体温調節できない原因は?自律神経との関係と改善方法も知っておこう!

体温調節ができない…。暑くても寒くても、常に体が冷えている、または暑いといった場合は、体本来の機能がうまく働いていないのかもしれません。

私たちの体は体温によってさまざまな症状を引き起こします。冷え性が進んだら肩こりが併発し、体温が上昇し頭痛になりやすくなるなどといったケースがあります。

もし、体温調節がうまく出来ないと感じているのであれば、それは自律神経失調症である可能性があります。

特に子供や更年期以降の年齢層、ストレスが蓄積している人がこの問題につながりやすいです。どうして体温調節が上手に出来ないのか体温調節のメカニズムや原因について知っていきましょう。

体温調節ってどうやって行っているの?

汗

体温調節って自然に体温は上下していますよね。意識的に体温を常に変化させている人は居ないと思います。

これは人間が恒温動物だからです。恒温動物には以下の特徴があります。

正常な体は体温が一定

私たちの体の体温は、ほぼ一定に保たれるようにできています。どんな環境であったとしても、体がきちんと機能するために体温は理想体温である約36〜37度で保たれています。これが恒温動物の特徴です。

とはいえ、厳密には誰もがみんな同じ温度を必ずしもキープするわけではありません。

平均体温以下の人もいれば、平均よりやや高いひともいます。さらに、年齢によっても変わります。わかりやすい例は、幼児は体温が高く、年齢を重ねた人ほど低めです。

また、一日のうちでも体温は変動します。朝は体温が低く、日中は活動することによりもっとも高くなります。食後にも体温は上昇しますね。このように微差はあるものの、大きな変動はなく、一定に保たれています。

人間はどうやって体温を調節している?

主に自律神経が体温をコントロールしています。自律神経は身体の血管の収縮拡張、毛穴の拡張、汗の分泌、唾液などの粘膜液の分泌、心拍数のコントロールやその他臓器の生命維持活動を行ってくれている自動装置です

汗が乾いた時には身体は冷えますよね。毛穴からは熱を放出しています。逆に毛穴を閉じれば熱を逃さないようにすることも出来ますし、寒い時に発生する鳥肌がそれにあたります。他にも唾液で口内を湿らせているのは肺の中に熱い空気を送らないために冷やしている為でもあったり、血管を拡張して沢山の血液を身体に送り込み体温を上昇することも出来ます。

この様に正常に自律神経を保っていることで自然と体温が調節されるのです。なのでこの自律神経が十分に働いて居ないと、体温が下がりすぎたり、それによって免疫力が低下して風邪をひきやすかったりします。

体温調整ができないのは何故?

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体温調節が出来ない原因について紹介します。自律神経の乱れや、体温がすぐに冷えてしまう、のぼせるなどの症状がどうして起こるのかを見ていきましょう。

自律神経が乱れてしまっている

先程も言ったように自律神経が乱れてしまうことで体温の調節機能が不安定になってしまっていることが大きな原因と考えられます

ではこの自律神経はどうして乱れてしまうのでしょうか?その原因を見ていきましょう。

自律神経とは?

まず自律神経についてもっと詳しく知ることでなんとなくどうして体温が調節できなくなってしまうのかが理解るようになります。自律神経とは、末端神経のひとつで、体に指令を届ける神経です。

自律神経は、交感神経と副交感神経の二つの神経が代わりばんこに働くことでバランスを保っています。通常、昼間は交感神経、夜間は副交感神経が働きます

交感神経は、運動や労働、緊張感、危機感などに対応して働き血管を収縮して血圧を上昇させたり心臓を活発に動かしています

副交感神経は、休む、くつろぐ時によく働きます。副交感神経が働いているときは体が休息モードへ入り蓄積している身体的ダメージの修復や脳の休息効果を得ることが出来ます。休息時には血管を拡張して血圧は穏やかになり心拍数も低下します。

この二つのバランスが崩れてしまうと活動バランスが崩れて体温が調節できなくなるのです

自律神経を乱す原因は?

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ではその自律神経が乱れる原因を紹介します。どういった行為や生活習慣が自律神経が乱れる元になるのか、当てはまる物を探していきましょう。

ストレス

最も頻繁に、しかも簡単に自律神経を乱れさせてしまうのはストレスです

ストレスは交感神経を刺激します。高ストレス状態では身体が休まらないということからもわかるようにストレスが交感神経を常に優位な状態にしてしまって、身体が休まらずに自律神経のバランスが崩れて誤作動を引き起こします

血管の収縮や動悸などの症状により、身体の冷えや乾燥を感じるようになります。

ストレスには精神的なものと肉体的な物がありますが、どちらか片方でも乱れる原因になりますし、両方だと更に影響は大きくなります。

適度にストレスを発散させることと、日中でも休息をはさみながら神経を休める時間を設けることが大切です。

汗が上手くかけない

子供に多い原因です。クーラーの効いた部屋で長時間過ごしている人も汗がかけないことで身体にだるさが発生する場合があります。これは汗が上手くかけていないことで効率よく身体の熱を外に放出できずにいることが原因です。

皮膚表面の温度と内部の温度で誤差が生じてしまうことで汗腺が正常に機能せずに体温が上昇し自律神経も乱れてしまいます。

しかし、だからといってクーラーを使用しない場合は夏場は特に脱水症状の危険性もあります。温度設定も26℃〜28℃を基準に10℃以上外気との温度の差を付けないようにしましょう。

室内を26℃にするということはクーラーから出ている風はもっと冷えています。なので風に直接当たらないようにする必要もあります。

睡眠不足

睡眠不足が発生していると、しっかり休息が取れていないことに繋がるので自律神経が乱れてしまいます。

短時間の睡眠、睡眠前にスマホなどを見ている、運動不足である。これらの理由も睡眠不足に繋がります。睡眠の質が低下してしまうのでしっかり睡眠時間が確保されていても自律神経の乱れに繋がることもあります。

睡眠は副交感神経が最も優位に働いて日中のダメージや疲労を回復する瞬間です。しかしレム睡眠が長く、深い眠りのノンレム睡眠が短いとどうしても睡眠の効果は低下してしまいます。

下着類にも要注意

冷えの原因のひとつとして、服装も問題になっている場合があります

スキニーデニムや締め付けが強いレギンスなどのピタッとした服装は体を締め付け、血行を悪くしてしまいます。下着やガードルなどでも同様です。サイズの合っていない下着類をはき続けることで血行が悪くなり、末端神経を冷えさせてしまいます。

また、締め付けることで、皮膚感覚が鈍り、寒くなっても自律神経が働かず寒さを感知できないことで、冷えが加速してしまいます

更年期の症状としても現れる

更年期に入ると、様々な症状が精神と体に現れ、「更年期障害」と呼ばれます。体の反応として主なものにが「多汗」「ほてり」「のぼせ」です。

この症状も体温調節ができなくなっているために現れるものです。それはなぜでしょうか?

まず、考えられるのが女性ホルモンの減少です。仕組みとしては、更年期に入ると女性ホルモンが減少し、排卵が起こらなくなるため、生理が止まります。生理がある時の体は、低温期と高温期が交互に訪れますが、生理がなくなることで低温期の状態がずっと続くことになります。そのため、体温調節に影響を与えてしまいます。

また、常に汗をかく、という症状も更年期障害の特徴です。別名「ホットフラッシュ」とも呼ばれています。これは女性ホルモンの減少により、自律神経のバランスに大きくかかわるエストロゲンというホルモンが低下します。このホルモンは、血管の拡張と収縮をコントロールする働きがありますが、働きが弱くなることで、汗をコントロールする機能が働かなくなります。結果、環境や時間などに関わらず、汗をかきやすくなってしまいます。

体温調節機能が正常に働かない子供が増えている!?

子供

現代の子供に体温異常が発生している子供が増加しているって知っていましたか?体温の調節機能がバランスを失っていて、常に不安定な状態を行き来しています。

その理由や実際にどれくらい症状を抱えている子供がいるのかを紹介します。

4歳~10歳の子供に問題が

小さなお子さんを抱えている保護者の方にKIRINがとったアンケートでは以下の様な結果が出ています。

年月:2012年4月

対象年齢:4歳~10歳 人数:400人 地域:埼玉

平熱が低体温であった児童(36℃未満)=18%

平熱が高体温であった児童(37℃以上)=19%

正常値の児童(36℃台)=63%

KIRINアンケート

合計すると約4割の子供に異常値が確認されました。

これらの子供は自律神経が正常に働いていない事が予測されます。低体温であった児童の統計では10歳の子供の割合が多かったこという傾向がありました。

理由について

現代の子供はクーラーが効いた部屋で過ごす時間が増加しているので、汗をかく機会が減少している。

就寝時間が遅くなっている。

食生活の欧米化で身体に変化がうまれている。

腸内環境が悪化している。

ゲームなどで遊ぶ機会が増え、運動不足になっている。

などなどの理由が関係しているのではないかと思われます。この生活習慣の変化によって汗腺が成長せずに汗をかく機能が正常に働かず、皮膚からの体温調節ができなくなっている事が体温調節が苦手な子供が増加している最も大きな原因でしょう。

もしかしたら田舎ではまた違った結果になるかもしれません。

体温調節機能を整えるには

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自律神経が乱れることなく、正常に機能することで体温を正常に保つことができます。そこで、日々の暮らしの中でできるケアをご紹介します。

質の良い睡眠

普段よく眠れていますか?

自律神経は睡眠不足にとても弱いと言われています。眠りの質はもちろん、睡眠時間も重要です。4時間以上の睡眠をまとめてとることが、ホルモン分泌にも良いとされています。細切れではなくまとめてしっかり睡眠を取ることで、体温調節機能も安定していきます。

また、浅い眠りは知らぬうちにストレスを与え、自律神経が乱れやすくなってしまいます。睡眠前のスマートフォンやPCの使用は避ける、カフェインや飲酒の摂取を控えるなどして、質のいい睡眠を心がけましょう。

もし、眠れないなどの睡眠障害がある場合は、自律神経の低下を招く一方となりますので、早めに専門医や、内科、神経内科などに相談してみましょう。

ビタミンBとミネラルをたっぷり

女性に多いのが無理なダイエットや食事制限などによるビタミン、ミネラル不足。ビタミンの中でも特にB群とミネラルが不足すると、自律神経を乱しやすく、ストレスを受けやすい体になってしまいます。ビタミンB1・B6・B12は、神経伝達や脳の神経に大きな関わりを持つビタミンです。

また、ミネラルの中でもマグネシウムは神経の働きやホルモン分泌に必要なミネラルです。日頃から意識して、これらが多く含まれる食材を食事に取り入れるようにしましょう。

食事として取り入れるなら以下のような食材がおすすめです。

<ビタミンB1>

*30〜40代で必要なビタミンB1摂取量は1日につき男性で1.4mg、女性で1.1mgです。

  • 豚ヒレ肉(100g中の含有量は0.98mg)
  • 豚モモ肉(100g中の含有量は0.91mg)
  • ハム(100g中の含有量は0.90mg)
  • 大豆(100g中の含有量は0.83mg)

<ビタミンB6>

*30〜40代で必要なビタミンB6摂取量は1日につき男性で1.4mg、女性で1.2mgです。

  • ニンニク(100g中の含有量は1.50mg)
  • マグロ(100g中の含有量は0.94mg)
  • 酒粕(100g中の含有量は0.94mg)

<ビタミンB12>

*1日の摂取量は微量です。12歳以上の男女ともに1日の推定平均量は0マイクログラム(マイクログラム=1mgの千分の一の単位)

  • しじみ(100g中の含有量は4マイクログラム)
  • 赤貝(100g中の含有量は2マイクログラム)
  • すじこ(100g中の含有量は9マイクログラム)
  • 牛レバー(100g中の含有量は52、8マイクログラム)

<マグネシウム>

*マグネシウム摂取量は、1日につき成人男性で340g、成人女性で270gです。

  • あおさ(100g中の含有量は3200mg)
  • 大豆(100g中の含有量は110mg)
  • きなこ(100g中の含有量は17mg)
  • アーモンド(100g中の含有量は270mg)

また、外食が多い人は手軽に取り入れられるサプリメントもおすすめです。

ストレスを溜めこまない

自律神経はストレスにとても弱いです。ストレスは精神的なものと思いがちですが、

他にも構造的なもの(骨盤のゆがみや体の問題)、科学的なもの(排気ガス、化学物質、食べ物の過不足)、温度や湿度などの環境(暑い、寒い、蒸すなど)もすべて含まれています。これらのストレスの元となるものが脳に影響を及ぼします。そうすると、脳が体温調節を含めた体の機能を働かせる指令を出しにくくなってしまいます。

ストレスをためない工夫はもちろん、適度なストレスを克服することで、よりストレスを受けにくい体と心にシフトしていきます。ちなみに、ストレスという言葉を生み出し、ストレスの研究でノーベル賞を受賞したストレス・セリエ博士の「ストレスとは、人生のスパイスだ」という名言があるように、現代人にとってストレスをゼロにすることは不可能です。

常にストレスがある状態でいながらも、それを克服するモチベーションが私たちの心身を活性化しています。

腸内環境をよくする

植物性乳酸菌や動物性乳酸菌、ビフィズス菌など善玉菌と呼ばれる腸内細菌を増やすことで腸内環境をよくして免疫機能を向上させるとともに、ストレスの軽減にも繋がり体温調節機能が正常に働きやすくなります。

乳酸菌を含む食材はヨーグルト、チーズ、漬物など。もちろん運動などを行うことも重要ですが、それでもなかなか改善されない場合は乳酸菌を摂取してみると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。体温調節ができない方は、まず自分の体と心の状態を見つめてみましょう。そして、自律神経を乱すような生活をしているかをチェックし、日々できるケアをしてみましょう。少しの心がけと行動で体は確実に変化していきます。

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