鎖骨の痛みの原因を紹介!考えられる病気は?

鎖骨に痛みを感じることがありますか?腕を動かした時に電気のように痛みが走った。慢性的に鎖骨周辺に痛みが発生している。などの症状を抱えている場合の原因には何が考えられるでしょうか?

鎖骨はリンパやたくさんの神経が通っている箇所なので、ただの痛みだけではなく大きな病気が潜んでいる可能性があります。

また、胸や肩や首などの筋肉とつながっていることで関連痛が発生している可能性もあります。

ここでは鎖骨周辺に違和感や痛みを感じる場合に考えられる病気、原因についてお伝えしていきます。問題が発生している人は参考にしてみて、必要な場合は専門家のいる病院での検査を行っていきましょう。

鎖骨が痛いとき、考えられる原因と病気

鎖骨 しこり

鎖骨に痛みを感じる際の原因を紹介します。その痛みの原因によって何かの病気が潜んでいる可能性もありますので、それぞれ何の病気が考えられるか明らかにしていきましょう。

肩こり

鎖骨の痛みの多くは肩こりが原因といえます。

鎖骨は両肩をまたぐ骨の為、肩こりによって鎖骨がゆがむ事で痛くなるという事です。

肩こりからくる鎖骨の痛みをそのままにしておくと、頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきん)症候群といって頭痛やめまいなどを伴う疾患になる恐れがあります。

マッサージや整体などで肩のコリをほぐしましょう。

また、同じ姿勢は肩こりを悪化させますので、お仕事でPCを操作しているときやプライベートでスマホを見るときは、たまに違う姿勢を意識することも大切です。運動や温めて血行を良くすることが解決に有効な手段になりますので、血行を良くする対策を行ってください。

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

胸郭とは鎖骨と一番上の肋骨の間の部分を指します。この出口には、心臓から腕に向かう動脈、神経の束、腕から心臓に帰っていく静脈といった3つの大切な器官があります。

この大切な器官が圧迫することで肩甲骨周辺や腕・手指にしびれやだるさ、痛みの症状が出る疾患が胸郭出口症症候群です。

症状が進むと筋力低下、特定姿勢時だけに症状が悪化することで生活や仕事に支障が出てしまいます。

鎖骨が痛む以外の症状として

  • 慢性的にひどい肩こりがある
  • 手の中指~小指に妙な違和感が続いたり、痺れを感じる。
  • 重いものを持つと症状が悪化する
  • 同じ姿勢や首・肩・腕を特定の位置(パソコンのマウス操作など)にすると痛みが増して辛い。

が挙げられます。

胸郭出口症候群は胸郭出口の狭い、なで肩の人に多くみられる疾患といわれています。

健康な人は鎖骨が方に向かって上がっているのに対し、胸郭出口の狭い人は鎖骨がハの字になっているのが特徴です。

治療法について

治療としては整体などで温熱治療などを行う方法がありますが、主に効果があるとされているものとして姿勢矯正と運動療法を行う方法もあるそうです。

姿勢矯正は下がった鎖骨と肩甲骨を持ち上げる「バンド」を使います。

バンドは、保険適用されますが市販されておらず整形外科の医師の処方が必要になります。
市販はされていませんので、まずは整形外科で受診された後にバンドで姿勢を矯正するといった流れで治療を勧めます。

さらに運動療法で鎖骨を持ち上げる筋肉を鍛えます。

試して頂きたいのが、わきを締めて壁をぐっと押す「壁押し運動」と呼ばれる運動です。1セット20回程度を1日4~5セットが目安といわれています。

こうした治療を3ヶ月程行うと胸郭出口症候群はかなり改善されるそうです。

とはいえ、重症の場合は手術が必要なケースも考えられますので、まずは整形外科できちんと受診される事をお勧めします。

気胸(ききょう)

気胸とは簡単に言うと、肺の外側に空気が漏れる病気のひとつです。

2012年9月にナインティナインの矢部さんが緊急入院したことで名前を聞いた方も多いのではないでしょうか。その他嵐の相葉さんや佐藤健さんもかかった事があるそうです。

気胸にはさまざまな種類がありますが、鎖骨が痛むといった症状がある場合2つの気胸が考えられます。

(1)自然気胸

「肺気胸」とも呼ばれる気胸で、矢部さんが侵された気胸もこの自然気胸だそうです。

鎖骨が痛む以外の症状は以下の通り。

  • 息を吸っても吸えていないような感じがする、息苦しい
  • 咳が長引いている
  • 肩甲骨のあたりが痛い
  • 背中に痛みがはしる

また、自然気胸になりやすい人の特徴として

  • 身長170cmくらいでやせ形の男性
  • 身体的、精神的ストレスを抱えている人
  • 最近人間関係や環境の変化があった人
  • 喫煙習慣のある人

が挙げられます。

初期段階では安静にしたうえで自然治癒させることもできます。体調が悪いと思い横になっていて、気胸に気づかず自然治癒することも多い病気になります。

気胸なのに無理をして症状が重くなってしまったり、何度も再発する場合は手術の可能性もあります。再発率が高い病気でもありますので、痛みの症状を認識しておいて気胸が発生しているかどうかの判断が出来るようにし、症状が発生しているときは無理をしないようにして対策しましょう。

(2)月経随伴性気胸

子宮内膜症が原因で起こる気胸です。

症状としては

  • 生理前後や排卵前後に息苦しさや胸、背中の痛みを感じる
  • おじぎをするなど体を動かすと、鎖骨や背中のあたりで「ゴボゴボ」「ポコポコ」と変な音がする
  • 息苦しさを感じる
  • 咳が長引く

中でも月経随伴性気胸は鎖骨に激しい痛みを感じる事が多く、9割は右の鎖骨や胸に違和感と痛みが発生します。

発症年齢は20台後半から閉経までと長い期間ですが、30台後半がもっとも発症しやすい時期といわれています。

自然気胸と違い、基本は呼吸器外科による手術またはホルモン投薬で治療していきます。放置していると呼吸困難がどんどんひどくなる病気ですので、呼吸器外科でまずは診察しましょう。

気胸については、肺に穴が空く病気って?原因や治療方法を紹介!を参考にしてください。

頚椎ヘルニア・頚椎症

頚椎ヘルニア、もしくは頚椎症、頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれる症状によって首に発生している痛みが、鎖骨周辺にも及んでいる可能性があります。

頚椎は背骨から繋がる1本の長い連続した骨の繋がりで、首に当たる部分の骨のことをいいます。頚椎と呼ばれる7つの骨が椎間板をサンドイッチ状に挟んで縦に繋がっています。

主に老化によって、この椎間板が圧迫されて外に飛び出してきたり、靭帯が硬くなったり、椎間板が変形することで痛みなどの症状を発生させます。

肩、首、腕にかけて痛みが広がるり運動制限などが発生するようになります。

最悪の場合には、四肢の感覚の異常や歩行困難などに繋がってしまう事もあります。どちらか片方に特に強く痛みを発生させやすい特徴がありますので、左右非対称に痛みが発生している、特に首からの痛みが確認される場合にはこの病気の可能性を疑いましょう。

肋間神経痛

肋骨に沿って走る神経がに痛みを感じる症状の事を肋間神経痛といいます。

基本は肋骨にそった痛みが症状として現れます。

しかし鎖骨と肋骨は近い為、鎖骨が痛いと感じていたのが実は肋骨に痛みが発生していたというケースもあるそうです。

鎖骨の痛み以外の症状としては

  • 胸や背中が慢性的に痛い、または動作をするたびに痛む
  • 口の中が苦い
  • あばら部分に刺すような痛みがあり、夜になるとひどくなる

などが挙げられます。

肋間神経痛の原因は主にストレスと言われています。

直接の原因は筋肉による神経の圧迫ですが、この筋肉がストレスによってバランスの悪い緊張状態となった状態のときに、肋間神経痛の症状が出るそうです。

肋間神経痛にはさまざまな種類があり、レントゲンを撮って種類を確認してからそれぞれの治療が始められます。

投薬や神経ブロック注射などで症状を改善するものが多いようですが、まずはどの肋間神経痛なのか見極める必要がありますので整形外科で相談するところから始めましょう。

肋間神経痛については、肋間神経痛はストレスが原因なの?治療方法は?を読んでおきましょう。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)性骨関節炎

掌蹠膿疱症とは手のひら、足の裏に多数の赤い点やちいさな水ぶくれができる疾患です。

この疾患が骨に対して症状が出た状態を掌蹠膿疱症関節炎といい、掌蹠膿疱症の合併症といった位置づけになります。

症状としては

  • 鎖骨や胸骨、後頭部、背中に激しい痛みがある
  • 痛みと前後して、手足に水ぶくれ、赤い発疹が出る

なかでも鎖骨や胸骨の痛みはかなり激しく、ドリルでえぐられていると表現する患者さんもいるほどです。

合併症の為、大元である掌蹠膿疱症の治療を行う事になりますが、痛みが激しいためまずはロキソニンなどの鎮痛剤を投薬します。

その後ビオチンと呼ばれる皮膚の健康を保つ役割のお薬で治療していきます。

掌蹠膿疱症については、掌蹠膿疱症の原因はストレス?治療方法も紹介!を参考にしてください。

狭心症・心筋梗塞

狭心症、心筋梗塞は心臓を動かす筋肉に血液を送っているパイプが詰まってしまうことで心臓は血液不足となり、最悪の場合死に至るケースもある恐ろしい病気です。

狭心症の鎖骨の痛み以外の症状としては

  • 胸の中央、あるいはやや左のところに締め付けられるような痛みを感じる
  • 左肩の肩こり
  • 歯の痛み
  • 喉の締め付け感
  • 胸やけ

があげられます。

狭心症は一時的な詰まりに対し、心筋梗塞は心臓への血流がほとんど止まってしまいます。

特に安静にしていても狭心症の発作が出てしまう方は心筋梗塞になる可能性が高いと言われていますので気を付けましょう。

心筋梗塞の症状としては

  • 左胸を中心に非常に強い圧迫感や締め付けられる痛み
  • 肩や背中、首に激しい痛み
  • 吐き気、冷や汗

予兆としては

  • 吐き気
  • 虫歯ではないのに奥歯や下あごが痛む
  • 左手の小指が痛い
  • 呼吸困難や息切れ

また朝9時~10時または夜7時~10時の間、肥満傾向の中高年男性に発症しやすい病気です心筋梗塞はスピードが命です。前兆かなと思ったら我慢せずすぐに救急車を呼びましょう。

心筋梗塞については、心筋梗塞の前兆は?症状を知って適切な処置を!を参考にしてください。

神経鞘腫

神経鞘腫とは神経のそばに発生する良性の腫瘍です。悪性のものとは違うのでがんではありませんが明確な原因は分かっていません。

鎖骨にこぶが出来、そのこぶを押すと痛む場合は神経鞘腫の可能性があります。

小さいうちになくなってしまう事も多いので、ほとんどは経過観察になりますが我慢できない痛みを伴う場合は手術を行うケースもあります。

手術を行い、腫瘍を取り去ったあとは再発する事がありません。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは、リンパ組織ががん化して起きる病気です。鎖骨にもリンパがあるため、しこりなどがある場合は悪性リンパ腫の可能性もあります。

症状としては

  • 首やわきの下、股の付け根に腫れや痛み、しこりがある
  • 体重が減る
  • 寝汗がひどくなる
  • 身体が疲れている
  • 発熱が一週間以上続く

などが挙げられます。

その他鎖骨に悪性リンパ腫が出来る人の多くに、乳がんからの転移があります。

悪性リンパ腫は症状から判断するのがとても難しい病気ですので、もし鎖骨にしこりや痛みを感じた場合すぐに受診するようにしましょう。

がんの治療は、早期発見がカギとなります。リンパ腫の良性、悪性の違いは?症状や原因についての記事を読んでおきましょう。

鎖骨骨折

主に子供に見られる骨折ですが、多くは直接鎖骨に何かがぶつかったものが原因ではないようです。

小さいお子様が転んでしまったとき、手やひじを地面につきますよね?その手やひじに伝わった力が鎖骨に負担をかけて折れてしまうことが多いという話です。

具体的に鎖骨のどの部分が折れやすいかというと、そのほとんどは鎖骨の中央3分の1の所で発生します。

骨折すると、両方の鎖骨のバランスが崩れ、ずれた状態になるため肩幅が狭くなります。

鎖骨に痛みがある、腕を動かすと痛む場合には鎖骨骨折の可能性があります。三角巾などですぐに固定し、病院に行きましょう。

肋骨が動かない様に包帯やギプスを付ける治療法がとられますが多くは1ヶ月前後で完治します。小さければ小さい子ほど完治まで時間が短いようです。

鎖骨が痛い場合の対処法について

怪我の犬

では、原因がわからずに痛みが発生している場合で、病院に行くほどでもないなあと感じている時に出来る痛みに対する対処法を紹介します。

痛みを出来るだけ和らげて、苦痛を取り除いていきましょう。

姿勢を矯正する

上記でも紹介した幾つかの病気ですが、姿勢が猫背であったり、胸郭が狭まっていたり、体に歪みがあることで、痛みが発生する事が多くあります。

ですので、痛みが強く発生してからでは手遅れかもしれませんが、痛みが初期の内に出来るだけ姿勢を良くして歪みや背中の丸まりをなくして、圧迫や歪みによる問題の発生を軽減させましょう。

うつ伏せの状態では寝ない

うつ伏せの状態で寝る、机に突っ伏して寝るなどの体勢は鎖骨に大きな負担をかけてしまいます。ですので、それによって痛みが強くなってしまう事が考えられますので、うつ伏せで寝ることは避けましょう。

体の歪みの原因にもなります。

冷やす・温める

もし、痛みとともに筋肉の炎症など、何かしらの炎症が発生している事が確認される場合は冷やすことが有効です。

逆に凝りや血行不良で痛みが発生している場合は温めることが有効になります。

これを判断する基準は、筋肉の張りや凝り、体が冷えている場合は体を温める。患部が熱を持っている、押すと痛みが強くなる場合には冷やすことが有効になります。

この基準で対処してみて、痛みが和らぐようであれば、数分温め・冷やすどちらかの対処を繰り返していきましょう。しかし、温め過ぎや冷やし過ぎは良くなので10分目安で行って1時間程度間を開けてくりかえすという方法で行うようにしましょう。

痛みを軽減するストレッチ

有効なストレッチ方法を紹介します。

  • まず胸の前で両手を組みます(恋人つなぎ)
  • その状態から腕を上に伸ばして背伸びをします。この時に指は絡めたまま手の平は天井を向けて伸ばしてください。
  • 次に腕を一旦おろして、前に今度は同じように伸ばしていきましょう。
  • 最後に後ろで手を握って肩甲骨を寄せるようにしながら、胸を前にそらします。

これをそれぞれ5秒ずつ行って3セット繰り返すと楽になる場合があります。

病院での検査を

もしこれらの対処法でも症状が回復しない、軽減しない場合は病院での検査をおすすめします。鎖骨の痛みには上記でも紹介したように多くの病気の可能性が考えられます。

慢性的な症状に悪化してしまうと、治療はどんどん困難になりますし、症状も辛くなってしまします。そうならないよう、出来るだけ検査をして病気の可能性がないかどうかをはじめの内に明らかにして、経過を観察することが重要です。

対処法なども専門家に直接診てもらってアドバイスを貰うほうが適切で確実に効果を見込めます。

鎖骨の痛みが発生している場合は、内科、皮膚科、整形外科、神経外科、神経内科、などの中から選択して、症状に適している専門家の元に検査を受けに行きましょう。

出来るだけ詳しい検査が出来るようにCTやレントゲンなどが出来る病院を選択したほうが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ただ「鎖骨が痛いなー」と思っていただけなのに、実は怖い病気だった…という可能性も潜んでいる鎖骨の痛み。

ほとんどは肩こりが原因のようですが、心筋梗塞や悪性リンパ腫だった場合そのままにしていると命に係わる大変な事になってしまいます。

身体からのサインをきちんと受け止めて、定期的にお医者さんと相談する習慣づけも大切ですよ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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