ふと気がつくと、目の奥がずーんと痛く感じたり、刺さるような痛みを感じることはありませんか?目をつむると痛みが増したりする場合もありますよね。
頭のほうではなく、目の奥が痛いと感じるので、とても不安になりますよね。そんな時、身体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか?病院に行ったほうが良いのか、様子を見て居ていい状態なのか?症状によって対策方法は異なると思います。
病気が原因の場合は、放っておくことで失明につながってしまう可能性もあります。そうならないように、正しい対処をして、病気の場合とそうでない場合とでしっかり対策方法を知っておきたいですよね。
そんな一歩間違えると失明の危険性がある目の奥の痛みの原因と対処法についてまとめてみました。
目の奥の痛みの原因は?
このような目の奥の痛みに思い当たることはありますか?
- 下を向くと痛い、粘度の高い鼻水がでる
- 痛みが徐々に強くなってくる。吐き気だけでなく、実際に吐いてしまう。
- ズキズキと目の奥をえぐられるような痛みが継続してある。
- 刺さるような痛みを感じ、目の奥だけでなく、顔全体に痛みが広がる
- 痛みと共に、片方の目で見たとき一部見えない部分がある。ゆがんで見える。
このような症状に思い当たることがあれば、それは単なる一時的な目の奥の痛みではなく疾患が原因の痛みかもしれません。単なる疲労と思わずに、該当する医療機関に受診しましょう。
目の奥が痛むときに考えられる原因は、主に3点です。
- 疲労からくる痛み
- 疾患による原因からくる痛み
- 身体的原因による痛みです。
疲労からくる目の奥の痛みは、主に眼精疲労が原因です。
眼精疲労
いわゆる一般的にいう疲れ目です。近年テレビやパソコン、スマートフォンなどの画面を見る機会が増え、その見すぎで目が疲労してしまった状態を指します。
普通に目を開けて物を見るということも疲れ、場合によっては痛みを起こすことがあり、疲労感が強く、眠っただけではあまり良くならないという状態になります。目が痛むだけならいいのですが、重度の眼精疲労だと目の奥から後頭部にかけての重い痛みや目の裏側の痛み、また目の奥や眉毛のほうまで痛みを感じる場合があります。このようなときには医療機関に受診して適切な診断を受けましょう。
特に眼精疲労の痛みの症状は、目の奥の痛みやドライアイなどによる目の表面の乾きや痛みや違和感やまぶたの腫れや痛みなどの症状があります。
このような症状に加えて嘔吐や頭痛や視力の低下などが見られる場合は何かしらの目の疾患によるものの可能性が考えられます。
疾患による痛み
特に目の奥が痛む場合や、その痛みにより頭痛や吐き気が催されている場合やその他に片目でものを見たときなどに視力の低下や視野が欠けるなどの症状が見られる時には、目の疾患の可能性が考えられます。
なるべく早く眼科で診察を受け治療を行うようにしましょう。このような症状が現れる場合に考えられる病気について以下で詳しくその症状や特徴について紹介していきます。
疾患が原因の痛み
さまざまな疾患が原因で目の奥の痛みが起こります。
副鼻腔炎
副鼻腔炎とは、顔の鼻の両側にある空洞、副鼻腔に炎症が起きる疾患です。慢性の副鼻腔は一般的に蓄膿症などとも呼ばれます。この副鼻腔炎の特徴として
- 目の下や奥のほうに痛みを感じる
- 下を向くと目の奥が痛む
- ドロッとした鼻水が出る
などの症状があります。副鼻腔炎は、多くが風邪やインフルエンザなどと一緒か、その後に発症しています。
三叉神経痛
三叉神経痛とは、顔にある血管が、同じく顔にある知覚神経である三叉神経を圧迫することで起こる顔面に強烈な痛みを感じる疾患です。その痛みは目の奥まで感じ、刺されるような痛みだといわれます。
また、人によっては顔面をえぐられるような痛みなどともいわれ、とても辛い疾患です。MRIなどの検査で発見されることが多く、治療法は手術によるものか、神経の痛みをブロックする注射などがあります。
片頭痛
頭の血管が拡張することで、頭痛が起こると考えられている偏頭痛が原因で、頭部に痛みを感じるだけでなく、首や肩、目の奥やこめかみ付近などに痛みを感じる人もいます。なぜなら拡張した血管が、頭部の神経を圧迫だけでなく、目の周りの神経をも圧迫するからです。
片頭痛の特徴的な症状は、頭の片側や両側がズキンと痛んだりするほか、月に1回から2回、または週に1回から2回などの頻度で起こります。時に吐き気や嘔吐などを伴うことがあります。また音や光に対して敏感になるなどの症状もあります。また一時的なストレスから開放された後に起こることもあります。さらに片頭痛の起こる前に
- 目の前がチカチカする
- 視界が欠ける
- 視界の一部にギザギザしたものが見える
などの前兆が出る人もいます。
群発性頭痛
群発性頭痛の原因ははっきりと特定されていませんが、多くが副交感神経の刺激で起こる脳の血管の一時的な拡張によって、視床下部に異常が起こり頭痛となってあわられるといわれています。
痛みは目をえぐられるような痛み、キリで穴をあけられているような痛み、虫歯を麻酔なしで削られるような痛みなどと表現され、このような強烈な痛みから人間3大痛(尿路結石、心筋梗塞、群発頭痛)の1つともいわれています。
症状は発作的に起こる頭痛で、年に数回から数年に1回程度が多く、一度発症すると1ヶ月から3ヶ月程度毎日同じ時間帯に痛みを感じることが特徴です。また片側の目の奥が痛むことも特徴で、目の充血や涙、発汗や鼻水などの症状もあわせて起こります。発作の起こる時間帯も夜中や早朝などが多いといわれています。原因がはっきりと分かっていないため、数年後には完治したひと、10代から何十年も悩まされている人とさまざまです。
検査には血圧や脈拍、呼吸などの状態を調べ、さらに眼底検査や脳の血管の状態を検査します。さらに同じような症状で脳腫瘍などの重大な疾患も考えられるので、CTやMRIなどの画像検査も行われます。
治療は痛みを鎮める即効性のある注射があります。これは自己注射が認められているもので医療機関に受診して認めてもらえれば自分で対処出来ます。そのほか神経をブロックする手術などもあります。まずは医療機関に受診して相談しましょう。
頭痛に関する詳しい記述は
・頭痛が治らないのはなぜ?考えられる原因と病気の可能性を知ろう!
をご覧ください。
緑内障
緑内障は、目の網膜神経細胞に異常が起こり、視野が欠損していく疾患です。一度欠損したら元にはもどらないので、重度になると失明の原因にもなります。
その症状は、目の奥の痛みのほかに、眼圧が高くなる、片目でみると一部が見えない、頭痛がする、吐き気が起こるなどあります。この緑内障は、加齢と共に発症率も増え、早めの発見で進行を遅らせることが出来るので、少しでも気になることがあれば、医療機関に受診しましょう。また定期的に眼科検診を受けることもよいでしょう。
緑内障については、緑内障は治るのか?原因や症状、治療方法について!を参考にしてください。
脳腫瘍
目の奥の痛みの原因で命にも関わる恐ろしい疾患は、脳腫瘍です。脳に腫瘍ができ、その結果身体のさまざまところに異常をきたす疾患です。
初期の頃には自覚症状はなく、ある程度大きくなってきて頭痛や目の奥の痛みがでて発見されることがほとんどです。その他の症状には吐き気や嘔吐、痙攣などがあります。特に目の奥の痛みは、日ごとに強くなっていくのが特徴で、痛みと共に吐くという状態になります。
片頭痛や群発頭痛と似たような症状ですが、放置すると手遅れになる可能性もあるので、早めに医療機関に受診しましょう。基本的な頭痛の検査のほかに、CTやMRIなどの画像検査を行い診断されます。治療は手術が一般的です。この病気が発見される診断を行うためには、設備の整った大きい総合病院などに行かないといけないので、特にこの病気が危惧される症状が現れている人は、眼科ではなく総合病院を受診するようにしましょう。眼科にまず行く場合でもしっかりと細かく症状を伝え、総合病院などでの詳しい検査をするように紹介してもらえると待つ時間が少なくて済む場合もあります。
詳しくは、脳腫瘍の初期症状について!吐き気や頭痛に要注意!を読んでおきましょう。
脳動脈瘤
脳腫瘍と同じく、命に関わる恐ろしい疾患です。脳の動脈にできる瘤状のふくらみが脳動脈瘤です。多くが脳の太い動脈にできます。先天性で、高血圧の人に発症しやすく、まれに細菌や外傷が原因で起こることもあります。この脳動脈瘤が破裂すると、クモ膜下腔に血液が流出し、クモ膜下出血の原因の半数以上を占めるといわれています。
この脳動脈瘤はあまり珍しい疾患ではなく、40歳以上の成人では、5%ほどが発症しているといわれています。定期健診や脳ドック、脳のMRIなどの検査で発見されることが多いそうです。放置すると命の危険もある重大な疾患ですので、目の奥の痛みだけだからといって軽く考えるのはやめましょう。
原因は、遺伝的要因と生活環境といわれています。遺伝的な要素のほかに喫煙や高血圧、飲酒などの原因が発症しやすい原因といわれています。
手術による治療が一般的です。
うつ病
まれに神経内科的なことが原因で目の奥が痛むことがあります。
心の病気や自律神経などの異常によって、ストレスを受け、それが目の奥の痛みに感じることがあります。日頃から過剰なストレスを感じている場合は、一度心療内科に受診してみましょう。
また日頃からのケアとして、自分なりのストレス発散の方法を試したり、生活習慣や食生活などにも気をつけることで、自律神経を安定させることができます。心と身体のケアを同時に行うことが大切です。
うつ病に関する詳しい記述はうつ病は再発するの?症状や治療方法についてこちらを御覧ください。
自律神経失調症
自律神経失調症が目の血行を悪くしている原因の可能性があります。疲れ目や目の充血や目の下の隈や目の乾きやまぶたの腫れや視力の低下などの症状を訴える人の多くは足裏や足指などに何かしらの疾患を抱えている場合が多く見られます。
足裏の病気によって体のバランスが悪くなり、体の骨が歪んだり、足裏以外の部分でバランスを取ろうとするため、首や腰などを悪くしてしまい、自律神経失調症を併発します。
まずは、足裏に異常が起こり、それが自律神経失調症に繋がり、そこから肩や首などの血行と目の血行を悪くする事に繋がっていきます。
目の隈や目の充血や疲れ目などの症状をよく発生させる人はこのような病気の可能性があります。目だけを治療するのではなく、足の裏や体のバランス、自律神経などを整える事を意識してみれば症状が和らぐ可能性があるでしょう。
詳しくは自律神経失調症とうつ病の違いって?症状や対処についてを御覧ください。
ドライアイ
ドライアイは、涙の量や質の低下で目が傷つき起こる疾患です。テレビやパソコン、スマートフォンなどの画面の見すぎや上目遣いで画面を見るなどの行動が原因といわれています。
目を酷使すると症状も悪化し、目の乾きだけでなく、目の痛みや目の奥の痛みなどを引き起こします。対策は、一定時間で目を休ませるようにする、目薬をさす、などが有効です。
斜視
斜視は、黒目が真ん中ではなく、内側、または外側に向いた状態のことを指します。斜視は正常な黒目の位置よりもピントを合わせることに時間や筋力を使うので、疲れやすくなります。そのため目が痛くなったり、目の奥が痛くなったりします。
斜視は手術で矯正することが可能です。
斜視に関する詳しい記事は斜視の治し方とは?原因や症状、検査方法も紹介!を御覧ください。
自分で出来る解消法は?
辛い目の奥の痛みを緩和させる方法は無いのでしょうか?
まずは医療機関に受診して適切な診断を仰ぎ、治療を始めるのが一番ですが、時間がない場合や様子を見る場合は自分でその痛みを緩和させる方法を試してみても良いかもしれません。
あくまで眼精疲労の場合の対処法なので、その他の疾患や病気などの可能性がある場合は病院での診察を受けるようにしましょう。
目を休める
当たり前の方法ですが、目を休ませましょう。そのときに単に目をつぶって休むという方法もありますが、出来れば、身体もリラックスした状態で休憩を取りましょう。
目だけの疲れのほかに自律神経の疲れからくる目の奥の痛みもあります。まずは心身共にリラックスした状態で目を休ませましょう。
蒸しタオル
水で濡らしたタオルを軽く絞った状態でたたみ、電子レンジで1分ほどチンしてみましょう。簡単に蒸しタオルが出来上がります。取り出すときにはやけどに注意してください。
その蒸しタオルを軽く熱さをとばし目に当てておくと目の疲れが取れるような感じになります。一日中パソコンやスマートフォンなどの画面を見ているようなときに試してみてください。
マッサージやストレッチ
マッサージやストレッチを行って血行を良くすることで、目の周りに酸素や栄養を多く含んだ血液をたくさん送ってあげることで、目を回復させてあげましょう。目のマッサージを行うだけでなく、足の裏や肩や腰などの凝りも目の血流に関係しているので、そのような場所も一緒にほぐしてあげることも効果的です。
ツボを押してあげたり入浴することでも効果的でしょう。興奮状態にある交感神経を一旦休ませてリラックス状態にすることが目の回復には重要なので、痛みが大きくなってきた場合は一旦仕事などの原因になっていることから離れてみましょう。
就寝前のストレッチなども、凝り固まりやす筋肉や血行を伸ばし、柔らかくする効果があるので良いでしょう。
メガネやコンタクト
メガネやコンタクトを着用している人は、これらの度がしっかり自分の目に合っているのか確認しましょう。度があっていない場合、度がきつすぎる場合や両目で視力が違っている場合は疲れ目をより引き起こしやすくしている可能性があります。
視力は変化するものです。特にコンタクトを付けている人や、疲れ目をよく引き起こす人や目をよく擦る人などは視力が低下してしまう場合が高いです。最近ではネットなどでコンタクトレンズが購入でき、診察が必要なくなっているので知らないうちに視力の変化に気づかずに、同じ度のものを使用しているという事が起こりやすくなっています。
度が合っていない物を使用しているとさらなる視力低下も引き起こしてしまうので、定期的に視力検査をして自分に合った物を使用するようにしましょう。
光の調整
暗い所で作業をしていたり、パソコンやスマホの画面の光が強すぎたり太陽の反射光などが目に当たっている場合はその光の具合によって目が疲れている場合が考えられます。
部屋の電気は明るくし、画面の明るさの調整を行い、パソコンなどの光を強くしすぎないようにしましょう。特にパソコンなどの電子機器からはブルーライトが発生されているために目への影響が強くなっています。ブルーライトは紫外線の次に強い光と言われており厚生労働省からもパソコンなどの使用には1時間の使用で10分ほどの休憩を挟むことが推奨されています。
長時間このような光を目に取り込みすぎる事は避けて、同時に疲れやすい環境を生まないように部屋の明るさやパソコンの光の調節を行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
目の奥の痛みには、さまざまな原因があることがわかりました。単なる疲れだと思って放置し重大な疾患を見逃してしまわないように、早めに医療機関に受診しましょう。また目の疲れにも気を配り、年をとっても健康な目でいられるように定期健診など日常生活から目のケアを心がけましょう。
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