ネフローゼ症候群とは?原因や症状、治療方法を知っておこう!

病気というのは正式な名前を聞くとあまりピンとこないものが多いのですが、このネフローゼ症候群も同様で、あまり聞いたことがないと思います。

このネフローゼ症候群は正式の病名ではありません。いろいろな症状が重なって起こるものなので、症候群となっています。おおまかに言いますと、腎臓などの障害で身体がむくんだり、尿からたんぱくが出たり、血尿が出たりと、症状としてはかなりの重病のようです。

これを読んでいて、対象の人はいないと思いますが、念のため足の脛のあたりをぎゅっと押さえて、その離した後が、しばらくへこんだままになっていませんか?へこんだままだと、それはむくみを起こしていて、もしかしたら、ネフローゼ症候群かもしれません。

この病気の発症の8割が6歳未満の子供なのですが、いろいろと弊害があります。そして、長期に渡り病気が治りにくいこともあり、その状況は深刻です。ですが大人がかかる場合には他の病気と併発してネフローゼ症候群の症状を引き起こすことが多いとのことです。

今回はそのネフローゼ症候群について、お伝えします。

ネフローゼ症候群の種類

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一次性ネフローゼ症候群

主に子供がかかる病気で、かなり厄介です。根本的に原因がないものを一次性のネフローゼ症候群と呼びます。一次二次の分け方は、その根本的な病気があるかないかで決められます。

病気としては、尿かたんぱくが流れ出してしまうために、体内のたんぱくが不足するもので、低たんぱく血症といいます。そのため血管の中の水分が減り、血管の外に水分が流れ出てむくみを引き起こします。

この病気は腎臓の濾過の異常が原因となっているようです。なかなか治りにくく、そのほとんどが長期に渡る治療となります。

二次性ネフローゼ症候群

大元の病気があり、それに付随してネフローゼ症候群を引き起こしているものが二次性です。その大本の病気の主なものは糖尿病や膠原病で、これらの病を発症していると、その影響でむくみや低たんぱく症を引き起こすのです。

一次性と違い、当人も気をつけようとすれば、避けられる症状ではあります。ですが、ほとんどの人はかかり始めでも気付きづらいようです。特に膠原病などと併発した場合は、そのメインの病気に気が行っているため、医師からネフローゼ症候群も引き起こしてます、と言われないとわからないかと思われます。

ネフローゼ症候群の原因

内臓01

腎臓疾患

尿を作る腎臓内の糸球体が何らかの異常で、たんぱくを分離できず、一緒に尿と流れ出てしまう症状です。そのため、体内のたんぱくが失われて低たんぱく状態となります。それが引き金となり、血液の中の浸透圧が低下し水分が血管外へもれてむくみを引き起こしてしまいます。

むくみが出ている時は、塩分や水分を控えることになります。また、この患者の血液は非常に固まりやすいので、血栓症を引き起こしやすくもなります。

糖尿病性疾患

もともとは糖尿病が重症化して、その影響でネフローゼ症候群も併発してしまったものです。この糖尿病患者がネフローゼ症候群を発症してしまった場合は、合併症の危険があります。主に心臓や脳への影響が出る可能性が高いとのことです。これには十分な注意が必要かと思われます。

この場合もやはりむくみが出やすくなります。よって塩分や水分を控え、時に利尿薬を用いて、不要な水分を排出するようにいたします。この水分を適度に排出しないと、胸部や腹部に溜まることがあります。

それよりも、糖尿病は今やかなりよくなる病気です。以前は甘いものやアルコールが原因とされてきましたが、最近は白米やパンなどの炭水化物が原因とされています。

事実、糖尿病患者は糖質制限食で改善されている例が出てきています。この糖質制限食というのは、ごはんやパンなどの炭水化物を取らないか、一日に取る量を極端に減らし、魚や肉、野菜を中心した食事をすることです。

そうすることで、糖尿病の特徴である高血糖やメタボを改善され、あまり苦労なく改善できるということです。そしてその効果もかなり高く注目を浴びている健康法の一つです。

今までは、糖尿病というと、インシュリンを打つとか、甘いものを控えるということでしたが、医学的な処方をせずに改善できることが広まった要因かと思われます。

このような方法もぜひ参考にされて、お腹が出てきたという前に、お腹が出ないような生活習慣を定着していただきたいと思います。

膠原病疾患

膠原病は、難病に指定されているぐらいのものです。どこが悪いとかの特定できない病気で、多くの臓器が原因不明で悪化するものです。特徴としては、全身炎症性疾患や多臓器疾患と呼ばれる症状を引き起こし、特にこれといった治療法が確定できない厄介な病です。今のところは免疫不全などが理由と考えられています。

ネフローゼ症候群の症状

透析01

むくみ

そのほとんどが足にむくみが出ますが、稀に全身に出るケースや、顔が腫れるケースもあります。血中のたんぱくが減少するために、水分が血管から流れ出てむくみを生じます。

足にむくみが出やすいのは、重力の関係によるものです。これが朝起きた直後などは、まぶたとか胸、顔にむくみがでることになります。

また、糖尿病などが原因の場合は、胸や腹部にも水が溜まり、体重の増加が認められることもあります。

たんぱく尿

腎臓のろ過機能が低下するために、たんぱくが尿から出て行きます。そのためにたんぱくが不足し、水分が血管内に維持できないため、むくみが生じるという訳です。たんぱくが出始めたら、その摂取を制限することを推奨されます。

高脂血症

血中のコレステロールが急上昇することです。この場合は抗高脂血症薬を投与することになります。

倦怠感

全身がだるいといった、倦怠感が強く出ます。血中の塩分濃度が減ることが原因と考えられます。食事制限でも塩分を控えめにするように指示が出るかと思われます。

体重増加

これは、むくみによる体内の水分の増加が原因です。症状が重くなると体重が増えるほどのむくみになります。主に利尿薬で水分を排出するとともに、水分の摂取制限を行います。

下痢・腹痛

むくみが臓器にも及ぶことで、臓器の機能が低下し、下痢や腹痛を引き起こします。主に腸管などでむくみが起きているからです。むくみを改善すると改善する傾向があります。この際の食事は、あまり消化の悪いものは避けることが無難です。場合によっては点滴による栄養補給となります。

食欲の低下

下痢、腹痛同様、むくみが臓器を圧迫し、食欲がなくなります。無理に食べることをせずに点滴の補給がよろしいかと思います。

腹水

重度の症状ですと、腹部にも水が溜まります。主に糖尿病を引き起こしている患者に多い症状です。この場合も利尿剤で排出するようにいたします。

ネフローゼ症候群の治療法

予防薬

ステロイド剤の投与

主な治療法はステロイド剤を投薬します。

短期の場合はあまり気にすることはないのですが、長期に渡り投薬する場合は副作用が問題になってきます。免疫力が落ちたり、身長の伸びに影響が出る成長障害、骨粗鬆症、白内障、顔が腫れて丸くなるムーンフェイス、情緒が不安定になったりとかなりの影響を受けます。

この投薬でかなり良くなりますが、かなりの率で再発いたします。

食事療法

食事療法として塩分の制限が必要になります。むくみをひどくさせないために行うもので、体内の塩分濃度が高いと必然、体内に水分をため込むことになります。

それを防ぐためで、それでもむくみが治まらないようでしたら、利尿効果の高い薬を併用します。むくみは内臓などの負担をかけます。それに胃腸などがむくんでいると食事も多く取れない傾向があります。

また、利尿作用のある薬はタイミングを考えて摂取しないと、夜中に行くことが多くなったりしますので、注意してください。

安静、入院

基本的には安静が第一です。子供の場合は学校を休学させて、入院治療の場合となるケースがあります。これに関しては特効薬がなく、短期での治療効果はあまり期待できません。病状にあった治療法を長期に渡って行うことになります。

ネフローゼ症候群の予防法

睡眠

安静が必要になるのですが、予防にしろ、発症中にしても充分な睡眠が必要です。身体をあまり動かさないために睡眠はとりづらいかもしれませんが、臥床しているだけでも充分な休養になります。

また、腎臓等が機能を回復するためにも十分な睡眠が必要です。ただ、眠れないからと、睡眠薬を飲んでまで無理に眠ろうとしなくても構わないと思われます。逆に睡眠薬など薬は、身体に負荷をかけてしまいます。妙にだるくなったりすることもありますので注意が必要です、

過労を避ける

過労と言っても、あまり激しい運動はできないはずなので、普通にしていれば問題ないかと思われます。ただ、内臓は消化という作業をすることにより、疲労します。消化の悪い食べ物を多く摂取することは避ければ、内臓疲労は軽減されます。

内臓疲労は、睡眠と非常に深い関連性があります。一般的に一回の食事は3時間の睡眠が必要なくらいの疲労が内臓にかかります。その辺を考慮しての食事を心がけてください。

身体を温める

人の身体はある程度の温度がないと、機能しないようになっています。通常の平熱は36度から36.5度が理想なのですが、現代の人は35度代の人がかなりいます。

そうなると、病気にもかかりやすくなります。風邪を引いて熱を出すのも、菌を高熱で殺すためです。この熱が低いと菌も死なないどころか、ますます繁殖してしまいます。

ちなみに人の体温が1度下がると免疫が30%も落ちるそうです。そうなると、病気になりやすいというのがはっきりとわかるかと思います。

また、普段から運動をしないと、筋肉は簡単に低下しますが、この体温を作るのは実は筋肉です。ウォーキングでも筋肉は維持できますので、意識的に身体を動かすことをするのが望ましいかと思われます。

まとめ

いかがでしたか。内臓がからんだ病気は、眼に見えない形で身体を蝕んでいくので、本当に怖いですね。不可抗力での病気は、子供がかかってしまうと、ある意味気の毒ではありますが、このネフローゼはどうやらよくなるので安心です。

ただこの病気、大人がかかるには、やはりそれなりの理由があるからだと思います。二次性のものに関しては、糖尿病とかもともと通常の生活習慣を守っていれば本来はかからない病気です。なってしまったものはしょうがありませんが、治ってもすぐ再発するようなことは、避けるようにしていただきたいものです。

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