マグネシウムが不足するとおきる症状は?働きと効果的な摂取方法を紹介!

マグネシウムが不足すると、どんな病気にかかるか想像できますか?マグネシウムは体全体の酵素を補助する役割があり、不足すると様々な病気を引き起こします。マグネシウム不足になると糖尿病、心臓病、がん、脳卒中などの重大な病気にも発展する可能性もあります。

マグネシウムは、現在の食生活では不足しやすいと言われおり、積極的に摂取することが重要です。この記事でマグネシウムの役割や欠乏症、効率的な摂取の仕方を知って、重大な病気にかからないように予防しましょう。

マグネシウム不足について

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マグネシウムは必須ミネラルの1つですが、その認知度は低いように思います。今までは、ミネラルの中でもカルシウムだけが重要視されてきましたが、今ではマグネシウムが体に重要なミネラルであると注目を集めてきています。

ここでは、マグネシウムとは何か、またマグネシウムが不足することでどのような病気にかかる可能性があるのかご紹介します。

マグネシウム(Mg)って何?

マグネシウムは人にも植物にも不可欠な栄養素の1つで、豆類や藻類、種実類、魚介類に多く含まれています。日本人の食事は欧米食が入ってきたことや、加工食品などの利用で便利になってきたことで、マグネシウムが不足しがちになっていると言われています。

マグネシウムを摂取すると生活習慣病を予防できるだけでなく、抗ストレス作用やダイエット効果があると注目されている成分でもあるので、日常の生活で積極的に摂取する必要があります。また、マグネシウムは、体の様々な酵素に働きかける為、マグネシウムによる栄養対策をすれば、様々な病気のリスクを下げることも可能です。

食事摂取基準によるマグネシウムの目標摂取量は、成人男性で340mg、成人女性で270mgです。大豆の加工食品の中でも豆腐はマグネシウムの含有量に優れています。豆腐半分(150g)のマグネシウムの含有量は195mgと言われ、1丁食べれば1日の目安量をクリアすることができます。

また、マグネシウムは尿に流れやすいので、利尿剤摂取をしたり、アルコールやカリウムなどの利尿作用を含むものを摂取した時は、マグネシウムが欠乏しやすくなるので注意が必要です。マグネシウムは過剰摂取したとしても、尿で体外に排泄されるので過剰症がでる心配はありません。

マグネシウム欠乏症による疾患

マグネシウムは全身に作用し、約300種類もの酵素の働きを助けます。

その為、マグネシウムが不足すると、働けない酵素や動きが鈍くなる酵素がたくさん現れてくるので、様々な疾患が起こります。

マグネシウム欠乏症の原因

マグネシウムが欠乏する原因の1つとして、腸の吸収不良が挙げられます。また、大量に飲酒する方や頻繁に下痢をする方は体外にマグネシウムが流れやすく、欠乏症にかかりやすい傾向にあります。

他にも、リンの過剰摂取が原因として挙げられます。リンは乳製品や肉類、魚類にも含まれていますが、コーラや多くの炭酸飲料に用いられているリン酸は炭酸の1種であったり、食品添加物にも使用されています。

インスタント食品やコンビニ食を食べている人はリンを多く摂取している可能性があります。このリンはマグネシウムの相対的濃度を低下させると報告があります。

マグネシウム欠乏症の症状

マグネシウムが不足し、低マグネシウム血症になると吐き気、嘔吐、眠気、脱力感、疲れ、イライラ、筋肉の痙攣、震え、食欲不振などの症状が現れます。この時に病院で血液検査をした際に、マグネシウムの濃度が低いと低マグネシウム血症と診断されます。また、慢性的にマグネシウムが不足すると下記のような病気にかかるリスクが上がります。

■マグネシウム不足による疾患リスク

  • 筋肉:疲労、スタミナ不足、筋肉の低下、筋肉痛、手足のしびれ、痙攣、こむら返り
  • 骨:骨粗鬆症、骨や歯の形成不足
  • 血管:血栓、動脈硬化、虚血性心疾患、高血圧、脳卒中
  • 精神:イライラ、うつ病、集中力低下、不安、妄想、錯乱
  • 心臓:不整脈、心臓発作、心筋梗塞
  • その他:腎臓結石、糖尿病、糖尿病性腎症、がん、老化、喘息、気管支炎、肺気腫など・・・

マグネシウムの働きと病気のリスク

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体には20g程度のマグネシウムが存在し、そのうちの60%が骨、26%が筋肉に存在し、その他は体の至るところに存在して、様々な酵素を助ける働きをしています。

その数なんと、300種類以上です。体全体の働きを助けている為、不足することで様々な生活習慣病にかかりやすくなります。ここでは、マグネシウムの主な働きと病気にかかるリスクについてご紹介します。

骨や歯を形成する

骨や歯の形成と聞くと、カルシウムを想像する方もいますが、マグネシウムも大きく関わっています。体内に入ったマグネシウムの6割は骨や歯を形成するのに用いられます。骨の弾力を維持するために、カルシウムと一緒に働きます。

骨粗しょう症を気にしてカルシウムを積極的に摂取する人はいますが、カルシウムだけが多くなると、鉄やマグネシウムが使われずに骨の生育が悪くなる事がわかっています。他にもカルシウムだけでなくリンを多く摂取しても、骨の生育に悪影響を及ぼすと言われています。

このようにマグネシウムが不足すると、 骨粗しょう症や骨や歯の形成不全など骨がもろくなる病気にかかる可能性があります。

筋肉の収縮作用を助ける

マグネシウムは筋肉を正常に動かすように収縮する役割があります。筋肉になるタンパク質の合成を行う酵素を助け、カウシウムのが筋肉の細胞に入りすぎて痙攣を引き起さないように調整をしています。

体のいたるところに筋肉がありますが、重要な器官でいうと心臓も筋肉で動かされています。その為、マグネシウムが不足して心臓の筋肉が正常に収縮が行われなくなると、心筋梗塞、動脈硬化、不整脈などの心臓病にかかりやすくなります。他にも、疲れやすくなったり筋肉の低下、筋肉痛などが見られるようになります。

また、筋肉が正常に収縮していないと痙攣を起し、足がつる、こむらがえりなどが起こる原因になります。頻繁に足がつる人は、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルのバランスに問題はないか食生活を改善してみましょう。

下痢を起していたり、汗をかきすぎるとこれらのミネラルは外に排出されてしまうので、スポーツドリンクや水分補給ゼリーを摂取して補うのがオススメです。

血管を拡張して血圧を調整

高血圧になって動脈硬化へと症状が進行すると、カルシウムを取り込んだ細胞が動脈内にどんどんと沈着をはじめ血液の流れ妨げます。マグネシウムはこのカルシウムが沈着するのを防ぐ効果もあり、血管が詰まるのを防いでいます。マグネシウムはカルシウムが増えたとしても、血液の循環をよくしようと働いてくれるのです。

また、マグネシウムは血管を拡張して血圧を下げる効果もあります。その為、マグネシウムが不足すると高血圧や偏頭痛、血栓、動脈硬化、虚血性心疾患などのリスクが高まります。

血糖値を穏やかにする

食事を取るとブドウ糖が血液中に流れ、これをエネルギーに変えることで私達の脳や筋肉、内臓が働くことができます。この血液中を流れる血糖の量は食事をして1~2時間後をピークにして、次第に減ってくるようになり、血糖値はいつも一定の幅の中でコントロールされています。

これは、血糖が多くなりすぎるとインスリンというホルモンが分泌され、エネルギーとして利用したり、細胞内に蓄えて素早く処理しているからです。マグネシウムはこのインスリンの働きを助ける働きがあり、マグネシウムが不足するとインスリンの分泌が悪くなり糖尿病にかかりやすくなります。

従来、糖尿病は肥満の方がなりやすいと考えられていましたが、最近の研究ではマグネシウム不足の生活でも糖尿病に繋がるということが明らかにされています。欧米食になることで、和食でバランスよくとれていたマグネシウムが不足するだけでなく、カロリーの高い食事は内蔵脂肪が蓄積しやすく肥満になり、糖尿病になるリスクが上がります。

内臓肥満にくわえて運動不足の人は、インスリンの量は通常の倍以上必要になります。日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌量がもともと少ないという事もあり、日本人の体質には欧米食はあっていないと言えます。

また、この件に関しては、東京慈恵会医科大学教授の横田邦信先生も、マグネシウムと生活習慣病について指摘しています。

参照記事:マグネシウムと生活習慣病 現代の日本人の食生活はマグネシウム不足

精神を安定させる

マグネシウムは神経の伝達を正常にする働きもあり、興奮を抑えることが出来ます。

その為、マグネシウムが不足すると興奮性の神経伝達物質が増えてイライラする事が多くなったり、うつ、集中力の低下、不安感、神経過敏、錯乱などが現れる可能性が高まります。

体の代謝を活発にする

マグネシウムは体全体の酵素の働きに作用し、エネルギー代謝酵素の働きを助けます。その為、マグネシウムが不足すると体の代謝が悪くなり、太りやすい体質になります。マグネシウムを取り入れることはダイエットにも繋がると注目されています。マグネシウムのダイエット方法として有名なものは、にがりダイエット。

これは、豆腐をつくる時に使われるにがり(塩化マグネシウム)を摂取し、代謝をよくするというダイエット方法です。

頑張って食事制限をしても体脂肪がなかなか落ちないという人は、マグネシウム不足が原因かもしれません。マグネシウムを摂取することで代謝がよくなり、むくみや便秘を改善したり、脂肪燃焼に効果的になります。

マグネシウムの効率的な摂取方法

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1日のマグネシウムの目安摂取量は、男性340mg、女性270mgです。しかし都会に住んでいる女性は加工食品や冷凍食品で済ませる方も多く、女子大生の平均摂取量は200mg以下と報告されています。

ここでは、どのようにマグネシウムを摂取するのが効率的か、マグネシウムがたくさん含まれている食材や効率的な摂取方法についてご紹介します。

マグネシウムの多い食品を摂取

マグネシウムを摂取しようと思っている場合、マグネシウムが多く含んだ食材を毎日摂取するに心がけることが大切です。マグネシウムは、豆類や藻類、種実類、魚介類などに多く含まれています。納豆、豆腐、豆乳、味噌、きな粉、油揚げなど、大豆製品は日本食に欠かせないものでもあり、大豆製品が日常的に摂取しやすいです。他にも、下記の食材に多く含まれています。

■マグネシウムが多く含んでいる食材

  • 魚介類:いか、えび、たこ、貝類
  • 海藻類:わかめ、ひじき、めかぶ
  • 豆類:大豆、えんどう豆、がんもどき、豆腐
  • ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、ごま
  • その他:そば、ホウレンソウ、おくら、ごぼう、小麦胚芽、脱脂粉乳、抹茶

マグネシウムの吸収率を高める

マグネシウムの吸収率は、相性のいい栄養素を一緒に摂取することで相乗的に高めることができます。マグネシウムはカルシウムやビタミンC、有機酸と相性がよく吸収率や効果が高まります。

カルシウムを摂取

「骨粗しょう症を予防したい」「骨を強くしたい」と考えている方は、マグネシウムと一緒にカルシウムも積極的に摂取しましょう。マグネシウムが不足している生活の場合、カルシウム量も不足している可能性があります。

それは、マグネシウムがカルシウムの代謝に大きく関係しているからです。カルシウム摂取量はカルシウムとマグネシウムが2対1の割り合いになるようにして摂取する事が重要です。マグネシウムの摂取量よりもカルシウムの摂取量が3~4倍多くなると、虚血性心疾患などの心臓病での死亡率が高くなると言われています。その為、バランスよく摂取することが大切です。

また、カルシウムの吸収率にもマグネシウムが影響している為、この2つはどちらが欠けても上手く作用することができません。また、ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質などはカルシウムの吸収率を上げてくれるので合わせて取れば更に骨粗鬆予防に効果的です。

ビタミンCを摂取

マグネシウムの吸収率をあげる栄養素にビタミンCが挙げられます。

ビタミンCは、パセリやブロッコリーなどの緑黄色野菜や、レモンやイチゴなどの果物、緑茶などに豊富に含まれています。

有機酸を摂取

お酢やトマト、梅干やヨーグルト、ワインなど、一般的に口に入れた時に酸っぱさを感じる食べ物には有機酸が含まれています。これらの有機酸もマグネシウムだけでなくミネラル全般の吸収率を高める作用があります。

栄養機能食品

栄養機能食品とは、ビタミンやミネラルを補給するのに利用される補助食品のことです。特定の栄養成分の補給を目的として栄養成分の機能が表示されています。マグネシウムの場合は、サプリメントやにがりなどが一般的です。カルシウムなどの他の栄養素とあわせて販売されているものや、マグネシウムのみ含まれているものなど、様々なタイプの中から選ぶことができます。

サプリメントは持ち運びも楽でいつでも手軽に摂取できるのがメリットです。また、食事でどれくらいマグネシウムを摂取したか確認するよりも、サプリメントの方が楽に計算でき摂取不足の心配がありません。

マグネシウムは過剰摂取しても体外に排出され過剰症になる例は報告されていません。その為、サプリメントで補い、マグネシウムの含まれた食事を摂取しても問題ありません。インターネットでも手軽に購入でき、最短で翌日届けてくれます。

和食を中心とした食生活

大切な栄養素はマグネシウムだけではありません。私達の食生活はミネラル、徴量元素、ビタミン、たんぱく質、脂肪、炭水化物などがバランスよく整っていることが重要です。しかし、バランスの良い献立を毎回考えるのは大変です。ポイントとして、和食を中心とした食生活を意識するだけでもバランスのいい食生活に変えることができます。

和食は一汁三菜を基準として献立が作られ、理想的なバランスのとれた食事になりやすいと言われています。また、今回取り上げたマグネシウムは大豆に多く含まれています。古くから大豆製品を日本食に多く取り入れているので、和食を中心とした食生活を心がけるだけでも、食生活の見直しができます。

 おわりに

マグネシウムはミネラルの1つで、人や植物に必要な栄養素の1つです。和食中心の生活の人は、マグネシウムが不足している可能性は低いですが、コンビニ弁当や加工食品、欧米食を中心とした生活を送っている人は注意が必要です。

マグネシウムは体全体の働きに関係する為、不足すると様々な病気にかかることが予想されます。イライラしやすい、疲れている、食欲不振などの初期症状が見られた場合は、食生活の見直しだけでなく、サプリメントで積極的に補いましょう。

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