膀胱に炎症が引き起こってしまい、排尿時に痛みや違和感を感じてしまうのが膀胱炎です。特に、女性や高齢者が発症することが多いのが特徴です。
排尿は、1日に何度も行うので痛みが発生するのはとても辛いですよね。正常な場合でも1日に7回ほどの排尿を行います。この排尿時すべてで痛みやら違和感やらを感じてしまうことになってしまいます。
早めに治すことが症状の悪化を防ぐためには必要です。膀胱炎はどのようにして治すことが出来るのでしょうか?自然治癒は可能なのでしょうか?
今回は膀胱炎の治し方についての記事を書いています。排尿時に痛みを感じている人や、自分が膀胱炎だと思っている人は是非読んでみてください!膀胱炎の対策方法や改善法について紹介していきます。最後まで読んで膀胱炎の症状を回復していきましょう。
膀胱炎とは?
まず最初に、膀胱炎がどういったものなのかを知っておきましょう。初期症状をしっかり把握しておき、症状が引き起こった際はいち早く対策法を打てるようにしておきましょう。
早期発見早期治療が症状を悪化させない一番の解決法になります。症状が重症化してしまいさらに炎症が深部や広範囲に及んでしまって場合は自己治療では完治は難しくなります。
さらに症状は悪化し手術を行わなければいけない状態にまで悪化してしまうことになるので注意しましょう。
・症状
膀胱炎の症状について紹介します。排尿時の痛みだけでは無いので、症状をしっかり把握しておきましょう。
・排尿時の痛み
・トイレに行く回数が増える頻尿
・残尿感を感じる
・排尿の終わった後になんとなく違和感を感じる
・尿に血が混じったり、白く濁ることがある
といった症状が挙げられます。特に初期症状として、トイレに行く回数が増えるのに関わらず残尿感を毎回感じるといった症状があります。この症状が続いた後に痛みを感じだすことが多いので、なかなか初期の段階で膀胱炎に気づく人は少ないといえます。
男性よりも女性の方が膀胱炎になる割合が多いとされています。
時には血尿を伴う場合もあり、血尿が引き起こっている場合は炎症により膀胱内の壁が傷ついてしまい、膀胱から出血が引き起こっていることになります。さらに痛みの症状はヒリヒリとした痛みやジンジンするような焼き付けるような痛みというのが特徴です。
特にもっとも泌尿器科などの病院へ足を運ぶ発生確率の多い病気は急性膀胱炎という細菌感染による膀胱炎の種類になります。この膀胱炎でもっとも大きな症状が「尿の白濁」「頻尿」「排尿痛」の3つの症状になります。この3つの注意すべき症状に加えて上記の違和感などの問題を感じた場合は膀胱炎の可能性があることを覚えておきましょう。
膀胱炎の種類について
膀胱炎といっても様々な種類があるので、自分がどの膀胱炎になっているか知る必要があります。膀胱炎の種類によって原因となる問題が変わってきます。
感染経路や原因となる菌などとの接触がなかったかで自分がどの膀胱炎の症状に当てはまるのかを自己診断していきましょう。病院へ行かない場合はこの自己診断の判断が重要になります。誤った判断では症状を悪化させてしまったり、治療を長期化させてしまったりするので十分慎重に行いましょう。自分の体のなりやすい病気の傾向や状態をしっかり把握しておくことも重要になります。
自身のない場合はしっかり泌尿器科などの病院へ行くようにしましょう。
・急性膀胱炎
世間的に膀胱炎と呼ばれているのは、この急性膀胱炎である場合がほとんどです。膀胱炎の中でももっとも発祥の確率の高いものになります。
細菌が膀胱内に侵入することで発症するのが原因です。体が健康な状態であれば、膀胱に侵入した細菌を排尿によって体外に排出することが出来るのですが、体の抵抗力が落ちている場合などに急性膀胱炎が起きてしまうことがあります。そのため、菌が膀胱に侵入したからといって、絶対に膀胱炎になるとは限らないのです。しかし、体が弱っている時に排尿を我慢してしまうと、菌が膀胱に侵入しやすくなるので注意しましょう。
症状としては、上記の症状に加えて微熱が発生する場合があります。トイレに行く回数が増えた場合は急性膀胱炎の可能性を疑いましょう。
原因となる菌は尿道を通って膀胱内に侵入していきます。女性の場合はこの侵入経路である尿道の長さが男性の尿道に比べて短いことが関係して感染症状が起きやすい傾向があります。
性交渉によるクラミジアの菌が感染してしまう場合や便を排出した後に拭く作業を行う時に肛門と膣の距離が近いために大腸菌などの雑菌が尿管の先端付近に付着してしまうことが大きな原因となります。
この急性膀胱炎は女性の5人に1人は人生に1度はかかると言われている症状になります。特に20代〜40代の女性は妊娠や生理や生行為などの関係で症状が頻繁に発生しやすい状況が続いてしまうので十分注意しましょう。
・慢性膀胱炎
急性膀胱炎と比べると、症状が軽いのが慢性膀胱炎です。さらに慢性膀胱炎の中でも2つの種類の膀胱炎に分けられています。一つ目が慢性複雑性膀胱炎の細菌性のものです。
慢性複雑性膀胱炎(細菌性)
あまりひどい痛みを感じることはありませんが、治療にかかる時間が長くなってしまうのが特徴になります。急性膀胱炎から長期間症状を引き起こしている場合や頻繁に急性膀胱炎を日ここしている場合に慢性膀胱炎へなってしまうことがあります。
症状が軽いために、なかなか自分で気づくことが難しいのが難点です。病院などで処方される抗菌剤に抗体を持った菌が体内に存在することで抗菌剤の効果が現れず症状が慢性化してしまうことが原因です。
さらに、他の基礎となる病気が原因でこの慢性複雑性膀胱炎が発症してしまうこともあります。その基礎疾患となるのが、糖尿病、膀胱結石、尿管結石(尿路結石)、腫瘍、前線肥大などの病気が原因になります。これらの病気が基盤となり、粘膜に傷がつきやすかったり、尿管や膀胱が刺激されたり、菌が繁殖しやすい環境が整うことで慢性の膀胱炎になりやすくなります。
これらの原因となる病気を持っている場合で膀胱炎になってしまった場合は早めに泌尿器科などの病院へ行くようにしましょう。
非細菌性慢性複雑性膀胱炎
この非細菌性の膀胱炎は基礎疾患となる病気が認められず、原因となる病原菌も確認されず細菌のよる感染が認められないのにもかかわらず慢性膀胱炎と同じような症状が引き起こっている場合に診断される膀胱炎になります。
この膀胱炎も女性に多いとされているもので、尿検査などでは原因となる異常が発見できないので心因性、精神的や気のせいなどの誤診により症状が複雑化してしまいやすい症状でもあります。
現時点でも原因が不明な病気でもあり、治療が困難になることの多い症状になります。1日に30回以上トイレに行く、恥骨を中心とした下腹部の激痛がある、下肢部の痺れ、外部から肛門にかけての痛みなどの症状が基本的な膀胱炎の症状に加えてあります。
もし、心療内科や精神科などの病院への転科が促された場合は他の膀胱炎に精通している信頼できるであろう病院へセカンドオピニオンとして診断を受けることをおすすめします。
安易に抗精神薬などを処方する医師は患者を追い詰める傾向があるので十分注意しましょう。
・間質性膀胱炎
上皮と筋肉の間にある「間質」という部分が炎症を起こしてしまうことで発症するのが間質性膀胱炎です。
間質に炎症が起きてしまうと、膀胱の筋肉が萎縮するために膀胱が上手く膨らまず、尿を通常の半分以下しか溜められなくなります。さらに膀胱で炎症が起きているので、尿を我慢していると痛みが発生します。
詳しい原因が分かっていないため予防するのが難しいといえます。他の膀胱炎に比べて、強い痛みが発生しやすく辛い膀胱炎です。
・出血性膀胱炎
文字通り、血が混じった尿が症状として現れる膀胱炎です。
特に子供が発症しやすく、「アデノウイルス」というウイルスが原因で発症します。排尿時に痛みを感じ、血尿が出るので驚いてしまう子供も多くいると思われます。アデノウイルスに効果的な薬は発明されていないために、出血性膀胱炎は排尿を繰り替えして自力で治さなければなりません。水分摂取をしっかりとってトイレに行く回数を増やす必要があります。
もちろん他の病気の可能性もあるので、血の混じった尿が出た場合は病院へ行って診察してもらった方がよいでしょう。
膀胱炎の治し方について
では、膀胱炎の治し方について紹介します。症状や膀胱炎の種類によって治療方法が変わってくるので注意しましょう。
膀胱炎は自然治療出来るのか?と言う疑問に対しては、全ての膀胱炎が自然治療出来るわけではありません。場合によっては病院での抗生物質や抗炎症剤などの力を借りないと症状が良くならない事もあります。症状と相談しながらセルフケアを行って症状の経過を観察していきましょう。
・急性膀胱炎の場合
症状が軽い場合は自力で治すことができます。膀胱に菌が侵入しているので、トイレに行く回数を増やしてなるべく膀胱に尿が溜まらないようにしましょう。排尿という行為は、膀胱に溜まった菌を外に排出する役割があります。さらに、体の抵抗力を落とさないように睡眠時間を長めにとったり、体を冷やさないように注意しながら生活しましょう。
排尿時に痛みを感じるので、トイレに行くのを我慢してしまう人もいますが、治りが遅くなる場合や症状が悪化したり、慢性膀胱炎を引き起こしてしまう可能性があるので止めましょう。
以上のような行為を続けても症状が一向に良くならない場合は、泌尿器科や内科などの医療機関を受診するようにしましょう。
急性膀胱炎が膀胱炎の中では自然治療が出来やすい傾向があります。症状を発症した2〜3割の患者は2週間ほどで自然に治ってしまったという報告もあります。
・慢性膀胱炎の場合
慢性膀胱炎はいきなり発症する場合と、他の病気の症状によって引き起こされてしまう場合があります。
急性膀胱炎を何度も起こしてしまい慢性膀胱炎になった場合は、抗菌薬によって治療することができます。症状が軽い場合は、なかなか慢性膀胱炎であることに気づくのは難しいですが、何度も違和感を感じる場合は一度泌尿科へ行くようにしてください。もちろん与えられた薬は全て飲み切るようにしましょう。
慢性膀胱炎の症状が他の病気によって引き起こされている場合もあります。
・前立腺肥大症
・前立腺がん
・膀胱がん
・糖尿病
などが挙げられます。これらの病気が起きている場合は、尿がなかなか出なかったり、何度も膀胱炎の症状が繰り替えられるといったことがあるので注意してください。
上記の関連する4つの病気についての記事を紹介しておきますので、合わせて参考にしてみてください。
・前立腺炎ってどんな病気?症状や原因、治療法や検査方法を知ろう!
・間質性膀胱炎の場合
間質性膀胱炎は、完全に治療するのが難しいために、症状を緩和するのを目的として治療するようになります。
病院へ行ってもなかなか間質性膀胱炎と診断されることがないために、急性膀胱炎の治療を受けるのですが、それでも症状が良くならないときに間質性膀胱炎だと診断される場合が多いのです。
間質性膀胱炎の症状を緩和するために病院で施される対策を紹介します。
水圧拡張
萎縮したしまった膀胱を水圧によって膨らませるという治療です。しかし、症状が悪くなると何度も水圧拡張を受けないといけなくなるといったことがあります。
薬物療法
薬によって治療する方法です。症状によって適切な薬を処方してくれますが、完全に間質性膀胱炎を治すのではなく、症状を緩和することになります。
手術
水圧拡張や薬物療法を行っても、症状が改善されない場合に行う手術です。しかし、滅多に行うことはなく、慎重な検討により決断されます。
膀胱訓練
自分で行う水圧拡張です。トイレに行きたくなった時に、我慢して排尿する回数を少しづつ減らしていく手段です。排尿日誌をつけて、どれくらい効果が現れているかを確認しながら行いましょう。
・出血性膀胱炎の場合
上記で紹介したように、アデノウイルスが原因により出血性膀胱炎が起きた場合は、薬が発明されていないので自然治療を待つ必要があります。水分の摂取量を増やしてトイレに行く回数を増やしてください。さらに、抵抗力が落ちないように睡眠時間を多く取りましょう。数日経つと痛みが徐々に緩和されていき、症状が改善されます。
その他の原因としては、食物アレルギーが原因で出血性膀胱炎になる場合もあります。治し方は同じになりますが、原因となった食物は避けるようにしてください。
出血性膀胱炎に関する個別の記事がありますのでこちらの記事も合わせて参考にしてみてください。
・出血性膀胱炎とは?症状・原因・治療法を紹介!どんなウイルスが関係してる?
セルフケア方法
上記の膀胱炎が引き起こっていしまった場合に自分でできるセルフケア方法としては、性的接触を避ける、排便後に尿道付近は清潔にする、刺激性のあるアルコールや辛いものや香辛料などの食事は避ける、水分を十分に摂取する、下半身を保温する、栄養のバランスの取れた食事を摂る、ホルモンバランスを整えるためにしっかり睡眠をとる、免疫力を高めるために体温を高くするなどの生活習慣を改善する方法が有効でしょう。
しかし、セルフケアでも症状の回復が確認されない場合は早めに病院へ行くことが肝心です。排尿痛や頻尿などの症状がひどくなると、夜間に何度も尿に起きてしまい睡眠障害などの問題も引き起こっていしまいますので睡眠不足などの問題も引き起こり免疫力や体力が低下し、更に状況が悪化してしまう事もあります。十分注意しましょう。
まとめ
膀胱炎の症状
・排尿時に痛みがある
・トイレに行く回数が増える
・残尿感を感じる
・血尿が出たり、白く濁った尿が出る
膀胱炎の種類
・急性膀胱炎
・慢性膀胱炎
・間質性膀胱炎
・出血性膀胱炎
膀胱炎の治し方
・急性膀胱炎の場合
症状が軽い場合は、膀胱の菌を排尿により排出する
・慢性膀胱炎の場合
抗菌薬により治療する
・間質性膀胱炎
完治させるのは難しく、症状を緩和する治療を病院で受ける
・出血性膀胱炎
薬が発明されていないので、水分を多くとってウイルスを排出する
以上が今回の記事のまとめになります。
膀胱炎の治し方は症状や膀胱炎の種類によって変わりますが、違和感を感じた場面で膀胱に侵入した菌を排出すれば自力で治すことはできます。
排尿するときに痛みを感じるので、トイレに行くのをためらってしまいますが、菌を排出できるので積極的に行きましょう。それでも症状が改善されない場合は、泌尿器科や内科を受診しましょう。
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