目頭が腫れる4つの病気を紹介!痛みやかゆみが症状として現れる場合は注意!

朝起きたら目が腫れている、何となく痒いと思っていたら目が腫れてきた、という経験はないでしょうか?「目が腫れる」と言うより、厳密には「瞼(まぶた)が腫れる」と言う方が、正しいかもしれません。

目の粘膜は、非常に敏感で、異物が入ってきたときはもちろん、免疫力が落ちているときにもトラブルが発生しやすい場所です。また、女性の場合は、アイメイクをするので、特にトラブルが発生しやすいと言われています。痒みを伴う場合は、一日を過ごすのも億劫ですよね。

ここでは、目のトラブルの中でも「目頭」が腫れた場合に考えられる病気と、その治療法・予防法についてご紹介します!

目頭の腫れから考えられる病気

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うつ伏せに寝たり、アルコールや塩分の摂りすぎなどによる浮腫みから瞼が腫れたり、虫刺されや、外部からの衝撃で瞼全体が腫れてしまうこともあります。

しかし、そのような原因のほかに、目頭が腫れた場合、次のような病気の可能性があります。とくに、痛みを伴う場合は要注意です。さて、目頭の腫れは、どのような病気の可能性があるのか、早速見ていきましょう。

涙嚢炎(るいのうえん)

目頭、あるいは目の内側が腫れ、痒みではなく、痛みや赤みを伴う場合は、要注意です。

「涙嚢」とは、涙が通る管の一部で、鼻の付け根あたりにある、涙が溜まる袋状の器官です。本来、涙嚢に溜まった涙は、涙の通る管である「鼻涙管」を通り、目から鼻へと流れていきます。

しかし、この鼻涙管が詰まると、涙嚢に涙が溜まった状態になり、細菌感染する場合があります。この細菌感染によって、涙嚢部分が炎症を起こすことを、「涙嚢炎」と言います

涙嚢炎は、片目に発症することが多く、ゆっくり時間をかけて症状が進行する慢性涙嚢炎と、急に炎症を起こす急性涙嚢炎があります。

慢性の場合、涙や目やにが頻繁に出るようになり、目頭を押すと、涙の流出口である涙点から膿が出ます。目を清潔にしていないと、慢性涙嚢炎になりやすく、また、一度なってしまうと、自分で治すことは難しいと言われています。

そして急性の場合、慢性涙嚢炎の兆候がすでにあり、細菌が急に周りの組織に出て、炎症を起こします。目頭付近が腫れ、痛みを伴い、充血や目やに、涙が止まらないといった症状が起こります。ひどい場合は、頬にまで腫れが広がり、発熱することもあるようです。

放置しておくと、自然と治ることもありますが、「涙廔(るいろう)」と呼ばれる涙の新しい通り道ができてしまう場合もあります。

ものもらい(麦粒腫)

ものもらい、経験のある人も多いのではないでしょうか?ものもらいは、黄色ブドウ球菌や、表皮ブドウ球菌などの細菌に感染することで炎症を起こし、膿が溜まった状態のことを言います。

瞼や目のきわに小さなボール状のものを詰め込んだように腫れるのが特徴です。初めはかゆみを伴い、徐々に赤みを帯びて腫れが広がります。

瞼の外側にぷっくりと腫れる外麦粒腫であることがほとんどですが、内麦粒腫と言って、瞼の内側にできることもあり、その場合はかなりの痛みを伴います。寝不足や、季節の変わり目など、身体の免疫力が下がったときにできやすい傾向があります。

この症状の原因となる菌は常在菌でもあるため、人間の身体の中には常に存在している菌になります。ですので、基本的には免疫力が高い状態や、結膜が傷が発生していない状態ではあまり発生することはありません。

汚い手で目をこすらないようにだけ注意して感染予防をしていきましょう。特にアレルギーが発生しやすい時期や花粉、ハウスダストなどのアレルゲンを持っている人に発生しやすいのがこの症状ですので異物感を感じたときはそれ以上症状が悪化してしまわないように注意してください。

めいぼ(霰粒腫)

ものもらいと見た目の症状は似ていますが、細菌感染が原因のものもらいとは異なり、瞼に脂が溜まってしこりができる症状を、霰粒腫と言います。

年齢や性別に関係なく発症し、急性炎症を起こす場合を除き、あまり痛みはありません。これは、まつ毛の生え際にある、脂を分泌する腺が詰まることによって、しこりや腫れが生じます。

最初は目の際に白い点のような小さなイボができ、それを放っておくと、次第に大きくなり、「めいぼ」と呼ばれる大きなしこりになります。

目尻や目頭などの部分の目の結膜の粘膜部分と皮膚の境目の部分に出来るので、しっかりとしこりなどが確認できて、そのしこりが大きい場合には周囲に炎症が広がって腫れることもあるでしょう。

結膜炎

はやり目」とも呼ばれる結膜炎は、ウイルスや微生物などによる感染性のものや、花粉などのアレルギー性のもの、ケガや薬品等による外傷性のものなど、様々な原因が考えられます。

目の充血、目やに、瞼の裏にぶつぶつができるといった症状があり、目頭のみではなく、瞼全体に腫れが及びます。

また、ウイルスや微生物による結膜炎の場合、耳の前側、顎関節のくぼみあたりに触れると、痛みを伴う腫れが生じるのも特徴です。この部分にはリンパ節があり、ウイルスと戦っているため、リンパ節が腫れてしまうのです。

こういった感染性の結膜炎は、非常に感染力が高いので、人に移る可能性もあります。家族内でウイルス性結膜炎にかかっている人がいる場合は、使用するタオルを分けるといった注意が必要です。

結膜炎については、結膜炎ってうつるの?種類によってかわる期間についてを読んでおきましょう。

治療法は?

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目頭の腫れから考えられる病気は、いろいろあるようです。一刻も早く治すためには、眼科を受診するのが一番でしょう。ここでは、症状別に、眼科ではどのような治療を行うのかを見ていきます。

涙嚢炎の場合

慢性涙嚢炎の場合、「特殊な針で詰まっている鼻涙管を開通させる」、「涙嚢を消毒液で洗浄する」、「抗生物質の入った目薬を投与する」といった方法のほかに、涙嚢を軽くマッサージすることで症状を緩和させることもできますが、これは一時的な処置に過ぎず、これらの対処法では根本的な治癒は難しいと言われています。

根本的に治療するためには、涙嚢から鼻へ涙を流すための新しい道をつくる手術か、涙嚢を取り出す手術を行うしかないようです。

そして、急性の場合は、まず炎症を抑える必要があります。抗生物質を投与し、膿瘍ができた場合には、それを切開して内容物を取り出します。このような治療を行い、慢性の状態に戻してから、涙嚢を取り出すなどの根本的な治療をする必要があります。

ものもらい(麦粒腫)の場合

化膿した患部から、膿が出てくれば、自然と治ります。眼科では、症状が軽い場合は、それ以上化膿するのを防ぐため、抗菌の目薬や軟膏を処方してもらえます。

ひどいかゆみを伴うときには、手でこするのは避け、清潔なタオルに保冷材などと包み、患部を冷やすと、痒みを緩和させることができます。

また、目の周りを清潔に保つ、使用するタオルや手をこまめに洗うなどして、不潔な状態を避けることが大切です。また、コンタクトレンズを使用している場合は、症状が落ち着くまで、使用を止めた方が良いでしょう。

大体、一週間程度で症状が治まってきますが、それでも化膿がひどくなった場合には切開して、溜まった膿を取り除く必要があります。

めいぼ(霰粒腫)

感染性によるものではないので、放置しておくと自然に治っていくケースがほとんどです。

白い脂や血が、目やにに混ざって出るようになったら、治りかけている証拠です。しかし、治るまでに、細菌が入り化膿するのを防ぐため、目薬や軟膏を処方してもらうと安心でしょう。

他にも、眼科で行われる霰粒腫の治療として、ステロイド注射や切開手術で内容物を取り出すといった治療法もあります。自然に治ってくれるのが一番望ましいですが、場合によっては1年以上かかるケースもあるようです。

あまりにも長引く場合は、眼科で相談し、ステロイド注射や切開手術を選択するのも方法のひとつです。

どちらにせよ、ものもらい同様、目の周りを清潔に保つよう気をつけましょう。

結膜炎の場合

結膜炎の場合、炎症を起こす原因によって治療法も異なります。ウイルス性の場合、ウイルスに効果的な薬がないため、ウイルスと戦う免疫力を高め、目を清潔に保ち、炎症が治まるのを待つしかありません。

しかし、それ以上の炎症や、新たな細菌感染を防ぐために、抗生物質や抗炎症薬を処方してもらえます。人へ感染しないよう気をつけながら、安静にして、休養するのが一番です。

アレルギー性の場合は、抗アレルギー剤を含む目薬で、痒みの原因となるヒスタミンを出しにくくさせる治療があります。症状がひどい場合は、まれにステロイド剤が処方されることもありますが、緑内障や白内障などの副作用を引き起こす可能性もあるので、十分に経過観察しながら治療を進めていきます。

目頭が腫れているときの対処法は?

目が腫れる症状なんてそれほど珍しくもありませんし、特に危険性が高いわけでもありません。ですので眼科に行って治療を行うほどではない、と判断する人がほとんどでしょう。

基本的には自然に治ってしまうことが多いのが目の腫れの症状になります。病院に行くほどでも無いな、と感じた場合に自分でできる1日でも早く症状を治療することが出来る対処法について紹介します。

ものもらいや結膜炎などに効く目薬を使用する

薬局などお近くのお店でも市販されている、ものもらいなどの目のトラブルに効果のある成分を含んでいる目薬を使用することで目の出来物や腫れを対処していきます。

疲れ、充血に効く!などと書かれているものに関しては、目の腫れには効果的でないのでそれらは利用しないようにしましょう。

そして、これらを使用するときの注意点としては、普段使用する目薬以上に使用回数を守って使用する事が重要になります。薬用成分が含まれていますので、目薬を指しすぎると目にとっては良くありません。

それと、霰粒腫や結膜炎などの症状が治ってしまった場合、全然まだ残っているのに使わなくなって捨ててしまうことも良くあります。

家族間で使用する場合には消費出来るかもしれませんが、一人で使用する場合には、この目薬をすべて使用することはまず無いでしょう。これってもったいないですよね。そのために1回使い切り用の目薬なども販売されています。

それらの商品を選択して購入しても良いでしょう。

眼帯をする・メガネをかける

目に出来ものが出来ている状態でお化粧をすることは非常に悪影響となります。これは症状を悪化させる行為ですし、出来ればすっぴんの状態もしくは逆の目だけをメイクして、トラブルが発生している側の目はメイクをしないでメガネもしくは眼帯で隠して対処していきましょう。

目を掻いたり擦ったりすることも防げますし、女性や子供の場合には特に有効な対処法でしょう。

なので伊達メガネを一つ常備しておくと便利でしょう。眼帯は基本的に使い捨てです。薬局などで購入できるので探してみてください。

食事内容を改善

食事の内容が偏ってしまうとなかなか治癒が進まなくなってしまいます。

栄養を摂取することで免疫機能が向上して治療速度を最大限に高めることが出来ます。積極的に摂取したいのはビタミン類やアントシアニンと呼ばれる目に良いとされている栄養素です。

有効な食材を紹介します。

肉類:豚肉、うなぎ、卵

野菜類:ほうれん草、納豆、人参、ピーマン

海藻類:海苔、昆布、もずく

果物:カシス、いちご、れもん、ブルーベリー、アセロラ

これらを意識して摂取すると目の健康を早く取り戻すことが出来るでしょう。

目頭の腫れの予防法は?

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目頭が腫れる原因となる様々な病気を予防するには、どうすれば良いのでしょうか?突然目が腫れていた、という事態を避けるためにも、予防法をしっかりチェックしておきましょう。

目の周りを清潔に保つ

これは、目のトラブルにおける予防法の、基本中の基本とも言えるでしょう。とくに、まつ毛の根元(目のきわ)は、雑菌が溜まりやすい場所でもあります。

手指、タオルを清潔に保つほかに、前髪が目にかからないよう注意したり、コンタクトレンズの管理に気をつけることも大切です。とくに、使用期限のあるコンタクトレンズを使用している場合、使用期限は必ず守るようにしましょう。

アイメイクに気をつける

女性の場合、ぱっちり目にするためのアイメイクは欠かせません。しかし、あまりにも濃いアイラインや、目のきわを縁取るようなアイラインは、マイボーム腺と呼ばれる目の脂を分泌する腺が詰まる原因となり、霰粒腫などを引き起こす可能性があります。

できるだけ濃いアイメイクは避け、一日の終わりには、しっかりとメイクを落とすといった心がけも必要です。

免疫力を高める

感染性の結膜炎などから目を守るためには、免疫力を高めることが何よりの予防法と言えるでしょう。とくに、質の良い睡眠をとることは非常に大切です。

身体に不調が生じた場合や、疲れているとき、私たちは眠っている間にそれらを修復・回復しようと働きかけ、身体を健康な状態へ戻します。寝不足が続くと、それらの働きが十分に行われないため、疲れやすくなります。そして、疲れは、身体の免疫力を下げる原因でもあるのです。

そのほかにも、食生活を見直し、身体の様々な器官が正常に働けるよう、栄養をしっかり届けてあげることも必要です。彩りの豊かな食事は、栄養バランスも良いと言われていますので、献立を決める際、鮮やかな食卓をイメージしながらメニューを考えるのも良いかもしれません。

手を洗う

目を擦る手が汚いことで細菌性結膜炎や霰粒腫などの感染症は発生します。

これを予防するために最も有効なのは、手を常に清潔な状態にして手であちこち触れている場合には必ず手を洗ってから目に触れるようにしましょう。

こうすることでかなりの確率で感染症が発生することを予防することが出来ます。

風邪などもそうですが、これらの症状のほとんどは人からの接触感染によって発生しています。

ですので、感染者が近くにいる場合は特に手の洗浄を欠かさないようにしましょう。タオルの共有などでも家族内で感染が広がってしまうことが多くありますので注意してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。目のトラブルは、不快なだけでなく、そのまま放っておくと大きな病気につながる場合もあります。

普段の心がけから予防し、何か異常を発見したら、目の周りを清潔に保ち、できるだけ早めに眼科を受診しましょう。

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