「言う」の謙譲語・尊敬語・丁寧語を知ろう!使う相手に注意!

社会人には欠くことのできないビジネスマナーの1つが、丁寧な言葉使い(言葉遣い)すなわち敬語です。敬語とは、目上の人などに敬意を示すための言葉使い・言語表現であり、一般的に尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類に分類されます。

企業関係者や取引先との会話やビジネスメールなどのビジネスシーンにおいては、尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けが必須です。そのため、社会人の多くが敬語の使い分けについて、それなりに知っているでしょう。

しかしながら、知っているつもりでも、やはり間違いやすいのが敬語の使い分けです。特に「言う」の尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けについては、歴戦のビジネスマンであっても時には「あれ?この用法で大丈夫?」と不安に陥るものです。

そこで今回は、「言う」の尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。

「言う」の尊敬語について

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そもそも基本的な敬語の使い方は、日本人なら学校で国語の先生から学んでいるはずですよね。しかし、家族や友人などに敬語を使うことは稀ですから、社会に出るまでに敬語の使い方を忘れてしまう人も少なくありません。

そこで、まずは尊敬語の基本的な知識を振り返りつつ、「言う」の尊敬語の使い方について、ご紹介したいと思います。

そもそも尊敬語とは?

そもそも敬語は、目上の人などに敬意を示すための言葉使い・言語表現です。そして、尊敬語とは、動作や行為の主体となる相手側を自分よりも上位の存在として高め、その相手側に対して話し手である自分側から敬意を表する言葉使いであり表現方法のことです。

言い換えると、尊敬語や尊敬表現には、敬意を払うべき人が何らかの動作や行為をしている場面で、その敬意を払うべき相手側に対して話し手である自分側が「相手を立てる・相手を持ち上げる」意味合いがあるのです。

尊敬語の語形変化

主に動詞・助動詞・形容詞が語形変化することにより敬意の意味が付加され尊敬語となりますが、名詞も尊敬語に変化することがあります。尊敬語の主な語形変化は、次の通りです。

・動詞の語彙自体が変化 (動詞「する」→尊敬語「なさる」)

・「お/ご ~ になる」 (動詞「掛ける」→尊敬語「お掛けになる」)

・「お/ご ~ なさる」 (動詞「掛ける」→尊敬語「お掛けなさる」)

・尊敬の助動詞「れる」、「られる」 (動詞「掛ける」→尊敬語「掛けられる」)

・形容詞や形容動詞に「お/ご」をつける (形容詞「忙しい」→尊敬語「お忙しい」)

・名詞に「お・ご・御・貴・尊」などをつける (「お車」、「御社」、「貴社」など)

「言う」の尊敬語

このような尊敬語の語形変化を踏まえ、「言う」の尊敬語を見てみると次のような2パターンになります。

・「おっしゃる」 : 動詞の語彙自体が変化

・「言われる」 : 「言う」+尊敬の助動詞「れる」

「言う」の尊敬語の使い方の具体例

ビジネスシーンにおいて敬意を払うべき対象は大勢います。例えば、自分が平社員だとすると、会社社内の先輩や上司(主任・課長・部長・社長など)、社外のお客様や取引先企業の担当者などです。

例えば、上司の主任からアドバイスを受けて、成果を報告する際に「主任のおっしゃる通りでした」あるいは「主任の言われる通りでした」と言うことがあります。この場合、話し手である自分が目上の存在である主任に成果を報告していますが、アドバイスを「言った」のは主任です。そのため、「言う」動作主体は主任であり、尊敬語「おっしゃる」や「言われる」を用いるのです。

二重敬語には注意

この「言う」の尊敬語・尊敬表現で、気をつけるべき注意点となるのが二重敬語です。

二重敬語は、尊敬語と尊敬語または謙譲語と謙譲語といったように、同じ種類の敬語を重ねて使うことを言います。そして、この二重敬語は間違った言葉使いであり、日本語として正しくないのです。

例えば、前述の具体例で言うと、

・「主任のおっしゃる通りでした」 : 正しい例文

・「主任のおっしゃられる通りでした」 : 間違いのNG例文

となり、NG例文は二重敬語となるのです。その理由は、「おっしゃる」に加えて尊敬の助動詞「れる」がついて、尊敬語が重なっているからです。

ちなみに、二重敬語は日本語として正しくないだけならまだしも、受け手によっては慇懃無礼(いんぎんぶれい)と感じて気分を害する可能性もあります。つまり、敬語を使う側は敬意を高めたつもりでも、逆効果になる可能性があるわけです。

「言う」の謙譲語について

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それでは、「言う」の謙譲語についてはどうでしょうか?そこで、次に謙譲語の基本的な知識を振り返りつつ、「言う」の謙譲語の使い方について、ご紹介したいと思います。

そもそも謙譲語とは?

前述のように敬語は、目上の人などに敬意を示すための言葉使い・言語表現です。そして、謙譲語とは、動作や行為の主体となる自分側を下位の存在として低めることで、動作・行為の相手側や聞き手に対して敬意を表する言葉使いであり表現方法のことです。

言い換えると、謙譲語や謙譲表現には、動作主体で話し手でもある自分側がへりくだることで、結果的に動作の相手や聞き手を上位の存在として「引き立てる」意味合いがあるのです。

謙譲語の語形変化

主に動詞や助動詞が語形変化することにより敬意の意味が付加され謙譲語となりますが、名詞も謙譲語に変化することがあります。謙譲語の主な語形変化は、次の通りです。

・動詞の語彙自体が変化 (動詞「する」→謙譲語「いたす」)

・「お/ご ~ する」 (動詞「掛ける」→謙譲語「お掛けする」)

・「お/ご ~ いただく」 (動詞「待つ」→謙譲語「お待ちいただく」)

・名詞に「粗・愚・拙・弊」などをつける (「粗茶」、「愚息」、「弊社」など)

「言う」の謙譲語

このような謙譲語の語形変化を踏まえ、「言う」の謙譲語を見てみると次のような2パターンになります。

・「申す」 : 動詞の語彙自体が変化

・「申し上げる」 : 動詞の語彙自体が変化

ちなみに、「申す」よりも「申し上げる」のほうが丁寧度が高く畏まった表現になります。

「言う」の謙譲語の使い方と具体例

ビジネスシーンにおいて、敬意を払うべき対象者が沢山いることは前述の通りです。

例えば、社内の会議やミーティングで多くの先輩や上司を前にして、仕事上の改善点を提案したり自分の意見を言う前に「恐れながら、申し上げます」・「恐縮ですが、申し上げます」と言うことがあります。この場合、話し手であり「言う」という動作の主体である自分が下位の存在としてへりくだることによって、動作の相手側である先輩や上司に対して敬意を表しているのです。そのため「申し上げる」という謙譲語を使うことが適切なわけです。

謙譲語を使うべき対象者に注意

ビジネスシーンにおいて敬意を払うべき対象は大勢いますが、自分から見て謙譲語を使うべき対象者が複数いる場面は注意が必要です。

例えば、取引先企業の担当者に自分の上司が挨拶したい旨の打診をするケースでは、取引先企業の担当者にも敬意を表すべきですし、社内では上司に対して常に敬語を使う関係性にあるでしょう。この場合、社外の人に対しては、自分の上司といえど身内にあたりますから敬語を使わないのがルールです。「私の上司である営業課長〇〇が、△△様にお会いしたいと申しますので…」と切りだすのが正解です。あくまでも自分と上司は身内であり、社外の人に対して下位の存在としてへりくだり、社外の人に敬意を示すのです。

また、取引先企業に自分の上司と挨拶に訪問するケースでも同様です。このような取引先企業の担当者に上司を紹介する場面では「こちらが私の上司である、営業課長の〇〇です」と言うのが正解です。

「言う」の丁寧語について

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それでは、「言う」の丁寧語についてはどうでしょうか?そこで、次に丁寧語の基本的な知識を振り返りつつ、「言う」の丁寧語の使い方について、ご紹介したいと思います。

そもそも丁寧語とは?

前述のように敬語は、目上の人などに敬意を示すための言葉使い・言語表現です。そして、丁寧語とは、話し手が自分よりも上位の存在と考える聞き手に対して敬意を表する言葉使いであり表現方法のことです。加えて、丁寧語には、伝える内容を丁寧に表現する意味合いもあります。

丁寧語の語形変化

丁寧語は、基本的に尊敬語や謙譲語のように語彙自体が変化をすることはありません。丁寧語の語形変化は、文末や語尾に「です」、「ます」、「ございます」をつける形が基本となります。

「言う」の丁寧語

このような丁寧語の語形変化を踏まえ、「言う」の丁寧語を見てみると次のようになります。

・「言います」

尊敬語・謙譲語と丁寧語の組み合わせ

丁寧語は、頻繁に尊敬語や謙譲語と組み合わせて使われます。これは、話し手である自分が聞き手や相手に対して、より敬意を示すためであり、より丁寧に伝えるためです。

ちなみに、丁寧語と尊敬語や謙譲語との組み合わせは二重敬語には該当しません。前述したように二重敬語は、同じ種類の敬語を重ねて使うことだからです。

まとめ

いかがでしたか?「言う」の尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?

企業関係者や取引先との会話やビジネスメールなどのビジネスシーンにおいては、尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けが必須です。今やビジネスに電子メールは必要不可欠となっていますが、敬語の使い分けはメールマナーやメール作法の重要な一要素となっているのですね。

ですから、ビジネスにおいて相手と会話をするときだけでなく、ビジネスメールで文章を作成したときにも、敬語の使い分けには気を配らなければならないでしょう。本記事などを参考にして、敬語の使い分けを再確認し、メールの送信前にはメール表現を見直すようにすると良いでしょう。

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