転職などの理由により今まで勤務していた会社を退職する際に生じる悩みの一つとして、菓子折りを持参すべきか否かという点に悩む人が少なくないようです。
その他にも、どんな菓子折りを用意すべきなのか、どんなタイミングで菓子折りを渡すべきなのか、などの悩みや疑問もあるようです。特に初めて退職をする人にとっては、退職時の菓子折りにまつわる悩みや疑問が尽きないのではないでしょうか。
そこで今回は、退職時に菓子折りを持参し渡すべきなのか、退職時に菓子折りを持参するとしてもどんな商品を用意すべきなのか、そして菓子折りはどのタイミングで渡すべきなのか、などについてご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
退職時に菓子折りを持参し渡すべきなのか?
そもそも転職などの理由により今まで勤務していた会社を退職する際に、必ず菓子折りを持参して渡さなければならないのでしょうか?
退職時には菓子折りを渡すことがビジネスマナーだと言う人たちもいれば、そのように菓子折りを渡す必要性はないという人たちもいます。そこで、まずは退職時に菓子折りを持参し渡すべきなのか、について明らかにしたいと思います。
菓子折りの持参は必須でもマナーでもない
結論から言えば、退職時に菓子折りを持参して渡すことは必ずしなければならないことではなく、社会的に確立したビジネスマナーとまでも言えません。
たしかに、日本の文化や慣習の一つとして、お世話になった人に対して「お礼」として菓子折りなどの贈答品を渡すことはあります。お中元やお歳暮などは、その最たる例と言えるでしょう。しかしながら、だからといって仕事を辞める際にも、必ず菓子折りを持参して渡さなければならない、ということにはなりません。退職時に菓子折りを持参しなかったからといって、マナー違反だと指摘されることはないでしょう。
退職の際に菓子折りを持参して渡すことは、あくまでも一緒に仕事をした人たちに対して、感謝の気持ちを表現する手段の一つにすぎません。別に感謝の気持ちを表現する手段が、言葉だけの挨拶であっても問題ないわけです。ですから、退職時に菓子折りを持参することは、必須でも確立したマナーでもないのです。
場合によっては、菓子折りを持参したほうが良い場合も
このように退職時に菓子折りを持参して渡すことは、必ずしも必要なことではありません。しかしながら、場合によっては、菓子折りを持参したほうが良いケースもあるようです。
例えば、菓子折りを持参することは、退職の挨拶をするきっかけ作りとしての意味合いもありますから、コミュニケーションが苦手な人にとっては単に挨拶回りをするよりも心理的なハードルが低くなるでしょう。
また、転職先が同じ業界の企業や取引先企業のようなケースは、退職後も仕事上のやりとりや情報交換などをするために良好な関係性を保つ必要があるでしょう。そのような場合には、やはり退職時に菓子折りを持参して好印象を残しておくことがプラスに働くはずです。
さらには、出版編集者やプログラマーなどフリーランスとして独立する人は、元の職場から仕事を受注したり、元の同僚を通じて仕事を斡旋してもらう可能性もあるかもしれません。そのため、退職時に菓子折りを持参して挨拶回りをしつつ、軽く営業やお願いをしておくことは大切なポイントだと言えるでしょう。
持参する場合の相手の範囲は?
退職時に菓子折りを持参して渡す場合、お菓子を渡すべき相手の範囲は一般的に概ね10人~20人程度と考えておくと良いでしょう。
もちろん勤務している会社の規模などによって異なりますが、20人前後の小さな会社ならば全員にお菓子が行き渡るように考えるべきです。仕事での関係性が薄い相手もいるかもしれませんが、小さな会社の中でお菓子を渡す人と渡さない人に分かれると変な空気を作り出してしまうからです。
一方で、大きな企業の本社・本店勤務ならば自分の所属部署だけで十分ですが、支社・支店勤務の場合は自分の所属部署だけにするか全員にするか規模によって判断は分かれるところです。
菓子折りを持参する場合、どんな商品を用意すべきか?
このように退職する際に、菓子折りを持参して渡すことは必ずしも必要ではありませんが、菓子折りを持参したほうが退職の挨拶回りをしやすいかもしれません。そ
れでは、退職する際に菓子折りを持参しようと決めた場合、どのような菓子折りを用意すべきなのでしょうか?そこで、退職時に菓子折りを持参する場合に、どんな商品を用意すべきかについて、ご紹介したいと思います。
個包装してある詰め合わせ商品がベスト
退職時に持参する菓子折りとしては、お菓子一つ一つが個包装されていて、複数のお菓子が外箱に詰め合わせされている商品が最も相応しいと言えるでしょう。
その最大の理由は、生菓子やケーキなどのような個包装されていないお菓子だと、手渡しにくいからです。加えて、個包装されていないと日持ちがしませんから、お菓子を渡された相手方も直ぐに食べなければなりません。さらに、個包装されていないと日持ちがしませんから、菓子折りを持参した日にたまたま休暇中だったり所用で外出中だったりした人に渡すことも難しくなります。
例えば、クッキー・フィナンシェ・マカロンなどの焼き洋菓子、和菓子ならば羊羹(ようかん)やおかきは、個包装されて箱詰めされたセット商品が多くありますので、選択する商品として適切なのではないでしょうか。
賞味期限に余裕のあるもの
退職時に持参する菓子折りについては、なるべく賞味期限に余裕のあるものを選ぶべきでしょう。
というのも、前述のように菓子折りを持参した日に、たまたま休暇中だったり所用で外出中だったりする人もいるからです。また、お菓子を渡されたタイミングでは忙しくて食べる暇がない人などもいますから、渡された相手が自分なりのタイミング食べられるような配慮として賞味期限や製造日などの商品情報にまで気を配れると良いでしょう。
菓子折りの予算と価格
退職時に持参する菓子折りの予算については、もちろんお菓子を渡す人数によって異なりますが、概ね10人~20人程度に対して1000円~3000円程度と考えておくと良いかもしれません。渡す人数が少し多くなる場合で、3000円~5000円程度でしょう。
例えば、お菓子を渡す人数が20人ならば、小さな一口サイズのクッキーが個包装されていて25枚入りや30枚入りの箱入りの詰合せセットを商品価格3000円程度で購入すると良いでしょう。もちろんクッキーではなく、フィナンシェやチョコレートなどでも構いませんし、スイーツにこだわらず煎餅などでも問題ありません。
ちなみに、菓子折りの商品は高級品でなくても問題ありませんが、百貨店に店舗を出している有名菓子メーカーや人気店などの人気商品を購入すると、スイーツ情報に詳しい女性が多い職場でも間違いないでしょう。
菓子折りを渡すべきタイミングは?
繰り返しますが、退職時に菓子折りを持参して渡すことは必ずしも必要ではありません。ただし、菓子折りを持参したほうが退職の挨拶回りをしやすいでしょう。
それでは、退職する際に菓子折りを持参しようと決めた場合、どのようなタイミングで渡すべきなのでしょうか?そこで、退職時に菓子折りを持参する場合に、菓子折りを渡すタイミングについて、ご紹介したいと思います。
タイミングは最終出社日
退職時に持参する菓子折りについて渡す日程的なタイミングは、基本的に最終出社日・最終出勤日が最も適切だと言えるでしょう。
もちろん仕事の引継ぎ・有給消化(有給休暇消化)・健康保険証の返還などの退社手続きによる調整も必要になりますから、絶対に出社する最終日でなければならないわけではありません。
しかしながら、やはり最終出社日よりも何日も早いタイミングだと不自然ですし、何よりお菓子を配り渡した後にも出社していると自分が職場に居づらい雰囲気を感じるでしょう。
ですから、退職時の菓子折りを渡すタイミングについては、なるべく最終出社日となるように予め調整しておくと良いでしょう。
ちなみに、お菓子を渡す時間的タイミングは終業後がベターですが、周囲の都合によっては休憩時間などを見計らって渡しても良いでしょう。
菓子折りの渡し方
退職時に持参する菓子折りの渡し方については、考えられる方法が何種類かあります。
その中でも、菓子折りを手に持って同僚1人ずつにお菓子を配りながら、退職の挨拶をしていく方法がおすすめです。お世話になった同僚には1人1人直接感謝の気持ちを伝えることが、社会人としては理想的だと言えるからです。
また、朝礼や終礼において同僚の前で挨拶の機会をもらえるケースでは、そこで上司に箱ごと渡して中身の分配を上司に委ねてしまう方法も考えられるでしょう。
さらには、小さな会社や小さな支店・支社においては、休憩スペース・共有スペースなどに退職のコメントと感謝のメッセージを添えて置いておき、朝礼や終礼あるいは退職挨拶メールでその旨を伝える方法もあり得るでしょう。
このような菓子折りの渡し方については、どれが正解ということはなく、職場それぞれに合った方法がありますので、渡す前に十分に検討しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?退職時に菓子折りを持参し渡すべきなのか、退職時に菓子折りを持参するとしてもどんな商品を用意すべきなのか、そして菓子折りはどのタイミングで渡すべきなのかについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、初めて退職をする人にとっては、退職時の菓子折りにまつわる悩みや疑問が尽きないかもしれません。とはいえ、あくまでも退職時に菓子折りを持参することは、一緒に仕事をしたことへの感謝を気持ちを表現する手段にすぎません。形式的に菓子折りを持参したとしても、そこに感謝の気持ちが存在しなければ本末転倒です。
結論として、退職時に菓子折りを持参することは必須ではありません。ただし、会社都合ではなく自己都合で会社を退職する際に、菓子折りを持参するか悩むのでしたら、円満に辞めるためにも退職時に菓子折りを持参すると良いかもしれませんね。
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