ウェグナー肉芽腫症とは?症状や原因、治療法を知ろう!

ウェグナー肉芽腫症と言う病名を聞いたことがありますか?現在は多発性血管炎性肉芽腫症と言われています。1939年にウェグナーと言う人の報告で、その人の名前がつけられ、昔はウェグナー肉芽腫症と言っていました。

全身の血管が壊死する極めて生命の危険のある病気です。でも現在では早期発見、早期治療で予後がとても良くなってきています。

ウェグナー肉芽腫症は現在難病指定の病気になっています。難病申請をされる事で、治療費やその他の点で生活の助けになると思います。

ウェグナー肉芽腫症について調べて見ましたので、一緒に見てみませんか?

ウェグナー肉芽腫症とは

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◆ウェグナー肉芽腫症とは1939年にドイツのウェグナーによって報告されました。免疫細胞の異常により発症する病気です。自分の免疫細胞が血管を炎症させる、血管炎症候群の病気です。非常にまれな病気で血管炎症候群に分類されます。

◆現在では多発性血管炎肉芽腫症と呼ばれ、ウェグナー肉芽腫症の呼び名は少なくなりました。食欲不振、発熱、全身のけん怠感など全身の異常によるものや、目、鼻、喉、腎臓、肺の炎症によるものが継続的にまた同時に起こります。

◆ヨーロッパの白人に多く男性は30~60代で女性は50~60代に多く発症する病気です。男女差は余りないようです。

◆ウェグナー肉芽腫症の人を見てみると、血液中に自己抗体を持っているひとが、発症しています。

自己抗体とは血液中に存在し、本来抗体を作らないはずのものが、自分たちの組織と違うと勘違いして、自己抗体をつくる自己免疫疾患の事です。

ウェグナー肉芽腫症には抗好中球細胞脂抗体、と言う自己抗体が患者には見つけられます。

◆年齢的には30~60代が多く、3年間の受診者数の率は死亡が21.2%、悪化が7.9%、不変が21.2%、軽い44.2%でした。

欧米ではHLAの膠原を持つ人が掛かるといわれていますが、日本ではHLAとの関係はなされていないそうです。

ウェグナー肉芽腫症とは全身の細い血管が炎症する病気です。そして壊死していきます。

ウェグナー肉芽腫症の原因

血液

上気道の細菌感染

真の原因は現在でもはっきりと解明はされていません。上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)による細菌感染がきっかけの事が多いです。

細菌感染が再発して、毒素や細菌等が侵入する事で、免疫が免疫反応を起こし、免疫細胞のT細胞を増殖させる、スーパー抗原ではないかとも言われています。

PR3-ANCA

最近PR3-ANCA(細胞質性抗好中球細胞質抗体)と炎症性サイトカイン(サイトカインが炎症している状態)で好中球が活発になって血管にへばりついた好中球から、タンパク分解酵素や活性酸素が放出される事で、肉芽腫や血管炎を起こすのではと考えられるそうです。

活性酸素は身体にとってとても悪い物ですから、これが放出される事は身体にとっていけないと言う事は分かりますが、タンパク分解酵素が排出されて、何故血管炎や肉芽腫を起こすのでしょうか?

たんぱく質分解酵素は炎症に大きく関わっている様です。タンパク質分解酵素が放出されると炎症は促進されるとの事です。

ウェグナー肉芽腫症の症状

褐色細胞腫

初期症状

初期症状は体重減少発熱上気道の症状として、視力低下、鼻出血、中耳炎、蓄膿症等の鼻水の漏れ(膿性鼻漏)、鞍鼻(アンビ=鼻の形が沈没する)咽喉頭潰瘍などを放置すると呼吸困難や血痰等の肺の症状も現れます。

ウェグナー肉芽腫症の70~80%が耳鼻咽喉頭科によるものです。鼻の症状としては、鼻水が漏れる(膿性鼻漏)や蓄膿症や鼻汁等の悪臭が進行するにつれて、鞍鼻になります。

鞍鼻とは鼻が陥没して、鼻の途中や鼻の元がへこんでいる状態です。また眼球突出や声のかすれた嗄声、眼痛、血痰、咳嗽(がいそう)等の症状がともないます。

中期症状

中期の症状は急速進行性腎炎に発展します。ウェグナー肉芽腫症が進行してくると6割の人が腎臓の炎症(腎炎)を発症します。急性進行性糸球体腎炎と呼ばれ、糸球体の異常が起こります。突然腎炎になり高血圧、血尿、尿の泡立ち、両足の足のむくみなどが出ます。

後期症状

手足がしびれたりする多発性神経炎や、関節の痛みの多発性関節痛や、赤い斑点が皮膚にできる紫斑等がでたりします。全身の血管の炎症が起こるので、38℃以上の熱もでます。

また臓器が炎症を起こす事で、炎症を起こす場所で違った症状を個々に起こします。例えば心臓の血管の流れが悪くなったりすると、心筋梗塞をおこしたり、胸膜炎のように肺に水がたまったり、腸から出血する消化管出血等も起こしたりします。

症状の種類

初期から中期後期の症状が出てくることを全身型と言います。また初期、中期や、中期、後期等二つの症状の時は限局型といいます。

ウェグナー肉芽腫症の症状の約半分が目の症状を訴えます。物が二重に見える、涙が出る、眼が腫れる等の症状です。また皮膚の症状、鞍鼻の症状などが現れます。全身型はこれらの他に、発熱や体重減少等の症状を伴います。

ウェグナー肉芽腫症の予防

◆風邪などでウイルスや細菌による上気道の肺感染の二次感染を起こしやすくなります。日和見感染症対策をすることが大切になってきます。

日和見感染症とは免疫力低下で身体が弱っている時に感染する、様々な病気感染の事をいいます。軽い風邪でもこの様な時は、ウェグナー肉芽腫症の様な病気にかかりやすくなります。

◆この病気は早期発見、早期治療が一番大切です。免疫抑制療法を長期に観察し続ける事が大切です。再発するめやすは、好中球菌の抗好中球細胞脂抗体の数値が、上がっていないか観察します。

◆予防には規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動が大切となります。それにより自分の免疫力の強化が行われる事で、ウェグナー肉芽腫症の予防ができます。

◆ウェグナー肉芽腫症の患者さんはステロイド剤や免疫抑制力を使用しているので、抵抗力が弱くなっています。ですからストレスのない、風邪を引かないようにして、また手洗いやうがいを励行する事が大切です。このような時は余り人込みには出ない方が、身体の為ですね。

ウェグナー肉芽腫症の治療

治療

免疫抑制治療

免疫抑制薬はイムラン、エンドキサン、メトトレキサート、リッキサン等の薬が使われます。免疫抑制剤を投与すると免疫力が弱くなるので、予防でも申しましたように、手洗いうがいの励行、風邪を引かない、ストレスを溜めない等、生活面で注意をしてください。

副腎皮膚ステロイド

◆初期治療にブレドロニゾンの使用や、ステロイドバルス法(大量点滴静注療法)等おこないます。

◆通常は免疫抑制剤薬と、副腎皮膚ステロイドを1ヶ月間投与します。様子を見ながら薬は減らしていきます。また再発しない様に長期間慎重な経過観察が必要となります。

◆ウェグナー肉芽腫症は早期発見して、臓器の炎症をなるべく早く抑える事で、病気が落ち着きます。免疫抑制薬と副腎皮膚ステロイドを投与する事で、症状を抑えられますが余り早くやめるとまた再発しますので、徐々に様子を見ながら、投与薬を減らしていきます。

ウェグナー肉芽腫症の病気で亡くなる事はあまりないですが、敗血症や呼吸器不全、肺感染症等で亡くなられる方おられます。

現在では早期発見、早期治療で、予後は改善傾向にあります。

ウェグナー肉芽腫症の重症度

病院

重症度1度

免疫療法のステロイドや免疫抑制薬を規定量投与するか、投薬なしで1年以上血管炎症の活動の症状がなく、血管症状による臓器の障害がないもので、1臓器以上の上気道の目、耳、鼻、咽喉頭等や、下気道の肺の症状があるものを示ものです。日常生活は支障を感じなく生活ができる患者を1度と規定しています。

重症度2度

上気道の目、耳、鼻、咽喉頭等や下気道の肺の症状のなかで、2臓器以上の症状があり、定期的に外来通院で免疫抑制療法が必要で、血管炎症状による元に戻らない臓器障害の、鞍鼻や副鼻腔炎等があり軽微な合併症をともない、介助無しで日常生活が過ごせる患者を、2度と規定しています。

重症度3度

腎臓障害やその他の臓器の炎症と、上気道の目、耳、鼻、咽喉頭等や、下気道の肺の症状があって元に戻らない臓器障害や合併症があり、時々再燃があって入院や免疫抑制療法を必要として日常生活に支障が出る患者を3度と規定しています。

重症度4度

重症度4度とは日常生活は一部介助が必要となり、腎臓障害やその他の臓器に炎症があって、上気道の目、耳、鼻、咽喉頭等や、下気道の肺の症状の異常をともない、生命予後に関係する症状が、元に戻らない臓器障害や重症な合併症があり、強力な免疫抑制療法と臓器障害や合併症のため3ヶ月以上の入院を必要とする患者です。

重症度5度

重症度5度とは常時入院治療を必要とする、厳重な治療管理と日常生活に常に介助が必要で、血管炎症による生命に重要な臓器の、元にも戻らない臓器障害があり重症な合併症の重症感染症やDICなどの症状を伴っている患者で、人工透析や、在宅酸素療法、経管栄養等の治療も含まれる患者を規定しています。

◆ウェグナー肉芽腫のこれらの重症度の分類は、難病申請の時に書きこまれるものと思います。ウェグナー肉芽腫も早期発見、早期治療ができれば、日常生活に支障なく生活もできるのでいかに早く発見されるかがカギとなります。

自分の身体は自分で管理しなければ、誰もしてくれません。少しの変化も見逃さず、自分の体調の変化が何か変と思った時は、迷わず専門医を訪れる事が大切な様に思います。

まとめ

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ウェグナー肉芽腫症の病気について、少しはお解り頂けましたでしょうか?稀な病気で余り患者数が多くないですが、現在は自分の免疫が自分の臓器を、傷つける病気が多く成っています。

ウェグナー肉芽腫症はヨーロッパの白人に多いとされていますが、日本でも年々増えてきています。原因がまだはっきりとは解りませんが、自分の免疫の異常からくるもので、最初は細菌に寄る耳鼻咽頭科によるものが70%を占めていますが、その後症状が進行するにつれて、内臓の臓器にも影響が出てきています。

ウェグナー肉芽腫症は今は少なくても、これから増えるかも知れません。その為にも早期発見早期治療にこのサイトが少しでもお役に立てれば幸いです。

  
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