

1日中痛んでいるといったことはなく、1日の中で一瞬の痛みが何度も起こります。物を食べたり、歯を磨いたり、話をしたり、洗顔、お化粧をする時に誘発される方もいます。原因となる血管や脳腫瘍などが、近くにある顔面神経を同時に圧迫していた場合は、片側顔面けいれんなどの顔がピクピクッと勝手に動く症状も併せて起こる場合があります。

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三叉神経痛の原因について

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ここでは原因についてご紹介します。

血管による圧迫

一番多い原因は、脳動脈が三叉神経の根元を圧迫することです。脳幹付近に位置する三叉神経の付け根に血管が食い込むことで、神経を圧迫して伝達に影響を与えることが痛みの原因です。

顔で感じることの出来る、触感と痛みは別の経路を辿って脳に伝達されます。しかし、血管が当たっていると、信号が漏れて異常な神経回路を作り、触った感触を痛みとして脳に伝えてしまうことで起こります。また、動脈硬化も三叉神経痛を引き起こす要因になります。動脈硬化により、血管が蛇行し三叉神経を圧迫することで引き起こされます。

ウイルス

帯状疱疹が顔に出来た後に、顔面に痛みを感じる方もいます。この症状は、帯状疱疹後三叉神経痛と呼ばれています。帯状疱疹の合併症として最も頻度の高いもので、帯状疱疹を発症してから3ヶ月後で約25%の方がかかり、半年後には、薬13%の方が帯状疱疹後三叉神経痛の症状を訴えます。

帯状疱疹とは、子供の頃に掛かった水ぼうそうのウイルスが、治癒した後も体内に潜み、免疫力が低下した際に、ウイルスが活性化して皮膚に水泡が出来る症状です。帯状疱疹後三叉神経痛は、この帯状疱疹のウイルスが神経に影響を与えることが原因となって、痛みを引き起こします。ウイルス性が原因の場合は、手術で治療することは出来ないため、主に薬物療法での治療になります。

また、水ぼうそうのウイルス以外にも帯状疱疹ヘルペスというウイルスによる感染でも三叉神経痛を引き起こします。ヘルペス神経炎が起こった場合、顔面に激痛が生じます。

腫瘍

三叉神経痛は脳腫瘍が原因となって発症することがあります。脳腫瘍が原因となって、三叉神経痛が起きる率は10%と報告されています。腫瘍により三叉神経が圧迫されることで痛みが引き起こされます。

腫瘍が原因の場合は、腫瘍が大きくなるにつれて、三叉神経だけでなく他の神経にも影響を及ぼし、様々な障害が現れます。例えば、腫瘍は稀に顔面神経も圧迫することがあり、その場合は、片側顔面痙攣が同時に引き起こされます。その他は、眼球運動障害により、物が二重に見えるなども発生する場合があります。

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三叉神経痛と似ている・間違いやすい病気とは?

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顔面に痛みや違和感が起きる病気は沢山あります。ここでは症状が似ていて間違われやすい病気についてご紹介します。

顔面痙攣

顔面けいれんは、顔が自分の意志に反してピクピク動く病気です。顔の筋肉を動かすのは顔面神経です。三叉神経痛と同じような原因で起こるため、三叉神経痛とあわせて起こる引き起こされる場合もあります。

顔面痙攣と三叉神経痛は顔面神経痛と呼ばれ、混合されることが多くあります。顔面神経は三叉神経同様に、脳幹部に繋がり顔全体に広がっています。その為、顔面神経が血管などに圧迫されると、顔面けいれんが引き起こされます。顔面けいれんは、初めは目じりがピクピクし始め、病状が進行すると口元がピクピク動き出します。

顔面痙攣の場合は、圧迫している血管を手術で剥がすか、ボトックス治療でポツリヌス毒素の皮下注射で治療が可能です。

三叉神経麻痺

三叉神経麻痺とは、三叉神経が何らかが原因となって顔面神経麻痺を起した状態です。三叉神経麻痺の特徴は、下顎神経に発症しやすく片側のみ顔面麻痺が起こります。症状は、唇や歯周辺に麻痺が起こり、熱っぽく感じたり、ピリピリしたりムズムズする症状が現れます。

症状が進行すると、顎や唇に麻痺が現れ、手で触れても感覚を感じなくなったり、しゃべりずらい、水が飲みにくいといったことが起こります。三叉神経麻痺のような、慢性疼痛や神経性疼痛は、手術による痛みが中枢神経系の中で記憶されることで引き起こされると考えられています。

三叉神経麻痺はほとんどの原因は、下顎の親知らずの抜歯、インプラント手術、根菅治療などの歯科治療によるものだと言われています。三叉神経麻痺の治療には、薬物療法、交感神経ブロック療法、理学療法、東洋医学療法、心身医学療法など様々あります。

虫歯

歯を磨いている際に、特定の歯を触ると痛みが走る方やご飯を食べている時に痛みを感じる方も多くいる為、虫歯と勘違いしやすく、歯科治療を行う方もいます。歯の痛みと勘違いし、歯を何本も抜歯した後に三叉神経痛であったと気づく場合もあります。

上記の他にも、副鼻腔炎、脳梗塞、群発頭痛、舌咽神経痛なども三叉神経痛と似たような症状を起こしたり、顔面に痛みを引き起こす場合があります。

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三叉神経痛の診断方法

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三叉神経痛の診断方法、受診するべき科についてご紹介します。

問診

問診とは、医師が患者から直接症状を聞き出して、診断の手がかりを掴む方法です。時間をかけて、痛みの部分や痛みの現れ方、治療の有無、治療の経過、持病などを聞き出します。問診を通して、三叉神経痛が疑われた場合、画像検査を行います。

また、三叉痛に効果的なテグレトールと呼ばれる特効薬を試しに処方してみて、効果があるようであれば、三叉神経痛である可能性が高くなります。

CTスキャン

CT検査は放射線であるエックス線を使った画像検査方法です。痛みの出る場所によっては、副鼻腔炎や歯の付け根の炎症など、三叉痛以外の病気の可能性も疑われます。

このような別の病気を発見するのにCTスキャンは優れています。CTスキャンを通じて、他の病気の可能性がないか検査を行います。

MRI

MRIは強い電磁気を使った画像検査方法です。血管が神経に当たっている様子を、MRIを通じて確認することが出来ます。

MRIの画像結果の基、三叉神経痛の診断が確定します。

受診するべき科は?

顔の痛みが引き起こる病気はとても多いので、どの科に行けばいいか迷う方も多いと思います。顔の痛みが出た場合は、まずは脳神経外科か神経内科を受診されることをおススメします。

また、歯や顎骨が痛む場合は、歯が原因の可能性があるので、歯科を受診し、鼻の炎症や腫瘍に関しては耳鼻科、原因が精神的なものからくる場合は、神経内科で治療することが出来ます。

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三叉神経痛の治療法について

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ここでは、三叉神経痛の治療方法についてご紹介します。

薬物療法

三叉神経痛と診断された場合、内服薬を投与して様子を見ることが一般的な治療方法です。テグレトールと呼ばれる薬が処方されます。その薬を内服してみると痛みが治まる方が多いですが、薬を止めると再度痛み始める方もいます。その為、医師に相談の上、内服を長期間続けてみて、痛みがなくなってきたら、徐々に薬の量を減らして様子をみることをおススメします。

また、テグレトールを使用することで、ふらつきやめまいなどの副作用が出る可能性もあります。副作用が強く出てしまう場合や、薬の効果を感じなかった場合は、他の種類の薬もあるので、医師に相談されることをおススメします。テグレトール以外の三叉神経痛の薬で有名なものはリリカや抗けいれん薬のカルバマゼピンです。ヘルペス神経炎の治療にもリリカで治療が可能です。患者の痛みの度合いや様子に合わせて薬が処方されるので、効果が見られない場合は、薬を変更したり、量の調整を医師に相談してください。

また、ウイルスが原因となって引き起こされた、帯状疱疹後三叉神経痛の場合は、神経障害性疼痛治療薬、ワクシニアウイルス摂取家兎炎症皮膚抽出液などが用いられます。また、保険適用できませんが、鎮痛補助薬として三環系抗うつ薬、抗てんかん薬などが処方されることもあります。

外科治療(手術)

何種類もの内服薬を試しても効果が見られない場合は、脳神経外科での手術を検討します。

手術の方法

手術方法は、まずは全身麻酔を行い、後頭部の耳の後ろ辺りの髪の毛を一部分剃り、5cmほどメスをいれ、頭蓋骨に500円玉程度の穴を開けます。手術用顕微鏡を使い、脳幹に繋がる三叉神経まで到達し、原因となる血管を剥がし移動させます。手術時間は約2時間程度ですが、原因となる圧迫血管が多数見つかった場合は、手術が長引く可能性が高いです。手術を受けた95%の方が完全に痛みが消えたと満足しています。

病院によっては、圧迫している血管と三叉神経の間にクッションを入れる方法を取る病院もあります。クッションを入れることで将来的に痛みが起こる場合があり、その際には再度手術が必要になる可能性があります。再手術を行う必要があった患者の数も少なくはないので、クッションを入れる方法を提案された場合は、セカンドオピニオンとして別の医師にも相談してみることをおススメします。

手術を成功させるために

三叉神経は脳の奥深い部分に位置し、その手前には別の重要な神経などが存在します。手術を行って、聴力の低下、視力の低下、飲み込みの障害、声がかすれる、運動神経麻痺、脳梗塞や三叉神経障害、小脳出血といった合併症のケースも低い確率ですが、発生しています。三叉神経の周りには、動脈や聴力に関係する神経、眼神経がすぐ近くにあります。

このような大切な組織を傷つけることなく手術を成功させる必要がある為、手術を検討される場合は、手術経験豊富な脳外科のある場所で手術を検討されることをおススメします。また、三叉神経の手術は、顔面痙攣の手術にも類似する部分が多くあるので、顔面痙攣の手術経験の多い医師を探しても参考になると思います。

定位放射線治療(ガンマナイフ治療、サイバーナイフ治療)

20年ほど前から新しく行われ始めた三叉神経痛の治療方法の1つに定位放射線治療というものがあります。この治療方法は、三叉神経に直接放射線を当て焼き、痛みを緩和させる方法です。方法は、局所麻酔を行い、頭部に金属を固定して三叉神経にビームを当てます。治療の効果は1年続けることで6割~8割の患者が満足のいく結果になっています。内服薬を併用している患者に関しては、7割~9割の確率に上がると言われています。

治療を受けて、必ずしも全員の方が満足いく結果になるわけではなく、治療効果を感じた方でも将来的に痛み始める場合もあります。手術のように全身麻酔をかける必要がない為、持病がある方や高齢者の方で全身麻酔をかけられない方、手術に抵抗のある方が実践できる治療の1つです。

しかし、新しい治療方法の為、将来的にどんな副作用が起こるのか明らかになっていない部分もあり、5年~10年後には顔面に強い痛みや痺れが生じるという報告もあります。この定位放射線治療で生じた痛みや痺れのことを異感覚と呼び、手術での治療が困難な為、疼痛外来で治療が必要になります。

神経ブロック療法

神経ブロック治療とは、三叉神経を鈍くすることで痛みを緩和する治療方法です。痛みは三叉神経を通じて脳に伝達されます。腕や足に長時間重いものを乗せたり、同じ姿勢でいると、しびれが発生して、感覚がなくなります。これと同様の原理をおこすのがブロック治療の原理です。

三叉神経をしびれさせ感覚を鈍くし、痛みの伝達を和らげます。治療方法は、大きく分けて2種類あります。1つ目は神経ブロック注射による方法です。顔に針を差込み三叉神経に局所麻酔もしくは神経破壊薬を注入します。局所麻酔の場合は痛みが緩和される程度で、神経破壊薬を使用した場合、効果が効いている間、1ヶ月~2年ほどは、痛みを感じることはありません。

しかし、副作用として、顔にしびれを感じます。中には、副作用のしびれが辛いと訴える方も少なくは在りません。三叉神経が再発した場合に、手術を検討されたとしても手術により痺れが消えることも在りません。2つ目は、高周波(電気)を使って神経を焼く高周波熱凝固方法です。これらの2つの方法は、全身麻酔をかける必要がないので、持病がある方や高齢者の方で全身麻酔をかけられない方、手術に抵抗のある方でも試すことが可能です。

上記の内容を行う位置によって名前が異なり、眼窩上神経ブロック、眼窩下神経ブロック、頤神経ブロック、上顎神経ブロック、下顎神経ブロック、ガッセル神経節ブロック、ガッセル神経節高周波熱凝固法、耳介側頭神経ブロックなどがあります。

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おわりに

三叉神経痛は顔面に痛みの走る病気です。原因は血管の圧迫、動脈硬化、ウイルス、脳腫瘍など様々ありますが、血管の圧迫が主な原因として挙げられています。

治療方法は一般的に薬物療法です。薬物療法に効果がない場合は、手術や神経ブロック療法、定位放射線治療などの方法を検討します。

しかし、手術以外の方法は、全員が治療に満足いくわけではなく、痺れが顔面に残って今度は痺れに悩まされる事があることなどから、手術以外の方法で満足度の高い治療方法は見つかっていないと言えます。

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これらを読んでおきましょう。

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