多尿とは?その原因や治療方法、頻尿との違いを知ろう!

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多尿あるいは多尿症という症状について、ご存知でしょうか?その字面からも分かる通り、おしっこ・尿の量が通常よりも多い状態・症状のことを、多尿・多尿症と言います。

多尿は、頻尿に代表される排尿障害のうちの一症状です。多尿・多尿症になると、人間の生存に不可欠な排尿についてのトラブルですので、仕事や家事が中断させられるなど日常生活にも重大な影響を及ぼす可能性があります。そして、このような尿の量が通常よりも多い状態である多尿の原因は、とても重い病気である可能性もあるのです。

そこで今回は、尿の量が通常よりも多い状態である多尿について、その原因や治療方法などをご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。

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正常な排尿状態と排尿障害

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そもそも尿の量が正常・通常な状態とは、どのような状態のことを言うのでしょうか?

多尿の原因や治療方法について理解するためにも、まずは正常な排尿状態と排尿障害について確認しておきたいと思います。

排尿の仕組み

おしっこ・尿は、便と並ぶ人間の排泄物です。尿は、腎臓で血液が濾過されることで回収された血液に含まれる老廃物や余剰水分を材料にして生成されます。腎臓で生成された尿は、尿管を通じて膀胱に送られ、膀胱で一定量に達するまで貯留されます。

膀胱に溜められた尿の量が一定量に到達すると、重さや膀胱の膨らみ具合などの刺激が神経信号となって脳に伝わり、尿意を催すことになります。尿意が生じると、人はトイレに向かい、尿道括約筋・骨盤底筋といった排尿に関与する排尿筋を緩めます。そして、膀胱内に溜められていた尿が、尿道を通じて体内から体外へと排泄されます。

正常な排尿状態

前述のように腎臓で生成された尿は、一定量に到達するまで膀胱に溜められます。この膀胱は、大部分が筋肉で形成されていて、膀胱に溜まる尿量の増減に応じて筋肉が伸縮するようになっています。

一般的に成人の膀胱が尿を溜めることができる量は、平均して500ml程度とされています。膀胱が尿を溜めることができる量(膀胱容量)については、もちろん個人差がありますが、それぞれ溜められる量の8割程度に到達すると、尿意を催します。

1日で体外に排泄される尿量の合計は、平均して1リットル~2リットル(1000ml~2000ml)が正常範囲とされています。ただし、水分摂取量や天候などの影響もあるため、正常範囲とされる排尿量も、あくまで目安の量にすぎないことは留意すべきです。

ちなみに、排尿回数については、夜間の排尿も含めて1日に4~7回が正常とされていますが、こちらも水分摂取量などの影響を受けるため、あくまでも目安にすぎません。

排尿障害

排尿障害は、病気など何らかの要因の影響で正常な排尿が難しい状態であることを言います。排尿障害は、腎臓・膀胱・尿道などの泌尿器系に原因がある場合だけでなく、様々な要因によって生じる可能性があります。

また、排尿障害で現れる症状も、頻尿や多尿だけではなく、とても多岐にわたる症状が現われます。排尿障害で現れる主な症状は、次の通りです。

  • 頻尿、夜間頻尿
  • 多尿
  • 尿失禁、尿漏れ
  • 尿閉
  • 残尿感
  • 無尿
  • 乏尿
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多尿・多尿症とは?

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多尿は尿の量が通常よりも多い状態ですが、具体的にどの程度の尿量になると多尿・多尿症とされるのでしょうか?

そこで、多尿の定義と多尿の症状について、ご紹介したいと思います。

多尿・多尿症とは?

多尿・多尿症とは、おしっこ・尿の量が通常よりも多い状態・症状のことを言います。

前述のように、あくまでも目安としてですが、正常かつ通常な1日の尿量は平均して1リットル~2リットル(1000ml~2000ml)とされています。このような通常の尿量に対して、多尿と判断される尿量は1日の尿量が3リットル(3000ml)を超える量とされています。

ですから、1日の尿量が3リットル(3000ml)を超えると、多尿・多尿症と判断される可能性があるのです。

多尿の症状

多尿の主症状は、1日で3リットル(3000ml)を超える尿量があって、おしっこが多いことですが、多尿で現れる症状は必ずしもそれだけではありません。

多くの尿量が生じるということは、多くの場合でトイレに向かう回数も増えることから、頻尿の症状を伴う場合があります。

また、多尿は体内から多くの水分量が体外に排出されるということですから、のどが渇く口渇感が生じて、多くの水分を摂取する多飲症を伴う場合もあります。

さらには、多尿と頻尿が合併して夜間にも何度かトイレに向かう夜間頻尿が発生する場合、質が高く十分な量の睡眠を確保することができずに睡眠障害を伴うこともあります。

多尿と頻尿

多尿の症状が現れる場合、前述のように頻尿の症状を伴う場合があります。ただし、多尿と頻尿はイコールではなく、多尿だからといって必ず頻尿となるわけではなく、頻尿だからといって多尿となるわけでもありません。

そもそも多尿と頻尿では、一部を除いて原因が大きく異なります。頻尿の主な原因は、次の通りです。

  • 泌尿器系の病気(尿路感染症、間質性膀胱炎、前立腺肥大症)
  • 腫瘍(膀胱がん、男性の前立腺がん、女性の子宮筋腫など)
  • 糖尿病
  • 高血圧症
  • 過活動膀胱(痙性神経因性膀胱)
  • 女性特有の頻尿原因として骨盤底筋の緩み
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多尿・多尿症の原因

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このように1日の尿量が3リットル(3000ml)を超えるという多尿・多尿症ですが、どのような原因によって発症するのでしょうか?

そこで、多尿・多尿症の原因について、ご紹介したいと思います。

水分の取り過ぎ

近年、ダイエットあるいは体質改善などを目的として、2リットルのペットボトルに入った水を1日で飲み切ることなどを自分に課している人がいます。そのような水分の過剰摂取の是非はともかく、たくさんの水分を摂取すれば、当然ですが摂取した水分量に近い量が尿として排泄されますので、多尿となる可能性があります。

また、コーヒー・緑茶・アルコールといった利尿作用がある飲料を多く摂取すると、尿量が増加して多尿となる可能性があります。

ちなみに、過剰に水分を摂取すると、いわゆる水中毒となって、低ナトリウム血症や低カリウム血症など引き起こす危険性がありますので注意が必要です。水中毒とは、血液を含めた体液に溶けている電解質(ミネラルイオン)濃度が低下することで、様々な身体的不調が生じることを言います。

ストレスによる心因性多飲症

心因性多飲症とは、何らかの精神的ストレスが引き金となって口渇感が生じ、大量の水分を摂取することで精神的な安定を保とうとする一種の精神疾患のことです。

心因性多飲症の患者の中には、1日で6リットルを超える水分を摂取する人もいるため、必然的に尿量が増加して多尿となります。心因性多飲症の場合、病院で検査をしても腎機能障害(腎障害)などの身体的な疾患は見られず、水分摂取の制限をすることで尿量が低下することが特徴的です。

ただし、心因性多飲症では身体的な疾患が無くとも、水分の過剰摂取によって水中毒症状(低ナトリウム血症・低カリウム血症など)を引き起こしている可能性は十分に考えられます。

尿崩症(にょうほうしょう)

多尿・多尿症の原因として、最も多いのは尿崩症とされています。尿崩症とは、身体の中に一定量の水分をとどめておく水分保持機能の働きが正常でないことで、多尿となってしまう疾患のことです。尿崩症になると、身体の水分が多尿によって失われていきますので、結果として口渇感が生じ、大量の水分を欲することになります。

この点、心因性多飲症と尿崩症は、多尿と口渇感の因果関係は全く逆ですが、口渇感・多尿・大量の水分摂取という症状が非常に似ているため、両者の判別には注意を要します。

尿崩症は、原因によって中枢性尿崩症と腎性尿崩症の二つに分類することができます。

中枢性尿崩症

身体の中に一定量の水分をとどめておく水分保持機能とは、脳下垂体後葉から分泌された抗利尿ホルモンが腎臓の細胞膜に存在する受容体に働きかけることで、腎臓が血液濾過の過程で回収した水分を再吸収させて体内に水分をとどめる仕組みのことです。

そして、中枢性尿崩症は、脳下垂体が何らかの要因によって障害され、抗利尿ホルモンの分泌が低下あるいは分泌ができなくなることにより、水分の再吸収ができずに多尿となる疾患のことを言います。

中枢性尿崩症は、さらに続発性・家族性・特発性の3種類に分類されます。

続発性の中枢性尿崩症

続発性の中枢性尿崩症は、脳の視床下部や下垂体の近辺に生じる脳腫瘍・脳炎や脳の外傷などに続く形で発生する尿崩症です。脳腫瘍・脳炎・脳の外傷などによって、脳下垂体が障害されるためだと考えられます。

家族性の中枢性尿崩症

家族性の中枢性尿崩症は、遺伝性の遺伝子異常によって抗利尿ホルモンの分泌が少量あるいは分泌が無いことで発生する尿崩症です。

特発性尿崩症

特発性尿崩症は、原因不明の中枢性尿崩症です。現在の有力な見解では、自己免疫性の炎症が脳下垂体後葉に生じることで、脳下垂体が障害されると考えられています。

腎性尿崩症

腎性尿崩症は、脳下垂体からは問題なく抗利尿ホルモンが分泌されるものの、それを受け取る腎臓の受容体が何らかの要因によって障害され、抗利尿ホルモンが作用しないことにより、水分の再吸収ができずに多尿となる疾患のことを言います。

腎性尿崩症は、さらに続発性と家族性の2種類に分類されます。

続発性の腎性尿崩症

続発性の腎性尿崩症は、腎臓の炎症(腎炎)や電解質代謝異常などに続く形で発生する尿崩症です。腎炎や電解質代謝異常などによって、抗利尿ホルモンを受け取る腎臓の受容体が障害されるためだと考えられます。

ちなみに、電解質代謝異常とは、血液を含めた体液に溶けている電解質(ミネラルイオン)濃度が正常範囲を逸脱して上昇あるいは低下を示す症状のことで、様々な身体的不調を引き起こします。

例えば、拒食症や過食症など偏った食生活によって、体内の電解質濃度のバランスが崩れることで電解質代謝異常(低カリウム血症など)が生じる場合が考えられます。また、副甲状腺機能亢進症によって、副甲状腺ホルモンが過剰分泌された結果として、電解質代謝異常(高カルシウム血症)が生じる場合もあります。さらに、原発性アルドステロン症によって、副腎皮質に病変が生じる結果として、電解質代謝異常(高ナトリウム血症・低カリウム血症)が生じる場合もあります。

家族性の腎性尿崩症

家族性の腎性尿崩症は、遺伝子異常によって抗利尿ホルモンを受け取る腎臓の受容体の働きが悪いことで発症する先天性の尿崩症です。

糖尿病

糖尿病も、多尿・多尿症の原因となります。糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの量が減少することにより、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなる病気です。

血糖値が高くなると、血漿浸透圧によって他の細胞から水分が血管内に移動します。これは、いわば血液中のブドウ糖濃度が高くなり血液がドロドロ化したために、それを水分で薄めようという生体反応です。そして、腎臓の血液濾過機能で余分なブドウ糖を回収・排出しようとする際に、多くの水分も一緒に排出されて多尿となるのです。

一方で、血管内に水分を供出した細胞では、水分が不足する脱水状態となるため、口渇感が生じ、口渇感を解消するために多飲となります。そのため、さらに多飲の結果として多尿になる悪循環が引き起こされます。

腎臓病

腎臓病は、慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)やネフローゼ症候群といった腎臓機能が低下する疾患の総称です。腎臓は、肝臓と同様に沈黙の臓器と呼ばれ、病変が起こっていても自覚症状に乏しい臓器です。そのため、病変に気付いた時には、腎機能が低下して慢性腎不全の状態となっている場合もしばしば見られます。

腎臓病になると、高血圧・タンパク尿・血尿・むくみといった症状が現れます。そして尿量については、腎機能が低下する慢性腎不全の初期には、一過性で多尿の症状が現れます。ただし、慢性腎不全の症状が進むと、尿を生成することができなくなり乏尿の症状が現れ、最終的に無尿の症状に行き着きます。

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多尿・多尿症の治療方法

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このように様々な原因によって発症する多尿・多尿症ですが、実際に発症した場合には、どのような治療がなされるのでしょうか?

そこで、多尿・多尿症の治療法について、ご紹介したいと思います。

病院での受診

おしっこ・尿の量が多いかもしれないと感じた場合は、内科あるいは泌尿器科の病院を受診して、専門家である医師の診断を仰ぎましょう。というのも、多尿・多尿症の治療をするにあたり、まずは原因を突き止める必要があるからです。

医師の診断の前提として、ほとんどの場合で血液検査や尿検査などの検査を実施します。また、医師の問診に回答するためにも、なるべく自分の1日における排尿回数や排尿量などについて、気にしてメモに残しておくなどすると良いでしょう。

尿崩症による多尿の治療法

続発性の中枢性尿崩症・腎性尿崩症の場合は、基礎疾患・原因疾患である脳の病気や電解質代謝異常を引き起こしている病気の治療をすることが大切になります。

その上で、薬剤の投与をする薬物治療を実施します。中枢性尿崩症では、一般的に抗利尿ホルモンと同様の働きをするデスモプレシン製剤の点鼻薬を点鼻するか、デスモプレシン製剤の錠剤を服用します。

腎性尿崩症の薬物治療は、軽度の場合にはデスモプレシン製剤の投与によって症状改善を図る場合があります。また、水分や電解質の再吸収を促す働きを持つチアジド系利尿剤を用いることもあります。

糖尿病による多尿の治療法

糖尿病による多尿の治療は、血糖値が高くなりすぎないように調整する血糖コントロールに尽きます。糖尿病の治療で重要とされる食事療法や運動療法を通じて、血糖値を正常範囲内におさまるようにします。

また、必要に応じて、インスリン注射をするなどインスリン療法を実施する場合もあります。

腎臓病による多尿の治療法

腎臓は、病変が起こっていても自覚症状に乏しい臓器であるため、病変に気付いた時には、腎機能が低下して慢性腎不全の状態となっている場合があります。

腎臓機能は、一度悪化すると元の状態にまで回復させることは困難なため、食事療法や薬物療法によって対症療法をすることになります。

水分の過剰摂取と心因性多飲症による多尿の治療法

水分の過剰摂取では、当然ですが水分の過剰摂取を控える必要があります。

また、心因性多飲症の治療は、心理カウンセリングなどを通じてストレスや不安の緩和を図りながら、水分の過剰摂取を控えるように促します。心理カウンセリングを通じた心の治療は、精神科・心療内科などの病院で専門医師が行います。

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まとめ

いかがでしたか?多尿・多尿症の原因や治療方法などについて、ご理解いただけたでしょうか?

多尿・多尿症は、おしっこ・尿の量が通常よりも多い状態のことで、排尿障害・排尿トラブルのうちの一つです。排尿という行為は人間が生存していく上で不可欠のもので、多尿・多尿症になると日常生活にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

そして、このような多尿の原因は、単なる水分の過剰摂取というものから、糖尿病や腎臓病といった重篤な病気である場合もあるのです。

ですから、尿の量が多くなっていると感じた場合には、速やかに病院を受診して医師の診断を仰ぎ、必要十分な治療を受けるようにしましょう。

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