生理前になるとトイレが近くなる。残尿感がある。など女性の方なら一度は思い当たることがあるのではないでしょうか?
普段はそんな感じはしないのに、生理前になるとこのような症状が起こるのはどうしてなのでしょうか?
生理前の頻尿について、自分でできるケア方法やちょっとした工夫でこの生理前の症状を快適に乗り切るコツなど女性にとって大切だけどちょっと気が重い生理前の頻尿についてまとめてみました。
生理前に頻尿になる原因
生理前になると頻尿になるのはなぜなのでしょう?
頻尿とは?
頻尿とは、トイレが近くなったり、尿の回数が多い症状のことをいいます。
一般的に起床から就寝までの排尿回数は多くて8回程度といわれます。そして排尿回数がその8回を超えて多くなると頻尿とよばれます。
しかし多くの方は自分の排尿回数など数えたことがないのではないでしょうか?また排尿回数はその日の体調や飲用物などの違いなどから変わることもあります。
なので、あくまでもこの回数は目安として数日の間にいつもよりトイレに行く回数が多くなったと思ったり、トイレに行かずにはいられない残尿感がある場合はこの8回未満でも頻尿といえます。
黄体ホルモンとは?
生理前の頻尿の原因として考えられる一番の原因は女性ホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)です。
プロゲステロンは、排卵の後から生理が始まるまでの期間に多く分泌されるホルモンです。主に排卵された卵子が子宮内膜に着床しやすいように内膜を厚くしたり、体温を上げて子宮内の状態を卵子が育ちやすい環境に整えます。
またその働きは女性の身体に大きく影響を及ぼします。卵子がよく育つように女性の身体はこの時期に栄養分や水分を蓄えるように働くのです。その結果、生理前のこの時期は体重が増えたりむくんだりすることがあるのです。
また子宮内で卵子が安全に育つように子宮周辺の筋肉の活動を抑制することがあります。それが膀胱などにも影響します。さらにこのプロゲステロンは利尿作用も持ち合わせているために尿の分泌も増えます。膀胱の周りの筋肉活動が抑制されて、その上尿の分泌も増え膀胱に溜まるのですから、頻尿になるのは必然ですね。
月経前症候群とは?
黄体ホルモンであるプロゲステロンは、分泌量によって頻尿以外にも身体の様々なところに不調をきたします。
その総合的な名称が月経前症候群です。
月経前症候群とは、女性ホルモンのバランスが整っていない状態から起こる不調で、頻尿のほか、生理前の時期に頭痛がしたり、寒気や倦怠感、吐き気などがする。食欲が止まらないようになったり、便秘や下痢などの症状が出るなど、頻尿以外にも人によってさまざまな症状が現れます。多くの女性が程度の違いはあれど悩んでいるものです。
この症状はプロゲステロンの分泌量が多いほど悪化するといわれています。月経前症候群の症状を和らげるには、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスをとることが必要になります。
妊娠初期の可能性
まれに生理前の頻尿だと思っていたら妊娠していた。なんていうこともあります。
妊娠初期の16週ごろまで、頻尿になる妊婦さんが多いことをご存知ですか?その理由は妊娠すると女性ホルモンのプロゲステロンの分泌量が多くなり、膀胱付近の筋肉の働きを抑制したり利尿作用で尿の量が増えたりするほか、腎臓の働きが活発になります。その結果、尿の排出量も増えて頻尿になるのです。心当たりのある場合は早めに妊娠検査をしましょう。
生理前の頻尿を我慢しないで
生理前に頻尿になるのは仕方がない状況だとしても、仕事や周りの目が気になるからといってトイレにいくのを我慢しないでください。
膀胱炎になる可能性
頻尿になるとトイレに何回も行くことになります。夜は自宅なので気になりませんが昼間だと働いていたり、周りの人の目が気になってトイレに行く回数を減らしてしまったりしていませんか?そのようなことをしていると、膀胱炎になってしまいます。膀胱炎は女性のなりやすい疾患としても有名です。
膀胱炎の特徴は、
①日に何度もトイレに行きたくなる
②排尿後に痛みを感じる
③残尿感がある
④尿が白く濁る、または血がまじった尿がでる
などです。
頻尿とあわせて痛みや残尿感があるときは膀胱炎を疑ったほうがよいでしょう。
またこの膀胱炎が悪化すると、残尿感のほか排尿時の痛み、さらに下腹部に常に痛みを感じるようになったりしてつらい思いをします。そのままにしておくとさらに腎盂炎や腎臓疾患に発展しかねない症状ですので、早めに対応の医療機関に受診することをオススメします。
生理前の頻尿で気をつけたいこと
生理前の頻尿は期間としては短いものかもしれませんが、毎月になるとちょっと気が重いですね。なるべくトイレに行かないようにしてしまうと膀胱炎になる可能性もあるので、対処の仕方が難しいと思うのですが、ここでは生理前の頻尿で気をつけたいことをあげてみました。
①利尿作用のある飲料や食べ物を控える
コーヒーや紅茶など利尿作用のある飲み物や食べ物を食べることによって、残尿感をスッキリさせたいと思うかも知れませんが、それは逆効果です。
もともと黄体ホルモンのプロゲステロンの影響で、利尿作用の高まっている中にさらに追い討ちをかけるような行為は、さらに頻尿を悪化させてしまいます。またカフェインには自律神経を乱す要素もあるので、さらにホルモンバランスが乱れ症状を悪化させてしまう可能性があります。この時期はカフェインなどの飲み物や利尿作用のあるものの飲食は控えたほうがよいでしょう。
②水分をきちんととる
トイレに行く回数を減らすために水分を取らないで我慢される人がいます。それはやめましょう。
人間の身体は常に新陳代謝しています。身体の水分量が低下すると新陳代謝も低下し、血流も悪くなり血がどろどろになります。こうなってしまうと頻尿以外にも別の疾患を招く可能性もあります。きちんと喉が渇く前に適量の水分を補給しましょう。
また、必要以上に汗をかいてトイレに行く回数を減らそうとする方もいます。そのときも水分はきちんととりましょう。汗をかいて水分を取らないと血液がどろどろになるほか、脱水症状を起こしてしまう可能性があります。
日常生活でできる生理前の頻尿の予防法とは?
このような生理前の頻尿は、事前に予防することができるのでしょうか?
黄体ホルモンの働きをコントロールしましょう
生理前の頻尿の原因の一番はプロゲステロンだとわかりました。それならこのプロゲステロンの分泌量が必要以上に増えなければよいのです。
女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンのバランスで成り立っています。このバランスをうまくとることで月経前症候群の症状の緩和や頻尿の予防にもつながるといわれます。
①自律神経のバランスを整える
自律神経のバランスを整えることでホルモンバランスも整います。早寝・早起きをして食事の時間も規則正しくする。体内時計のリズムが整うことで自律神経のバランスも整います。まずは規則正しい生活習慣を取り戻しましょう。
②ストレスを解消する
身体や心のストレスは女性ホルモンに大きく影響します。
精神的なストレスを解消してください。しかし、その解消法も暴飲暴食やアルコールの過剰摂取、たばこなどの身体に負担をかけるようなものではいけません。
特に、アルコールやたばこの過剰摂取は血流を悪くさせホルモンバランスを崩すだけでなくそのほかの疾患も引き起こしかねません。まずは心も身体もストレスの少ない状態にもっていくことが大切です。
③ホルモン薬
月経前症候群のひどいときやホルモンバランスの乱れが激しいときなどは、医療機関によっては低用量ピルなどのホルモン薬が処方される場合があります。
長期間の使用には定期検査やその他の心がけが必要ですが、短期間の症状改善には効果があります。対応医療機関のお医者さんに相談してみてもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
毎月の生理前の頻尿はとても気が重いですよね。たとえ短期間の我慢でもすこしでも快適に過ごし健康になるために身体の中からケアをしましょう。
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