大腸がんの手術の方法は?手術後の注意点や食事について!

今年6月、国立がん研究センターが全国47都道府県のがん患者数の最新データ(2012年度)を発表しました。2011年度から2012年度の1年で、がんと診断された人は1万4000人も増え、推計で86万5283人のがん患者がいるというデータが出ました。

部位別にみると、男性の大腸がんは2011年度に4位でしたが、1年の間に急増し、最新データによると2位という結果になったそうです。ちなみに女性の場合は、乳房、大腸、胃、肺、子宮の順で、大腸がんはここ数年変わらず2位をキープ。男女共に増えている大腸がんにはどんな手術方法があるのでしょうか。

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大腸とは?

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まずは、大腸について知っておきましょう。

大腸について

約1.6メートルの管である大腸は、盲腸から始まり上行(じょうこう)結腸、横行(おうこう)結腸、下行(かこう)結腸、S状結腸、直腸の6つのパーツで構成されています。盲腸からS状結腸までを結腸と呼びます。この大腸は食べ物が消化・吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収してから大便として排出させます。

大腸の壁の構造は、層状になっており、内側は滑らかな粘膜になっています。このおかげで、大便を肛門までスムーズに運びます。大腸の中は、大腸菌や乳酸菌などの100種類以上もの腸内細菌が存在しており、食物繊維の分解や感染予防などの働きもしています。

そして、大腸の周辺にはリンパ管や血管、神経が張り巡らされています。

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大腸がんについて

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大腸がんについて紹介します。

大腸がんの症状

がんの中でも大腸がんの初期は自覚症状のないがんとして有名です。無自覚かつ無症状のため、がんがある程度進行して出血や血便などの異常で気づくケースもありますが、それでもがんと結びつけて考える人が少ないようです。

なぜ無症状かというと、大腸がんの壁の内側にある粘膜にできたポリープ(良性の腫瘍)ががんに変化する場合があるからです。粘膜にあるうちはなかなか症状が表れません。粘膜からさらに広がり、大腸の壁の外側にまで腫瘍が膨らむと症状が現れてきます。

そして、次のような症状が現れてきます。

  • 血便が出る
  • 便が細くなる
  • 便が残っている感じがする
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 肛門から出血する

その他には、お腹にしこりを感じる、お腹の張りを感じる場合があります。このような症状から進行すると、出血により貧血やめまいを起こしたり、腫瘍が大きくなってしまい便が排出できず腸閉塞の状態になってしまうことがあります。ここまで進むと腹痛や吐き気も伴ってきます。

原因については、大腸がんの原因とは?運動不足や食生活に要注意!を読んでおきましょう。

腫瘍のできる場所

大腸が構成される5つのパーツのどこに腫瘍ができるかによって、異常に気づけるかそうでないかが変わってきます。

というのも、便は5つのパーツを順に通っていく過程で、液状から固形化していきます。盲腸の上にある上行結腸やその横にある横行結腸に腫瘍ができている場合は、この時点で出血があったとしても、まだ便は液状のため混じっても血便としてはなりにくく、自覚が起きにくいのです。

一方で、下行結腸やS状結腸に腫瘍ができている場合は、便が固形化しているため、がんの腫瘍の出血が付着すると気づきやすく、便が通るのを腫瘍が妨げることで細い便になるなど、異常を感じやすくなります。さらに、直腸に腫瘍ができる場合は、肛門に一番近いため、最も敏感に感じます。便が残るように感じたり、下痢や便秘を繰り返すようになります。

大腸がん検診

大腸がんの検診は主に問診と便潜血検査の2つの検査があります。

これは、市町村や職場で実施される検診に参加するほか、個人では人間ドックで申し込むことができます。まず問診の場合は、大腸がんの主な症状である血便や便が細くなっていないか、下痢や便秘を繰り返すなどがないかを医師が質問します。また、遺伝によってがんの可能性もあるため、家族や兄弟にがん患者がいないかを聞かれることもあります。

便潜血検査は、便に混じった血液を検査する方法です。採取した便を提出し数週間以内に結果が受け取れます。もし、この検査で陽性反応が出た場合は、内視鏡検査などの精密検査が必要になります。内視鏡検査に加え、直腸指診と注腸造影検査の3つの精密検査で異常があるかを細かくみていきます。

大腸がんになる人のほとんどが40歳以上のため、たとえ陰性だったとしても年に1回は検診をうけるほうが良いと言われています。

痔との違い

検査ではなく、自分で判断するのは難しいとされていますが、知っておくと役立つのが便の状態です。よく間違えやすい痔と大腸がんの違いは、出血する血の色や状態が違います。まず、痔の場合は肛門から出血するため、鮮明で真っ赤な血のことが多く、水っぽくポタポタと滴り落ちるのが特徴です。

排泄時に、トイレットペーパーにちょっと付着する程度や、便器が真っ赤に染まるなどの場合は、痔の可能性が高いと言われています。その一方で大腸がんの場合は、血はどす黒く、便そのものがねっとりとしています。大腸でも肛門から遠い部位に腫瘍がある場合は、血が酸化して便に排出されるため黒っぽいです。

反対に肛門に近い部位にある腫瘍によって出血した場合は、痔と同じような血の状態です。この場合は痔と判断が付きにくいため、検診を受ける必要があります。

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大腸がんの手術について

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大腸がんの手術や、その後の経過について紹介します。

5段階のステージ

どのがんもそうですが、大腸がんの治療方針を決める上で重要なのがどのくらい進行しているかです。精密検査などで判断するポイントは3つあり、1つ目は腫瘍が大腸壁に入り込んでいる深さです。

大腸壁は、内側の粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、外側の5層になっています。もともと、内側の粘膜から発生するため、層のどこに広がっているかが進行度の目安になります。さらに、リンパ節や他の臓器に転移がないかで段階を判断します。ステージによる状態は次のとおりになります。

  • ステージ0 …粘膜に腫瘍がとどまっている
  • ステージⅠ …固有筋層にまで広がっている
  • ステージⅡ …固有筋層を超えて、外側まで広がっている
  • ステージⅢ …Ⅲαが、3個以下のリンパ節に転移している、Ⅲbが4個以上のリンパ節に転移している
  • ステージⅣ …肝臓や肺などの臓器に転移している

ステージ0やⅠの早期発見では90%以上の人が治っているようです。

治療法(手術)の決め方

大腸がんの主な治療法は次の3つです。

  • 内視鏡的療法
  • 外科手術(腹腔鏡手術・開腹手術)
  • 化学・放射線療法

大腸がんの場合、抗がん剤や放射線が効きづらいとされているため、手術後にこまかく散らばってしまったがん細胞を消滅させるなどの補佐的な役割に用いられます。

そして、どのような治療をするかは、進行具合や状態によって異なります。

内視鏡的療法

大腸がんの治療の中で、ステージ0など早い段階での治療に効果的なのが内視鏡的療法です。

大腸の壁の内側にある粘膜にがん細胞がとどまっている場合と、粘膜下層にある場合に検討される治療です。これは、スネアと呼ばれる輪っかのついた内視鏡を肛門から挿入します。がんの腫瘍にスネアを引っ掛け、高周波の電流を流して焼き切ります。大腸の粘膜には痛みを感じる神経がないため、切られても痛みを感じません。

また、内視鏡的療法は体への負担が比較的少ないため、入院期間も短くすむと言われています。ただし、3cm以上の腫瘍の場合はこの療法は使えません。

腹腔鏡手術

内視鏡的療法では治療できない大きさの腫瘍や、粘膜下層(ステージⅠ)または固有筋層(ステージⅡ、Ⅲ)に広がった腫瘍の治療に用いられます。

炭酸ガスで膨らませた腹部に4〜5箇所の小さな穴を開け、腹腔にメス、鉗子、カメラを挿入し、モニター画面に映し出された腹部の状態を見ながら切除します。腹部を大きく切り開く必要がないため、手術後の回復は早く、体への負担は少なく済むと言われています。

その他の手術

ステージⅢ以降でかなり進行している場合は、メスを使った開腹手術が行なわれます。結腸や直腸にある腫瘍は周囲のリンパ節へ転移している場合も多いため、リンパ節も同時に切除するケースが多いそうです。

特に直腸に腫瘍ができている場合は、排便という大切な機能を残すようにするためかなり慎重に手術が行なわれます。手術後は約80%の人が肛門を温存できますが、肛門付近に腫瘍がある場合は肛門の温存率は50%にまで下がると言われています。

手術後は?

手術後は合併症と呼ばれる症状が現れることがあります。主な合併症の症状は次のとおりです。

  • 発熱
  • 傷口の痛み、赤み、腫れ
  • 腹痛
  • 吐き気
  • 嘔吐

これらの他に、排便や排尿、性機能に影響がでる場合もあります。手術後の一定期間だけか、しばらく続くことになるかは、人によって異なるそうです。また、手術をしてから数日中におならが出たら、大腸が正常に動き出したサインです。長くて約1週間〜10日ほどで退院ができるとされています。

食事については、食べていいもの、だめなものと厳密な決まりはなく、食欲があれば日常の食事に戻れるそうです。ただし、消化をしにくい食物繊維を多く含むものは控えたほうがよいとされています。

手術後の食事

手術後3ヵ月は、腸閉塞を引き起こす可能性もあるため、消化がよく、栄養バランスの取れた食事を少しずつゆっくりよく噛んで食べるようにしましょう。どんな病気にも言えることですが、油分や糖質の多い食事は体に負担をかけます。具体的に控えたほうがいいのはこちらです。

  • 食物繊維の多い食材(さつまいも、こんにゃく、しらたき、パイナップル、ごぼう、たけのこ、れんこん、など)
  • 油の多い料理(トンカツ、ビーフステーキ、ラーメン、チャーハン、天ぷら、フライ、など)
  • 脂肪の多い肉(豚バラ肉、ハム、ベーコン、など)
  • 飲み物(炭酸飲料、濃いお茶やコーヒー、アルコール)
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まとめ

いかがでしたか?大腸がんの症状として多くの人に現れるのが血便です。ですが、がんだとは思わず痔だと思ってしまう人も多いようです。とはいえ、他のがんと同様に見つけるのが早ければ早い程、治療の選択肢もあり、完治する可能性は高くなります。

早い段階で発見できるように、血便や肛門血などがあったら早めに診てもらうようにしましょう。病院は消化器科や胃腸科、肛門科などにまず行くのがベストです。

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