会社で働くようになると、社内でのやりとりや、取引先とのやりとりなど、あらゆるビジネスシーンでメールを使うことが増えます。日常的に使用するメールと異なり、ビジネスでのメールにはルールも様々ありますし、間違った対応をするとビジネスマナーのなっていない人というレッテルを貼られてしまう可能性もあります。
では、ビジネスで使用するメールの正しい書き方やマナーについてご紹介します。正しいマナーを身につけて、社会人としてワンランクアップを目指しましょう。
ビジネスメールのマナー
メールの書き出し方を紹介する前に、まずはビジネスメールのマナーについて見ていきましょう。メールという手段は電話よりも手軽で、相手が不在の時でも用件を伝えることができて便利です。その分、一方的なコミュニケーションにならないよう、細心の注意が必要なツールでもあるのです。
件名だけで用件が分かるように
メールを送る時には必ず件名をつけ、件名を見ただけだけ何のメールなのか分かるようにします。プライベートメールではないので、忙しい相手でも読んでもらえるような件名にする必要があります。
【ご確認】営業ミーティングの出欠連絡をお願いします(営業部_鈴木)
【ご連絡】8月13日(水)の打ち合わせ場所の変更につきまして(株式会社○○_田中)
のように、タイトルだけで用件が分かれば開封されやすくなりますし、重要なメールだということが伝わりやすいです。
書式は分かりやすいものに整える
誰からのメールなのか、どんな用件なのかなどが一目で分かるよう、書式を整えておくこともマナーです。差出人欄には自分の名前だけでなく、社名やメールアドレスがきちんと表示されるように設定しておきましょう。
また、宛先欄に表示される相手の名前には必ず敬称をつけます。これはメールに返信する場合も同様ですので、うっかり忘れない様に気をつけましょう。
また、宛先が複数名になる場合には、必ず自社のメンバーよりも取引先相手を先にします。ここが逆にならないよう注意しましょう。
本文については以下のルールが一般的だと言われているので、参考にしてみてください。
- 本文は、相手の社名・部署名・肩書き・氏名・敬称から始める。1行目に社名、2行目に部署名、3行目に肩書き・氏名・敬称を書く
- 企業名は正式な名称で記載する。略名や(株)などの使用は避ける
- 書き出しでの頭語や時候の挨拶は不要。「お世話になっております」など、簡単な挨拶の言葉で始めるようにする
- 長い前置きは避け、簡潔に名乗る
- 一行あたりの文字は25〜35文字程度を目安にする
- 5行程度の意味のまとまりで一段落とする。段落間は1行空け、読みやすくする
- 用件は、5W2H(いつ・どこで・誰と・なぜ・何を・どのように・いくらで)を意識しながら、簡潔にまとめる
- 用件に理由や背景が必要であれば、前後で簡潔に伝えるようにする
- 日時など、箇条書きにできる項目は(そのほうが読みやすければ)箇条書きにする
- 結びは「よろしくお願いいたします」など、簡単な挨拶の言葉で締めくくる
- メールの最後に署名をつける。署名には、会社名、部署名、住所、氏名、電話番号、メールアドレスなどを入れる
相手の気持ちになって考えることが重要
メールを送る時は、何か理由や用件があってメールを送るはずです。それが急ぎの用件であれば、早く返信がほしいという気持ちが強くなってしまうこともあるでしょう。しかし相手も忙しいでしょうし、仕事のスケジュールなど様々な都合があります。そんな中メールに目を通してもらうわけですから、メールを書く時には、相手のことを考えることがとても大切です。
自分だけに分かるような書き方をしてしまうと理解するまでに時間がかかるかもしれませんし、忙しい時に読みにくいメールが届いたら煩わしく感じる人もいるでしょう。さらにビジネスメールですから、読みにくいメールやマナーのなっていないメールを送ってしまうと、会社の印象も悪くなってしまいます。常に評価の対象になっていることを自覚し、相手に不快な思いをさせない思いやりあるメールを書くように心がけましょう。
ビジネスメールの書き出し方
手紙もそうですが、メールも書き出しが肝心です。だからこそ、一体どのように書き出したらよいのか悩んでしますこともあるでしょう。ビジネスメールのマナーをお伝えしましたが、いざ書くとなるとやはり書き出しに詰まってしまう人はいるでしょう。そこで、ビジネスメールで使える書き出し方をご紹介します。
いきなり用件を書かない
ビジネスメールは分かりやすさが大事だとお伝えしましたが、そうは言ってもいきなり用件から入ってはぶしつけな印象を与えてしまいます。
先ほどのフォーマットにもありましたが、まずは挨拶文から始めるのがマナーです。挨拶文はテンプレ化して問題ありませんので、使い安いフレーズやいいなと思うフレーズがあれば、それを定型文として使いましょう。
メールの書き出しは必ず名乗る
挨拶文以外に大切なマナーは、メールの最初で名乗ることです。何度もやりとりのある相手の場合、メールアドレスで相手が分かってしまうこともありますが、マナーとして名乗らないのはNGですから、しっかりと名乗るようにしましょう。
では、具体的なフレーズをいくつかご紹介しましょう。相手が社内の人なのか社外の人なのか、ビジネスパートナーなのか顧客なのかによっても変わってくるので、それぞれ参考にしてみてください。
社内向け
上司や同僚など、社内の人間に送る場合には「お疲れさま」という言葉が一般的です。これは時間帯を選ばずに使えるフレーズなので書き出しの挨拶としては非常に使いやすいと言えるでしょう。また、朝に限っては「
が一般的です。これは時間帯を選ばずに使えるフレーズなので書き出しの挨拶としては非常に使いやすいと言えるでしょう。また、朝に限っては「おはようございます」というフレーズも使えます。
「先日の○○の件についてはありがとうございました」「○○の件でご相談させてください」
こちらのフレーズも使いやすいです。先ほどご紹介した挨拶よりも具体性があるため、相手に的確な挨拶ができますし、これから話す用件についても内容の想像がつきやすいので理解が早くなります。
社内でのメールでは、相手や時間帯によって挨拶文を変えるとよいでしょう。特に挨拶文が思いつかない人は、最後にご紹介したフレーズを活用してみてくださいね。
社外向け
一方、取引先などの社外の人間にメールする場合には、挨拶文も変わってきます。
「いつもお世話になっております」または「いつも大変お世話になっております」
こちらのフレーズは取引先など、仕事をする上で関わる相手にメールを送る場合には、このような挨拶文が一般的です。日頃の感謝を端的に表した挨拶文なので、冒頭につけるだけで事務的すぎず、マナーのあるメルにすることができます。
大切な相手へのメール
顧客など、特に大切な相手にメールを送る場合は、特に注意を払います。失礼があってはいけない相手なので、特に書く丁寧な挨拶文を心がけましょう。
- 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます
- いつもご愛顧いただき、誠にありがとうございます
引用元:ビジネスメール書ける人書けない人
このようなフレーズが役に立ちます。社内や取引先へのメール挨拶文と比較して、かなり丁寧な雰囲気になります。このように、メールを送る相手によって挨拶文を変えることでマナーを守った魅力的なメールを作ることができます。
使えるフレーズいろいろ
この他にも、場面や相手によって使い分けできるフレーズがたくさんあります。
面識のない相手
たとえば、まだ一度も会ったことない相手にメールを送る場合には、以下のフレーズが使えます。
- 突然のメールで失礼いたします。
- はじめてメールを送らせていただきます。
久しぶりに連絡する相手
また、面識はあるものの、しばらく会っていなかったり連絡を取り合っていなかったりした相手には、次のようなフレーズを使うとよいでしょう。ご無沙汰しております。
- ご無沙汰ばかりで申し訳ありません
- ご無沙汰しております
会ったばかりの相手
数日前に連絡したばかり、仕事で会ったばかりの相手に連絡する場合には、先日のお礼もかねて挨拶文にするとよいでしょう。
- 先日は、お付き合い下さり、誠にありがとうございました。
- 過日は、たいへんお世話になり感謝いたしております。
このように、相手によってビジネスメールの挨拶文を変えることによって、事務的な印象を緩和することができ、心のこもったメールを送ることができます。いくら仕事上のメールとは言っても、用件だけのメールでは送られた方も気分がよくありません。相手の気持ちを考えてメール文を作るようにしましょう。
他にも使えるフレーズをたくさん紹介しているサイトがあるので、参考にしてみてください。
ビジネスメールの基本の書き方&マナーまとめ【シチュエーション別例文つき】
まとめ
このように、ビジネスメールには様々な決まりがあります。書き出しや挨拶、名乗りや本文、そしてメールを締める結びの挨拶など、決まったルールがあるため、フォーマット化して覚えてしまうとマナーあるメールを送ることができますよ。
ビジネスメールは仕事をする上で送る機会が多いものですし、相手との良好な関係を築く上で非常に大切です。仕事上のメールひとつで関係が悪化してしまってはもったいないですから、この機会に正しいマナーを覚えておきたいものですね。
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