今や視力の低下を引き起こす要因が溢れかえる現代で、コンタクトを装用ているという方は非常に多くいらっしゃいます。
顔は人間の第一印象を決定づける事に大きく関係してくることや、利点も多くあることからも、コンタクトの使用は多くの方に需要があるといえます。
しかしコンタクトレンズの装用の利点は多くあると同時に、欠点も少なからずあります。そこで挙げられるのが頭痛や肩こりといった症状です。原因は目の疲れ、眼精疲労というものが深く関係しています。
この問題に多くの方が悩んでいるということもあり、今回はコンタクト装用の際の頭痛や肩こりといった、その他の症状の原因と対策につて見て行きましょう。
コンタクトレンズが原因で起こる頭痛
コンタクトレンズの装用で引き起こる頭痛の原因には、いくつかの原因が複雑に絡み合うことで発症するケースが多くあります。その原因を1つ1つ紐解いて行きましょう。
使用しているコンタクトが合っていない
コンタクトレンズによる頭痛で一番多くの原因として挙げられるのがコンタクトの過矯正です。一説にはコンタクトレンズを装用している方の1/3の人が本来装用すべき度数を大きく上回っている、つまり度数の強いコンタクトレンズを装用している過矯正であるともいわれています。
その原因には、”afetr 5 blur”またの名を”仕事帰りの視力低下”が問題になっています。
その多くはパソコンを扱う作業を行う仕事に従事している方に多く見られますが、例えばずっとパソコンを使うことで目に大きな負担をかけた結果、仕事終わりには疲労から一時的に視力の低下がみられます。その事を「視力が低下した」「近視が進んだ」などと思い込み、更に強い度数、つまり過矯正であるコンタクトレンズを装用してしまうのです。
人間の目には調整力という力が備わっています。それは目の中に備わってある水晶体と呼ばれるレンズを、厚くしたり薄くしたりして遠くから近くのものに焦点を合わせる為に機能するものです。例えば視力1.0の人がパソコン操作を行うのと2.0の人がパソコン操作を行うのとでは必要な調整力は異なり、より遠くが見える視力2.0の人の方が近くの物を見る場合は調整する力、つまり調整力を多く使わなければなりません。
パソコンなど手元作業を要する仕事には、その調整力を働かせる必要がありますから、眼精疲労が引き起り易くなってしまいます。よって目の疲れから視力の低下を感じるからといって、更に強い度数のコンタクトを装用してしまいますと、更に手元作業の際に必要な調整力を要してしまい、結果眼精疲労を増強してしまうといった悪循環が起こってしまいます。
そこで一緒に関係してくるのが自律神経です。
通常人間の目は、遠くを見ている時に交感神経を刺激し、近くを見る時には副交感神経が刺激されます。過矯正であるコンタクトを装用して近くの物を見る事で、過剰に副交感神経ばかりが刺激され、自律神経の乱れを引き起こし、肩こり、吐き気、頭痛等を引き起こしてしまうのです。
その他にも基本的にコンタクトレンズと角膜とのサイズが合っていない場合もあります。
当然のことながら、眼球は平べったくはなく、人それぞれ異なったカーブを帯びており、そのカーブの数値をベースカーブ(BC)として数値化しています。そのベースカーブの数値でカーブの度合いが決まっているのですが、角膜のカーブとコンタクトレンズのカーブが合っていない場合、目に負担を与えてしまい、最悪眼球に傷をつけてしまう恐れがあります。
自律神経の乱れ
上記でも少し触れましたが自律神経の乱れが頭痛を引き起こす要因の1つに挙げられます。上記では過矯正による過剰な副交感神経の刺激を挙げましたが、それとはまた別の見解で頭痛を引き起こす要因となる事もあります。
それは視神経と体の矛盾が引き起こすというものです。つまり近くの物を見る時は副交感神経が視神経より刺激されているにも関わらず、体は仕事中や、趣味に没頭している等の理由から、交感神経を刺激しようとする矛盾したアンバランスの状態から、自律神経の乱れが引き起こってしまい頭痛を初めとした症状が出るという事です。
つまり、本来近くを見る時はリラックス(家で休むなど)している状態にあり、遠くを見ている時は緊張している状態(仕事中など)が自然な状態であるという事で、その自然な状態を崩すことが自律神経の乱れを引き起こすという事です。
長時間のコンタクトレンズの装用
コンタクトレンズは通常、長時間装用出来る様には作られていません。よって長時間コンタクトレンズを装用してしまうと、角膜に必要な酸素が供給されずドライアイを引き起こし、更には角膜内の細胞を破壊してしまいます。またその減少した角膜内の細胞は再生することがなく、死滅すればそれっきり細胞は増えることが出来ません。最悪の場合、角膜が白く濁り視力障害を引き起こす危険性もあります。
角膜には血管が通っていない為、皮膚呼吸で酸素を取り入れています。そして寝ている時はまぶたの裏と触れ合う事で、まぶたの裏にある毛細血管から酸素を取り入れる事になりますが、効率が悪く、起きている時に取り入れる酸素量の1/3位しか吸収することが出来ません。
もしコンタクトを装用したまま寝た場合、一気に酸素は激減してしまいます。
更に長時間の装用は目だけではなく、脳や顔への負荷が継続的にかかる事で頭痛等も同時に引き起こしてしまうことにも繋がります。
コンタクトレンズの間違った使用
同じコンタクトレンズを使用しているにも関わらず頭痛等が起るという方は、一度使用方法を見直してみることも大切です。間違った使用法とは
- 汚れた手でレンズに触る
- レンズをしたまま眠ってしまう
- 決められた装用期間を過ぎての使用
- レンズケースが汚れている
何れも角膜を傷つける恐れがあり、視力の低下更にはあらゆる眼病を引き起こす危険性があります。
レンズに汚れ傷がついている場合、肉眼では確認しづらいケースもあり、角膜はとてもデリケートな器官なので、そこに密着させるレンズを扱う事に関しては極めて注意する必要があります。
頭痛を引き起こす視力低下
左右の度数が合っていない
長期間同じ度数のコンタクトを装用していると、気づかない内にどちらかの視力が低下し左右のバランスを崩している場合があります。
そのままバランスを崩したレンズを使用する事で、視力の低下を促進してしまう危険性もあります。
ブルーライト
これは裸眼の方でも影響があることから、コンタクトを装用している人に限っての事ではありませんが、眼精疲労からくる頭痛を引き起こす一つの要因として挙げられる為、その影響を記載します。
生活の中で物を見るにあたり必要となってくるのが光です。一言に光といってもその中には、色々な種類があります。
例えば眼で見るこの出来ない紫外線や赤外線、そして可視光線と呼ばれる赤、橙、黄色、青、緑、紫、藍など眼で見る事が出来る光など様々で、そのそれぞれが、全て”電磁波”という波の強弱で色が決まっています。余談ですが、太陽の光というのはこの全ての色が合わさって出来た色です。
その赤、橙、黄色、青、緑、紫、藍の中で一番波形が短く人間の目に届きやすい色が青の光、ブルーライトです。
ブルーライトはパソコン、タブレット、スマートフォン、液晶テレビなど、その波形が短く人間の眼に見え易いという利点を生かして様々な場所で活用されています。
しかし、その見え易いという利点が人体に影響を及ぼしてしまっている事も事実なのです。ブルーライトは波形が短い為、空中を浮遊するチリや埃によって影響を受け、散乱してしまいパソコンや液晶テレビなどのチラつきやブレといった形で表面化します。
すると眼はそれにピントはを合わせよう懸命に視力を使います。結果、筋肉や視覚を認識する脳が疲れてしまい眼精疲労、延いては頭痛を引き起こしてしまいます。
コンタクトレンズによる頭痛の改善策
コンタクトレンズによる頭痛の改善策を紹介します。
自分に合った度数のコンタクトを装用する
まずコンタクトレンズはしっかりと医師や専門の機関を通して検査を受けてから購入することが大前提です。
最近ではインターネット等で販売してあるケースもありますが、角膜の状態や屈折、視力の検査などを受けないで購入したコンタクトレンズを装用する事は、過矯正等に気付かないまま使い続けて、頭痛、肩こり、吐き気などの症状を誘発してしまいます。
そして、自分に合ったコンタクトレンズというのは、決して遠くまで良く見える度数が自分に合っている物とはいえません。個人個人の生活に合った度数のコンタクトレンズを装用する必要があります。
例えば、良く見えるからといって視力が2.0になるようにコンタクトレンズを装用していたとしても、その人がパソコン作業など手元ばかり見る生活を送っているのであれば、無駄に調整力を要してしまい眼精疲労を引き起こしてしまい、それは過矯正であるということなのです。
従って、コンタクトレンズを処方してもらう場合は、しっかりと日頃自分の目に映る環境(パソコン操作を要する仕事に従事している等)を眼科医等に伝えることが必要です。
またコンタクトレンズのサイズを決めるベースカーブは安易に決められるものではありません。眼科医等に診てもらって適切なサイズを装用することが必要です。
副交感神経を抑える
上記で述べたように眼精疲労による頭痛などの原因には自律神経の乱れが関係しています。
よって過剰に刺激された副交感神経を抑えて交感神経を活発にすることで改善するという方法が可能です。
視神経は近くを見る事で副交感神経を刺激し、逆に遠くを見ることで交感神経を刺激することになります。パソコンやタブレット等近くの物をずっと見た後は、休憩を兼ねて遠くに焦点を合わせることで交感神経を刺激し自律神経のバランスを意図的に調整しましょう。
遠くを見るといっても山や雲等を見ないといけないというわけではありません。仕事中に「ちょっと風景を見てきます」と言っても「ああ、そうかい」と優しい上司ばかりではない事が現実で、もしそれが許されたとしても若い新入社員の女性グループに「何あの人~気持ち悪い~」なんてこともあるかもしれません。しかし心配する必要はありません。ほんの3メートル先を見るだけでもその効果は十分にあります。
何も考えずボーとしている状態、つまり1番眼がリラックスしている状態を調整安静位といい、眼が悪くない人で言うと約1メートル先に焦点が合っている状態のことをいいます。
その1メートル以内に焦点を合わせている時は水晶体の調整する筋肉が緊張状態にあり、視神経は副交感神経を刺激します。
逆に1メートルより先に焦点を合わせている時の筋肉の状態は弛緩状態にあり、視神経は交感神経を刺激するのです。
よって仕事中でも室内の壁を見るなどして眼を休めることが可能という事です。
疲れ目に効果的な食物を摂る
眼に良いとされる食物を摂る事もお勧めします。
具体的な食物と成分効果は下記の通りです。
- ブルーベリー⇒眼を休める効果があるアントシアニンを含む
- ほうれん草⇒眼病や眼の疲労に効果があるルテインを含む
- 緑黄色野菜⇒視力低下を防ぐビタミンA を含む
- 卵、大豆、肉類⇒脳と視神経の伝達を助けるビタミンBを含む
- 果物⇒眼の粘膜保護をし、疲れ目に効果があるビタミンCを含む
進んで眼にいい食物を摂るよう心がけることも、効果的な方法の1つです。
コンタクトレンズは用法通りに使用する
コンタクトの使用期限などを守ることは大前提です。しかし、疲れてそのままコンタクトを装用したまま寝てしまう等、用法を守れないケースも多々あります。
眼はデリケートな器官であり、ちょっとしたことで角膜に傷をつけてしまう恐れもあります。
実際、汚れた手で触りレンズに汚れが付着したとしても、肉眼では確認できないほどの微細な汚れである場合もあり、眼には悪い影響を与えてしまいます。それは眼がデリケートな器官であるという事からも用法を守らないと眼病にかかり易く、失明してしまうという事態にもなりかねないのです。
用法通りの使用を心がけ、また定期的に眼科検診を行う際はレンズの傷の状態も眼科医に確認してもらいましょう。
定期的な眼科検診
人間の眼は他の細胞と同様、日に日に劣化していきまが、コンタクトレンズは細胞ではなく
飽くまで人工物です。よって体の老いとは関係なくその度数を維持してしまいます。
徐々に視力が低下していることにも気づかずに、同じ度数レンズを使用するというのは過矯正になる要因です。
使用目的に応じてレンズの度数を使い分ける
コンタクトの装用は目的に応じて度数の違うレンズを装用することで、眼精疲労にかかるリスクを軽減する事が出来ます。
例えば、パソコンやタブレット端末の操作、読書といった作業は、手元しか見ない為あまり度数が高いレンズを装用する必要がないことから、少し低めのレンズを装用するようにします。
また車の運転や外出、外で遊ぶ等の時は遠くが見えるように、少し強めの度数を装用するといった使い分けをする方法もあります。
眼科医等に相談して適正な判断の元で2種類のレンズを作っておく事で、眼にかかる負担を軽減することも可能です。
メガネを上手く活用する
家の中にいる時は極力コンタクトを外して、眼が酸素を取り込みやすい環境を作っておくことをお勧めします。
例えば家に仕事から帰って着替える時に一緒にコンタクトを外すようにしたり、休日家にいる時はコンタクトは装用せずにメガネで過ごすなど、角膜が空気と触れ合う時間をなるべく作っておくようにしましょう。
コンタクトとメガネを目的や環境にあった状況に応じて、上手く使い分けることで、眼への負担を軽減する事を意識しましょう。
まとめ
コンタクトレンズの装用で引き起こされる頭痛の原因には、仮説等も含めると多く挙げる事が出来ます。
主に眼精疲労と視神経からくる脳への自律神経の操作作用から、頭痛やその他の症状へ発展していくケースが多く見られ、コンタクトレンズの使用の際には十分な認識を持って取り扱う必要があるという事が伺えます。
これから先の社会を見据えると、5年後、10年後の先は今よりも更に便利な世の中へと発展して行く事であろうと考えます。しかし、それは発展すると同時に眼を今よりももっと酷使せざるを得ない社会環境であることも意味している事だと思います。
時代の流れが進むと同時に、眼への負担は増加してしまうと考えるならば、眼のケアーつまりは、コンタクトレンズの正しい使用認識は必要な事ですし、コンタクトレンズと頭痛の関係性も理解しておく必要があるでしょう。
これから科学が進歩し、例えば最近発見されたiPS細胞を活用して人工で角膜の細胞を作り出すなど、今のコンタクトレンズよりも利便性に優れた研究が進むことを願いましょう。
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