骨髄異形成症候群とは?症状や原因、治療法や病気の予後を知ろう!完治は難しい病気なの?

血液の病気と聞くと白血病なんかを思い浮かべるかもしれません。血液は私たちの体内を絶えず駆け巡り、栄養を届けていますが、一度病気になってしまうと、その影響は計り知れません。

そんな血液の病気の1つに「骨髄異形成症候群」があります。これは白血病と同じように血液に異常が出る病気で、発病者を大きく苦しめることがあります。では、この病気の原因や症状、治療法などについて詳しくみていきましょう。

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骨髄異形成症候群とは?

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血液は骨の内部にある骨髄と呼ばれる場所で作られています。骨髄にはさらに造血幹細胞と呼ばれる細胞があります。この細胞が血液中の成分に分化していきます。

骨髄異形成症候群とは、この血液の大元である造血幹細胞に異常が起こり、血液成分が正常に作られなくなってしまう病気です。血液成分が正常に生成されないと様々な症状を起こします。

血液成分とは

血液成分は主に赤血球、白血球、血小板があります。まずはこれらのことについて詳しくみていきましょう。

赤血球

中央がくぼんだ赤く丸い円盤状の形をしています。赤血球の形はなんとなくわかるという人も多いのではないでしょうか。赤血球は酸素を細胞に運び、そして不要になった二酸化炭素を運び出す役割があります。

よく貧血を起こすという人は、血液中の赤血球の値が少ないということがあります。また、骨髄異形成症候群でも赤血球が正常に作られなくなると、重度の貧血症状を発症します。

さらに赤血球が少なくなると、全身の倦怠感、息切れ、めまいなどを発症します。日常生活のちょっとした動作で体が疲れてしまうので、生活するのが非常に辛くなります。

白血球

白血球はいわば体の警官。体に侵入した異物の察知、殺菌を行う細胞です。私たちが何かのウィルスや細菌に感染しても、元気になれるのはこの白血球のおかげです。

骨髄異形成症候群で白血球の数が減少すると、異物に対する体の防衛ができなくなるため、感染症に容易に感染しやすくなります。簡単な風邪でも気をつける必要があります。

白血球が減少しているときに何かしらの感染症に感染すると、発熱や倦怠感を感じます。また症状は長引き、かなり辛い思いをすることになるでしょう。

血小板

血小板は血液の凝固成分です。例えば怪我をして出血してしまったとき、血液は固まりますよね。出血を止め、それ以上血液が流れ出すのを防ぎます。これが血小板の役割です。

骨髄異形成症候群によって血小板が減少すると、ちょっとしたぶつかりでも内出血を起こし、あざができやすいといった症状がみられます。また、頻繁に歯茎からの出血、鼻血が起こります。

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骨髄異形成症候群の症状とは?

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骨髄異形成症候群によって血液成分が正常に作られなくなると、その症状は全身に渡ります。具体的には以下の症状を発症します。

貧血症状

酸素を運ぶ赤血球が減少しているため、細胞に適切な量の酸素を運ぶことができません。その結果、貧血症状を発症します。具体的にはめまい、たちくらみ、倦怠感、疲労感などです。

貧血症状は日常生活のちょっとした動作でも起こります。それは椅子の立ち上がりや階段の上り下りなどでもあらわれます。日常動作でも症状があらわれますから、精神的にもかなり負担がかかるでしょう。

風邪をひきやすくなる

体の防衛システムである白血球が正常に働かなくなると、感染症にかかりやすくなります。発熱や倦怠感。その他、風邪症状が長引き、治りにくくなります。

風邪と一言にいっても重篤な病気を招いていることがあります。それは検査をしなければ、なかなかわかることではないですから、症状が長引いているときは早急な対応をするようにしましょう。

血が止まりにくくなる・出血しやすくなる

血液を凝固させる血小板の量が減少すると、些細な怪我でも大ごとになります。血液はいつまでも流れ続けるため、早急な対処が必要になるでしょう。

また、ちょっとしたモノとのぶつかりで内出血を起こします。見覚えのないあざができていたり、鼻血がよくでるといった症状もみられます。出血に関してかなり気を配らなければならなくなるでしょう。

無症状のまま発見されることがある

血液中の成分が少ないからといって、そのことは目でわかるわけではありません。きちんとした血液検査を行うことで初めてそうであるとわかります。

そのため、骨髄異形成症候群と診断されるのは血液検査を行い、血液成分が減少していると結果がでて初めてわかることがあるのです。それは上記のような症状が出ていても、気づくことは少ないのです。

例えば、最近どうも貧血気味である。そう思っていても、まさか病気とは思いませんよね。単なる疲れであったり、睡眠不足である。そう判断するのが普通かもしれません。

ただ、やはり貧血症状、風邪症状の長引き、血液が止まりにくいなどの症状がみられるときは血液に何かしらの病気が潜んでいるかもしれません。そういう自覚症状があるときは、病院へ行くようにしましょう。

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骨髄異形成症候群の原因とは?

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この病気の原因は現在でも不明です。家族の誰かが発病したから、子供も発症するというような遺伝的な要因も確認されていません。もちろん、感染するということもありません。

ただ、一方で過去の治療が原因なのではないかということもいわれています。それはガン治療の一環で処方された抗がん剤や放射線治療。これらをきっかけとして発病するのではないかと考えられています。

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骨髄異形成症候群の進行

病気はいくつかの段階に分類され、血液中の成分に大きな変化が起こります。それは血液成分に成長できず、未熟なままの芽球と呼ばれる細胞が作られてしまうこと。そして血液成分の量に変化が起こります。具体的には以下のように分類されます。

不応性貧血(RA)

血液中の芽球濃度が1%より小さく、骨髄中の芽球濃度が5%より小さい状態です。貧血と名のつくように、同時に血液中の赤血球量が少なく、重度の貧血症状がみられます。白血球、血小板の数は正常です。

鉄芽球性不応性貧血(RARS)

赤血球になる前の細胞を血芽球といいます。この血芽球に鉄顆粒とよばれる成分が付着している状態で起こる貧血を「鉄芽球性不応性貧血」といいます。こちらも白血球、血小板の数は正常です。

多血球系異形成を伴う不応性血球減少症 (RCMD)

血液・骨髄中の芽球の濃度は不応性貧血と同様の状態ながらも、2種類以上の血液細胞が非常に少なくなっている状態です。

多血球異形成を伴う鉄芽球性不応性貧血 (RCMD-RS)

RCMDと同様の症状を発症します。このタイプの特徴は鉄芽球性という名の通り、芽球に鉄が付着している状態で、その数が非常に増えてしまっています。血液成分も2種類以上、数が少なくなっています。

芽球増加型不応性貧血 (RAEB)

芽球量が増加している状態です。血液中で5-19%、骨髄中で5-19%という濃度になるとこの状態であると判断できます。

5q-症候群

赤血球の数が少なく、過度な貧血症状がみられます。血液・骨髄中の芽球は5%未満です。5番目の染色体に異常があることが特徴です。

分類不能型骨髄異形成症候群

どの分類にも当てはまらない病態です。血液の中でもどれか一種類が極度に数が少ないという特徴があります。ただ、芽球の量は血液・骨髄中でも正常値であり、他の病気とは異なります。

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骨髄異形成症候群の治療とは?

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骨髄異形成症候群では症状に合わせていくつかの治療を行なっていきます。具体的には以下の治療法があげられます。

造血幹細胞移植

血液を作る造血幹細胞を他の人から移植してもらう治療法です。一応の効果が期待できるものの、治療や後遺症にはかなりの負担がかかる恐れがあり、治療を開始する際には医師と十分な相談が必要です。

幹細胞を移植する前には抗がん剤の投与、放射線の照射といったかなり強い治療が行われます。これは移植全処置と呼びます。移植前に血液中に増えてしまった異常細胞を除去し、ドナーに移植後、造血幹細胞の拒否が起こらないようにするための処置です。

抗がん剤治療

その名の通り、薬剤を用いて病気を治療する方法です。治療といっても血液中の芽球濃度を下げるといった症状緩和の効果を期待するのが精一杯でしょう。

ただ、年齢や体力の関係で造血幹細胞移植ができない患者に対して行うことがあり、また一応の効果があるので有効な治療法といえることができるでしょう。

免疫抑制療法

血液を作る造血幹細胞が白血球の一種であるリンパ球に攻撃を受けていることがあります。造血幹細胞が破壊され、正常に血液が作られなくなるという原因が免疫システムの異常ということがあるのですね。

このリンパ球の働き、つまり免疫システムを抑制し、症状を緩和するのが免疫抑制療法です。ただ、免疫システムを抑制してしまうデメリットとして、感染症にかかりやすくなるという点があります。

その他の治療法

根本的な治療が難しい骨髄異形成症候群。その症状を緩和するために行われる治療は上記以外にもあります。例えば、支持療法と呼ばれる方法がその1つです。

支持療法とは、病気の進行に伴って発症する症状等をなるべく緩和し、合併症を予防することをいいます。例えば、白血球が少なくなると感染症にかかりやすくなってしまいます。

感染症予防のために身の回りの環境を清潔にする。もしくは、感染症に対する抗細菌薬・抗ウィルス薬の投与を行う、などがあります。貧血症状がみられるときは輸血を行うこともあります。

QOLの向上

Quality of Lifeという言葉があります。これは生活の質と言う意味ですが、しばし病気の発病後に使われる言葉です。頭文字を取ってQOLと呼ばれることもあります。

病気の進行によって生活の質が下がってしまうと、精神的にもかなりの負担を課してしまいます。このようなことを避け、なるべくQOLをあげようという試みもあります。

症状を緩和し、なるべく自活した生活を送れるようサポートしてあげる。そのようなケアの仕方、病気との付き合い方もあるのです。

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骨髄異形成症候群で気をつけること

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骨髄異形成症候群を発病してしまった時、生活をしている中でいくつか注意すべきことがあります。それは症状の悪化を防ぎ、生活の質を上げるためにもとても重要なことです。具体的には以下のことがあげられます。

感染予防

骨髄異形成症候群では白血球の数が少なくなっています。このため、外部のウィルスや細菌の感染を予防する必要があります。感染してしまうと重症化しやすいため、注意が必要です。感染予防として具体的に以下のことができるでしょう。

  • 手指を清潔に保つ(石鹸できちんと洗う)
  • 口腔を清潔に保つ
  • 体を清潔に保つ
  • 外出時にはマスクを着用する

出血予防

血小板の減少により、些細な出血でも止血が難しいことがあります。このため、日常生活の中でなるべく出血しないように気をつける必要があります。出血予防として具体的に以下のことができるでしょう。

  • 肌の露出を避ける
  • アルコールを控える(血小板機能を下げてしまいます)
  • 毛の柔らかい歯ブラシを使う
  • 便秘を避ける

食事に気をつける

感染予防につながりますが、食品に関しても注意すべきことがあります。食品から細菌を体内に入れてしまうことがあるからです。

以下の食材には気をつけるようにしましょう。

  • 生の食べ物
  • 発酵食品
  • 漬物

楽しみを持つ

病気になってしまうとどうしても気分が暗くなってしまうということがあります。特にこの病気は制限を受けることがあり、なかなか自由がないなんてこともあるかもしれません。

しかし、そのような状況でも楽しみを見つけることが精神衛生上とても重要です。長い病気生活の中で自分の趣味を見つけ、没頭する。これが意外と病気治療において重要なことだったりします。

バランスの良い食事

病気を患っている中でもきちんとした食事をすることが大切です。食べ物は私たちの体を作り、健康を左右します。ジャンクなものを食べるということはなかなかないと思いますが、栄養の多い食材を食べるようにしましょう。

運動をする

体を動かすことは体の健康を維持するためにとても重要なことです。また精神的にも晴れやかな気持ちにしてくれます。部屋に閉じこもるのではなく、運動習慣を身につけることをオススメします。

十分な休息をとる

日常生活の中でちょっとした動作に疲れてしまうということがあります。そのようなときは、無理をせずきちんと休むようにしましょう。無理は禁物です。

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骨髄異形成症候群との付き合い方

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例えば生活習慣病という高血圧や高脂血症などの症状は、生活習慣を改善することで一定の効果を得ることができます。きちんとした習慣を送ることで、病気を治すことができるのですね。

しかし、骨髄異形成症候群は骨髄の病気。正常な血液が作られなくなってしまうわけですから、生活習慣を改善しようにも良くなることはありません。これは他の病気と少し違うところといえるでしょう。

だからといって生活習慣をおろそかにしても良いというわけではありませんよね。。病気になってしまうと誰しも気分が落ち込み、将来を悲観してしまうかもしれません。ましてや、治療が難しい病気ですからなおさらです。

ですが、病気であっても生活習慣を規則正しく過ごすことはとても重要です。特に心の持ち方を変えることが病気に立ち向かうために必要なことです。

QOLのお話をしましたが、生活の質を高めることは人生を楽しむためにとても重要なことです。病気だから、という理由で悲観したり、ネガティブになることはないのです。

その心の持ち方はとても難しいかもしれません。しかし、悲観したところで現状は変わらないとわかると、もっと有意義に時間を使おうと思うことがあります。

家族との時間。自分の趣味の時間。体に良いことをしたり、楽しいことをする。心の栄養となることをして、気分を向上させることは、病気治療において重要です。

淡々と治療が進んでいくわけではありません。そこには患者自身の思いがあるわけです。前向きに治療に臨むか、後ろ向きに過ごすか。その姿勢が今後の回復を決めることもあるのです。

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まとめ

骨髄異形成症候群は非常に稀な病気です。そして、一度発病してしまうと、生活の様々な部分で気をつけなければならないことが増えることでしょう。気にしなくてもいいことに気を配らなかければなりませんし、些細な症状にもすぐさま対応する必要があるでしょう。

ただ、そんな状況下でも気持ちだけは前向きになる。そうすれば、病気の中に心の安定を見つけることができるのかもしれません。

そして、病気を通じて、自分の身の回りの大切なもの。大切な時間。これらのものを再確認するきっかけになるのだと思います。

1つの病気を病気として捉えるか。それとも、きっかけとして捉えるか。気持ちの持ちようを変えてみてください。

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