たくさん食べても太らない人、少ししか食べていないのに太ってしまう人。人それぞれ、食べているものは同じでもまったく違いますよね?食べたいものを我慢してダイエットに励んでいる人からすれば、食べても太らないなんて理想ですよね。しかし、食べても太らない=よいことだとは限りません。
そもそも、食べても太らないのはなぜなのでしょうか?太らない体質とは、本当にあるのでしょうか?太りやすい人と太りにくい人の違いとは何なのか、その原因を解明し、あなたの健康サポートに少しでもお役に立てればと思います。
この記事の目次
食べても太らない原因
同じように食べているのに太っていたり痩せていたり・・・。人によって違いが出るのはなぜなのでしょうか?食べても太らないからと言って、油断は禁物!時には病気が隠れている場合もあるので、しっかりとその原因を見極めることが大切です。
では、食べても太りにくい人には、一体どんな原因があるのでしょうか?
体質によるもの
残念ながら、人には体質というものがあります。同じものを同じだけ食べていても、体質によっては太るし、まったく太らない人もいます。では、体質の違いはどんなところに現れるのでしょうか?そのメカニズムから探っていきましょう。
【太りにくい人の特徴】
フードファイターなどの大食いの人の中には、結構小柄で華奢な人もいますよね。あんな体のどこに大量の食事が収まっているのか、不思議に感じられる方も多いことでしょう。実は、彼らにはある特徴があります。
①腸の動きが活発
腸には、食べたものを食道から直腸へ運ぶ働きがあります。これを「蠕動(ぜんどう)」と呼びますが、これが活発に行われることで、食べたものがすんなり体外へ排出されるというわけです。
②ビフィズス菌の数が非常に多い
ビフィズス菌は摂取した油などを体に必要なエネルギーに変換する作用を果たすため、体内に脂肪をため込みにくくなります。これを「脂質代謝」といい、大食いでも太りにくい人は、この「脂質代謝」がよいためと考えられるのです
③消化器官の弁がゆるい
これはつまり、摂取した食べ物が食道を通り過ぎるまでの時間が短いということです。その分栄養が吸収されにくいため、太りにくいというわけです
④褐色脂肪細胞の運動が活発
褐色脂肪細胞は、脂肪を燃焼させて熱に変える働きを持っています。つまり、褐色脂肪細胞が活発働いている人は、脂肪を体にため込みにくいため、太りにくくなるのです。
このように、もともと燃費が良く、脂肪をため込みにくい体質の人は太りにくく、そうでない人は太りやすいということです。それならば、同じ体質になれば太りにくくなるのでは?と思われるでしょうが、消化器官の弁をゆるめることはできませんよね。
しかし、あきらめるのはまだ早いです。工夫次第で体質改善できるものもいくつかありますから、その方法をご紹介しましょう。ぜひ実践してみてくださいね。
改善方法
①褐色脂肪細胞を活性化させる
褐色脂肪細胞は主に心臓や腎臓周辺、首まわりや脇の下、肩甲骨の間などにあります。人が寒いと感じると脂肪を燃焼させて体温調節を図る働きがあるのです。つまり、褐色脂肪細胞を活発化させるためには、温度調節を促すことが重要ということですね。そのために有効なのは、冷たい水と温かい水を交互に体にかける、という方法です。
心臓近くはあまりよくないので、肩甲骨付近で行うとよいでしょう。また、温度を察知する温点と冷点は手にあるため、手にかけるのも有効ですし、お手軽でいいですね。
②ビフィズス菌を増やす
ビフィズス菌は脂肪をエネルギーに変える働きがありますから、体内にたくさんいればいるほど、痩せやすいということになります。では、肝心のビフィズス菌の増やし方ですが、ヨーグルトから摂取するのはあまり有効ではありません。
一時的には摂取できますが、ずっと体内にとどまってくれるわけではなく、時間が経てば体外へ排出されてしまいます。もちろん毎日ヨーグルトを食べればよいわけですが、それだとなかなか大変ですよね?
そこで、ヨーグルトよりもさらに効果的なビフィズス菌の増やし方をご紹介しましょう。新たにビフィズス菌を摂取するのではなく、すでに体内にいるものを増やすための方法です。その名も「ABC療法(アップル、バナナ、キャロット」。その名のとおり、りんご、バナナ、ニンジンを食べることで体内のビフィズス菌を増やそうというもの。
りんごやバナナ、ニンジンには、ビフィズス菌倍増因子というものを多く含んでおり、これがビフィズス菌を増やす働きをするのです。ヨーグルトなどで直接ビフィズス菌を摂取するよりも効果が高いと言われています。ニンジンは加熱したものの方が効果的ですから、生で食べるのが苦手な方も安心。
さらに、りんごやバナナにはビフィズス菌のえさになるオリゴ糖が含まれているため、これらの食材を一緒に摂取した方がニンジンだけ食べるよりも効果的なのです。
病気によるもの
しっかり食べているのに太らない。それだけ聞くと羨ましいような気がしてしまいますが、中には病気が隠れていることも。特に、しっかり食べているのに痩せていく場合には注意が必要です。
隠れ栄養失調
若い男性の中に多いのですが、ラーメンやチャーハン、揚げ物類など、カロリーの高いものばかり食べているのにまったく太れない人がいます。普通に考えれば、そんな偏った食生活をしていたらどんどん太って肥満体形になってしまいそうですよね。しかし太れない人達の中には、胃腸があまり丈夫でなく、消化力が弱い場合があります。
そうなると、高カロリーのがっつりした食事が負担になり、消化不良を起こして下痢などになりやすくなるのです。消化不良で下してしますのですから、当然栄養吸収率は悪くなり、食べているのに栄養失調ということになります。
栄養面から考えても、やはりバランスの取れた食生活が一番。しっかりと栄養を吸収し、健康的な体作りを目指しましょう。
甲状腺の異常
きちんと三度の食事を摂っていて、思い当たるストレスもないのに痩せる。そんな人がいたら、病気を疑った方がよいでしょう。スポーツ選手のように、運動量が非常に多いため、食事量が多くても太らない、という場合を除いては、好きなものを食べて運動もせず、痩せるというのは異常です。
この場合、女性で考えられるものとしては、「バセドウ病」です。主に20~30代の若い女性に多い病気で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるために、新陳代謝が活発になりすぎてしまうのです。そのため、食べても痩せる、動悸や息切れ、月経不順など、様々な弊害が出てしまいます。バセドウ病については、バセドウ病の初期症状とは?チェックする方法を紹介!を参考にしてください。
バセドウ病は薬で治すことができるので、思い当たる方は一度専門機関を受診されてみることをオススメします。甲状腺ホルモンの分泌を抑えることで、2か月ほどで症状は治まり、早ければ1年で治る場合もあります。
なお、症状が治まってもホルモンバランスなど、経過を見ていく必要がありますので、完治まで気長に付き合っていくことが大切です。症状さえ治まってしまえば、薬を飲む以外には日常生活への支障はほとんどないと言ってよいでしょう。
その他の異常
バセドウ病以外にも、胃腸機能の異常や糖尿病、ガン、その他のホルモン異常などによって痩せることもあります。原因はひとつではありませんから、少しでも気になる方は、医師の診断を仰ぐことをオススメします。
何事も早期発見が大切ですから、放置せず、早め早めに行動することを心がけてくださいね。
太りにくくするコツ
体質以外にも、太りにくい人には特徴があります。すべての人に当てはまるわけではありませんが、ぜひ参考にしてみてくださいね。
間食をしない
当然と言えば当然ですが、間食が多く、糖質をたくさん摂取している人は太りやすくなります。食べても太らない人というのは、間食をしないとか、糖質を控えるとか、何かしら食生活で気を付けていることがある場合も多いです。
また、糖質と言ってもおやつ類だけではありません。炭水化物には糖質が含まれていますから、炭水化物を食べすぎれば等質の取りすぎ、ということになってしまいます。主食を減らすのは大変ですが、まずは食べる量を少し減らしてみるのも方法のひとつです。
どうしてもおなかが空いてしまう場合には、以下のオススメ間食をお試しください。
- ドライフルーツ
- ナッツ
- 寒天ゼリー
- するめ
空腹を我慢しすぎて夕食を食べすぎてしまうようでは本末転倒ですから、上手に活用したいものですね。
代謝を上げる
太りにくい人というのは、代謝がよい人が多いものです。こちらは努力次第で上げることができますから、ぜひ実践してみてくださいね。
代謝を上げる方法
①水分補給をする
水分が不足すると、基礎代謝が低下します。喉が渇いていないとついつい水分補給を怠りがちですが、こまめに水分を摂るようにしましょう。純粋に水だけを飲む場合、1日の目安はおよそ1.5リットルです。初めのうちは大変かもしれませんが、少しずつ習慣にしてくとよいですね。汗をかいた場合には適宜調節をしてみてください。
②朝食をきちんと食べる
朝は時間がなくてバタバタ。ついつい朝食を抜いてしまう人も多いかと思いますが、朝食は基礎代謝を上げるのにとても重要です。朝食を食べない人は肥満率が高いと言われていますし、朝を抜くとおなかが空くのも早く、不要な間食をしてしまうことにもなりかねません。忙しくても、朝はきっちり食べる習慣をつけましょう。
③運動をする
運動をすると筋肉量が増え、基礎代謝がよくなるため、太りにくくなります。代謝を上げるためには無酸素運動が効果的、脂肪燃焼には有酸素運動が効果的ですから、上手に組み合わせて行うとよいでしょう。無酸素運動と有酸素運動の違いは以下の通りです。
- 無酸素運動:筋トレ、短距離走
- 有酸素運動:ウォーキング、サイクリング
④睡眠をきちんと取る
睡眠不足はダイエットの敵です。夜更かしをして睡眠不足が続いている人は要注意です。睡眠不足が太りやすい体質を作ってもいるのです。健康や美肌にもよいですから、睡眠はきっちり取ることを心がけましょう。
⑤よい姿勢を意識する
悪い姿勢は基礎代謝の悪化を招きます。そのほか、肩こりや腰痛など、体への負担もありますから、正しい姿勢を意識することが大切です。
しかし、自力で正しい姿勢を維持し続けるのはなかなか難しいもの。今は姿勢を矯正するためのグッズもありますから、そういったものを活用するのも上手な方法です。ぜひ試してみてください。
太りにくい食べ方
間食をしない、代謝を上げるなどのほかにも、日々の食習慣を少し変えるだけで、太りにくい体は作れます。食事は毎日のことですから、身近なところから改善してきましょう。
①食べるときは野菜から
ごはんや麺類などの炭水化物を食べると、一気に血糖値が上がり、脂肪をため込みやすくなります。空腹だとついつい主食から行きたくなりますが、まずは野菜やスープ、次に魚などの副菜、最後に主食、という順番を意識しましょう。
②夕食は寝る3時間前までに済ませる
消化には多くの時間がかかりますから、寝る直前に食べると消化しきれず、太る原因になります。どうしても夕食が遅くなってしまう場合は、就寝前に体を動かすなどしてカロリーを消費しましょう。遅くとも、寝る3時間前までには夕食を食べ終えておくことがオススメです。
③チョコレートやケーキは3時に食べる
人には、体に脂肪をため込みやすい働きをするタンパク質があります。これが多く分泌されるのが午後10時~午前2時です。この時間に食べると非常に太りやすいと言われています。反対に、午後3時は最も少ない時間帯なので、脂肪分の多いケーキやチョコレートなどを食べるなら、3時が最もよいというわけです。
④空腹を我慢しすぎない
ダイエットをしているからと言って食事を抜いたり、空腹を我慢するのは逆効果。食事を抜いて空腹を感じると、体は栄養を吸収しようと必死になります。この状態で食事をすると、血糖値が一気に上がり、かえって脂肪を蓄えやすくなってしまうのです。
栄養の過剰摂取を避けるためにも、3度の食事はきちんと取り、どうしてもおなかが空いてしまう時には、無理せず何かを口にすることが大切です。量が少なければ、食事回数が多い方が太りにくいですから、無理して1日2食にするよりずっとオススメですよ。
まとめ
このように、食べても太らないからと言って、必ずしも健康的であるとは言い切れません。食べても太らないのには、それぞれ原因があるものです。それが体質なのか食生活なのか、それとも病気なのか・・・。自分の体を正しく理解することが何より大切です。
適度な運動や正しい食事が健康的な体を作ります。もしもちゃんと食べているのに太らない、という方は、一度きちんと調べてもらうとよいでしょう。
無理なダイエットをせず、健やかで健康的な食生活を送りたいものですね。日頃の食生活を振り返り、自分の体への意識を変えるきっかけになれば幸いです。
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