顔にブツブツがでていたら、鏡を見るのも気が重いですね。お化粧しても隠し切れないので、外出するのがイヤになります。
顔にできるブツブツといえば、ニキビがすぐに思い浮かびますが、ニキビではない他の皮膚炎や湿疹の可能性もあります。アトピー性皮膚炎や稗粒腫、毛孔性苔癬、マラセチア毛包炎などです。
顔にブツブツができるのは、大人だけではありません。新生児にも乳幼児にもできます。
顔にできるブツブツは何なのか?ブツブツができる原因とその対策や予防法についてお伝えしますね。赤ちゃんの顔のブツブツについても、お伝えします。
顔のブツブツは初期段階のニキビなの?
おでこやこめかみ、あごなど、皮脂分泌の多い場所に、ブツブツがよくできます。一度に大量にできたり、日光が当たるとブツブツが目立ったりしますが、化膿はしていません。
これは、初期段階のニキビです。毛穴に皮脂が詰まっているだけで、アクネ菌が繁殖していないので、炎症も起きていません。手で触れても、痛くも痒くもありません。
[初期段階のニキビ]
初期のブツブツしているだけのニキビを「面皰(めんぽう=コメド)」または「白ニキビ」といいます。
ニキビは、毛穴に皮脂が詰まるとできます。毛穴に詰まった皮脂と老廃物が混じり、そこに、アクネ菌が繁殖して炎症を起こし、皮膚細胞を破壊して化膿させます。
アクネ菌は肌の常在菌
アクネ菌は、ブドウ球菌と同様にヒトの皮膚に常在する細菌です。本来は、皮膚の酸性度を一定に保ち、他の細菌の侵入や増殖を防いで、皮膚を正常に保つ働きをしています。
アクネ菌は皮脂が大好きで、酸素が嫌いです。皮脂分泌の多い顔に多く存在し、毛穴に詰まった皮脂を養分として繁殖し、活性化します。
アクネ菌は、皮脂を分解して脂肪酸を作り出します。脂肪酸はニキビの赤み(赤ニキビ)に関係します。紫外線に当たると、大量の活性酸素を発生させ、炎症を起こし、皮膚細胞を破壊します。
思春期のニキビにも、20代以後の大人ニキビにも、アクネ菌が影響しています。
白ニキビと黒ニキビ
皮脂腺から分泌された皮脂がうまく排出されず、毛穴の中の汚れや垢、角質などの老廃物と混じりあって毛穴に詰まります。すると、毛包の中に白または黄色の脂の固まりができて、丘疹となります。これが、初期段階のニキビ、面皰(コメド)といます。
面皰は通常白っぽいので「白ニキビ」と呼ばれます。
皮脂や角質が毛穴に詰まったものを「角栓」といいます。角栓が酸化して黒くなると、「黒ニキビ」と呼びます。
白ニキビを放っておくと、悪化する
「ブツブツしているけれど、赤くもないし、痛くもない。化膿もしていない」白ニキビを放っておくと、アクネ菌が繁殖して、いわゆる「ニキビ」になります。黄色く化膿したニキビを「黄色ニキビ」と呼びます。
大きなニキビは跡が残る可能性もあります。ブツブツしている初期の段階で、適切なケアをして、黄色ニキビに進行しないようにします。
[白ニキビのできる原因]
ブツブツしている白ニキビのできる原因は、皮脂の過剰分泌です。
思春期のニキビは、男性ホルモンの影響で皮脂が過剰に分泌されてできます。20代以後の大人ニキビは、皮脂分泌の異常に、角質がうまく剥がれ落ちないで毛穴に詰まりやすくなることが加わってできます。
思春期の皮脂分泌過剰
思春期の男性ホルモンによる皮脂の過剰分泌は、男性にも女性にも起こります。成長過程の一環ですから、むしろ正常な生理作用と言えます。
大人ニキビの原因
20代以後のニキビは、昔は「吹き出物」と呼びましたが、今は「大人ニキビ」といいます。
大人ニキビの原因には、いろいろあります。
①ストレスや睡眠不足、生理などのホルモンバランスの乱れで、皮脂分泌が過剰になる。
強いストレスがかかったり、睡眠不足が続いたりすると、自律神経系の働きが悪くなり、皮脂分泌が過剰になります。
②肌のターンオーバーが乱れ、毛穴が詰まりやすくなる。
肌のターンオーバーが乱れると、古くなった角質がうまく剥がれ落ちず、余分な皮脂と一緒に毛穴の中に詰まるようになります。角栓を作り、毛穴を塞いでしまうと、アクネ菌が繁殖しやすい状態になります。
ターンオーバーの乱れは、加齢や、ストレス、過労、睡眠不足により起こります。
③基礎化粧品が肌に合わない
肌に合わない基礎化粧品によって肌荒れすると、肌を保護しようとして皮脂が過剰に分泌されます。そのため、毛穴が詰まってブツブツ(丘疹)ができます。ブツブツを隠すために、化粧を濃くすると、肌荒れがよけい酷くなります。
④間違った方法の洗顔は、皮脂を過剰に分泌させる。
皮脂分泌が過剰になる最も大きな原因は、間違ったスキンケアです。
思春期ニキビでも大人ニキビでも、治療の基本は「肌を清潔に保つ」ことです。しかし、過剰に洗顔したり、洗浄力の強い洗顔料を使ったりすると、肌に必要な皮脂まで洗い落としてしまいます。
皮脂には、肌を護り、肌の水分を保つ働きがあります。必要な皮脂まで洗い落としてしまうと、肌は防衛のために皮脂を過剰に分泌するようになります。
界面活性剤の強いシャンプーで洗髪すると、必要な皮脂分まで洗い流してしまい、頭皮が乾燥したり、かえって皮脂の分泌が多くなりすぎてベタベタしたりします。顔の肌も同じです。
(乾燥性脂性肌)
角質層の水分が少ない乾燥肌の人が洗浄力の強いメイク落としを使うと、肌は自己防衛して、皮脂を過剰に分泌します。そのため、脂性肌の人と同じようにニキビができやすくなります。このように、水分が少ないのに皮脂分泌の多い肌を乾燥性脂性肌といいます。
[初期段階のニキビ対策]
思春期ニキビも大人ニキビも、「顔のブツブツ」程度の初期段階で治してしまいたいですね。
思春期のニキビ対策
適正な洗顔をして肌を清潔に保ちます。肌が乾燥すると、皮脂の分泌量が多くなりますから、保湿用の化粧水などでスキンケアをします。
ニキビが酷くなったら、早めに皮膚科の専門医に相談することをオススメします。ニキビ跡がケロイド状になると、なかなか治りません。
20代に入ると、ホルモンバランスが落ち着いて、思春期ニキビはできなくなります。
大人ニキビの対策
大人ニキビの対策は、肌を乾燥させないようにして、肌のターンオーバーが正常に行われるようにすることです。
①必要な皮脂まで洗い落とさない
肌が乾燥すると、保水のために皮脂が多く分泌されます。肌を乾燥させないように、洗顔は朝晩、多くても1日3回までにして、ゴシゴシこすらず、優しく洗います。
メイクが残っていると、毛穴が詰まってしまうので、夜はメイク落としと洗顔料で洗います。保湿効果の高い化粧水や美容液を使います。洗顔料を使うのは、メイクを落とす時だけ、1日1回にします。洗顔料は、よく泡立てて優しく洗い、しっかり流します。
②角質ケアをする
皮膚の表面には薄い角質層があります。角質層には細胞間脂質(セラミド)があり、水分を保ち、雑菌や汚れなど外界刺激から肌を護っています。
角質層は古くなると、角質となって剥がれ落ちます。ストレスや過労、睡眠不足などの生活の乱れや、紫外線、加齢、肌の乾燥により、肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が皮膚に溜まり、毛穴を詰まらせ、ニキビなど肌トラブルを引き起こします。
角質ケアは、洗顔料やふき取り用ローション、美容液などで手軽に行えます。ただし、ピーリングをしすぎると、肌を傷めるので、注意が必要です。
③生活習慣の改善
ストレスや疲労を溜めないようにして、良質な睡眠を十分にとります。脂肪分の多い油っこい食事も皮質の分泌過多を招くので、気をつけます。便秘はニキビなど肌トラブルを起こすので、食物繊維の豊富な野菜を多く摂るようにします。
④酷いニキビは皮膚科医に相談する
初期段階のニキビが悪化して、なかなか治らない時は、皮膚科の医師に相談します。
顔のブツブツがニキビではないこともある
顔にできるブツブツは、ニキビとは限りません。
ニキビもそうですが、なかなか治らない場合は、皮膚科のお医者さんに相談することをオススメします。症状が悪化すると、治りにくくなりますし、痕が残る場合もあります。
[稗粒腫]
「稗粒腫(ひりゅうしゅ・はいりゅうしゅ)」は、顔にできる白いブツブツです。白ニキビと違うのは、皮脂分泌の少ない目の下や頬の周りにできることです。
見た目は悪いのですが、健康に悪影響を与えることがないので、心配要りません。
稗粒腫の原因
稗粒腫は、毛穴の袋状の毛包に角質が溜まり、固まったものです。「角質粒」と呼ばれます。
角質粒は、加齢による肌のターンオーバーの乱れや、不十分な角質ケアが原因となって、できやすいようです。
稗粒腫の対処法
新陳代謝の良い子供や若い人は、自然に角質粒が押し出されて治ってしまうことが多いようです。加齢などで代謝が低下していると、自然治癒は難しくなります。
大人ニキビのところで述べた「角質ケア」を行うことでかなり改善できます。
ハトムギエキスの化粧水やハト麦茶が効果があるようです。ハト麦のヨクイニンという成分は、昔から疣(いぼ)や稗粒腫に効くと言われています。
稗粒腫を、自分で針でつついて押し潰すなどは、危険です。目に近いところですし、肌にダメージを与えるので、NGです。
皮膚科の診療が必要な場合
火傷や皮膚病で手術した後に、稗粒腫ができたり、炎症が起きたりしている場合は、皮膚科の専門医に診てもらう必要があります。
[毛孔性苔癬]
「毛穴性苔癬(もうこうせいたいせん)」とは、毛孔内(毛穴)に角質が充満して、表皮にまで盛り上がり、丘疹となる皮膚疾患です。「角化症」「毛孔性角化症」とも呼ばれます。角質異常による皮膚病です。
小児期から思春期に多く発症します。遺伝性の皮膚疾患と考えられています。
毛孔性苔癬の症状
自覚症状(かゆみや痛み)はほとんどなく、健康への重大な影響もありません。上腕部や大腿部、臀部に左右対称にできることが多く、顔にできることもあります。
ブツブツができている周囲の皮膚が乾燥してカサカサし、ブツブツが集まっているところは、ザラザラした感触です。まれに、少しのかゆみを訴える人もいます。
20代に入ると、症状が改善し、30歳を過ぎる頃には自然と治るようです。
アトピー性皮膚炎や尋常性魚鱗癬と同時に発症しやすいと言われます。
(アトピー性皮膚炎)
アレルギー体質や肌のバリア機能の低い人に発症しやすい皮膚疾患です。再発しやすく、慢性化して、なかなか治りません。
赤みのあるジュクジュクした湿疹ができ、慢性化すると、ゴワゴワと皮膚が硬くなります。猛烈なかゆみがあり、ひっかくと悪化します。おでこや目の周り、口の周囲に発症しやすいようです。
(尋常性魚鱗癬)
全身的に皮膚が乾燥し、魚のウロコ状に角質が皮膚表面から剥がれる角化症の1種です。症状が軽いと、「乾皮症(かんぴしょう)」と呼ばれます。乳幼児期から発症します。
顔面毛嚢性紅斑黒皮症
顔面毛嚢制紅斑黒皮症(がんめんもうのうせいこうはんこくひしょう)は、思春期の男子の顔に発症することが多い皮膚疾患で、症状は、毛孔性苔癬とほとんど同じです。「毛孔性苔癬が顔面にできたもの」という説もあります。加齢とともに改善します。
[赤いブツブツができる]
顔に赤いブツブツができることがあります。赤ニキビのこともありますが、他の皮膚疾患の可能性があります。
赤いブツブツはかゆみをともないます。ひっかくと、かき傷から雑菌が侵入して悪化します。どんなにかゆくても、かくのはNGです。
マラセチア毛包炎
マラセチア毛包炎は、よく赤ニキビと間違えられますが、原因となる菌が異なります。ニキビはアクネ菌が原因菌ですが、マラセチア毛包炎は、マラセチア菌という真菌(カビ)が原因です。
「マラセチア毛包炎」は、マラセチア菌が毛包内で繁殖して炎症を起こす皮膚疾患です。マラセチア菌は真菌(カビ)の1種ですから、湿気と皮脂が大好きです。
ニキビ治療薬の効き目が全くない場合は、マラセチア毛包炎の疑いがあります。詳しくは、マラセチア毛包炎の治療方法とは?市販薬でも治せるの?を読んでおきましょう。
(不潔にすると、顔にカビが生える)
ついメイクしたまま寝てしまうなどという不潔な生活をしていると、マラセチア菌が毛穴に棲みつき、皮脂を養分にして増殖します。つまり、顔にカビが生えるのです。梅雨時は、特に注意して、顔や全身の肌を清潔に保つ必要があります。
かゆみは軽いのですが、湿疹の先端が黄色く膿を持つことがあります。
対処法は、肌を清潔にして、抗真菌薬を塗布します。油っこい食事は控えめにします。
顔ダニ
顔ダニとは、顔に常在するダニです。ニキビダニとコニキビダニの2種類があります。
顔ダニは、通常、顔の余分な皮脂をエサにして、顔の皮膚の酸性度を一定に保ち、細菌から護る働きをしています。ところが、皮脂の分泌が過剰になると、顔ダニが異常に増殖します。ニキビダニやコニキビダニの排泄物・死骸などが毛穴に溜まり、毛穴を詰まらせて炎症を起こします。それで、顔に赤いブツブツができます。
(顔ダニの症状)
皮脂分泌が過剰で毛穴が詰まるので、ニキビを併発することが少なくありません。
ブツブツは痒みがあり、赤く腫れます。ダニのアレルギー反応の起こす人もいます。
(顔ダニ対策)
AIDソープという洗顔石鹸で顔を洗い、増えすぎたダニを駆除します。AIDソープは肌の調子を整えるので、乾燥肌にも脂性肌にもオススメです。赤ちゃんに使うのもOKです。
どんなに痒くても、ステロイド剤の塗布はNGです。ステロイド剤は顔ダニを繁殖させます。
花粉症皮膚炎
花粉症はアレルギー疾患の1つです。目や鼻・喉の粘膜にアレルギー反応が生じますが、顔に皮膚炎を起こすこともあります。
女性は、毎日のメイクとメイク落としで肌にダメージを負っています。弱った肌に花粉という刺激が加わり、アレルギー性の皮膚炎が起きます。花粉が飛び始める時期は、空気が乾燥しています。肌も乾燥して、バリア機能が低下しているので、皮膚炎が起きやすくなります。
日光湿疹
「日光湿疹」とは、日光(紫外線)を浴びたために起きる炎症性の皮膚疾患です。「日光皮膚炎」ともいいます。
日光を浴びると、赤いブツブツができたり、火傷をしたように肌がつっぱり、ガサガサになったり、水泡ができたりします。顔だけでなく、全身に症状が出ます。
日光皮膚炎が広範囲に発症すると、かなり危険です。
(日光湿疹の治療と予防)
日光で火傷をしている状態ですから、赤くブツブツしている部分を冷やし、消炎剤を塗布します。
日光湿疹は、何よりも予防が大事です。3月から10月末までは紫外線が強くなります。最も強くなるのは5~7月頃です。紫外線対策をしっかりします。
紫外線を浴びすぎると、皮膚癌が発症する危険があります。
(日光角化症)
皮膚癌の前癌症状と言われます。紫外線を長く浴び続けたために、顔などの皮膚が角化します。数㎜~1㎝程度の紅斑ができ、カサカサして、表面に白いカサブタができます。あるいは、色素沈着が起こり、少し盛り上がった褐色の斑点ができます。大きなイボのようになることもあります。
痛みもかゆみもほとんどないので、放置すると、10~30%の確率で皮膚癌に変化します。
早めに皮膚科の専門医の診察を受けるようにします。治療法は外科手術による切除、レーザー照射、液体窒素による凍結などです。詳しくは、日光角化症の治療方法とは?症状や原因についても知っておこう!を参考にしてください。
[乾燥性湿疹]
「乾燥性湿疹」は「皮脂欠乏性湿疹」ともいいます。肌がかゆくて、かいているうちにできるブツブツです。
皮脂の分泌が少ないと、肌が乾燥する
皮脂は、汗腺から分泌される水分とともに皮脂膜という天然クリームを作ります。皮脂膜は角質層の水分の蒸発を防ぎ、保湿作用を行うとともに、外界からの刺激から肌を護ります。皮脂が不足すると、皮脂膜が十分に作れず、肌が乾燥します。
乳幼児・小児は皮脂腺が未発達で、皮脂を分泌する量が十分ではありません。大人になると、加齢により、皮脂や水分の分泌量が減少してして肌が乾燥しやすくなります。
乾燥している肌はバリア機能が低下する
乾燥している肌はバリア機能が低下して、外界からのちょっとした刺激にも敏感に反応するようになります。肌がかゆくなるなど、いろいろな肌トラブルが起きます。
かゆいので、肌をかいているうちに雑菌などが侵入し、ブツブツと湿疹ができるようになります。これが、「乾燥性湿疹」「皮脂欠乏性湿疹」です。
肌トラブルは、乾燥肌の人にだけ起きるのではない
乾燥肌の人は敏感肌でもあります。敏感肌の人は、化粧品にも敏感に反応して、ブツブツができやすいようです。
角質層の水分が不足していると、自己防衛反応から皮脂が過剰に分泌されます。乾燥性脂性肌です。余分な皮脂が毛穴に詰まり、ニキビやマラセチア毛包炎など、ブツブツができます。皮脂が毛穴に詰まると、毛穴が開いて目立ちます。毛穴の詰まる角栓が酸化して黒くなると、も見た目がもっと悪くなります。
男性は男性ホルモンの影響で皮脂分泌が多く、脂性肌になりやすいのです。女性の場合は、皮脂が欠乏して、肌が乾燥するために、かえって皮脂分泌が過剰になってしまうようです。皮脂分泌が多いと、ニキビのできやすいニキビ肌になります。
[顔のブツブツの改善方法]
顔のブツブツは初期段階のニキビだけではありません。肌のトラブルでブツブツが生じます。
これらのブツブツをなくす方法は、皮脂の分泌を正常に保ち、肌が乾燥しないように保湿することです。
①正しい方法で洗顔する
メイクをしっかり落として、肌を清潔にすることはスキンケアの基本です。ただし、洗浄力が強すぎる洗浄剤やゴシゴシ強くこすり洗うと、必要な皮脂まで洗い落としてしまいます。
②毛穴ケア・角質ケアを行う
毛穴に詰まっている角栓は、皮脂と古い角質です。古い角質は皮脂のように溶かして出すことはできないので、ピーリング石鹸や酵素洗顔料で洗い落とします。
開いてしまった毛穴は毛穴美容液で目立たなくします。
③洗顔した後は、十分に保湿する
保湿効果の高い、化粧水・乳液・美容液などで肌の潤いを十分に保つようにします。
④肌機能を活かす基礎化粧品を使う
肌には自浄作用や保湿作用、修復作用など、自分で肌の調子を整える肌機能があります。洗顔料や基礎化粧品は、できるだけ肌の機能を活かすように働くものにします。肌機能に逆らったり、必要以上に機能を高めようとしたりすると、かえって肌を傷めてしまいます。
肌質は年齢や生活スタイルによって変わります。現在の肌質に合わせて、乾燥肌用・敏感肌向け・脂性肌用・乾燥性脂性肌用など、適切なケアアイテムを使います。
⑤生活習慣を改善する
ストレスや過労を解消し、生活を改善します。栄養バランスの良い食事をし、ビタミンCや食物繊維の豊富な野菜・果物を多く摂ります。ビタミンCには美肌効果があります。
赤ちゃんの顔のブツブツ
乳児は肌が薄く、バリア機能が十分に発達していません。そのため「乳児湿疹」というブツブツが顔にできることが多いのです。乳児湿疹は、原因や症状により、ケア方法が異なります。
[新生児ニキビ]
生後1週間から1ヶ月の間に、顔にできるニキビのような赤いブツブツを「新生児ニキビ」といいます。肌を清潔に保っていると、生後1~2ヶ月でおさまります。
新生児ニキビの原因
母親のホルモンの影響で皮脂分泌が過剰になり、皮脂が新生児の肌表面や毛穴に溜まってしまうと、新生児ニキビと呼ばれるブツブツができます。
新生児ニキビのケア方法
赤ちゃん用の刺激性のない石鹸を十分に泡立て、ガーゼなどで優しく顔を洗います。余分な皮脂を洗い流します。
[乳児脂漏性湿疹]
生後4ヶ月頃までの赤ちゃんによくできる湿疹です。赤ちゃんの顔や頭に、黄色いカサブタのようなものやフケのようなものができます。炎症を起こして赤くなったり、ジュクジュクしたりすることがあります。かゆみは、あまりありません。
乳児脂漏性湿疹の原因とケア方法
新生児ニキビと同様に、母親のホルモンの影響で、皮脂分泌が過剰になるために発症します。
ケア方法も同じです。刺激性のない石鹸やボディソープ、シャンプーで洗い、皮膚を清潔に保ちます。カサブタが取れにくい場合は、入浴前にベビーオイルやワセリンでふやかします。
赤ちゃんがさわったり、ひっかいたりすると、肌を傷つけて、湿疹が悪化します。赤ちゃんの手にミトンを着けたりして、傷つけないようにします。
[あせも]
気温が高く、湿度の多い季節になると、赤ちゃんに「あせも」という湿疹ができやすくなります。新生児は白いブツブツ、その後は赤いブツブツができます。
かゆいので、ひっかくと傷ができて、黄色ブドウ球菌が傷口から入ることがあります。トビヒとなって全身に広がってしまいます。
あせもの原因
赤ちゃんは汗腺が未発達がなので、汗が溜まりやすく、蒸れやすくなります。体温が高いので、汗を沢山かきます。そのため、湿疹ができやすいのです。
あせものケア
毎日、入浴して、肌を清潔にします。汗をかいたら、こまめに肌着を取り替えます。特に、寝汗に注意します。
[アトピー性皮膚炎]
赤ちゃんの顔や頭部、耳たぶなどに赤いブツブツができます。強いかゆみがあります。乳児脂漏性湿疹と似ていますが、再発を繰り返し、慢性的に発症します。
アトピー性皮膚炎の原因
かゆみを生じやすい体質の遺伝に加え、アレルギー反応の原因であるアレルゲンに触れて、発症するアレルギー性皮膚炎です。まだ不明な点が多いようです。
アレルゲンはダニ・ハウスダスト・動物の毛など、人によって異なります。
アトピー性皮膚炎の治療法
皮膚科の専門医に相談して、アレルゲンを突き止め、できるだけ触れないようにします。かゆみが強いので、医師はかゆみ止めなどを処方することもあります。
日常の対処法としては、できるだけ皮膚に刺激を与えないように注意します。
[食物アレルギーによる湿疹]
離乳食を食べ始める頃になると、アレルギーによる赤いブツブツができることがあります。口の周囲や口の中にできたり、全身にできることがあります。
呼吸困難や下痢、嘔吐を起こす可能性もあります。
食物に対するアレルギーは胎児の頃から形成され、5歳児になるまでに発症します。
生後6ヶ月から1年になると、アレルギー検査を受けられるようになります。アレルゲンとなる食物がわかったら、避けるようにします。
満1歳を過ぎる頃には、消化器系が発達し、アレルギー反応がおさまることもあります。医師に相談しながら、少しずつ食べさせるようにするといいですね。
まとめ 顔のブツブツは適切なスキンケアで改善
顔のブツブツは、ニキビの初期段階の白ニキビや稗粒腫、毛孔性苔癬、乾燥性湿疹などです。特に健康に悪影響を与える重篤な病気ではありません。時期が来れば自然治癒することもあります。でも、顔のブツブツは見た目が悪く、特に女性は気になります。
顔のブツブツは、多くの場合、皮脂分泌の過多・肌の乾燥によるバリア機能の低下が原因で生じる肌のトラブルです。皮脂分泌を正常にして、肌を保湿すれば、肌トラブルは改善します。
皮脂は肌を護る天然の保湿クリームです。洗浄力の強い洗顔料を使うと、必要な皮脂まで洗い落としてしまいます。肌が乾燥してバリア機能が低下したり、自己防衛反応によって皮脂が過剰に分泌されたりします。肌に負担のかからない洗顔料を使い、たっぷりの泡で優しく洗顔します。
自分の肌質をよく知った上で、肌に合う基礎化粧品でスキンケアします。肌質は生活スタイルや加齢などで変わりますから、基礎化粧品も変化に合わせます。刺激性の少ない、保湿効果の高いものを使うようにします。角質ケアや毛穴ケアを一緒に行うと、より効果的です。ただし、角質ケアのピーリングは、注意しないと、肌を傷めることがあります。
スキンケアと同時に、ストレスや過労、睡眠不足を解消し、生活を改善することも必要です。顔のブツブツがなかなか改善しない時は、早めに皮膚科の医師に相談することをオススメします。ニキビなどは、痕になると、治すのが難しくなります。
最も危険な肌のトラブルは、紫外線によるものです。日光湿疹は日光による火傷で、顔だけでなく広範囲に起きると、重篤になることもあります。紫外線により皮膚癌が発症します。紫外線の対策は、夏場はもちろん、一年を通して必要です。
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