肉離れの痛みの特徴について!期間や治療方法は?

テレビのニュースでもよく取り上げられることがある、スポーツ選手の肉離れ。実はスポーツ選手に限らず中高生や運動をしなくなり筋肉量が低下している中高年にも起こりやすい疾患だと知っていましたか?肉離れとはどんな症状なのでしょう?

また肉離れを骨と筋肉が離れてしまうことと勘違いしている人もいらっしゃいます。これについても認識を訂正していきましょう。

肉離れの症状や対策についてまとめてみました。スポーツをする方もしない方も起こる可能があります。もし肉離れになってしまった場合に取るべき対処法やリハビリ方法についても紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

肉離れとは?

股関節 筋肉痛

肉離れとは、筋肉に急激に強い収縮力が働き、その筋力に耐え切れず、筋肉や筋肉膜の一部が損傷または断裂してしまうことをいいます。筋断裂障害ともいわれます。

骨と筋肉が離れてしまうのではなく、筋肉と筋肉が断裂して離れてしまう症状が肉離れという外傷になります。

筋断裂には、部分断裂と完全断裂とあり、ほとんどの場合は運動によるものですが、日常生活の範囲で起こることもあります。さらにその程度も軽度なものから歩けなくなるような重度なものまで様々です。場所もふくらはぎやふとももの他に背中などに多く発生します。

肉離れの発生タイプ

肉離れが起きるときには2つのタイプがあります。

①突然発生する

筋肉に急激に伸縮する力が加わったときに損傷したり断裂したりする。特に運動不足の人が急激に運動をおこなった場合に発生しやすい症状になります。

②ゆっくり発生する

筋肉が伸縮する動作を繰り返し行うことによって、少しずつ筋肉が損傷したり断裂したりする。長時間筋肉を使用する事の多い、肉体労働者やスポーツマンに多く発生する可能性が高い症状になります。

筋肉が柔軟性を失っている

上記の発生原因は筋肉が柔軟性を失っている事によって発生している問題になります。ストレッチを怠っている事や、運動不足によって筋肉が硬くなってしまっている場合。

また、長時間の運動で筋肉が疲労し、硬直状態になり筋肉が持続的に緊張してしまい怪我につながりやすくなっている場合があります。

筋肉は柔軟性を失うと伸びるよりも縮む方の力が強くなり、伸ばす運動をする場合も筋肉が伸びなくなってしまいます。それを無理に伸ばす運動を行うことで、筋断裂が発生し、肉離れに繋がってしまうという事になります。

症状の種類

肉離れの程度によって、症状もさまざまです。

①痛み

伸ばしたり、縮めたりする動作をしたときに痛むものや押すと痛いもの。また特に何もしていなくても痛くなるという症状があります。ひどくなると歩くことが困難になる場合も出てきます。

気をつけて欲しいのは特に何もしなくても痛い場合です。肉離れは外から見てすぐに判断できるものではないので、もし何もしなくても痛い場合は筋肉疲労からくる骨折などの可能性も考えられます。気になったら医療機関に受診したほうがよいでしょう。

②腫れ

肉離れをしたと思われる箇所が腫れることがあります。腫れの程度も小さく腫れている感じから大きく腫れるものまでさまざまです。

また肉離れを起こしていても腫れない場合もあり、外からは分かりづらいものです。まれに内出血がひどく、腫れ、激痛があるときはコンパートメント症候群が考えられます。そのような症状の時は迷わずに医療機関に受診してください。

コンパーメント症候群とは?

スポーツや交通事故などで骨折や打撲、脱臼などを原因として、その出血などで組織の圧力が上がり血行障害を起こし筋腱神経が壊死する障害です。

③あざ

肉離れであざのようになることがあります。そのあざも、肉離れが起きてすぐできる場合とある程度時間が経ってから出てくるものがあり、特に注意したいのは、時間が経ってから出てくる場合です。

損傷や断裂が深い部分で出来ている可能性があります。その場合、損傷や断裂の程度が大きいことが考えられます。

④運動制限

肉離れによって、痛みを伴い関節や部分を動かすことが出来なくなっている状態です。生活での運動にも支障をきたします。もし、スポーツや肉体労働などをしている場合は、通常どうりの業務や活動をしばらく行うことは出来ません。

⑤変形

筋肉の損傷などで、その部分がへこんでしまうことがあります。凹みなどが発生している場合は筋断裂がかなり激しく発生していることが考られます。

陥没を治療したい場合は手術によって治療する他ありません。陥没を特に気にしない、もしくは手術を嫌うスポーツ選手などは手術を行わない場合もあります。

手術を行って陥没を治療しなくても運動機能には重大な問題を引き起こさないので、そのままにしておいても特に問題にはなりません。

基本的に切れてしまった筋は完全に繋がることはありません。新しい細胞組織が筋肉を再形成するだけでこの切れてしまった筋組織は完全に元には戻ることはありませんのでリハビリなどで機能が回復したとしても、この凹みが残ってしまう場合があります。

症状は3段階

肉離れは症状の重大さによって医学的に3段階に分かれています。

① 第1段階(軽症)

肉離れの症状としてはとても軽く、筋肉が多少伸びた程度、もしくは部分的に断裂した状態で痛みもありますが歩行も可能、場合によっては運動もできる程度です。

② 第2段階(中程度)

筋肉繊維の一部がかなり断裂を起こしてしまっている状態か、筋膜が損傷している可能性があります。痛みもかなり出ていて、皮下出血を起こしている場合は歩行が困難になります。

③ 第3段階(重症)

部分的に筋繊維が深く断裂した状態です。痛みのある部分を押して圧迫してみると陥没が確認できると思います。このような状態になると運動を続けることは難しいです。また痛みもひどく、場合によっては激痛で歩行が不可能な状態になります。

特にこの3段階まで症状が重いと回復までに時間がかかります。スポーツなどをしている人はこの状態にならないように常に筋肉の状態に気を遣っているようです。

また逆に普段から筋肉をしっかり使っている、ストレッチなどを行っているスポーツ選手はここまでの症状に繋がることはありません。運動不足でもなかなかなることはないでしょう。

あるとすれば交通事故などの影響で激しく筋肉組織を伸ばすなどした場合に重度の肉離れになってしまう事があります。

肉離れがよく起こる箇所

ふくらはぎ 筋肉痛

よく肉離れが起こる箇所を見てみましょう。基本的には肉離れというと太ももに発生することがイメージされますが、以外に腕でも発生する事がります。

ふくらはぎ

ヒラメ筋や腓腹筋(ひふくきん)に多くみられます。特に走ったときや、高いところから地面に足をついたときなどに急激に力が加わって筋断裂が発生する事があります。

ふともも

ふとももの前や後ろ、内側の筋肉や大腿四頭筋、内転筋などに多い。ジャンプや急にダッシュするなどしたときに起きることがあります。

肉離れとしては最も発生しやすいのが人ももになります。肉離れの9割以上はふくらはぎか太ももという足での発生がほとんどになります。

二の腕

上腕二頭筋や上腕三頭筋など。力こぶの出来る後ろの筋肉などに多い。

特に野球やテニスなどをしているスポーツ選手に多く見られる症状になります。

背中や腰

肉離れのほとんどは主に足に起こるといわれていますが、まれに背中や腰にも起こることがあります。

起床時に布団から起き上がろうとしたときや高いところのものを取ろうとしたとき、また寒い日に身体が縮こまっていて重たいものを持ったときなど、普段の生活でしがちな動作によっても肉離れは起きています。

肉離れの原因

股関節 筋肉

では、肉離れの原因について紹介します。以下の要因を持っている人は運動時には特に注意して、原因を排除して肉離れの予防につなげましょう。

筋肉の柔軟性

肉離れの原因は、筋肉の急激な収縮が行われることによって、筋細胞や筋膜が引き伸ばされて部分的な断裂を起こしたり、損傷したりすることです。またそのような状態になるのは、筋肉の柔軟性が無かったためともいわれています。

肉離れのような症状は筋肉の柔軟性が高い幼児期などの子供にはあまり見られず、骨格や筋肉が大人に近づいた中高生に多く発症します。つまり、筋肉が柔軟であれば、肉離れは起こしづらいということです。

人間はおおよそ20歳を過ぎたぐらいから、徐々に筋肉や腱の柔軟性は衰えてくるといわれています。大人になって肉離れを起こす人には、スポーツ選手など主にスポーツが原因のことが多いのですが、スポーツを普段あまり行わないような40代過ぎの中高年の方にもよく見られます。

普段運動を習慣にしていない人は元々の筋肉が萎縮していたり、固かったりして無理な運動や行動で肉離れを起こすのです。また寒い日などは筋肉もさらに固まりやすくなります。

  • 立ち仕事が多い職場
  • 足がつった時
  • 下半身の冷え
  • 打撲などの怪我の時
  • ミネラルの不足

これらの要素があるときも肉離れしやすいといわれています。肉離れを防ぐには、日頃から筋肉の柔軟性を保つ努力をすることが必要です。

筋肉疲労

筋肉の柔軟性の衰えのほかにも筋肉疲労の積み重ねによっても肉離れが起こることがあります。

運動した後に十分なストレッチをしなかったり、生活習慣が乱れていたり、睡眠不足の状態だったり、また日常的にオーバートレーニングである場合も筋肉疲労を起こす可能性があります。

まれに筋肉疲労から肉離れではなく、疲労骨折を起こしていることもありますので、注意が必要です。

肉離れの治療法

包帯

一番の治療法は、筋肉の柔軟性を保ちながら治すことです。まずはRICE処置という応急処置が行われます。その後に病院での治療となります。肉離れの基本的な治療法は保存療法といわれています。

受診科は?

肉離れが起こったときに受診するのは何科がよいのでしょうか?

ほとんどの肉離れを起こした人が通院するのは、整形外科です。整形外科は筋肉や関節、骨などに関する治療を行う科なので、症状が出たときにはすぐに整形外科に受診したほうがよいでしょう。そのほかの可能性が考えられる人は、総合病院などで相談してみてください。

RICE処置とは?肉離れの応急処置方法について

肉離れを起こしたときに行う冷やして痛みを軽減させる応急処置です。

・Rest(安静)

安静にすること。運動をしていた場合はすぐにやめて安静にします。

・Ice(氷水などで冷やす)

痛みのある患部を冷やすことで、血管が収縮し、腫れや痛みの軽減につながります。

・Compression(圧追)

痛みのある患部を圧迫・固定することで患部の余分な腫れをおさえます。

・Elevation(挙上)

痛みのある患部を心臓よりも高くすることによって血流をコントロールして腫れた痛みを軽減させます。

RICEはこのような文字の頭文字をとったものです。

肉離れを起こしてから4時間から6時間の間にこのような適切な処置を行うことで症状の回復の早さが違うといわれています。

ですから肉離れを起こした場合は病院に行く前にこのRICE処置が出来ると良いでしょう。

病院での治療

適切なRICE処置で応急処置をした後は、病院での治療になります。基本的には保存療法とよばれるもので、本来人間の持っている自然治癒能力を最大限に引き出し、肉離れした部分を少しづつつけていくというものです。

①温熱療法

RICE処置では、まず患部の肉離れの部分を悪化・拡大させないように冷やすなどの処置をしました。病院ではその後患部を温めて身体全体の血行を良くしながら自然治癒力を高めると同時に、筋肉を柔軟にして回復を早めることをします。

病院によっては筋肉を早く回復させるために、グルタミン成分を含んだサプリメントなどを処方しているところもあります。グルタミン成分はアミノ酸の一種で、傷口などの回復を早める効果があると言われています。

②手術

肉離れの治療で手術をすることはほとんどありませんが、まれに完全に筋肉が断裂してしまったなどの重症の時は手術を行うことがあります。

このような治療法で回復できたとしても、すぐに運動を再開することはやめましょう。なぜなら肉離れは再発する可能性の高い疾患です。筋肉の断裂や損傷が治ったとしても筋肉自体の柔軟性や疲労がある場合は、また同じところが肉離れすることがあるからです。

まずは柔軟な筋肉を保ちながら運動することを目標にして少しずつはじめるのが良いでしょう。

リハビリの必要性

適切な治療を受け、症状が緩和した場合も、その後リハビリをする必要があります。

はじめはウォーキングやストレッチ、ジョギングなどお医者さんと相談し、治療後の経過観察をしながら自分に合ったリハビリが必要です。

肉離れは再発の可能性が高い疾患です。一度症状が出ると同じようなところにでる可能性があります。ひどいときは慢性化することもあります。辛い思いをしないように徐々に筋肉を慣らしていきましょう。もちろんお医者さんの注意をよく聞いて指示に従いながら行いましょう。

まずは肉離れを再発させないために、筋肉の柔軟化を意識しながら筋力を鍛えましょう。

チューブゴムを使うリハビリなどは、負荷を軽くして軽度のリハビリから、徐々に負荷をかけて鍛えるリハビリまでできるので多くの医療機関で実践されている方法です。

肉離れの予防法

運動

また、肉離れを予防することもいいでしょう。

肉離れは一度発症すると再発しやすい疾患です。またその程度が重症であればあるほどその後運動を行うことが難しくなります。そうならないためにも、日頃から予防することも必要でしょう。予防にはテーピングが効果的です。

しかしテーピングもさまざまな方法があります。やり方を間違えてしまうと予防にならないので、正しいテーピングをマスターしましょう。

また、運動不足が慢性的に発生しないように、適度な運動を行って急激な負荷での落差を出来るだけ軽減して肉離れの発生を防ぎましょう。さらに、ストレッチで筋肉の伸縮性、柔軟性を向上させておくことも怪我に繋げないためには非常に重要です。

また、ストレッチでは運動効率や、筋肉の機能も上昇しますのでストレッチだけでも運動不足の解消効果も期待できます。睡眠前にストレッチするのが効果的ですので、風呂上がりのタイミングで温まっている筋肉を伸ばして柔軟性を維持しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

肉離れはスポーツ選手以外でも起こる可能性のある疾患です。早めの対策や処置で早期回復できますので、運動をするときなどは筋肉の柔軟性に心がけましょう。

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