日光角化症の治療方法とは?症状や原因についても知っておこう!

日光角化症という病気を聞いたことありますか?日光角化症とは、日光による紫外線を長年浴びてきた皮膚疾患で、紫外線の良くあたる頭部、顔、手の甲等にできる、角質やかさぶた等をともなうしみです。

日光角化症は皮膚がんの初期の病変で、放置すると有棘(ゆうきょく)細胞がんに進行する事が分かってきました。

昔は今ほど日光紫外線に注意を、払ってはいませんでした。そのような中、日本は高齢化が進んでいます。

1987年の発症者数の1.9倍に2001年は増えていて、高齢化にともない益々日光角化症は、増えていくのではないかと考えられます。日本では年間10万人以上の人が発症しています。

早期発見早期治療をすれば、有棘細胞がんにならず完治しますので、できるだけ早い段階でみつけて、専門医を訪れる事が大切です。

日光角化症とは

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◆日光角化症とは字のごとく日光(紫外線)に長時間あたり続けた為に起こる、皮膚の角質が炎症して、かさぶたができてシミをともなう症状の疾患です。また別名を老人性角化症とも言われています。

◆色白の紫外線があたると肌が黒褐色化(サンタン)なるより肌が赤くなる(サンバーン)の人の方がなり易いと言われています。

◆年齢的には60歳以上の高齢者に多く、若いころからの紫外線対策のしかたにも、大きく影響されていて、若いころからUVケアーしている人と発症の違いが出ている様です。

◆自覚症状がないのでどうしても放置されがちですが、日光角化症から有棘細胞がんの皮膚がんに移行する確率は、1割から3割だそうです。

◆紫外線の影響が非常に大きいので、紫外線の強い地域と弱い地域で、格差がみられます。紫外線の強い沖縄と弱い北海道を比べると2倍ほどの違いが出ています。

◆日光角化症は有棘細胞がんの一歩手前でなくて、がんになりかけの状態です。大きさは個々に違いがありますが数ミリより最大で2㎝ぐらいで、大体1㎝が多いです。

◆日光角化症のできる部分は、顔面が75%で頬の部分が多いです。

日光角化症の原因

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◆長年により紫外線を受けた皮膚細胞の、DNAが壊される事によって起きるのが原因です。紫外線の当たる顔、頭、手の甲、首、腕など紫外線の良く当たる部分にできやすいです。

◆皮膚細胞のDNAが破壊される事で、皮膚の再生が不可能となり、破壊された皮膚細胞が増殖し皮膚が硬化して、皮膚がんの前兆として褐色のしみや、隆起した紅班や疣等ができます。

◆屋外でスポーツや趣味を持っている人の、高齢者ほど日光角化症はリスクが高くなります。また職業でも野外でお仕事をされるサラリーマンや、農業、漁業、建設業の方にも、リスクは非常に高くなっています。

◆日本人で2番目に多いがんが有棘細胞がんの皮膚がんです。基底細胞がんと比べると、転移が高いのが有棘細胞がんです。

日光角化症の症状

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日光角化症の症状の種類

紅班型

日光角化症の症状で一番多いのがこの紅班型です。平らな赤い斑点に表面に鱗のようなかさついたかさぶたができて、大きさは数ミリから1㎝ぐらいです。

色素沈着型

その次に多いのが色素沈着型です。盛り上がった褐色の斑点がまだらにでき平らなものです。

疣状型(ゆうじょ型)

ゆうじょ型は盛り上がりが大きく、いぼの様な皮疹ができて、皮膚の表面が赤く角化しています。かさぶたができ盛り上がったところは、紅色になっています。

皮角型

皮角型は疣状型の角がとがって、高さが2分の1以上で、角状を呈しています。

肥大型

肥大型は表面は鱗の屑のようで、盛り上がって塊になっていて、有棘細胞がんかどうか判断に苦しむところです。

全体の症状としては個人的に、かゆみや痛みを訴える人もいますが、ほとんどの人はかゆみや痛みの症状がないので、放置する人が多く気が付いた時には、有棘細胞がんになっている事もあるようです。

日光角化症の皮膚のチェックポイント

◆日光角化症の症状は毎日の、皮膚のチェックが欠かせません。鏡を見て紅色でクマダラ状のしみやほくろがないか、良くみて見る事が必要です。

◆あればそれに黄色味かかった、ざらざらしたかさぶたがないか?みて見ます。シミの形は歪になっていて、皮膚との境が不明瞭になっています。

触ってみて少し硬いか調べて、硬いようでしたら皮膚科に行って診てもらうと良いでしょう。

日光角化症の治療

ハンドクリーム

◆治療方法は薬による治療法と、外科的治療法があります。2011年の11月に健康保険が適用される薬が承認されました。1日1回週3回自分で患部に塗る薬です。

◆外科的方法は凍結療法と言って、液体窒素をひたし綿棒などを患部に押しつけ凍結、凍死させる方法と、患部をメスで切除する外科切除の方法があります。

◆現在は日光角化症の患部だけでなく、周りの皮膚も当然紫外線の影響を受けて、皮膚のDNAも障害を受けていると考え、広い部分が発がんの状態にあります。

ですからフィールド治療が支流になりつつあるそうです。フィールド治療とは患部のみでなく周囲の病変も含めて治療をする方法です。

外科的治療

外科的治療は患部の縁から1~2㎜残して、皮下脂肪識浅層を全部摘出しますが、局部麻酔をします。1㎝以上の隆起したもの、硬くなった病変、角化傾向の強い病変で、皮膚の真皮の中で炎症がしみわたっている場合は、外科的治療が行われます。

再発率は陽性の場合は経過観察か、追加切除が必要な場合もありますが、陰性の場合は追加切除は不要です。

凍結療法

凍結療法の場合は、病変を除去するのに、綿棒等に液体窒素をしみこませ、患部に押し付けて凍結、変性、壊死させていき麻酔は使いません。

一度に凍結できない事が多く数回行われますが、簡単な治療方法ですが、凍結するときは可成り痛みがでるそうです。

薬物療法

薬物療法には、フルオロウラシル軟膏(5-FU)とイミキモド(ベセルナクリーム5%)があります。

イミキモド(ベセルナクリーム5%)

ベセルナクリームは日本で2011年の11月に健康保険適用されました。外科的、凍結治療だと周りの皮膚組織の改善に至らず、再発、続発率が多かったですが、このベセルナクリームと外科、凍結治療を組み合わせ、完治を目指すこともできる様になりました。

ベセルナクリームの利点

  • 次々に発生する病気の巣を抑える
  • 紅斑型の様な薄っぺらい病巣に良い。皮角型や肥大型の様な物には向かないが、手術や凍結療法と併用してできます。
  • 日光角化症の病変ではあるが周りの組織が変化している時などに使うと良い。
  • 凍結療法で綿球を押し付けると痛がる患者さんなどに使用する。
  • 治療を施して完治しても、その他の部分に日光角化症の症状がみられる場合に、早期発見早期治療の為に使用できる。
  • 外科的手術・凍結法を何度も繰り返しても完治しない時に使用する。

等色々な使い方ができて、フィールド治療にとても適している薬です。

使い方

ベセルナクリームの使い方は適量を1日1回、週3回、就寝前にぬって、そのまま寝ます。朝起きるとベセルナクリームを石鹸で洗い流します。4週間その様な形でぬって、洗ってを繰り返し、4週間ベセルナクリームを付けないで様子をみます。

これで日光角化症の症状が消えれば、これで薬をやめます。また十分でない場合、効果が出ていない場合は、また4週間同じ様に、ベセルナクリームを就寝前に塗って、朝起きると石鹸で洗い流します。

赤くなったり、腫れたりするのは別に気にしなくて良いそうです。痛みやじくじくするのは局所に炎症が起こっているからで、効果が出ている証拠だそうです。

日光角化症の場合患部の周りは、一見何もない様でも、実は広域発がんの状態の事が多いです。一回目は広めに塗る方が良いですが、塗る事によって何でもなかった様な皮膚が、早期の病原菌が顕著に表れてきます。

副作用は90.5%に副作用がみられました。副作用の種類として、紅斑(68.3%)と最も多く、痂皮(57.1%)浮腫(46.0%)等と副作用が殆どの人に見られています。

フルオロウラシル軟膏(5-FU)

フルオロウラシル軟膏を塗って、ラップで覆う密封包帯療法が日本では行われています。全体的に幹部がただれるまで外用を続けて、十分な効果がでるまでに可成りの強い痛み、火の出るような症状を伴う事があります。また出血や炎症による組織液等がでて、他の部分への二次的感染への対処が必要です。

日光角化症の予防

日焼け止め

日光角化症の予防としては、紫外線に当たらない事です。紫外線に当たる時はしっかりと紫外線対策をして、UVカットのクリームをきちんと塗って、予防しましょう!特に5月から9月ごろまでは日焼け止めを塗る事を忘れない様にすると良いです。

紫外線に頼らないビタミンDを摂取サプリメントなどで補うと、日光角化症の予防になります。

紫外線の種類

UVA波

日焼けを引き起こす皮膚の表面に作用します。室内に入り込む光や、ガラス越しの光、照り返しの光も肌にダメージを与えます。

UVB波

細胞の深い部分まで浸透し、細胞のDNAまで破壊したり老化の原因や、がんの原因にもなります。シミの元となるメラニン色素を濃くして、肌の張りを奪います。

日焼け止めの選び方

日焼け止めの種類

日焼け止めにはPAとSPFと2つの種類があります。これらの2つの種類の違いについてご存知でしょうか?

PAとはUVA波の対策となります。野外でお仕事や、野外スポーツをやられる方は、PA+++以上の物が良いでしょう。

SPFはUVB波対策と成ります。SPF50と書かれていると日焼けが起こる時間が5時間遅らせる事ができると言う事です。

SPF16以上PA+++の日焼け止めを選ぶと良いでしょう。

貼る日焼け止め

エアーウォールUVは、UVAとUVBの紫外線を97%カットしてくれるそうです。フイルム方面にてかりを抑える特殊効果があり、張る事で紫外線をカットしてくれるそうです。長時間の日焼け止め効果が期待できます。

まとめ

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日光角化症についてみてきましたが、お分かりいただけましたでしょうか?皮膚にちょっとできて、痛みも痒みもないからと放置していると、皮膚がんに移行する確率は高くなります。

日光角化症はすでに有棘細胞がんになろうとしているもので、この日光角化症で止められる事ができるかどうかで、皮膚がんに移行しなくて済みます。

たかが皮膚にできたシミだからと放置しないで、少しでも日光角化症の疑いを感じたら専門医で調べて貰って、完治させる事が大切ではないでしょうか?

  
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